夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言 |
4.1.2.8−42 気ままにひと言 |
2015年8月12日 森みつぐ プレミアム付き商品券が、札幌でも販売が始まった。札幌のは、広く行き渡るように割引率が10%(1セット1万円)と他市町村と比べて低く抑えられている。同じく広く行き渡るように、1人1回1セットの購入までとなっている。
ところで商品券の目的とは、何なのだろうか。私の認識不足なのだろうが、もし低迷する消費を喚起するためなら、これではほとんど意味をなさないように思われる。どう考えても、1万円が1万1千円になったからと言って、消費が増えるとは思えない。いつもの生活費の中に組み込まれるだけであろう。1円でも安い買い物をする消費者にとっては、ありがたいことだが余分に物を買うことにはつながらないと思うのだが。
購買意欲を刺激して経済状況を上向かせようという従来の経済政策は、ある程度物的要求が満たされた成熟した消費者たちには、通用しないだろう。今、望んでいることは物に溢れた生活ではなく、生活の精神的質が問われてきているのである。もし税金を投入するのならば、全ての国民への広く薄くというバラマキではなく、低所得者に向けて集中的に行うべきであろう。経済は、もう低成長でも十分である。どう生活の質を高められるかが問題なのである。
2015年8月26日 森みつぐ 人口減少社会についての世論調査の結果が載っていた。「読売新聞社が行った全国世論調査では、国民の多くが人口減少を深刻に受け止めていることがわかった。現在、約1億2700万人の総人口は、2048年に1億人を下回り、60年には約8700万人に落ち込むと推計される。人口が減り続ける将来の「縮む日本」を、現在の国民はどうみているのだろうか。調査結果から探った。人口減少が進む日本の将来については、特に社会保障と経済、社会の活力が損なわれるとの不安が危機感を増幅している。将来への不安を聞くと「年金、医療、介護などの社会保障制度を維持できなくなる」84%、「労働力が減り経済活動が停滞する」68%、「社会全体の活力が失われる」59%が上位だった(複数回答)。(読売新聞より)」
経済もそうであるように人口も右肩上がりでなくては、国家は成立しないと言う。国土は有限の大きさだというのに、いつまでも人口が右肩上がりではいられないということは分かりそうなことである。自然を食い潰して人間の活動圏を広げることは、最終的には人間にとって大きな脅威になることは、既に実感していることだろう。
人口が減ることは、避けることができない現実となっている。この日本において住みよい環境の人口とは、どれくらいなのだろうか。人口減少に歯止めを掛けなくてはならないが、上手にソフトランディングするような国策を考えてゆく必要があるだろう。都会と地方の在り方も考え直さなくてはならないだろう。勿論、社会保障についても再考する必要があろう。人口減少、低成長経済の中でも、豊かさが実感できる社会を構築することを考えてゆかなくてはならない。
2015年9月2日 森みつぐ 今年も、8月も終わり9月になってしまった。7月中旬からは、天候不順が続いた。本州の梅雨明けとともに、北海道が梅雨入りしたみたいになったのである。そして8月中旬から札幌は、すでに秋を先取りしたみたいな気温となり、今に至っている。
今年の昆虫採集は、7月中旬に行ってから一月半以上も行っていない。シーズン中だというのにこんな長い期間、採集に出かけなかったのは、札幌に戻ってから初めてである。7月中旬から8月末までは、夏の昆虫で賑わっている時期だけに、今年は、すっぽり夏が抜け落ちてしまった。その分、デスク・ワークの方は捗っていることは確かなのだが、夏は歩きたい。
昆虫採集には、週に3日割り振っていて、最低でも1日は歩くようにしているのだが、今夏は、その3日がずっと天気に恵まれなかった。残りの週4日が天気が良くても、出かけるには都合が悪いのである。こんな年もあるのだろう。今週もまた、天気が良くない日にぶつかってしまった。今年は、もうデスク・ワークに専念しようか。
2015年9月9日 森みつぐ 選挙権が18歳に引き下げられたのを機に、飲酒・喫煙年齢も18歳に引き下げるという議論が表出してきた。あまりにも唐突な考えで、私は、“この人たちはちょっと大丈夫かな?”と思ってしまったのである。何故、今まで20歳以上でないと認められなかったのかをよく考えて欲しいものである。
「百害あって一利なし」の煙草、同じように酒も慢性中毒になる恐れがある。健康被害は、医療費に大きな負担を強いることにもなる。まして飲酒・喫煙の低年齢化は、発達途上の肉体に与える影響から医療関係者からも疑問の声が上がっている。当然のことであろう。
飲酒・喫煙に関しては、年齢の引き下げではなくて、引き上げてゆかなくてはならないのではないだろうか。少なくても喫煙は、全面禁止にしてもいいほどである。何を血迷ったのかと思うほど、自民党は零落してしまっている。
2015年9月23日 森みつぐ 昆虫たちの画像処理も、甲虫たち、その他の虫たちが終わり、今は、トンボたちの画像処理を行っている。トンボたちの中でも、今は、イトトンボたちの画像処理を行っているが、画像処理よりも名前を調べるのにかなり時間を費やしている。
一昨年よりもトンボに関する資料が増えたので、種名に辿り着かなくても属レベルまで分かるのが出てきて、全くの名無しの権兵衛も少しずつだが減ってきた。イトトンボ科だと思っていたのがモノサシトンボ科だったり、ホソイトトンボ科だと思っていたのがモノサシトンボ科だったりと、少しずつだが精度が上がって来ていると思っている。それでも資料を見ているだけでは分からないのが多い。標本の状態も良くなかったり、画像ももっといろんな角度からのが欲しかったりと、ちょっと物足りなくて種が同定できなかったりする。
そんなこんなで、いろいろと重複しているのが見つかっている。少ないが逆に、同一種だと思っていたのが違う種だったということもあるが、違う種だと思っていたのに同じ種だったという方が多い。まだ画像処理の最中なので、ホームページにすぐは反映されないが、いずれ更新する。これからも新しい資料を手に入れ、ホームページを充実してゆくつもりだ。時間の制約は致し方もないが、毎日、至福の時間を過ごしている。
2015年9月30日 森みつぐ 今年も、9月が終わる。今週に入って、すっかり秋らしくなって冷え込むようになってきた。先日、海外での昆虫採集の日記を15年ぶりに書き始めた。海外で昆虫採集をするようになってから最初の4年間くらいは、昆虫採集記を書いていなかった。ただ、ときどき印象に残った旅での出来事を書く程度であった。
25年前の旅を思い出して書くことは、至難の業である。まして、その当時は、まだカメラを持ち歩いていなかったので、なかなか映像も浮かんで来ない。旅の資料として利用できるのは、学生ノートに書いていた日記とその時採集した昆虫のリストだけである。日記には箇条書きにその時の出来事を書いてあるだけなのだが、思い出すためには、それに頼るしかないのである。それと昆虫の採集リストも、印象的だった虫さんを思い出すのに役に立つ。
最初の4年間以後は、旅行中、採集した日には寝る前に普段の日記の他に採集日記を書くようにしていたのでいいのだが、最初の4年間20回分くらいの採集日記がない。思い出しながら書くのも、25年前だと限界がある。でもやはり1回目からの採集記を書き上げたいから、楽しみながら思い出そうとしている。ただ今は、週に数時間しか割り当てられないのだが。
2015年10月7日 森みつぐ 主要食料品の犠牲の上にTPP交渉大筋合意というニュースが流れていた。食料品の価格が下がって消費者にとってありがたいことだとばかり言ってられない。日本における生産者と消費者の社会バランスが崩れてしまいかねない状況になりかねないのである。そのような考えさせられるニュースの中、明るいニュースが飛び込んできた。
今年も日本人がノーベル賞を受賞したのである。それも2日続けての受賞である。生理学・医学賞「寄生虫病の新たな治療に関する発見」、物理学賞「ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見」、当然のごとく長年続けられた地道な研究の結果であろう。IPS細胞も青色発光ダイオードもそうであるが、成果が出るかどうかも分からない状態のまま信じた研究を何処まで続けられるかどうかに関わってくるのだろう。
このようなニュースを聞きながら今日の日本において、このような研究が続けられる状況が大学や企業に備わっているのか疑問に思ってしまうのである。グローバル経済の中、短期的な成果が求められ、金になるかどうか分からない純粋な自然科学の基礎分野の研究に長期的に投資されるのだろうか考えさせられてしまう。ノーベル賞どうのこうのではなく素晴らしいことをしている人たちが、まだ日本にはいっぱいいて欲しいものである。
2015年10月14日 森みつぐ トンボの画像処理も夏の天候不順もあって、順調に進んでいる。残るは、イトトンボの新熱帯区とトンボたちの分だけとなっている。ただ冬も近付いてきて別の作業が優先的に始まるので少しペースダウンするが、かなり先が見えてきた。
チョウのホームページは属ごとに分けて表示しているが、トンボは、その時点では日本以外のトンボは、ほとんど名前なんて分からなかったので、地域区分で名無しの権兵衛のまま表示していた。しかし最近は、かなり様々な海外の図鑑も充実してきたので、ある程度、属レベルの区別までは分かるようになってきた。
イトトンボを調べていてかなり重複して名前を付けているのもいたりして、これからホームページを更新しなくてはならないのだが、この更新に合わせてトンボの表示も、チョウと同じく属毎での表示とすることにした。イトトンボたちとトンボたちの画像処理は、まだ終わっていないので、それ以外のトンボから順次ホームページを更新してゆこうと思っている。
2015年10月28日 森みつぐ 「経済協力開発機構(OECD)は20日、各国が策定した温室効果ガスの削減目標が守られても、世界の平均気温の上昇を抑える国際目標の達成は困難とする予測を発表した。国際目標は、産業革命前に比べた今世紀末の気温の上昇幅を、2度未満に抑えるとしている。目標の達成には温室効果ガスの将来の排出量を抑える必要があるが、上限とされる排出量を2040年頃に上回るという。(読売新聞より)」
温室効果ガスによる気温の上昇は、どの予測を見ても目標を達することはない。“どんなに努力したところで気温は、目標値を超えて上昇を続ける”ということが、今後起こるのだろう。遅きに帰した感はあるが、温室効果ガスの排出を抑制しないと、今後、地球気候がどのような結果になるのか全く予測もつかなく、人にとって住みにくい環境になることだけは確かであろう。
各国は、国レベルで温室効果ガスの削減に努力しているが、国民レベルではどうなのだろうか。日本では、2011年の東日本大震災を機に原発が停止し、各家庭で電気の使用を削減するような行動を取っていたが、さて今は、どうであろうか。電気だけが温室効果ガスの源ではない。電気、ガス、そして個人消費として大きな位置を占めるガソリンもある。“便利だから、楽だから”を追求する限り、気温上昇による大自然からの予測もつかない反撃を受けることになるだろう。
2015年11月4日 森みつぐ ここに住み始めてから、既に8年半になる。昆虫標本の整理が終わったら、何処かに手放して終の棲家に引っ越そうかなと思っていたのだが、なかなか整理が付かない。昆虫の整理をしていると、頭部の写真が欲しい、腹部の写真が欲しいとなって、まだまだ標本が手元にないと立ち行かない状況となっている。
目途としていたあと3年半で、何処まで進むのだろうか。画像処理は、トンボたちとチョウたちが残っているが、何とか終わりそうである。標本のデータ収集は、4回の冬期間があるので、ぎりぎり終わるかも知れない。そうなると、どれだけの追加撮影が生じるかにかかって来そうである。
標本は元気なうちに手放そうと思っているので、それまでに必要なデータは取り揃えておきたい。もう4年、親に心配かけないように、採集旅行を控えているので、デスク・ワークに専念できている。多分、まだまだデスク・ワークに専念することになるだろう。もしかすると標本を持ったまま引っ越しすることになるかも知れないが、どうなるか予想が付かない。まずはこの冬、何処まで作業が進むかであろう。楽しく人生を、送りたいものである。
2015年11月11日 森みつぐ 「2011年の民政移管後初となるミャンマー総選挙で、アウン・サン・スー・チー氏(70)が率いる最大野党・国民民主連盟(NLD)が改選議席の8割を獲得し、政権交代が実現する見通しとなった。地元メディアが10日、NLDの独自集計の結果として伝えた。(読売新聞より)」
ミャンマーに昆虫採集に行ったのは、2002年のことである。ほんの短い日程の旅行者にとっては、軍事政権がどうのこうのということは、何ら肌で感じることはなかった。ミャンマーも御多分に漏れず多民族国家で少数民族が迫害を受けたりと、旅行者が入域できない地域があったりする。今回の選挙で、民族や宗教対立が緩和することを期待したいものだが、多分変わらないだろう。
まだ選挙管理委員会からの結果発表がされていないが、民主政権が誕生することを期待するものである。旅行者が何処でも自由に歩き回れる国となって欲しい。どんな国になってゆくか、まだまだ見続けてゆく必要がある。
2015年11月25日 森みつぐ 今日の新聞に、日本の公的教育費は6年連続最下位という記事が載っていた。「経済協力開発機構(OECD)は24日、加盟34か国の教育費などに関する最新の調査結果を発表した。2012年の日本の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は3.5%で、データがある32か国中、スロバキアと並んで最下位だった。日本の最下位は6年連続。発表によると、小学校から大学までの教育機関に対する公的支出の加盟国平均は、対GDP比4.7%。最も高かったのはノルウェーの6.5%で、日本とは3ポイントの差があった。(読売新聞より)」
何とも情けないデータである。今の日本があるのは、誰でも差別なく受けることのできる質のいい教育があったからではないのだろうか。学級の人数も、小学校、中学校で3番、2番と多いという結果である。OECDは「教員の数だけではなく、質の向上も重要だ」といっているが、日本の超多忙な教員では、質の向上を求めるには無理があるだろう。
教員の数は減らされ、忙しさは解消しないでは、教員の質を確保することは相当無理があるのではないだろうか。子どもの貧困率が高まる中、格差の固定化につながらないように教育が受けられなくてはならないのだが、残念ながら教育に関しては心配なことばかりである。
2015年12月2日 森みつぐ 初夏、オレンジ色の花を咲かせていた百日草の仲間を1株買って、親のところで鉢に植えていたら、次から次へと綺麗な花を咲かせていた。この百日草の説明書きには、“一年草”と書かれていたので、本当にそうなのかなと思っていた。亜熱帯のメキシコ原産とのことなので、一年中咲いていそうな気がしたのである。
10月になっても、まだ咲いているがかなり冷えてきている。冬の間、私のところに置いておけば、寒さにあたらないで冬を越せるかも知れないと思い、持っていけるかなと見てみたが、かなり大きくなって、株毎持っていくことは難しいので止めてしまった。ただ、もしかしたらと思い、茎を4本切って、持ち帰ることにした。
小さな鉢に4本の茎を差して、毎日水をやっていた。蕾が付いていたのは花を咲かせたのだが、その後、葉が枯れて花も萎れてくると茎も枯れてしまった。しかし残りの3本は、最初付いていた葉は萎れてきたが、すぐに新しい葉が出て、茎が出て、そして蕾も付き、今は花を咲かせている。多分、根付いたのだろう。このまま、冬を越して欲しいのだがどうであろうか。説明書きの“一年草”とは、日本の寒い冬は越せませんということみたいである。
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