夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−38 気ままにひと言

2014年3月12日  森みつぐ

 「2014年春闘は12日、労使交渉に影響を与える大手製造業が労働組合に対する回答を一斉に示した。自動車、電機、造船・重機業界の多くが、基本給を底上げするベースアップ(ベア)実施で6年ぶりに決着し、鉄鋼大手は14年ぶりにベアを回答した。各企業の回答額も00年以降で最高の水準で、デフレ脱却に向けた政府の賃上げ要請に応えた。(読売新聞より)」
 私が会社を辞めてからずっとベアはなかった。今回のベアは、政府の要求に応えたというよりも、当たり前の結果であると思っている。これまでが、グローバルな競争に備えて内部留保して労働者に対しては出し惜しみしてきただけである。景気の好循環やデフレ脱却に対して、6年ぶりとか14年ぶりのベアで十分なはずはないだろう。一過性で終わったら、これっきりである。政府の要求に応えて企業はベアに応えた。次は、企業の要求に応えて政府が、規制緩和して企業にとって使い勝手のいい非正規労働者を増やす努力をすることだろう。
 成熟した経済の日本において求めることは、3%、4%という経済成長ではなく、1%以内という低い経済成長の中でも、豊かさを実感できる社会システムを構築してゆくことである。それこそが成熟社会が求めてゆくことではないのだろうか。


2014年3月26日  森みつぐ

 「健康に役立つ睡眠の知識を深めてもらおうと、厚生労働省は24日、睡眠の指針をまとめた。…(省略)…指針では、成人の標準的な睡眠時間に個人差があるものの、10代前半までは8時間以上、25歳が7時間、45歳が約6時間半、65歳が約6時間と、加齢とともに減っていくとした。(読売新聞より)」
 先日の新聞に、厚労省の睡眠指針が載っていた。これによると、まもなく60歳になる私の睡眠時間は、6時間強でいいことになるが、今でも私は、8時間寝ないと調子が出ない。会社員時代は、8時間寝たくても、そんな時間を取ることはできなかった。休日も昆虫採集のシーズン中は、移動の電車やバスの中で眠っていたことを思い出す。会社を辞める前10年位は、約7時間の睡眠を取っていたが、私には、やはり短かった。
 年齢を重ねるとだんだん早起きになるというが、私には、まだ当てはまらない。時間が欲しい私にとって、6時間の睡眠で済むのなら、こんな嬉しいことはないのだが、作業効率が悪くなるだけである。どうも睡眠時間は、やはり個人差が非常に大きいように思われる。


2014年4月2日  森みつぐ

 「消費税率が5%から8%に上がり、増税前の駆け込み需要の反動で、景気が落ち込むことが懸念される。税率が3%から5%に上がった1977年には、増税後の金融危機などで景気が失速したが、政府はそれを教訓として、景気対策に万全を期す構えだ。企業も、需要減を最小限に抑えるため、価格・商品戦略に工夫を凝らしている。(読売新聞より)」
 庶民のささやかな防衛手段なのか、大型店での買い溜めをテレビニュースで観ていた。生活必需品のみならず、増税を機に欲望のまま買い漁っているような光景も中にはあるように思えた。3%の増税は、100万円の消費に対して3万円の税金が徴収されることになる。年間200万円使えば、6万円の増税となる。低所得者には、大きな金額である。
 私は、この騒動には関与していない。食料品以外の生活必需品は、日頃から安売りなどの特売の時に買うようにしているので、そうそう慌てることはない。それに私は、大きなものを運ぶ運搬手段を持たないので、気まぐれな衝動買いもない。ただ便利だから楽だからで買っていたら、家の中もすぐ狭くなる。知恵を働かせて、ある物で生活するに越したことはない。今回は、そのようなことを考えるいい機会であったはずであろう。さて、今回の買い控えは、いつまで続くのであろうか。私は、そんなことに振り回されずにマイペースを貫くだけである。


2014年4月9日  森みつぐ

 採集した昆虫たちのデータベースを作成中である。この冬、やっと6年ほど続いた標本の撮影を終えることができた。これからの撮影は、その年に採った新しい昆虫たちの撮影を、初冬に行うことになる。撮影後は、標本全個体についての寸法を測定していて、この冬の分は、先日終わった。
 データ収集は、全個体を調べることになり、寸法を測り、名前を同定し、ラベルを作成する手順となる。一匹一匹を調べてゆくので、思っていたより時間がかかった。このペースだと全て終了するのに、5〜6年はかかりそうである。データベースを完成させるには、撮影した昆虫標本の画像処理を進めて、名前の同定もしてゆかなくてはならない。多分、画像処理には、あと3〜4年必要だと思っているので、データベースを完成するには、データ収集の終わる6年後辺りではないだろうか。
 一人で整理するには、ちょっと種類が多過ぎたようである。昆虫ならば、何でもかんでも好きだったから、これとこれに絞るなんてことは、私には出来なかった。ただ、時間の制約が大きい会社員時代は、特に、チョウとトンボに絞って採集していた。今、考えれば、ちょっと残念だった気もするが、過ぎたこと、仕方がない。昆虫データベースは、新しいホームページを作成するのに必要だったが、6年後の完成では、多分、新しいホームページの作成は難しい。


2014年4月23日  森みつぐ

 年初に、親父が遺して行った8mmフィルムのDVDビデオを、パソコンで編集すること何とか出来るようになった。昔ながらのアナログの物が、まだ部屋に散在している。以前のフィルムカメラのネガは、ネガを読み込むスキャナは売っているけれども、どう見ても私の写した写真は、少しボケているので、高いスキャナを買う必要性はない。写真をスキャナで読み込むことにしている。
 音楽を聴かなくなってから数十年になるが、音楽が嫌いな訳ではない。30年近く前に録ったカセットテープ(60分)が約30本、LPレコードが約40枚持っている。カセットテープは、今でも、時々、面白いラジオ番組がないときに聴いているので、すっかりテープが伸び切って、ダメになってしまったものもある。LPレコードは、30年ほど前にカセットデッキが動かなくなってからは、一度も聴いていない。
 先週、電気店でUSBポートの付いたラジカセを見つけた。そこから、いろいろと調べていると、USB付ラジカセでなくても、ラジカセとパソコンを接続して、パソコンにインストールしたフリーソフトで音声ファイルとして取り込むことができることを知った。早速、740円のオーディオケーブルを買ってきて、今日、試してみたら、mp3の音声ファイルを作成することが出来た。オーディオに無知な私でも、簡単なノイズ除去も行える。これでカセットテープもデジタル化できそうである。LPレコードは、レコードプレイヤーとアンプが動作するかどうかにかかっている。そのうち、試してみよう。


2014年5月7日  森みつぐ

 デジカメで動画が録れるようになってから、かなり歳月が経った。最初の頃、何が録れるか試してみたくて、いろいろと虫さんたちを録ってみた。ただ、あまり見かけない虫さんたちは、写真を撮る方が優先なので、動画はごく普通種で試していた。優先順位は、採集、静止画、最後に動画である。ただ、じっとしているより歩いている方が好きな私は、動画を録るのは少ない。
 動画をホームページ(HP)で紹介しようとすると、なんといっても小さくても数MBというファイル容量が問題になった。それでなくても画像ばかりでHP容量が大きい私のHP、1つの動画で数か月分のホームページ追加分に相当するのである。それゆえ個人のHPで動画を扱うのは、無理と考えていた。それが今年、親父が遺していった8mmフィルムをDVDビデオにしたのを機に、動画や音声について勉強をしたところ、ある程度のことは出来そうだということになった。
 動画のサイズは小さすぎると見にくくなりすぎるので、640×360(480)ピクセルとする。また動画の容量を抑えるために、画質を気にならない程度までに低下させる。そして動画の時間を、超短編の10秒以下とすることで、容量が1ファイル2MB以下にすることができた。2MBでも、今までの私のHP一月半分である。今、これで準備をしている。一月一動画とまでいかないかも知れないが、懐と相談しながら紹介することになるだろう。


2014年5月28日  森みつぐ

 カセットをパソコンに取り込むことは出来るようになったので、次は、レコードをパソコンに取り込もうとして、30年ほど押入れの隅に仕舞い込んであったレコードプレイヤーとプリアンプを取り出して来て、動かしてみることにした。30年前、カセットデッキが動かなくなったので、お蔵入りとなってしまったのである。今、スピーカーは、昆虫標本撮影セットの台になっている。
 ケーブルを接続して、パソコンと繋げて、懐かしいショッキング・ブルーのレコードを回してみた。パソコンのスピーカーから音楽が流れてきた。上手くいったかなと思っていたら、パソコンに表示される音声の右側の波形が、全く波打たない。右から音が出ていないのである。いろいろ調べていると、パソコン用のミニジャックに変換するコネクタがモノラル用であった。もう1点、プリアンプの右側の回路が劣化しているようだった。電源スイッチを何回かオン・オフを繰り返してゆくと、不安定ながらも音が鳴り出すのであった。
 長い時間動かしているとまた音が出なくなるが、何とか誤魔化しながらレコードをパソコンに取り込んでいたら、あとLP6枚というところで、とうとうプリアンプの動作が不安定になってしまって中止してしまった。レコードも貸したまま戻ってきてない物、他の人から借りてカセットテープにしか音源がない物など、いろいろあって、あとは、今あるカセットテープで、まだ消えていない曲をパソコンに取り込んで終わりにすることにした。取り込んだ後、一曲ずつ分割する作業が残るが、時間を見て気長に作業を進めるほかない。これで、もう曲が消失することはなくなりそうである。


2014年6月4日  森みつぐ

 5月末になって、一気に気温が上昇した。太平洋高気圧が勢力を拡大して暑くなった訳ではなく、北海道では、大陸側の高気圧による熱気団にすっぽり覆われてしまったからである。極端から極端へと移り変わる気候は、自然に与える影響も多々あるように思える。
 私のフィールドである定山渓の森林の昆虫たちにも、この暑さは影響を与えているのだろうか。暑さと関係なく昆虫の増減は、毎年何かしら感じている。特に、啼き聲で分かるセミなどは、いい指標となる。暑かった翌年は、北国のセミ、エゾハルゼミ、エゾチッチゼミやエゾゼミの仲間の聲は少なくなる。本州に多いアブラゼミやツクツクボウシは、暑くても何ら変わりはない。少なかったオナガアゲハは、この2〜3年、普通に見られるようになってきたように感じる。
 暑さと関係するかどうか分からないが、ここ2〜3年は、ムカシトンボをあまり見なくなってしまった。温暖化の影響で北国の昆虫たちも、どう変わってゆくのだろうか。そして今年の夏は、北海道は冷夏だというが、どうなるのか。どうあろうとも毎年毎年楽しみであるのだが、今夏が冷夏なら、来年は、…楽しみである。


2014年6月11日  森みつぐ

 どうしても安倍首相は、企業に豊富で安い労働を提供することを画策し続けることを止めようとしないようである。「政府は、労働規制を緩和し、働いた時間ではなく、仕事の成果で評価する新たな仕組みを適用する人について、「年収1000万円以上」の条件をつける案を軸に最終調整に入った。対象とする職種をどこまで絞るかについては、政府内の調整が続いている。(読売新聞より)」
 やはり国というのは、企業が主体の、企業が優先の企業国家となってゆくのだろう。政府は、国家にとっても、国民は企業の一歯車として捉え、国民を企業にとって都合のいい労働力として雇用できる法律を、何とかして成立させようと画策していると感じてしまうのである。それが成長戦略であり、グローバル化した経済を勝ち抜くために必要だとしている。
 いつもながら考えてしまうのは、人々の幸せとは何だろうかということである。有休があっても、休むことが出来ない。残業をしても、残業代が払われない。管理職だといわれても、何の権限もない。労働者は、企業や国家に都合よく使われているだけででないだろうか。


2014年6月25日  森みつぐ

 レンタルソフト店運営会社が、ネットで「現在どの程度幸せか」を全国の男女に尋ねた調査結果である。「現在の幸福感について10点満点で尋ねたところ、平均点は6.20点だった。性別と年代ごとに見ると、最も高いのは男女とも60代以上で、女性は7.05点。男性は6.94点。最低はどちらも20代(男性5.66点、女性6.20点)だった。…(省略)…幸せに必要な要素(複数回答)としては、「収入」が73.2%で1位に。2位に「健康」(71.4%)、3位に{精神的ゆとり}(67.0%)が入った。「収入」は男性が、「精神的ゆとり」は女性が、より重視する傾向が見られた。また、趣味との関係をみると、「園芸・ガーデニング」「編み物・手芸」「料理・グルメ」を挙げた人に幸福感が高く、「趣味はない」が最低だった。(読売新聞より)」
 定年後、お金の心配はなく、健康でゆとりある生活が送ることが出来るならば、そして、余りある時間を趣味などのライフワークに充てることが出来るのなら、こんな幸せなことはないだろう。人間らしく生きてゆくには、時間的・精神的ゆとりが必要であるということである。
 一方で問題は、若い世代である。人間らしく生きてゆくためには、労働時間を週40時間以下とすることが求められている。ところが、今の政府は、このような労働時間も岩盤規制だとして破壊しようとしているのである。それがグローバル経済が求める姿であろう。


2014年7月2日  森みつぐ

 武力には、武力を持って抑止力とする。暴力団同士、銃をちらつかせ対立する暴力団を威嚇して抑止力とする。力が均衡していれば、最後に銃撃戦になるのは避けられない。歴然とした力の差があるときは、弱い方は神出鬼没の攻撃となるだろう。どっちにせよ抑止力なんて、何かのきっかけで意味を失ってしまうのである。
 究極の抑止力となるのは、原爆であろうか。次に原爆を使用するときは、人類も終わりであろう。そこまで愚かではないが、その直前の戦闘行為は、2回の世界大戦を経験したのにも拘らず、相変わらず、今でも世界の何処かで行われており、戦闘の準備もあちこちで行われている。そして軍需産業も盛んである。武力を手にしたとき、自国より外に出て行ったとき、望む望まないとは無関係に、間違いなく戦闘に巻き込まれることだろう。今までも非戦闘地域に出て行ったことはあるが、戦闘に巻き込まれなかったのは、運が良かっただけである。
 アメリカみたいに、国民に身を守るためとはいえ銃の携帯を認めれば、銃の犯罪に巻き込まれることは、当然のことと思われる。第2次世界大戦で日本は、学んだはずである。平和のために、もう戦争はしないと。力による抑止力は、世界の平和に何の貢献もしないだろう。抑止効果は、有っても無きに等しい。武力で平和は創れないのである。


2014年7月23日  森みつぐ

 世界の何処かで、いつも殺し合いの戦いが繰り広げられている。ウクライナ東部で民間のマレーシア航空機が撃墜され、民間人298人の命が奪われた。いとも簡単に人命は絶たれてしまう。戦争は、軍人であろうが民間人であろうが見境なく攻撃されるのである。これが戦争であろう。
 パレスチナ自治区ガザでは、イスラエルとハマスが軍事衝突をして、既にパレスチナ人が600人を超える死者を出している。殺し合いからは、憎しみしか生まれて来ない。憎しみから憎しみへと、殺し合いの連鎖が生じることになる。なんと悲しい負の連鎖であろうか。
 日本では、他の先進国と一緒に銃を片手に戦いに参戦しなければ、他先進国に認められないとして、戦争ができる国になろうと必死になって政府は、準備を整えようとしている。人を殺す兵器を開発し、製造して売る。軍需産業で経済を活性化しようともする。日本は、戦争する他国と何ら変わらなくなってしまうだろう。


2014年7月30日  森みつぐ

 「国の審議会が29日に示した最低賃金(時給)の引き上げ額の目安で、現在734円の北海道は14円となった。北海道の最低賃金の手取り収入は生活保護費の時給換算額よりも11円低い「逆転現象」が起きているが、目安通りに引き上げられれば解消される見通しだ。(読売新聞より)」
 最低賃金が引き上げられることは、当然のことだろう。生活保護費よりも低いということは、どういうことか。少なくともこれが解消されることはいいことである。ただ最低賃金では、フルタイムで働いて、やっと生活保護費に達する。しかし最低賃金では、フルタイムより短い勤務時間のの多くの労働者にとっては、生活保護費よりも低い月収となるように思われる。
 「一方の経営側は大幅な引き上げには慎重な姿勢だ。北海道経済連合会の担当者は「近年は最低賃金が毎年10円以上アップしている。中小・零細企業は商品などへの価格転嫁もできず、経営は限界に達している」としている。(読売新聞より)」生活保護費レベルの最低賃金も払えないなら、それはもう企業とは云えないだろう。

Copyright (C) 2014 森みつぐ    /// 更新:2014年8月3日 ///