夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−31 気ままにひと言

2011年7月17日  森みつぐ

 中国の高速鉄道で起きた追突・脱線事故は、死者39人に及ぶ大事故であった。尊い人命を失うという、とても悲しい事故だった。中国の高速鉄道の安全性に関しては疑問視されていたが、それが大事故なって表面化してしまった。ただ、この時点までは、どこの国でも起こりうるかも知れない事故のように思われたのである。
 ところが、この先が他国とは全く違う対応に大変驚いたのである。一日も経たないうちに破損した列車は、高架下に落下させ破壊した上、地面に穴を開け埋めてしまったのである。そして、大事故から二日も経たないうちに列車が走り出した。死者を39人出した大事故でさえ、中国に掛かれば、何事もなかったように社会は動き出す。
 20年前だと、このまま闇へと葬られてしまったのだろうが、ネットが発達した今日、その映像は、あっという間に世界を駆け巡るのである。もはや、どんな国でもネットの追求から逃れることは出来ない。さて、中国は変わるのだろうか。


2011年8月4日  森みつぐ

 先月の新聞記事に、「全国民の中で、所得の低い人がどのくらいの割合でいるかを示す「相対的貧困率」が2010年調査で16.0%と前回(07年調査)より0.3ポイント悪化し、過去最高となったことが、厚生労働省が12日公表した「国民生活基礎調査」でわかった。」(読売新聞より)
 そして、「今回の調査で「貧困」とされたのは、09年の年間所得が112万円未満の人たち。1986年調査の貧困率は12.0%で、年々悪化傾向にある。」としている。約6人に1人が112万円で一年を暮らさなくてはならないなんて、今の私の生活から想像すると、かなり厳しい生活になる。確かに貧困の生活となるだろう。生活保護受給者たちよりも、更に低い所得の人たちが多くいるのである。
 実際、私には、このような人たちがどのように暮らしているのか私には分からない。ここにスポットを当て、しっかりと記事を書いて欲しかったのだが、残念ながら、その後も、そのような記事は載らなかった。6人に1人という日本の貧困層の人たちは、どう生きているのだろうか。


2011年8月11日  森みつぐ

 札幌の真夏日が一週間続いている。台風から変わった低気圧がぐるっと日本を半周して、ちょうど今、北海道の北に位置して、太平洋高気圧から暖かい空気を送り込んでいるのである。5日前から部屋の温度は、28℃を超えた。でも扇風機は、今年も出番はない。28℃は、私にとっては、夜、ぐっすりと眠れる温度である。
 今年、5月から気象庁の出す平年の気温値が新しい近々の10年間の平均値に置き換わっている。私は、毎月1日、11日、21日の平年の気温をメモしていたので、去年の値と比べてみると、予想通り気温は高くなっていた。“やはり!”と思っていたのだが、気温が一番高くなる日に近付いて来ると、ある日突然、昨年の数値より低くなってしまった。ピークの日が一週間近く遅れているのと、最高気温が低くなっているが最低気温の方は上昇している。
 やはり札幌も梅雨の影響を受けて、湿度が上昇してきているように思われる。湿度が上がると気温もなかなか下がらない。札幌もコンクリートで埋められた都市化の影響による気温の上昇もあるようだ。昨年の暑さは、少し異常だったけど、これからの札幌は、確実に真夏日や熱帯夜が増えてゆくことだろう。


2011年8月18日  森みつぐ

 「農林水産省は11日、2010年度の食料自給率(カロリーベース)が、前年度を1ポイント下回る39%だったと発表した。政府は・・・(省略)・・・20年度までに50%に引き上げる目標を掲げているが、2年連続で低下し、4年ぶりに4割を切った。」(読売新聞より)
 なんとも頼りない日本の食糧自給政策である。食料自給率の目標を50%に設定した中での低下は、やはりどう考えても情けない。主食となる食糧の100%自給は、国としての国民を守る安全保障の一つである。他国に日本人の胃袋を掴まれていたらどうなるであろうか。何らかの理由で輸入が止められたりしたら、私たちは、食料品価格が高くなる中、パニックと化してしまうだろう。
 最近でも、小麦やとうもろこしなどの価格高騰で、中央アジアの国々が打撃を受けたということがあった。これからの日本の農業、漁業、畜産業などをどう盛り上げてゆくのかという重要な政策は、国として大きな失敗は許されないことである。


2011年8月24日  森みつぐ

 一月前から始まったホームページの更新は、今週、掲載種の多いタテハチョウ科である。チョウは、あとシジミタテハ科と種類の多いシジミチョウ科、セセリチョウ科を残している。ただ、更新は始めたのだが、未だに古い画像が残っているのが残念である。来る冬の間に、何とか新しい画像に置き換えたいものだ。
 チョウは、属単位で表示をしたが、トンボ、甲虫、その他虫に関しては、私の所持する資料が少なく、かつ非常に大きな昆虫群なので、それぞれに対応したグループ単位で表示する。チョウが終了したら、甲虫、その他虫へと移る。甲虫、その他虫については、分類をチョウ、トンボと同じ12に増やして表示する。そして最後は、トンボなのだが古い画像の種類は、まだ再撮影も済んでいないので、来年中に終わるかどうかも怪しいところである。
 毎週、毎週100単位で新しいページを作成しているので、それだけで精一杯である。チョウが終われば、あとは少しは楽になると思っているのだが、更新は、始まったばかりである。ホームページは、10年経ったが、まだまだ種類は3分1にも満たない。あと20年掛けて残りの種を少しずつ紹介してゆくつもりである。その間に、また種類が増えてゆくのだが。


2011年9月1日  森みつぐ

 民主党政権になって、早2年になる。そして、早くも3人目の首相が選任された。1人目、2人目と、連敗が続いてしまった。3人目が正念場である。これで、また失敗すると民主党は、政権の座を追われ、崩壊という最悪のシナリオになりかねない。
 反小沢、親小沢で党内紛争を繰り返してきた前政権は、まったく内閣としての体を為していなかった。衆参ねじれのみならず、反小沢、親小沢で党内がもめていては、全く政治は停滞したままで、大震災、原発事故という大惨事に際しても、素早く有効な対策を打つことが出来なかったのである。
 民主党代表選においても、相変わらず反小沢、親小沢で票の行方が左右されていた。その結果、党内融和を主張した野田氏が票を積み上げたのである。さて、正念場の民主党、内紛が鎮まって政治が動き始めるのだろうか。


2011年9月9日  森みつぐ

 「昨年10月の時点で、全労働者のうち契約社員やパート、出向社員などの正社員以外の労働者が占める割合が、2007年調査から0.9ポイント増の38.7%と、過去最高になったことが厚生労働省の調べで分かった。(読売新聞より)」
 「正社員以外の労働者を雇う理由を複数回答で尋ねたところ、「賃金の節約のため」が43.8%で最も多く、「仕事の繁閑に対応するため」が33.9%で続いた。(読売新聞より)」相変わらず正社員は減少し、非正社員は増加し続けているようだ。グローバル化した世界経済の中で、とても難しい問題ではあるが、労働者の方も生活が成り立たなくては、社会は不安定となり、安心・安全な生活の実現は困難となり、日本経済も停滞どころか、沈下してゆくことになるだろう。
 「一方、正社員以下の労働者に現在の就業形態を選んだ理由を複数回答で尋ねたところ、「自分の都合のよい時間に働けるから」が38.8%(前回調査比3.2ポイント減)で・・・(読売新聞より)」以前から気にはなっていたのだが、「自分の都合のよい時間に働けるから」が意外と高いということである。長時間労働の日本ならではの回答だろうが、その回答も減少してきている。夢を追うことよりも、まずは現実的にならざるを得なくなっているのだろう。


2011年9月15日  森みつぐ

 100歳以上の高齢者が、4万7千人以上に上る。そのうち、87%が女性である。長寿大国日本、毎年、過去最高を更新している。また、65歳以上の人口が、全人口の22.8%を占めるという。
 長生きするだけで、それだけで素晴らしいことである。出来ることならば、健康で長生きをしてみたいものである。健康とは、心と体の調和した健康である。細やかでも生き甲斐や生きる目的を有していれば、明日が輝いて見えることだろう。65歳で高齢者に仲間入りしてから、15年以上は平均的に生きる。100歳まで生きるならば、65歳から35年間生きることになる。
 どう生きるかである。どうせ長生きするのなら、健康を維持して私は、趣味をライフワークとして生きてゆく。健康ならば、100歳を超えて生きるのも、またそれはそれでいい。


2011年9月22日  森みつぐ

 ホームページの更新も、チョウたちの分がやっと終わった。更新作業をしていて、画質の悪い画像が、まだまだ残っているのに気が付いた。更新する前に古い画像は、大分新しくしたつもりだったが、残念ながら開設当初の古い画像が残っていた。特にセセリチョウは、多かった。
 今週からは、甲虫たちの更新が始まる。チョウたちの更新作業は、それだけで精一杯で他のことが出来なかったので、いっぱい作業が溜まってしまった。これからは少しずつだが、他の作業も出来そうである。まずは、採集に行ったとき撮った写真がいっぱい溜まったままとなっているので、早く処理をしたい。
 甲虫たち、その他の虫たちは、掲載種がまだまだ少ない。この冬に、標本をいっぱい撮影したいものである。ただ、資料が少ないので分類が思うように行かないのが、残念である。いろいろと間違いがあると思うが、ご容赦願いたい。間違いは、見つけ次第、訂正してゆく。ホームページ更新は、まだまだ続く。


2011年9月29日  森みつぐ

 先週前半、なんとなく腰の状態が良くないなと感じていたのだが、そのうち椅子から立ち上がるとき、テーブルなどに手を置き、その力でヨイショと立ち上がらなければ、腰がしゃきっとしなくなってしまった。1週間前のことである。重い物を持つなど力仕事をした訳ではない。じわじわと、腰を曲げたとき鈍い痛みが出るようになっていたのである。
 直接的な原因は、思い当たらない。残念ながら、加齢のせいだろうか。60に近付いて来ると、何かしら体も錆付いてくるようだ。2年前は、右肩が五十肩になり、半年以上も肩に違和感があった。本人は、まだ目立った老化現象は感じていないのだが、確かに肉体の方は、老化してきているようだ。油切れの状態に近付いて来ている。
 一月前頃からベッドで寝ているとき、腰の按配が良くないと感じていたので、もしかしたら、ベッドのせいかと思って、今は、ベッドを降りて、床で寝ている。硬い床に布団を敷いて寝るのが、私に合っていそうである。腰痛になってから、昆虫採集に行くのも、ジョギングするのも中止した。1週間経って今日、腰の状態は大分良くなってきている。来週から、ジョギングは復活させたいものである。


2011年10月6日  森みつぐ

 「世界の金融の中心地ニューヨークのウォール街周辺で、「格差是正」を求めて9月中旬に始まった若者たちの抗議デモが全米に飛び火し、・・・」及び、「米国勢調査局によると、全米の「貧困者」の数は2010年、全人口の15.1%に当たる4618万人となって過去最多を記録した。同年の貧困世帯の基準は、子ども2人の4人家族で年収2万2113ドル(約170万円)未満。」(読売新聞より)
 アメリカの格差と言えば、白人と黒人や移民たちとの間の格差をイメージしていた私としては、今回の若者たちの抗議デモの一件は、少し驚いた。格差は、白人とその他の人々との間であり、白人間での経済格差は、そんなに問題になるほど大きいとは思っていなかったのである。残念ながら新聞には、人種間の格差データは載っていないので比較しようがないのだが、明らかに、白人間の格差も拡大してきているのだろう。
 その中でも一番しわ寄せが来ているのは、若者たちである。就職が決まらない若者たち、経済格差は死活問題にもなる。格差の是正は、安全・安心な生活を保障するのに必要不可欠なことである。


2011年10月13日  森みつぐ

 「厚生労働省は12日、全国の生活保護受給者が6月末現在で204万1592人(速報値)になったと発表した。5月末現在より1万5人増で、4ヶ月連続で200万人を上回った。・・・(省略)・・・高齢者世帯が62万8950世帯で最も多いが、2008年のリーマンショック以降、働く年齢層と見られる「その他の世帯」の増加が目立っており、24万9017世帯だった。」(読売新聞より)
 どんどん生き辛い社会環境になってきているようだ。残念ながら、その原因の分析については、深く記載されていなかったが、高齢化社会への突入と非正規雇用の増大が見えてくる。先日のニュースでは厚生労働省は、厚生年金の支給開始年齢を68〜70歳へ引き上げることを視野に検討するようである。高齢化社会への移行に関しては、以前から分かっているはずなのに、何故、今、また検討しなくてはならないのか疑問である。見通しが甘かっただけではないのか。
 グローバル化した世界経済の中で、多くの国々で国民間の経済格差が拡大してきているようである。それに加え、日本では急速な高齢化社会への突入という問題もある。どんどん社会問題は複雑化しているのにも拘らず、日本の政治は、停滞したままである。


2011年10月27日  森みつぐ

 「国連人口基金は26日、2011年版「世界人口白書」を発表し、世界の人口が今月31日に70億人を突破するとの推計を示した。1999年の60億人から12年間で10億人増加したことになる。13年後には80億人、50年に93億人となる見込み。」(読売新聞より)
 動物界の中でも大形の動物である人が、このように驚異的なスピードで増えていることは尋常ではない。生物ピラミッドの頂点に位置する人が、これだけ膨大な数になると、他の生き物たちに対する悪影響は、計り知れないものだろう。全てを押し潰してしまいそうである。一方、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加是非論争が活発化している。工業製品も農産物も、何もかも関税撤廃して自由貿易を行おうとしている。世界のグローバル化には異論はないが、その中においても秩序あるグローバル化を望む。
 私は、世界の人々の食を満たすには、グローバル化では上手くいかないと思っている。地産地消の考えは、その国の主要食品を守る上で重要な考え方である。農業は一度潰れると、復活するのは難しい。世界の人々の食を守るためにも、TPP品目の例外は必要である。

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