夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−33 気ままにひと言

2012年3月21日  森みつぐ

 「政府は19日開いた「雇用戦略対話」で、大卒の2人に1人、高卒の3人に2人が、無職や非正規雇用だったり、3年以内に仕事を辞めたりしているという推計を報告した。
 推計によると、2010年3月に大学・専門学校を卒業(中退を含む)して社会に出たのは77.6万人。このうち正規雇用で就職した56.9万人で、正規雇用となっても約3分の1の19.9万人は3年以内に辞めるとみている。卒業した若者のうち14万人は、無職だったり、アルバイトなどの非正規雇用に就き、6.7万人が中退するとした。」(読売新聞より)
 相変わらず若者の就職難が続いている。日本の将来を担うはずの若者が、このような状況では、日本も老い先真っ暗である。人口減少問題にも、好ましくない影響を与えることだろう。新入社員が、3年以内に高い確率で辞めるということは、以前から言われ続けてきた問題である。
 若者たちを取り巻く環境、最近の一世代の間に世界を含めた日本社会の大きな変化、同じように地域社会や家族の大きな変化が、純粋無垢な若者たちに影響を与えてきていることは確かなことだろう。現実感、切迫感に乏しく、生活力に欠ける若者たちを育ててきた社会そのものが変わる必要があろう。


2012年4月1日  森みつぐ

 「札幌市は26日、原子力発電に依存しない社会の実現可能性を探る「エネルギー転換調査」の結果を公表した。泊原発から供給される全電力を賄うには、市内全ての家庭と事業所で照明をLED(発光ダイオード)に交換するなど徹底した省エネを図った上で、太陽光発電の普及率も「5割に上げる必要がある」と試算。風力や地熱発電を大幅に増やすことも必須で、「脱原発」の道のりが厳しいことを裏付ける結果となった。」(読売新聞より)
 札幌市の消費電力量のうち44%を泊原発で賄われていると想定している。なんと高い原発依存率なのだろうか。ここまで原発に依存していたら、なかなか脱原発を訴えることは難しそうである。テレビがアナログから地上デジタルに変わったとき、多くの家庭が液晶テレビに置き換わったが、多分画面サイズがかなり大きくなったのではないだろうか。省エネテレビになったとはいえ、大きな画面サイズのため消費電力は多くなったはずである。各家庭には電気製品だらけであり、これでもかというぐらい電気の恩恵を受けた生活を送っていることだろう。
 札幌市の試算通りには、なかなかいかないだろう。各家庭においては、尚更である。脱原発を実行するには、生活そのものを一変させる必要がある。私は、もともと原発反対である。生活も必要以上に電気を使わない生活をしているつもりである。脱原発は必要なことであるが、果たして本気で取り組むことが出来るのだろうか。


2012年4月19日  森みつぐ

 九州、福井、東京へと母と一緒に行ってきた。雪が横殴りに吹き付ける札幌を後にし、低気圧の通り過ぎたばかりの福岡空港に到着した。そして、電車で福岡、熊本、佐賀の県境へと向かった。寒冷前線の影響で福岡も、冷たく強い風が吹き荒れていたのである。
 次の日からは、青空が広がり札幌の5月の陽気となっていた。例年より遅ればせながらも桜は、満開に咲き乱れており、菜の花やタンポポも黄色い花を咲かせていた。白いこぶしの花は、既に萎れてしまっていたが、小さな白い花をいっぱい付けたユキヤナギは、今が盛りであった。そして、ウグイスが囀り、モンシロチョウが花から花へと翔び交う光景は、春爛漫だった。
 福井は、まだ桜は開花していなかったが膨れた蕾はピンクに染まり、まもなく開花しそうであった。テレビでは、モンシロチョウの初見のニュースを流していた。福井を離れるときには、桜は花開き始めていて、電車の車窓から眺めながら、東京に向かった。東京では、既に桜は散って、イチョウの葉も萌え出す新緑の季節を迎えていた。そして今は、雪がまだ残り、白、黄、紫のクロッカスの花が伸びてきて春が始まろうとしていた札幌である。桜を心に焼き付けながらの母との旅は、ひとまず終わった。


2012年5月3日  森みつぐ

 先日、新聞(読売)を読んでいたら興味を引く記事が載っていた。「世界の全人口が日本人と同じ暮らしをすると地球2.6個が必要―。世界自然保護基金(WWF)は、人間活動の環境負荷を土地面積で示す「エコロジカル・フットプリント」により、こんな推計をしている。この指数は、国別に@二酸化炭素(CO)を吸収できる森林面積A食糧生産に必要な土地面積B漁業に必要な海域面積―などを足し合わせ、輸出入分も加味して面積で示す。―(省略)―WWFの2007年試算によると、世界全体の指数は180億f。地球の食料生産力や浄化能力の1.5倍で、地球全体で30年前から過剰利用に陥っている。―(省略)―全世界の人口が、肉中心の食事で自家用車を乗り回す米国並みに暮らすと地球は4.4個分必要になる。―(省略)―世界のCO排出量は、1990年と比べ約4割も増加した。新興国の急増分が大きく影響している。」
 人々は、原発の廃止を訴えながらも、電気をふんだんに使う便利な生活を手放そうとはしないし、便利なマイカーの利用も控えようともしない。この記事を読んでも、全く他人事なのである。


2012年5月9日  森みつぐ

 ホームページを開設してから、丸11年が過ぎようとしている。いろいろと構想を練っていたが、なかなか思うようには捗っていない。ちょっと欲張りすぎていたかも知れないが、やはり何事をするにおいても、かなりまとまった時間がないと前に進めないことを実感した。会社を辞めてからも猶のこと、時間の少なさを感じている次第である。
 今週から昆虫の紹介する種を10種類に増やした。今までの週6種類では、年約300種類、10年で3000種類となかなか終わりが見えて来ない。これから一段と忙しくなるが、早く自身の採集品の全容を私が知りたいのである。データベースを作るうえで、全容が分からないと、どうにもこうにも身動きが取れない。
 今、古いフィルム写真の画像処理を行っているが、それが終わると昆虫標本の画像処理とそれの同定作業を行うことにした。画像処理をしないと調べることもなかなか出来ないので、しばらくの間は、その作業に専念する。その際、昆虫分類の勉強もしっかりしなくてはならないだろう。時間は、いくらあっても足りないのである。


2012年5月24日  森みつぐ

 「経済協力開発機構(OECD)は22日、各国の生活の豊かさを示す「より良い暮らし指標」の最新版を公表した。日本は36か国中21位となり、昨年の19位からやや順位を下げた。・・・(中略)・・・指標は住居や仕事、教育など11項目を点数化。日本は「安全」が10点満点中9.9点で1位、・・・(中略)・・・一方、「ワーク・ライフ・バランス」が3.0点で34位。」(読売新聞より)
 そう簡単に変わるものではないが、相変わらず、労働環境(ワーク・ライフ・バランス)は悪いままである。残業時間は、何故、減らないのだろうか。有給休暇の取得が、何故、増えないのだろうか。これら問題を解決しない限り、日本が先進諸国の仲間入りしたとは、到底、思えない。先月、法テラスで働く弁護士が法テラスに超過勤務手当ての支払いを求める訴訟を起こした。名ばかり管理職の問題である。法を守らすところでも、このような状態である。情けないのひと言である。
 21位が良いのか悪いのか、私には判断が付かないが、11項目のうち、「ワーク・ライフ・バランス」のように順位の低い項目については、国民に周知して改善を図る必要があろう。過度に金や物に依存しない心の豊かさを実感するには、どうしたらいいのだろうか。一人ひとりが考え行動する時代が来ている。


2012年6月7日  森みつぐ

 「厚生労働省は1日、国民が一生のうちで健康面の支障がなく日常生活を送れる期間を初めて算出し、「健康寿命」と名付けて公表した。2010年の健康寿命の平均は男性が70.42歳、女性が73.62歳で、生存期間を示す平均寿命(簡易生命表)とは男性で9.22年、女性は12.77年の差がある。」(読売新聞より)
 寿命がどんどん延びても、ベッドの中で寝たきりとなる期間だけが延びていたら長生きしようという気にもならないだろう。最後の10年間はベッドの中では、あまりにも悲しい幕引きになる。人生80年としたら、最後の最後まで楽しい人生を生きていたいものである。残念ながら新聞には、健康を保つための条件は記載されてなかったが、食事、睡眠と運動、そして心の健康の維持であろうか。
 私も還暦に近付いてきて、より一層、健康に留意して暮らしていかなくてはならない。まだまだやりたいことが残っている。人生、死ぬ直前まで楽しむつもりである。平均寿命は私にとっては、ほぼ健康寿命になって欲しいものだ。


2012年6月13日  森みつぐ

 関西電力大飯原子力発電所の原発2基が、再稼動する方向へと動き出している。原発再稼動反対の声も、一時は大きくなったが今は、少しトーンダウンしてきているようだ。あまりにも電気に頼りすぎた生産活動、消費活動は、既に電気無しでは、にっちもさっちもいかないところまで来ているのである。
 便利さを追求した多くの電化製品は、各家庭に溢れ返っているのではないだろうか。多くの人たちが、今更、この便利さを手放すつもりはないだろう。一時的節電には対応するだろうが、根本的見直しにはならないだろう。それが人間なのである。
 私は原発に反対である。便利さを追い求めた生活をしていないので、必要最低限の電化製品しか持っていないし、必要以上には使用もしていない生活を送っている。でもこの生活が、一般的な家庭の生活でないことも確かである。COの発生しない代替エネルギー、再生可能なエネルギーで全電力が賄うことが確約できれば、原発は、最終的にゼロにしなくてはならない。


2012年6月28日  森みつぐ

 3年続いた民主党政権もここまでか、自壊への道を転がり始めているようだ。自民党、民主党の2大政党制には、まだまだ先のようである。政権与党としての手腕には、誰もが一抹の不安を感じてはいたが、時間の経過とともに、政権担当能力が身に付くものと期待もしていたのである。
 2大政党制への道は、道半ばであった。これからも、また離散集合して、より強固な2大政党へと突き進んで欲しいものだ。民主党は、マニフェストで政権を奪取して、そしてマニフェストで自爆しようとしている。私にとっては、当初から不思議な内容のマニフェストだった。
 民主党政権は、2大政党制の始まりであって欲しいものだと願っていた。まだ解散総選挙になった訳ではないが、2度と自民党中心の長期政権にしてはならない。自民党と民主党による2大政党でなくてもいいが、政権交代という緊張感を持ち続けることが出来る国民のための2大政党制を確立して欲しいものだ。今回の民主党政権が残した法案で最高のものは、「消費税率引き上げ」の法案だったということになるのだろうか。そして、解散総選挙へ。


2012年7月4日  森みつぐ

 東北地方が梅雨入りすると、その余波で梅雨のない北海道でも気温は上昇して湿度もじわっと上がってくる。夏の到来である。今年も、6月下旬に本州が梅雨入りしたあと、札幌も気温が上昇して来た。大陸からの乾いた空気から、太平洋の南からの湿った空気が流れてきて、札幌もじめじめしてきたのである。
 今日、ジョギングをしていたら、冬の間、予算削減の煽りを受けて除雪もされなかった歩道で茫々と育った野草の刈り取り作業をしていた。イネ科植物の草丈は、高が知れているが、何処にでも根付いて、すくすくと育つオオイタドリは、中途半端ではない。一気に成長して、その草丈は2mを越えてしまうこともある。
 歩道脇の土手に根付いてしまうと、成長するにつれ歩道側へと倒れてくる。非常に厄介な植物である。今、刈り取っても、また芽を出し成長を始める。しかし、これからだと秋に1mくらいの草丈になるだけである。私のジョギング中の楽しみは、虫の音を楽しみながら植物を見ることなので、2mの草丈でも、私は、問題ないのだが。


2012年7月12日  森みつぐ

 梅雨前線が西では、九州で猛威を振るっている。最近の気象現象は、100年程度のデータ蓄積では、予想も出来ぬほどの気候変動が続いているようだ。一方、東では、前線が北上して札幌も今日は、朝から雨が降り続いている。“明日は雨が降る”という予想だったので、昨日、いつもの林道を歩いてきた。
 薄暗い林道では、耳元でぶ~んという羽音を上げながら目に飛び込んでくる鬱陶しいメマトイを手で払い除けながら、明るく開けた場所に出ると、目の前にシジミチョウが翔び出してきた。今年、初めての緑色に輝くオオミドリシジミである。夏の到来である。その後、紫色に輝くコムラサキも、光の中に翔び出してきた。コムラサキが出てくれば、もうすっかり夏であろう。
 6月中旬まで元気に啼いていたエゾハルゼミは、7月上旬までその残党が単独で啼いているが、中旬になると、もう聞こえて来ない。今、森林内は、ときどき聞こえてくる小鳥の囀りだけである。まもなく、下旬になるとコエゾゼミが啼き始め、セミの天国になるだろう。そして、ハネナガキリギリスも鳴き始める。待ちに待った本格的な夏の到来である。


2012年7月25日  森みつぐ

 「グリーンランドの地表を覆う氷床が、7月半ばにほぼ全域で解けたことがわかった。・・・(省略)・・・グリーンランドの氷床は毎年夏、表面全体の半分程度が解ける。融解した面積の割合は、7月8日の段階では40%だった。ところが、4日後の同12日には97%に急拡大。」(読売新聞より)
 ちょっと衝撃的な記事だった。30年以上にわたる衛星観測で例のない融解規模だという。高緯度ほど温暖化の影響が大きいというが、北極海の氷棚が解けていることと同じなのであろう。今まで船が航海できなかった海が通れるようになったり、人が住みにくかった島に、人が住めるようになるという利点があるかも知れないが、それだからといって喜んでもいられないのが現実であろう。
 日本でも梅雨明け後、各地で猛暑が続いている。毎年、例外なく猛烈な暑さの夏が訪れるのが、日本の夏の特徴となってしまったようである。23日から北海道も電気の「7%節電」期間が始まった。湯水の如く使ってきた電気について考える上で、いいことだろう。そして、マイカーの使用を抑えることも温暖化に対して必要なことである。


2012年8月9日  森みつぐ

 「厚生労働者の雇用政策を議論する有識者研究会は23日、2030年の就業者数が10年の6298万人から最大で845万人減少する可能性があるとの推計をまとめた。就業者数の減少は経済成長の妨げとなるため、政府が女性や若者の就労支援を行うことが必要としている。」(読売新聞より)
 単純計算すると、2030年に就業者数は13%減少し、国内総生産(GDP)も同じように減少するということである。私は、それはそれでいいと思っている。日本の人口は、何千万人が最適なのだろうか。多ければ多いほどいいというのは、自然環境との調和の点からしても、好ましいこととは思えない。人口減少の対策をしっかり行い、また人口の大都市集中から地方への分散を企てることが必要と思われる。
 世界第3位のGDPを死守する必要はない。人口に見合ったGDP,そして国の有り様というのがあるはずである。経済発展のために、国民総「心の病」という病気に罹っていては、本末転倒である。国民の幸せ達成のために、経済が存在しなければならないのである。

Copyright (C) 2011-2012 森みつぐ    /// 更新:2012年8月12日 ///