気ままにひと言−48
夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−47 気ままにひと言

2018年1月3日  森みつぐ

 今年も去年からの続きである。昆虫標本のデータ収集は、エチオピア区が終わり、東洋区と新熱帯区のチョウたちとまだ画像処理が終わっていない東洋区のシジミチョウたちの一部と全てのタテハチョウたちである。この作業は、部屋が乾燥する冬期間だけなので、この冬と他にあと2回の冬に及びそうである。それでもかなり先が見えてきたので、楽しんで進めるだけである。
 データ収集に先立って画像処理を終えておかなくては、種名の同定が中途半端になってしまう。冬期間はデータ収集がメインなので、ちょっとの合間に画像処理をするしかないのだが、あと3ケ月で東洋区のシジミチョウたちの分を片付けられたらと思っている。そして、その後は一番多いタテハチョウたちとなるが秋までには終わるのではないかと思っている。ただ、これで画像処理が全部終わった訳ではなく、基本となる全体画像の処理だけであり、必要と思われる部位の撮影やその処理はこの先も続くのである。
 昨年書き続けていた採集旅行記が、いつの間にか忘れ去られてしまっていた。気付いた時には、何もしていなかったのである。また思い出しながら完成させていかなくてはならないが、はっきり言って全部が完成するのを待ってはいられないので、ある程度出来たら少しずつ紹介してゆく他ないだろう。他にもいろいろしたいことがあるのだが、どんどん時が流れてゆくだけである。


2018年1月10日  森みつぐ

 昨年暮れに、パソコン用の外付けディスクを買った。標本を撮影した画像や採集のときに写した生態写真は、DVDに移した後はパソコンの内臓ディスクから消去していた。以前使用していたパソコンは320GBのディスク容量だったので、すべて保存しておくには、ちょっと物足りなさを感じていたからである。
 でも今のパソコンのディスク容量は、1TBである。どんどんディスクは安くなってきて、2TBや3TBでも1万円強で買えてしまうのだが、パソコンで使うとテレビ番組などを録画しない限り1TBでも多いくらいである。それで7000円もしない1TBのディスクを見つけたので買うことにした。昆虫関連の画像とスキャナで読み込んだ自分の写真などを全て保存しても、まだまだ余裕である。
 今まで通りディスク以外に、DVDにバックアップして保存してゆくつもりである。それ以外に今まで使用していた280GBの外付けディスクは、パソコンの重要データのミラーディスクとして利用している。毎日1回自動バックアップしているので、最悪のときでも、それなりの安心感はある。ほんの10年前に比べてもデータ量は多くなったが、ディスクも安価になってきた。


2018年1月24日  森みつぐ

 今月は、もう最高気温が−5℃位にしか上がらない、一年で一番寒い酷寒期に入った。昨晩は吹雪いたので、あまり雪が積もることがないベランダにも溜まり、日中もほとんど融けることなく残っている。ベランダの鉢にも雪が積もっているが、今冬は、その中で蛾の蛹が3匹冬越しをしている。雪が積もっていると外気温が−10℃になっても、雪の中はそんなに低下しないと思っているのだが、雪のないベランダではほとんど外気に晒されっぱなしである。
 朝、机に向かっていると日が射し込んでくる。ほんの1〜2週間前までは、部屋の3分の2まで日射しがあったが、今日、ふと気が付くと50センチくらいは後退してしまっていた。窓の近くに鉢植えの植物を置いているので、極力、レースのカーテンまで開けるようにしている。冷気が入って来るのでカーテンは閉じた方がいいのだが、植物のために私の方はちょっと我慢である。
 冬至からもうひと月が経ち、日が徐々に長くなっているのを感じてきている。もうすぐ冬も、折り返し点に近付いてきているのである。朝方、部屋に射し込む日を見ながら、日々“あと、もう少し!”と思って今日も、標本箱を引っ張り出して来ては、一匹一匹身体検査である。


2018年1月31日  森みつぐ

 日曜の夜、いつものようにNHKの「ダーウィンが来た!」を見ていた。生き物が好きなので、できる限り見るようにしていて、その日は「クワガタバチ」というアフリカのハチが登場するのである。動物の番組でも昆虫が登場するのは、ごく少数なので非常に貴重である。ただ、いつもの通りテレビはラジオと同じく、ながら族なので画面を凝視することは少ないのだが。
 その番組で登場したハチの雄は、クワガタムシみたいに立派な牙らしきものを持った大きなハチで和名がオオキバドロバチとなっていた。アフリカのカメルーンでの撮影である。動植物の撮影は、自然豊かなところでの撮影となって、その多くが国立公園などの保護区域なので、私の行ったカメルーンの民家近くの森林より遥かに緑豊かなところのようであった。
 そのオオキバドロバチの雄は、私もガボンで1匹だけ掴まえたことがある。私がそのとき付けた和名は、コルヌタオオキバスズメバチ(Sygnagris cornuta)であった。スズメバチとしたのは、1982年発行の「図説世界の昆虫6 アフリカ編」(阪口浩平著)で紹介されていて、スズメバチ科のハチとなっていたからである。ドロバチの仲間は、幼虫のための餌を全て前以て用意して卵を産み付けたら、泥の巣を閉じてしまって終わりとなるのだが、オオキバスズメバチは幼虫に蛹になるまでその都度餌を運んで来て世話をするのである。原始的だが社会性スズメバチに近いと云うのである。ドロバチ科もスズメバチ科もスズメバチ上科に属するので、和名の違いは気にならないが、私はオオキバスズメバチのままとする。


2018年2月7日  森みつぐ


ガザニア(Gazania rigens)
ガザニア
 昨日からガザニアの明るい橙黄色の大きな花が、一輪咲き始めた。昨年10月に、母のところで屋外に置かれていたガザニアを部屋に取り込もうとしたとき、かなり大きく育っていたので2つに株分けして、3分の1の小さい方を私の部屋に持ってきたのである。ガザニアは、熱帯・亜熱帯地方の植物なので、暖かい屋内に置けば札幌の冬でも越せるだろうと思ったのである。
 実は、その前の年に計画していたのだが、ちょうど10月に交通事故に遭って退院したときには、既に雪景色になっていて、外に置いていたガザニアを掘り起こして持ち帰ったものの復活することはなかった。そこで、一年越しの再挑戦となったのである。
 最初、私の部屋に置いたときは、まだ葉っぱはしゃきっとしていなかったが、11月には2〜3あった蕾は、何とか開花してくれた。その後葉っぱは、しゃきっとしてきて張りが出てきた。だが花は春にならないと無理だろうと思っていたら、先週、小さな蕾を一つ見つけたのである。カランコエの小さな橙色の花が終わりに近付いてきたところだったので、来週までまた綺麗な花が楽しめそうである。ただガザニアの後に持ってきたハイビスカスに寄生していたハダニやアブラムシがちゃっかり他の植物に移って繁殖しているので、今は毎日、セロテープで退治しているのだが、一向に減ってゆかない。でも、やっぱり生き生きとした花はいいね。







2018年2月28日  森みつぐ

 まもなく虫が這い出して来ると言われる啓蟄を迎える。関東以南では、“そろそろだな・・・!!”という季節なのだが、真冬の北海道では、まだまだ虫は越冬中である。運が良ければ、天気のいい日川沿いの雪の上を歩いているクロカワゲラの仲間を見かけるであろう。残念ながら私は、今までに1回しか見ていないのだが。
 毎年、キアゲハの幼虫を見かけるといつもではないが持ち帰って育てている。アゲハの幼虫は育てやすく、特にキアゲハの幼虫は良く見かけるのである。そして毎年、早くて3月末には羽化して来る。暖房の効いた部屋だと、もっと早く羽化してしまうので、暖房のない部屋に置いておく。それが今年は、日曜に蛹が薄っすらと黒ずんできたので、“あれっ!!”と思っていたら、月曜に羽化していた。外はまだまだ雪景色、氷点下5℃前後であろうか。
 チョウの仲間は、同じ鱗翅目のガの仲間と比べて、乾燥や温度変化に強いように感じている。私の所でガの仲間で冬越しして羽化したのは、1割にも満たない。今冬もガの仲間を越冬させているが、無事羽化するかどうかは分からない。飼育して羽化させた虫さんは、自然の状態で育った虫さんより、やはり弱々しく感じるのと採集場所と離れている街中なので出来る限り標本にすることにしている。17℃前後の部屋では、やはり寒いのか2日経っても、まだ羽化したところでじっとしている。


2018年3月28日  森みつぐ

 2月中にキアゲハが羽化してしまったが、まだチョウやガの蛹を室内と室外に置いている。札幌では、ガの蛹を無事羽化させたことが少なかったので、今冬は、室内と室外の2ヶ所において様子を見ている。室内では、乾燥が問題になると思い、容器の下に水を溜めて、宙吊りにしたネットの上にティッシュを敷きその上に置いている。室外では、鉢の土の上に直に置いている。
 日曜、初めてベランダに出て洗濯物を干したとき、3匹の蛹を確認した。上に被せていた枯葉を除けてみたら、動くことはないが、何とか生きていそうな感じがした。風で吹き飛ばされないように、鉄網のカバーを戻してそのままにしておいた。室内の1匹の蛹は、2〜3日前から姿勢を変えている。見る度に、あっちを向いたりこっちを向いたりしているのが分かる。この蛹は、生きているのが実感できた。春の予感である。今年こそは、失敗を繰り返さない方法を確立したいものである。
 多分、4月中には、室内に置いているミヤマカラスアゲハの蛹も羽化して来るに違いない。モンシロチョウの初蝶も、あと一月後であろう。この春も、一気に暑くなる日がありそうなので、モンシロチョウの姿も例年より早く見られるかも知れない。


2018年4月4日  森みつぐ

 カランコエの鉢の縁を歩いているクチブトゾウムシを見つけたのは、3月5日であった。古い毒ビンに入れて、夕方、取り出して室内に置いていたら、翌日いなくなっていた。擬死状態だったようである。あれから4週間ほど経った3月31日洗濯物を干そうとしてベランダに出たら、壁際に何か小さな黒い物が落ちているのを見つけた。
 あのときのクチブトゾウムシと全く同じように見えた。同じ種類というより、同じ個体のようであった。3月30日ベランダを掃除するために、窓を開けていた。30分位、少しだけ開けたままでの掃除である。多分、そのときに外に出たのだろう。それまでの間、いろいろ探してみたけど見つかりはしなかった。4週間もの間、何も食べないで生きてゆけるはずもなく、多分、窓際に置いている8つの鉢の何処かにいたのだろう。
 3月30日、クチブトゾウムシが暖かい日射しに誘われて窓際に行ったら開いていたので外に出てしまったと思われる。でも外は、まだ朝晩寒い。食べるものもないし、そのまま壁際で仰向けになって死んでしまったのだろう。このクチブトゾウムシ、まだ名前は分かっていない。


2018年4月11日  森みつぐ

 このマンションに引っ越して来てから、丸11年が経とうとしている。ここに引っ越して来るときには10年ほどで昆虫標本の整理をして、そして何処かに寄付して身軽になった後、終の棲家に引っ越そうと考えていた。ところが、やはり人生って、そう思った通りには行かないものである。
 11年経っても、昆虫標本の整理は終わっていない。それどころか、この間にまだ種の判別のために標本のある部位を撮影したくなって、まだまだ昆虫標本は手放す訳にいかなくなってしまったのである。撮影画像と実物とは、やはりいろいろ並べて比べてみると、実際の昆虫の方が違いが良く見えてくるのである。
 10年の計画が11年になってしまったので、引っ越すことを決めて3月末から終の棲家の物件を探していた。昆虫標本用に、2部屋がいる。そして資料も増えてきたので、3LDKから4LDKの物件となり、庭も欲しいので一軒家の中古住宅に決めた。今の所より交通の便も良くスーパーも近くにあって、生活環境はかなり良い場所である。良く行く定山渓からは少し遠くなるが、母親の所には近付く。今の所とそんなに離れていないので、生活は今まで通りであろう。これから、大変な引っ越しの準備である。


2018年4月18日  森みつぐ

 早速、荷造りをしている。問題になるのは、やはり多くの標本箱の荷造りである。11年前、札幌に引っ越してきたときには、確か1週間ほどで荷造りをしたような状況であった。朝から晩まで段ボール箱に標本箱を詰め込んでいたのを覚えている。
 今回は、荷造りに2週間がある。11年の間に標本箱も本も増えているが、今のところは、夜遅くまでの荷造りは行っていない。住所変更に伴う様々な手続きは、来週から始めなくてはならなく、まだまだ余裕はないので、早く標本箱の荷造りは終わらせたいと思っている。
 そんな折、今日、室内に置いていたクロスキバホウジャクの蛹から成虫が羽化していたのである。3月から動き回っていた蛹だったが、もう羽化してしまった。この忙しい時に、多分、展翅したままの引っ越しとなるだろう。そして今、心配しているのは、ミヤマカラスアゲハが羽化してしまうのではないだろうかと言うことである。これだけは、もうどうしようもない。これからクロスキバホウジャクの展翅である。


2018年5月16日  森みつぐ

 すっかり若葉が萌え出している。暑くなったり寒くなったりと極端から極端へと気候変動は、相変わらず続いている。そんな中での引っ越しだったが、3週間近く経った。やっと今日、パソコンがインターネットにも接続された。ほんの2キロ程度の引っ越しだったが、電話番号が変わったのでADSL接続は、NTT側での再設定が必要なのである。
 マンションから戸建への引っ越しだったので、少し寒くなるのは想定していたが、夜は既に仕舞っていた羽毛布団を引っ張り出して寝るようになってしまった。今日、標本以外の段ボール箱は全て開け終えた。ただ取り敢えず、所定の場所ではないが箱から取り出して置いたのである。標本箱の方は、まだ半分残っている。そして標本箱を置く棚を組み立てなければならない。何とか来週中には、終えたいものである。
 ホームページの更新も1ヶ月位していないが、たまにはこんなこともいいだろう。住所や電話番号の変更手続きをしなくてはならない所も、まだ残っている。そして今日は、敷地内のコンクリートの駐車スペースに穴を明け、花壇を造ってもらった。何を植えようという計画はないが、やはりコンクリートより土があった方が安らぐのである。終の棲家だから。


2018年5月23日  森みつぐ

 2階の二部屋は、標本室となっている。引っ越しをして、標本箱の入った段ボール箱の4分の3を開けた。段ボール箱は減ってきたが、代わりに部屋は狭くなってきた。狭い中で棚を組み立てて、標本箱を収納してゆくが、最後はどうなってしまうのか今のところ、まだ不明である。
 最終的に標本箱は生物区毎に分けて収納するのだが、今は取り敢えず、空いた場所からランダムに収納している。棚を組み立てる場所や設置する場所を確保しながら段ボール箱から標本箱を取り出してゆく。あと2日あれば、棚の組み立てと段ボール箱からの取り出しは終わりそうであるが、収納場所は所定の場所になってない。
 収納場所に余裕がある訳ではないので、生物区毎にするには、標本箱をあっちこっちに持って行って、まだ暫らくは整理整頓できないだろう。標本箱だけではなくて、1階の書籍も本棚に収まっているが、まだ定位置ではない。そう言えば、その前に空きとなった段ボール箱300箱あまりを片付けなくては部屋は片付かないのである。多分、6月に突入するだろう。


2018年5月30日  森みつぐ

 段ボール箱を全て開け終わったが、てんでばらばらで所定の位置には程遠い。所定の位置に並び替える前に、棚の位置を少し変更したいと思っているのだが、今日は、その前に庭の花壇の手入れをしなくてはならない。もう5月も終わりである。
 家庭菜園として、ミニトマトとピーマンを少し植えた。一人なので少しだけで十分なのである。他のスペースには宿根草を植えたいのだが、今からではなかなか手に入らないので、一年草の花の種を買ってきて蒔いておいた。今日は風が強かったが、今年一番の暑さとなって、午後には雨も降った。いい状況であろう。今年植える分の宿根草は菊にすることに決めたので、買って来なくてはならない。
 午前中に庭の手入れが終わったので、玄関で下駄箱の組み立てを始めた。簡単に組み立てられると思っていたら、いろんな組み合わせがあるユニットタイプで、素人には難しいことが分かった。脚を取り付けるには電動ドリルが必要のようだったが、苦労して錐で貫通穴を明けてドライバー等で穴をだんだん大きくして脚を取り付けた。だが、結局最終的には脚を付けないで直接床に置くことにした。悪戦苦闘の末、3時過ぎに何とか終わったが、何故か取っ手がないタイプであった。これでは扉の開け閉めに困るので、ホームセンターで取っ手を探して、取り付けることにした。いつになったら、部屋の片付けが終わるのだろうか。

Copyright (C) 2018 森みつぐ    /// 更新:2018年6月3日 ///