夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−17 気ままにひと言

2007年9月21日  森みつぐ

 9月も下旬になったのだが、本州は相変わらずの暑さが続いている。天気図を見ると、まるで真夏の気圧配置である。ここ札幌は、9月に入ってから、めっきり秋らしくなっては来ているのだが、やはり気温は、少し高めに推移している。
 そんな折、勢力を増していた太平洋高気圧が、秋雨前線を押し上げて、北海道まで真夏の圏内にしてしまった。札幌は、すっかり一月前に戻り、30℃を優に超えた真夏日を記録した。ただ、景色は、コスモスの咲く秋となっている。
 昨年の秋、9月末に当時住んでいた沼津から札幌へと訪れたのだが、そのときの服装は、薄手のジャンパーを着ていた。一年後の今は、札幌で相変わらず半袖のTーシャツを着ている。暖かいことはいいのだが、暑いのはほどほどにして欲しい。ただ、札幌の真夏日は一過性で、明日からは爽やかな秋が戻るようだ。


2007年9月28日  森みつぐ

 昨年度、民間企業で働く労働者の給与が、前年度を下回った。今でも、戦後最長の好景気が続いていると言うのに、これで9年連続で減少したとのことである。
 年収1000万円超の高所得者は、前年より増加した。そして一方、年収200万円以下の低所得者は、1000万人を超え、民間企業労働者4.4人に1人の割合となっている。確実に、給与所得の格差が拡大し続けているのである。
 中でも、低所得者層の増加が問題となる。低所得者層と呼ぶよりも、貧困層と呼んだ方がいいかも知れない。最低限の社会生活を送るだけで精一杯という低所得の労働者を増産することで、企業は好業績を上げている。自民党の進める構造改革は、このような社会システムを構築することによって、日本社会を回復しようとしているのである。格差を拡大することで、日本経済は、そして日本の企業は、これからも伸びようと画策している。


2007年10月14日  森みつぐ

 読売新聞に、「生活保護不正受給90億」と言う見出しがあった。不正件数、不正受給ともに、過去最高になったとのことだった。私は、"不正は確かに問題ではあるが、それだけ苦しい生活を送っている人たちが多くいるのだろう"と思って読んでいた。
 その日の夕方のNHKのニュースで、「生活保護受給世帯数が過去最多の107万5千世帯になった」との報道があった。私は、"高齢化が進んでいることは確かだが、格差拡大によるところも大きいのだろう"と思いながら聞いていた。
 この2つのニュースの元は、厚生労働省から発表された同一資料によるものである。見る視点によって、その内容が全然違っていた。新聞は、生活保護受給世帯数が過去最多について何も論じていない。そしてNHKでは、不正受給について何も語っていなかった。
 情報収集は、やはり多い方がいいとは思っているが、それを仕事にしている訳ではないから、最低でも目と耳とを使って新聞とテレビだけでも、今まで通り気を配ってゆく必要性を感じた一件だった。


2007年11月12日  森みつぐ

 今回、この時期のベトナムを選んだのは、雨季の終わりだからである。去年、11月後半からタイ北部に行って来たが、朝晩は、少し冷えるが寒いようなことはなかったので、ベトナム北部も、1ヶ月早めれば、全く問題ないと思っていた。
 到着してから1週間と少しの間、天気も良好で、やはり朝晩は、冷えるが、採集には問題がなかった。前半の旅が終わり移動日になると天候が崩れ、雨になった。"明日も移動日なので、その後、天気が良くなればいいや!"と思っていたら、その町では、天気は回復せず、3日目もぐずついた空となった。雨が降ってなかったので場所探しを兼ねて歩きに行ったが、せっかく見つけた採集場所には、昆虫は殆ど現れなかった。
 そして、4日目は、朝から雨。部屋の中にいても寒く、毛布にくるまって1日を過ごしてしまった。気温は20℃を少し超えた位だろう。想像していた以上に、寒いところであった。ベトナムの人たちは、天気が良くても上着を着ている。ただ、次の日は天気予報が外れ、朝靄が取れると快晴だった。気温は28℃を超え、チョウたちも4日分、舞っているようだった。そして、その後は、帰国日まで快晴となった。


2007年11月12日  森みつぐ

 発展途上国に来ると、どうしてもゴミが目に付いて仕方ない。また、いつものように書いてしまった。2日目、初めてベトナムの列車に乗った。木製の椅子に座って、10時間以上揺られる旅である。私の乗った列車は、満席ではなかったので2人×2の席は、私一人の独占で、狭苦しいことはなかった。
 朝6時走り始めた列車の中では、朝食を摂ったりしている人たちがいる。暫らくすると、食事で出たゴミを窓から、次から次へとポイポイ捨ててゆく。竹の葉で出来た食べ物は、窓からポイと竹の葉が捨てられる。それならまだしも、ビニール製、プラスチック製の物も、窓からポイと捨てる。不要となった物は、何でもかんでも窓からポイと捨てられる。ここまで徹底していると、逆に、"すごい!"と思うほどである。
 テレビでベトナムの街の風景が映し出されると、多くの人がマスクをしている姿が見られる。道路は、何処でも砂埃が物凄かった。数多くのミニバイクが信号機のない交差点を行き交い走り回っている。砂とともに何もかもごちゃ混ぜにしたゴミが一緒に埃となって舞っている世界では、自分を守るマスクが必要なのであろう。


2007年11月26日  森みつぐ

 ベトナム北部のハノイに到着後翌日には、北西部の中国国境近くまで移動した。そして次の日には、山岳少数民族の多く住む町まで、ミニバスで移動した。そのミニバスには、外人は私と2人の男性ヨーロッパ人が乗った。大柄の40〜50代と思われる2人(英語、フランス語、スペイン語ではなかった)は、早速、日本製のカメラやビデオを取り出していた。
 朝早く出発したミニバスは、徐々に緑濃い山岳地帯へと入ってきた。2時間も過ぎた頃、ミニバスに2人の民族衣装を着た女性が乗ってきて、そのうち一人が、外人たちの横の席に座った。暫らくすると端に座っていた恰幅のいい方の外人が、横から、その女性を撮っている。1枚撮っては、画像を確認して、また1枚撮っている。女性には何の断りもなく、横からこっそりと撮っている。ミニバスがどんどん山を上ってゆくと、別の民族衣装を着た女性も乗ってきたり、道を歩いている女性も増えてきた。
 その外人は、カメラとビデオを持ち替えながら、手当たり次第に撮り始めた。"いや!"と手で顔を隠す女性に笑いながら、"1枚いいでしょう!"とばかり人差し指1本を示して、図々しくカメラを構えていた。私は、同意を得てない人を写すなんて言うことは、できない性格である。せいぜい虫さんを撮ることしかできない。
 目的地に着いて、ホテルに荷物を置いてから昆虫採集に出かけると、道端で、その外人は、今度は座り込んでいた小さな少女に向かってカメラを向けていた。


2007年12月7日  森みつぐ

 今週になって札幌も、雪が積もり始めてきた。火曜日まで雪がなかったので、買い物には自転車を利用していたが、とうとう、利用することができなくなってしまった。同じように、ジョギングも今週からはしていない。少なくても来年の3月いっぱいまで走れそうにない。
 雪の道を歩くのは、30年振りであったが、歩き振りもなかなかしっかりしているように自分ながら感じた。一日中、氷点下以下の真冬日も、もう何日か経験したが、身に染みるような寒さは、まだ味わってない。私の中の冬のイメージは、子どものときに作り上げられたもので、寒い朝や吹雪の中での登下校などの想い出からであろう。退職して悠々自適の生活をしている今は、凍える日や吹雪の日に外に出ることは、殆どないだろうと思う。
 そして、家の中も、沼津で住んでいたアパートと違い冷たい隙間風もなく、今までなら、既に指先にはあかぎれができていたのだが、今年は、まだその予兆もない。ただ、冬の本番は、1月2月であるので、そのときどうなるかは分からないが、思っていたほどではなさそうだ。
 私は、マイカーを運転しないので、買い物は歩きである。週3回、20分ほど歩いてスーパーに行く。冬の間は、これが唯一の運動でもあるので、雪の中をのんびりと歩きながら、白い冬を楽しむだけである。


2007年12月14日  森みつぐ

 12月に入って、"もうジョギングは終わり!"と思っていたのだが、あるとき、靴屋で雪用のジョギングシューズを見つけた。"あれっ!こんなのもあるんだ!"と思い、買うことにした。札幌は、まだ雪が積もっていないのだが、建物の影になっている歩道には、氷となってへばり付いているので、普通のジョギングシューズでは、少し怖い。
 夕方、新しいジョギングシューズを履いて走った。ところどころにへばり付いている氷や雪の上でも、一応大丈夫であったが、やはり氷の上は危なっかしい。でも雪で歩道が狭くなるまで、そう少し走れそうな気がする。ただ薄手の手袋では、指先がかじかんでしまい、案の定、すぐにあかぎれができてしまった。寒い中を無理して走るつもりはないが、寒さから毛糸の帽子で耳を防ぎ、厚手の手袋で指先を防ぎながら、もう少しの間、走れそうである。
 今朝、この冬一番の雪が降り積もっていた。もう、そろそろ融けることなく根雪になりそうだ。今日の雪が、少し踏み固められたら今度は、雪の上をゆっくりとジョギングしてみることにする。

Copyright (C) 2007 森みつぐ    /// 更新:2007年12月16日 ///