夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−28 気ままにひと言

2010年9月8日  森みつぐ

 今年の3月頃からだろうか。パソコンの操作をしていると、突然パソコンがシャットダウンして、そしてリスタートするのである。画像処理をしているときなどは、これが起きると最悪である。プリンタを新しいのに交換してから現われた現象である。
 しかし、プリンタが悪いことをしているとは思えなかった。一番可能性がある機器は、外付けディスクと思うのだが、確信は持てないままだった。最初、毎日のようにリセット状態が続いたので、ディスクのエラー修復とデフラグを行ってみたら、一時期は減ったのだが、また元に戻ってしまった。外付けディスクの背面に、USBコネクタと電源コネクタが近くにあって、電源ノイズも心配したのだが、一度リセットがあると、リスタート後は、二度目のリセットが起きないため、電源ノイズでないように思っていた。
 一週間前、本当に電源ノイズでないかどうか確かめようと思って、電源ケーブルと信号ケーブルの配線ルートを少し離してみた。それからはパソコンのリセットが一度も起きてない。このままであれば嬉しいのだが、思い込みは禁物である。


2010年9月23日  森みつぐ

 今日の朝刊に、「林野庁が国有林内で管理している3924か所の林道ゲートのうち、昨年度は述べ1233か所(1か所で複数被害含む)で錠が壊されていたことが22日、同庁の全国調査でわかった。」(読売新聞)という記事が載っていた。先月、北海道日高山脈で救助要請した山岳パーティが、林道ゲートを合鍵で開けて入山していたことを受けて調査したとのことである。
 当時、「林道ゲートを合鍵で」というニュースを聞いて、私は驚いた。私もゲートのある林道を良く歩いている。そこで必ずといっていいほど、一般の車が入り込んでいるのと出会う。春は、特に山菜採りの人たちで車も多く入り込んでいる。私は、管理事務所で鍵を借りて入山しているとばかり思っていたが、どうもそうでないことが分かったのである。林道ゲートには、錠と入出の記録を書き込むノートが設置されているが、ノートへの記入は、殆んど行われていないのが現実である。
 そもそも私は、舗装されていない大自然の林道をマイカーで入り込むことには、不愉快を感じる人間である。"自分の足で歩け!"と。この素晴らしい大自然を無造作に踏みにじることなく、五感を研ぎ澄ませて味わって欲しいものである。


2010年10月7日  森みつぐ

 16年振りのティオマン島に行ってきた。マレーシアの東海岸沖に浮かぶダイビング・スポットとなっている島である。西海岸側には、同じ頃に行ったことのあるランカウィ島があるが、こちらの方がリゾート地として遥かに有名になっているので昆虫採集しにくくなっているような予感から、今回の旅はティオマン島にしたのである。
 前回は忙しくクアラルンプールから飛行機だったが、今回は、のんびりとバスと船でやってきた。ティオマン島の中心地テケッ村は、道路沿いに店、食堂やホテルが増え、民家も山側へと増え続けているみたいだった。港湾設備は記憶にもなかったのだが、今は立派な港となって船が出入りしていた。道路脇の大木では、ヒヨドリみたいにギャーギャー喚いている鳥がいると思って見上げると、枝々に逆さまにぶら下がって止まっているオオコウモリたちだった。
 以前、島の東海岸に行く道は、山を越えてゆく横断道路だけだったが、今は、急な坂道が続きバイクと四輪駆動車が駆け抜けていた道ができていた。そんな道を歩いていると、道を遮るように大きなトカゲが横たわっていた。頭から尻尾まで1.5mはあるが動きはしない。車に轢かれたようである。このままだと何度も轢かれるので尻尾を掴んで、道路脇に移動した。ちょうど引っ張るとき、トカゲは頭を持ち上げたので、まだ死んではいないようだったが、あと数時間の命だと思われる。初めて、この島に来たとき、物怖じもせずに私の目の前をのしのしと通り過ぎるこの大トカゲを見て驚いたものである。


2010年10月20日  森みつぐ

 生物多様性条約第10回締約会議(COP10)が開催されている。私がマレーシアから帰ってきたときテレビでは、東南アジアに広がるアブラヤシのプランテーションを映し出していた。自然志向からヤシ油の需要が増えていて、森林が減ってきているとのことである。
 マレーシア東海岸のメルシンからクアラルンプールへの帰り、バスに乗っていた。バスは、東海岸から西海岸へと横断して行くのだが、出発して30分もすると、アブラヤシのプランテーションの間を縫うように走り出した。そこから延々とアブラヤシの風景が続くのである。全く自然林は残ってなくて、起伏のある丘は、見渡す限りアブラヤシで埋め尽くされている。そして所々にゴムの木のプランテーションもある。一般の旅行者が見ると熱帯の異国情緒を醸し出しているように思うかも知れないが、私には、二度とここに来たいと思わないような所である。
 このアブラヤシのプランテーションは、マレーシア以外でも私には、タイ、フィリピン、インドネシアなどの東南アジアやアフリカのカメルーンでも見てきた。この光景は、私は、日本の杉や檜の林と同じと思っている。多くの生き物からすると、非常に貧弱で広大な畑なのである。COP10は、生物資源利用という経済的視点から生態系保全を議論している。私には、ちょっと納得できない部分もある会議である。


2010年10月27日  森みつぐ

 最近、昆虫採集に行くとき、いつも悩んでしまう。生物多様性条約等の影響なのか、多くの国で昆虫採集禁止や昆虫の持ち出し禁止を行ってきているので、どの国がどんな規制を行っているのかさっぱり分からないのが実状である。
 今回行ったマレーシアは、国立公園や保護区を除けば問題ないと思っていた。ティオマン島は、ネット上で2〜3年前にティオマン島で昆虫採集した記事を見つけて、問題ないと思って行ったのである。ところがティオマン島での最終日、東西の海岸を結ぶ横断道路を網を片手に歩いていたら、1台のバイクが追い越してから止まり地元の男性が、"チョウを採ったらダメだよ!"と言って、また走って行ってしまった。真偽のほどは分からないが私は、網を片付けて、その後はカメラを片手に写真だけにした。ティオマン島は、国立公園でも保護区でもないはずなのだが、今回が最後になるだろう。
 その後、マレー半島で採集したが、そこでは問題なく採集できた。本当に難しくなった。東南アジア諸国は、どんどん発展し豊かになってきている。そして、その影響か自然林は、ますます減少の一途である。生物多様性の保全は、当然行わなければならないことであるが、個人の昆虫採集禁止や持ち出し禁止は、国家としてやり過ぎとしか思えない。


2010年11月5日  森みつぐ

 先月、日本総研が、エコカー補助金制度と家電のエコポイント制度の利用状況調査で、年収の高い世帯ほど利用額が大きくなる傾向があると発表した(読売新聞より)。
 この結果は、最初から予想できたことである。特にエコカーの購買者は、高額所得者が中心となることは、当然のことであろう。結局、この制度は、裕福な人たちがより得をして、所得の低い人たちは、その得をした分を補っているという構造になっているように思われる。これらの制度は、需要を喚起したことは確かであるが、一番金銭的援助が必要な人たちに更なる負担を押し付ける結果となったであろう。
 このような制度を否定するものではないが、これは同時に低所得者向けの優遇制度も実施すべきであったと思っている。そろそろ私も、地デジ対応のテレビを買わなくてはならないのだが、ただエコポイントといいながら省エネにならないのが残念で仕方ない。


2010年11月11日  森みつぐ

 政府は、例外なき関税の完全撤廃を目指す環太平洋経済連携協定(TPP)について、関係国との協議を開始することを決めた。環太平洋経済圏に限定されるのだが、自由貿易が始まろうとしているのである。
 貿易自由化で問題になるのは、やはり国際競争力の弱い農業へのダメージである。私も自由貿易は、原則的には賛成ではあるが、国の主要穀物に関しては、その国の食糧自給に影響を与えないことを条件としなければ賛成できない。どんな条件下でも、国民の食を守るのが国の役目である。現在、日本の農業は、余りにも頼りなく見える。主要穀物は、国レベルでも地産地消を勧めたいものである。
 工業製品と農産物を同列に論じること自体に私は、違和感を覚えている。工業製品と嗜好品としての農産物、そして主要穀物とは、分離して議論すべきではないか。政府は、経済連携の推進と我が国の食料自給率向上や国内農業・農村の振興とを両立させ、持続可能な力強い農業を育てるといっているが、私には、具体的な施策が見えて来ない。


2010年11月24日  森みつぐ

 今年、採集した昆虫たちを標本箱に収納し終わった。今年は、初めてのチョウは何種類かなと思っていたら、何と今年は一種類もいなかった。こんな年は、昆虫採集を始めてから、ほんの数回である。それも最初の10年位のことであり、海外へ昆虫採集をしに行くようになってからは初めてだった。ただ、初めての雄や雌、初めての亜種を掴まえているから、これはこれで良かった。
 チョウは、初めての種はいなかったが、それ以外の昆虫、甲虫、ガ、ハチ、アブなどの採集は、予想より多かった。まだ、会社に勤務しているときは、自由になる時間が少なかったため、自ずと採集する昆虫たちも絞られていた。それが会社を辞めてから4年目となる昨年からは、心の余裕も出来、殆んどの昆虫たちの採集に手を広げ始めた。
 今年、多分始めて採集した昆虫は、300種位であろう。多分と言うのは、海外種では殆んど、日本の種でも半分以上は、同定できない状態だからである。そして、今まで採った昆虫たちとの比較も、充分でないので多分としか言いようがない。これからも、いっぱい歩き回っていろんな昆虫たちと出会ってみたいものである。


2010年12月2日  森みつぐ

 「2009年度、給食費の未納があった公立小中学校の割合が、前回05年度の調査から11.8ポイントも上昇し、55.4%となったことが1日、文部科学省の調査でわかった。全国の未納総額は推計で約26億円に上ると見られる。」(読売新聞より)
 給食費未納の件は知ってはいたが、相変わらず高水準になっているとは知らなかった。それも未だに、未納者も増え続けているようである。以前、問題となっていた経済的に困窮している訳でもないのにモラルの欠如としか思えない保護者による未納は、前回より6.6ポイント減ったとは云え、未だに53.4%と半数を超えている。そして新たに問題となってきたのは、保護者の経済的理由で未納と云うのが10.6ポイント増の43.7%となったことである。
 大人のモラル低下ほど嘆かわしいことはない。地域社会そのものを疲弊させている一原因にもなっているのである。格差社会と低所得者層の固定化は、多くの経済的貧困者を創り出してきている。給食費未納の結果を見ても、この問題の深刻さを窺うことができる。

Copyright (C) 2010 森みつぐ    /// 更新:2010年12月5日 ///