気ままにひと言−44
夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−44 気ままにひと言

2016年5月11日  森みつぐ

 ゴールデンウイークも明けた月曜日にでも定山渓に歩きに行こうと思っていたのだが、残念ながら曇り空だったので止めてしまった。この時期は晴れないと暖かくないので、無精な私は、結局、パソコンに向かうことになる。今日も明日も天気が悪い。週末は晴れて気温も上がりそうだが、私の都合が悪い。今年の歩き初めは、来週になってしまいそうである。
 先週末、親のところから帰ろうとしたら、玄関前に白い物が落ちていた。モンシロチョウみたいである。摘まんで持ち上げてみると、クロオオアリがくっ付いている。クロオオアリが、真っ先に見つけたようである。モンシロチョウだと思っていたのは、実はオオモンシロチョウであった。今年は、まだモンシロチョウが翔んでいるのを見ていない。これが、今年の初蝶である。
 翔んでいるときは、モンシロチョウなのか、オオモンシロチョウなのか、スジグロシロチョウなのかは分からない。多分、この辺りはモンシロチョウだけだろうと思っていたのだが、オオモンシロチョウもいたのである。そんなことを考えながら、オオモンシロチョウを地面に置いてクロオオアリに返した。


2016年5月25日  森みつぐ

 5月になってちょっと遅れたが、私のフィールドである定山渓の林道に、今年も歩きに行ってきた。私の歩く林道は、3つある。国管理の山林のため入山するには林道の入口で、入林者名簿に記入する必要がある。山岳登山などの入口には登山者名簿があるところもあるが、山林に入るのに入林者名簿を記入するのは北海道以外の都府県では見たことがない。
 先週、入林しようとしたらゲートに括り付けていた入林者名簿の入れてある箱がない。壊れてしまったのかと思いながら、ゲートを潜り抜けて入林した。今週も別の林道に行って、ここはいつも通り入林者名簿に記入して入り込んだ。帰りにもう一つの林道の入口に行ってみると、やはりそこには、入林者名簿は置いてなかった。
 入林者名簿は置いていても、入林者の半分も記入していない。特に、山菜採りに来ている人たちは、ほとんど記入していないように思う。3つの林道のうち1つだけが、登山道の一部になっていて、入林する人も多い。入林者名簿が残っていたのは、その林道だけである。残り2つの林道は、年間で10行ほどしか書き込まれていないので、止めてしまったようである。もしものために、登山道の管理だけは残したのだろうか。


2016年6月1日  森みつぐ

 デジカメを最初に手にしたのは、2000年の秋である。ホームページ作成のために昆虫標本の画像を自分自身で作成したかったからである。2000年の暮れにガーナに持って行ったが、まだデジカメどころかカメラそのものに慣れていなかったので、あまりシャッターを押していない。デジカメのもう一つに、トンボの生きているときのあの美しい色彩を残しておきたかったのである。
 最初のデジカメは、130万画素であった。1280×960ピクセルは、今となっては、非常に小さい画素数だが、高額なメモリーのために、撮る枚数を多くするために、640×480ピクセルで撮ったりもしていた。また私の泊まる安宿では、20〜30Wの電球程度の明るさのところも多く、まともに撮影できなかった方が多かったのである。ガーナで泊まった宿には、豆電球程度の灯りしかなかったで、夜は、真っ暗であった。
 そのような理由で、褪色前に撮った画像は、ぼやけたりしていて満足できるものではないが、ある程度色彩が写っているので、大事に今、画像処理をしている。最初は顔の写真を撮っていなかったが、あの美しい複眼も残しておきたくて、途中から顔の写真も撮るようになった。


2016年6月8日  森みつぐ

 舛添都知事の政治資金私的流用疑惑に関する調査報告の記者会見を聞いた。弁護士2人を従えての記者会見は、第3者による調査とは形ばかりで、第3者という雇われ弁護士は知事の弁護役に徹しているようにしか見えない会見であった。数々の疑惑は、公私混同も甚だしい限りである。
 これらの疑惑に対して、知事が公私混同していないと本当に思っていたとしたら知事の資質としてはそもそも問題ある人物だったのであろう。公私混同しているかも知れないが、政治活動に関係すると説明すれば違法性を否定できないということを考えていたとしたら、それは確信犯ではないだろうか。法律の不備や抜け道を悪用しての行為は、政治家として全く持って許されることではない。
 すでに都民の多くは、舛添氏が都知事としての資質に欠けていると判断している。往生際の悪さを露呈する前に早急に都知事を辞任して、再起に賭けた方がいいと思われる。「あまりにもせこい」、この言葉に尽きる政治スキャンダルである。


2016年6月15日  森みつぐ

 トンボの画像処理も終わり、今は、最終チェックをしている。イトトンボたちもかなりの重複があったが、トンボたちもそれ以上の重複があった。まだまだ名前が分からないトンボが数多くいるので、新しい資料が手に入ると、これからも重複しているのが増えるかも知れない。
 一年余り続いたトンボの画像処理がやっと終わり、私の採集したトンボたちの全体像が分かってきた。ここ2〜3年で世界のトンボに関する資料も多くなってきた。資料が多くなっているといってもチョウほどの資料ではないが、以前に比べたら雲泥の差である。もっともっと資料を入手して、精度を上げていかなくてはと思っている。
 トンボのホームページを見ても種を同定するのは難しいと自分のホームページを見て感じている。今後は、種を同定するための拡大画像も取り上げてゆきたいと思っているがいつのことになるやら分からない。トンボだけでも物凄い量なので、全ての昆虫を対象にしていたら、にっちもさっちもいかなくなる。まずは最後に残ったチョウたちの画像処理を先の終わらせなくてはならない。


2016年6月30日  森みつぐ

 「総務省が29日に発表した国勢調査の抽出速報集計結果で、65歳以上の人口の割合が初めて4人に1人以上となるなど、高齢化と人口減が進む実態があらためて浮き彫りとなった。人口減社会は、経済成長や介護・年金などの社会保障政策に大きな影響を与えるのは必至だが、参院選で与野党の議論が深まっているとは言い難い。(読売新聞より)」
 少子高齢化社会、人口減社会、労働力人口減少、とっくの前から言われ続けてきたことである。「総人口1億2711万人の年齢別内訳は、65歳以上3342万人、15〜64歳7592万人(前回比3.2パーセント減)、15歳未満1586万人(0.5パーセント減)で高齢者以外は、いずれも減少。都道府県別では、前回唯一、15歳未満人口が65歳以上人口を上回っていた沖縄県が今回、逆転した。(読売新聞より)」この流れは、今更、どうあがいても変えられることではないように思われるが、何処かで歯止めを掛けなくてはならないことでもあるだろう。
 ある程度の物に溢れた先進国に、これ以上の消費を求めることは無理であろう。拡大する格差社会の中で低所得層の増加は、更に消費を求めることを困難にしている。早く経済の低成長時代を受け入れ、新しい経済システムを構築することの必要性を認識すべきであろう。


2016年7月6日  森みつぐ

 昨日、親元からの帰り道、国道の歩道を自転車に乗っていた。頻繁に車が行き交う国道である。その歩道を走っていると、一人の若い男性と擦れ違った。“えっ!何!”多分、フレーム径が60cmもあろうかと思われる大きな捕虫網を持って歩いているのである。どう見ても昆虫採集の格好である。
 ここは、真駒内公園のすぐ近く、そして豊平川が流れているが、団地もある住宅街近くでもある。鬱蒼とした原生林がある訳でもなく、市民の憩いの場となっている手入れされた公園があるだけである。あの大きな網を見ると、トンボや甲虫ではなくて、チョウが目的なのだろう。
 ただ、この7月上旬では、春のチョウには遅いし、夏のチョウには早すぎる。まして、この辺りに何がいるというのだろうか。虫屋が歩き回るようなところではない。もしオオムラサキがいるのなら採りに来る人たちもいるだろうが、ここにいるとは聞いたことはない。こんな人通りのあるところを網も閉じずに持ち歩く人を、初めて見た。だから虫屋なのかも知れないが。


2016年7月12日  森みつぐ

 今回の参院選も自民党の圧勝で終わった。多分、自民党が勝つだろうということは予想していたことだが、民進党がもう一つ伸びなかったことが残念で仕方がない。2大政党に、なかなかならないのが残念なのである。与党が強引に安全保障関連法案(戦争法案)を通過させても、選挙には全く影響はなく、それどころか選挙の争点にもならないとは、この国の民はどうなっているのだろうかと考えてしまう。
 景気対策に重点を置くのは、当たり前のことである。安倍自民党政権になってから、景気は回復基調にあるという。規制緩和の下、非正規労働者を増やし格差社会を作り上げてきたのは自民党である。この格差社会を前提に、大企業など一握りの人たちが利益を独占しているのである。アベノミクスの恩恵を授からなかった人たちには、これからもその恩恵には授からないだろう。固定化されてしまった格差は、自民党政権のままでは何も変わらないだろう。
 まもなく都知事選が始まるが、与野党の一騎打ちの様相を呈してきた。都民ではない私には選挙権はないのだが、今後の動向をしっかり見てゆきたいと思っている。結局、都知事選は、日本の縮図であるからである。


2016年7月27日  森みつぐ

 何とも言えない恐ろしい事件が起きてしまった。人の心を持って為せることではない。どうなってしまったのであろうか、不可解なことが起きる世の中になってしまった。どうしたら、「障害者なんていなくなればいい」という結論が出てくるのだろうか。これは、衝動的な事件ではない。日本で教育を受けると、障害者は抹殺されても仕方がない存在であるということになるのであろうか。何処でどう道を踏み外してしまったのであろうか。
 容疑者の人物像は、これから明らかになってゆくことだろう。彼自身精神障害を持っていたのだろうか、それとも薬物による影響なのだろうか、社会との関わり方はどうであったのだろうか、全てがこれからである。不可解であるが取り調べを待つしかない。
 不可解といえば、先週、スマホ向けゲームであるポケモンGOが配信された。歩きスマホ、ながらスマホは危険であると注意喚起されているのにも拘らず、屋外で歩き回るゲームが配信されたのである。公共マナーや社会倫理に対する挑戦としか思えないゲームである。物事には、必ず善悪の2面性がある。経済効果が大だからといって、危険という悪の部分に目をつぶっていい訳がない。積極的な対策が必要である。不可解極まる世の中になってしまったようである。


2016年8月10日  森みつぐ

 今年の札幌は、虫さんたちにとってはあまり良くなかったようである。去年もそうだったが、今年もマイマイガの仲間の大発生がない。大発生したときは、網を持ち歩いているといつの間にか網に必ず幼虫がふっ付いているのだが、ここ数年はそのようなことがない。いると迷惑だが、いないと少し物足りない。
 今年は、ミドリシジミの出現が遅れているようだった。7月後半になっても、8月に入ってもなかなか見かけない。今年は発生が遅れているのではなくて、発生数がかなり少ないようなのである。それは、札幌の夏のチョウの代表種であるコムラサキも非常に少なく、例年だと林道で群れて吸水しているのを見かけるが、今年は、ときどき単独で見かけるだけであることからも分かる。エゾシロチョウ、キバネセセリなど、ほとんどの昆虫の数が少なかった。オオイチモンジは、久し振りに見かけることはなかった。
 冬暖かったせいだろうか、雪が少なかったせいだろうか、そんな天候が影響しているのだろうか。それとも寄生バエやハチなどの天敵による大きな圧力があったのだろうか。それにしても大発生している昆虫はいないし、全体的に昆虫が少ないようである。このようなことは、毎年多かったり少なかったりを繰り返しているので、何ら心配することはない。そう言えば、今年は咲いている花も少なかったように感じた。植物からの影響もあったかも知れない。どっちにしろ来年は、賑やかな野山を期待したい。


2016年8月24日  森みつぐ

 北海道に一週間で、3つも台風が上陸した。それ以前にも台風が、北海道を掠めるように通り過ぎていた。同時に、北海道に前線が停滞していたので、台風が来る前から大雨が続いていた。台風は道東が中心であったが、前線の影響で全道で大雨に見舞われたのである。
 梅雨時の九州みたいな状況であった。こうゆうことは、北海道では非常に珍しい。7月末までは、過ごしやすい北海道だったが、その後、一気に蒸し暑くなり、今に至っている。それまではオホーツク海高気圧が勢力を拡げて、北海道に涼しい空気を送り込んでいたのだが、その高気圧が段々南下し、北海道の横に来ていると思っていたら、それが今夏の太平洋高気圧になっていた。大陸側の高気圧も日本に張り出していて、変な気圧配置となっている。
 この夏は暑くなるという天気予報だったが、確かに当たってしまった。この後、天気はどうなるのであろうか。太平洋高気圧は、全然動いていない。あと一週間で9月に入る。そろそろ秋の気配も感じたい頃である。


2016年8月31日  森みつぐ

 台風が通り過ぎて行った。これで過ごしやすくなるかなと思っていたら、全くその気配を感じないどころか、明日9月1日の札幌の最高気温は32℃との予想である。今週は、まだまだ残暑が続きそうである。8月に入って前線や台風の影響で天候不順の日が続いている。
 7月末、セミの聲が順調に聞こえてきていた。札幌の真駒内周辺では、アブラゼミ、ツクツクホウシ、エゾゼミがほぼ同時に啼き始める。ただ今年は、エゾゼミが少ないように感じていた。そんな中、8月下旬に入り、久し振りにジョギングをしていたら、突然セミが啼き始めた。“えっ!本当!!”真駒内では、初めてのミンミンゼミである。
 札幌でミンミンゼミの聲を私が聞いたことがあるのは、私のフィールドである定山渓のごく狭い範囲だけである。定山渓でも単独でしか啼いていないのに、それが真駒内で啼いているのである。札幌では、8月いっぱいでセミの季節が終わる。来年の楽しみが、またひとつ増えた。


2016年9月7日  森みつぐ

 8月10日、定山渓の林道を歩いていた。今年は、虫さんたちの不作の年である。いつもの通り網を振ることもなく、地面や草木の葉に何かいないかとじろじろ見ながら歩いていた。そんなとき木の葉が二つ折りに綴られているのを見つけた。アカタテハの幼虫の巣である。北海道では、今までエゾイラクサでしか見たことがなかったのに、ハルニレの葉で巣を綴っているのである。
 何匹も見つけたので、1つだけ持って帰ることにした。写真を撮ったりして巣をじろじろ見ていたら、巣の近くの枯葉に緑色した卵が1個付着していた。疑うこともなく当然アカタテハの卵だろうと、育て上げることができないかも知れないが持ち帰ることにした。
 アカタテハの幼虫は、新しい葉を順調に綴っては食べてを繰り返していた。そのうち卵は孵化したようだったが、幼虫と一緒にしていたので、糞まみれになって何処へ行ったのか分からなくなっていた。ところが、あるときひょっこり現れた。そして、その幼虫はいつになっても巣を作らない。そう、その幼虫は、アカタテハではなくてシータテハの幼虫だったのである。多分、今年2化目の幼虫である。札幌では、年1化と思っていたが、なかには2化する場合もあるようだ。昨日、そのシータテハの成虫が羽化してきた。

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