夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−9 気ままにひと言

2004年12月7日  森みつぐ

 イラクへの自衛隊派遣期限が迫る中、防衛庁長官や自民・公明党の両幹事長が相次いで、イラク・サマーワで活動する自衛隊を視察した。このニュースで思い出したことがある。もう一つ、芸のない政治家のパフォーマンスが以前あった。BSEに感染した牛が見つかって、大きな騒ぎになったとき、牛肉を食べて「問題ない」と言っていた大臣がいた。そして、それ以前にもあった。政治家のパフォーマンスなんて、この程度である。
 イラクの自衛隊派遣問題は、サマーワの治安の善し悪し以前の問題である。与野党間のボタンの掛け違い、否、小泉内閣とその反対勢力間のボタンの掛け違いに由来する。「国際社会の一員として」と言う常套句は、「アメリカのために」でしかない。大義の失ったイラク問題から引くに引けなくなったアメリカを、僕従の如く追従する内閣の問題なのである。
 さて、この種の政治家のパフォーマンスを、この次は誰が行うのであろうか・・・??


2004年12月14日  森みつぐ

 11月1日新紙幣がお目見えした。1〜2週間もしたら、スーパーなどでも普通に見かけるようになるかなと思っていたら、見かけぬまま11月も終わってしまった。12月に入っても、さっぱり見かけない。銀行で何回か預金を引き出しているが、旧札ばかりである。
 新札と言えば、やはり2千円札抜きでは語ることが出来ないだろう。鳴物入で登場した守礼門の新札だったが、予想通り世の中に出回ることがなかった。私も二度ばかり手にしただけである。記念紙幣そのものであった。
 但し今回は、そうではない。そのうち全ての紙幣が、新紙幣に置き換わるのだが、なかなか最初の一枚がやってこない。と思っていたところ、やっとスーパーでのお釣りに千円札が一枚入っていた。それをひと目見て、“技術の進歩って罪だね!キンキラキンは、似合わないよ!”


2005年1月1日  森みつぐ

 昨日は、大晦日だった。だから今日は、お正月である。毎年何処かの国のホテルで、新年を迎えている。そのほとんどが騒々しい夜であるのだが、今年は然に非ず、何とも静かな夜であった。ここはエチオピア南部の町アワサである。エチオピアは、西洋歴を採用していないので12月31日、1月1日は、何の特別な意味を持たない普通の日なのである。
 今年もアフリカで始まった。2005年の始まりは、エチオピアである。生物区にエチオピア区とあるため、一度は歩いてみようと思っていた。エチオピアは、人類の起源かも知れないが、昆虫に関しては、エチオピア区を代表するような土地とは思えない(追記:しかしこの後、場所を変えて充分に楽しむことができた)。標高の低い南部は、エチオピア区を打表するサバンナ地域かも知れないが、北部はいかにも貧弱そうに思える。行ったことがないからかも知れないが、ちょっと寒い気候だ。まだ旅は、半ばを迎えたところである。この先、何が待ち受けているか楽しみにしていよう。
 ここ数年、新しく掴まえた昆虫は、確実に減っている。昆虫の多そうな国には、最初に行って、今はそこからはみ出してしまった国、それも治安と相談しながら行っている国だから仕方ない。そんな国、一般の人がぶらっといけるそんな国もだんだん限られてきた。こんな調子で海外に行くのもあと数年のような気がする。
 したいことは、いろいろある。あと2〜3年のうちに夢の計画を立てておかなくては。


2005年1月2日  森みつぐ

 今まで採集で訪れた国の中では、最貧国だからであろうか。いや、そんな訳ではないと思う。街中だと分かるのだが、郊外で昆虫採集をしていても子どもたちに見つかると、近寄ってきては“You!Money!”(表現の仕方はいろいろあるがこのパターンが多かった)を連呼する。近くによって、これをやられると採集なんてできない。如何もしがたい状態になるのである。残念だけれども、場所を変える他なくなってしまう。
 そしてもう一つ、更に悪いことをする子どもたちがいた。今まで、こんなことをする子どもたちに出会ったことがなかったのだが、非常に残念なことである。“You!Money!”の願いが叶わないと分かると、離れた草むらから石を投げてきたのである。
 エチオピアは、やはり観光国であろう。でも安宿を求めてバスで旅をする旅行者は少ないみたいである。最初に泊まった町では、ホテル周辺でも街中でも、そんな外人旅行者を見なかった。外人旅行者を見るところは、政府系ホテルと云われるある程度整備されたホテルである。最初の採集地は、そのホテル近くであった。2ヶ所目のところは、ホテルそのものが政府系ホテルしかなかったので、私としては、ちょっと高い宿賃を払って泊まった。ホテル前には、ガイドと称する子どもたちが待ち構えている。ところで、2ヶ所目のホテルに泊まったとき、日本人ツアー客が10数人泊まっていた。皆一緒にツアーバスに乗って、いいとこ取りするサファリツアー、いろいろ旅の仕方はある。でも少しは、エチオピアを歩いて欲しい。
 “You!Money!”にお金を渡しても、何ら問題の解決にはならない。そのことを観光客は、しっかり考えて行動して欲しいものである。


2005年1月3日  森みつぐ

 エチオピアに着いたのは、朝の4時前である。日が明けてからアジス・アベバの街に出ようと思って、出口近くのロビーの椅子に腰掛けて3時間余り妄想に耽りながら朦朧としていた。空港内で朝食を摂って、ロビー出口の警備員の人に、バス乗り場を訊ねた。そうすると、“Danger!”初めてのエチオピアならば、尚更危ないからタクシーで行く方がいいと云う。バスとは、空港の外を走っている路線のミニバスである。アフリカで走っているバスは、日本では、廃車を2〜3回繰り返して使った後、走れなくなった車を何とか動かして使っているようなバスが主である。人は、びっしり。多分、初めて乗る人は、たじろぐだろう。“Danger!”と云うのは、スリのことである。
 しつこく警備員が、タクシーに乗ってゆくようにと勧めるので、タクシーに乗ることにした。でも私にとっては、タクシーの方がスリの被害に遭うよりも、もっと多くの額をぼられるような気がする。案の定、ああだこうだと云いながら、ぼられた。いつも旅行で嫌な思いをするのは、このときである。
 そのタクシーの運転手に目的地に行くバスステーションまで連れて行ってもらった。バスの乗り込む前にその運転手は、“Danger!”バスは危険だから必要な額だけ手に持って後は見せないようにと注意してくる。“Danger!”は、あなたの方だと言ってあげたかったが、私は英語ができない。その運転手は、私と同じ目的地に行く女性を見つけて、降りられるようにと頼んでくれた。
 バスに揺られて6時間、目的地に着いた。すると彼女は、“Danger!”と言いながら、私の予定していたホテルが見つかるまで一緒について回ってくれた。“いいよ!”と言ったのだが、“Danger!”と言いながら、ホテルの部屋が決まるまで傍にいる。
 この国の人たちは皆、自分の国の人たちを“Danger!”と思っているのだろうか。何か私も気が滅入ってくるのであった。


2005年1月9日  森みつぐ

 今、私は、カイロのとあるホテルの一室にいる。私自身、タクシーでこのホテルに来たので、このホテルがカイロ市街のどの当たりなのかさっぱり分からない。後1時間もしたらホテルをチェックアウトしてタクシーで空港に向かう。日本に帰るのである。
 朝食を摂ってから寒いのでベッドに座り込みノートを開いて、なんやかんやと鉛筆で綴り書きしている。窓は、通りに面している。そして、ひっきりなしにクラクションの音が、飛び込んでくるのである。交通マナーは、有って無きが如しのようである。
 昨日、ホテルを出て少し歩いてみたのだが横断歩道には、しっかりと信号機が付いて動いている。近くには、警察官もいっぱいいて確認もしていた。ところがどうなっているのやら、歩行者は赤信号だろうが車が来ていないと渡る。それを見ている警察官も注意しない。車が来て危なくなると、やっと注意するのである。
 大らかなのはいいけど、これではクラクションの音が絶えない。そして、多分事故も。


2005年3月15日  森みつぐ

 撮影設備と言えるような設備なんてない。蛍光灯に、60Wの電球を点けて部屋の中で撮影している。デジカメの設定をときどき変えて写しているので、中には何とも奇妙な色彩の画像となって昆虫図鑑に登場したりする。
 自己流の画像処理技術を持って、写真に補正を掛けたりするが、素人には難しい。特に、薄い色彩、白が上手く表現できない。いつもいい方法を手探りで見つけ出そうとしているのだが、暫くの間は、試行錯誤の連続だろう。
 最近、もっと小さい昆虫も、それなりの大きさで撮影したいと思っているので、画素数の多いデジカメを手頃の値段になったら買うつもりでいる。そうすると多分、今のデジカメの最適設定も変わってしまい、また手探りで適正値を追い求めることになるだろう。
 と言う訳で、ときどき不可思議な色彩の昆虫が登場することもありますが、こんな状態なので、“またか!”なんて思いながら見て下さい。気になる画像は、差し替えたりもしていますので!


2005年3月21日  森みつぐ

 制作費着服の不祥事以来続いているNHK受信料の不払いは、3月末で70万件に達するとの見通しである。全受信契約の1.5%程度とのことであるが、私は、全く驚くような数字ではなかった。
 この受信料不払いは、不祥事が引き金になったかも知れないが、不払いする人たちの多くが、もともと受信料を払いたくないと思っていた人たちのように私には思える。何も主義主張があって払わなくなった訳でなく、払わなくて済む言い訳が欲しかった人たちに、その言い訳をNHKが進呈してしまっただけのように思うのである。従って、この人たちが、再び払い出すようになるのは難しいだろう。
 年金の未払いの問題と同じように、この日本に資本主義、民主主義が浸透した結果?なのだろう。訳の分からぬ自己責任が問われる中で、日本人の心は、脆くも崩れ落ちてきてしまっている。残念なことだが、NHK受信料のようなシステムは、この日本からは消えてゆくのかも知れない。


2005年4月9日  森みつぐ

 一週間前の日曜日の朝、目覚めてみると、喉が少しいがらっぽかった。“もしかすると、風邪かな?”と思いながら、一日を過ごしていると、夜、熱も出てきた。早めに寝ることにする。そして水曜日まで喉のいがらっぽさが続いた。“これって、風邪なのかな?”と思いながら、ジョギングを再開したところ、やっと木曜日から軽く鼻水も出るようになった。風邪と言うほどではないのだが、やっぱり風邪であった。
 日本で引いた風邪としては、6年振りかな?忘れてしまった。季節の変わり目は、いつも気を配っているのだが、今年の春は、気温が低く推移していたので、少し油断していたのである。それにしても風邪は、嫌だよね。さて今度は、風邪を引くのはいつのことになるのだろうか。

Copyright (C) 2004-2005 森みつぐ    /// 更新:2005年4月10日 ///