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   巡礼十日目
 
塚地越えと遍路
 
 
      第三十五番 清瀧寺   第三十六番 青龍寺  
平成30年5月4日巡礼   

  

    明けて5月4日、今日も好天なので暑くなりそう。宿泊先から昨日の帰路と同じ路線バスに乗り、大橋北詰の少し先の「高岡高校通り」で下車する。めざす清瀧寺は山の中腹にある。

    この巡礼道も昨日同様田植えを終えたばかりで、朝からカエルの鳴き声があちこちから聞こえる。

 

 

 

今日も先ずは山にチャレンジ

 

    やがて道は登りとなり道の左右には石仏が多く見受けられた。ちなみに右写真の一番右側の石仏には寛政十一(1799)年の銘があり、18世紀末には巡礼の風習があったことがわかる。

 

 

 

 

石仏が迎えてくれる

 

    「第三十五番札所清瀧寺(きよたきじ)」--- 山の中腹にある札所で、山門から階段を登りきると境内は諸堂とクルマの駐車が目立つ。しかし振り返ってみると今登ってきた下界の眺望がすばらしく、登坂の疲れも取れる思いであった。

     読経と納経を済ませ、いま来た参道を下る。途中までは往路と同じ道を歩くが、土佐市内中心部からは南への道をとり、海(土佐湾)方面を向かうことになる。 

 

 

大師堂と本堂

 

    さて海へ向かうはずの道なのに、人家は途切れ写真のように峠越えのような雰囲気となった。ここは「塚地峠」への登坂口で、遍路用の休憩所があったのでしばし休憩する。もちろんクルマ遍路ならこのまま直進して構わないし、歩道を歩いて南下することも可能である。しかしここはぜひ遍路らしく旧道を歩いてみたい。

 

 

 

  
直進・塚地坂トンネル、右折・塚地峠への旧道

 

    休憩所エリアに塚地峠の案内板を見つけたので読んでみる。するとこの道はかつての生活道でもあったことがわかり、時代と共にどのような変遷をたどったかがわかった。

     塚地峠について記した案内板はこちらをクリック
    (戻る際はブラウザの「戻る」で戻って下さい)

 

 

 

旧道は即ち遍路道

 

   では塚地峠にチャレンジ!手元の資料では標高190M程度のようだがいざ登ってみると意外にキツく、遍路ころがしではないかと思うほど。

    それでもなんとか頑張って峠に着いた。見晴し台からは海が見えてるが次の札所・青龍寺は右写真の中央奥の方向にあり、到達にはまだ少々距離がある。

 

 

 

青龍寺は対岸の先にある

 

   少々疲れてきたかな?道中休憩を取りながらの歩きとなる。峠を下ると海(宇佐湾)沿いの道となり、やがて宇佐大橋を渡る。歩行者は殆どおらず、時折追い越していくクルマはやはり遍路なのだろうか?

 

 

 

 

宇佐大橋を渡る

 

   海を左手に見ながらしばらく歩くと谷あいへの道となる。遍路道らしく石仏が並んでいて、やがて青龍寺の山門が見えてくる。

   

 

 

 

 

谷あいの右手に青龍寺が見えてきた

 

    「第三十六番札所青龍寺(しょうりゅうじ)」--- 仁王門をくぐるとすぐに階段を登ることになる。

     この近くには明徳義塾高校があり、かつて異国から留学してきた相撲部員が連日この階段を上り下りして体を鍛えていた話を知っていたので、あぁここなのだなとしばし想いにふける。これは後の横綱朝青龍の逸話であり、彼のしこ名がこの寺にちなんでいるのもそのためであった。横綱昇進後の朝青龍には横綱の品格云々の話題も少なからずあったが、それはそれとして若き日の彼の頑張りをこの参道の階段にオーバーラップしてみた。

 

参道の階段

 

    境内は参拝客で賑わっている(やはりクルマ遍路だった)。お遍路さんはたいてい白衣を纏う等の遍路らしい姿をしているので一目でそれとわかるのだが、その中で法衣を纏った“本職の”若い僧侶のかたも参拝していた。おそらく弘法大師ゆかりの霊跡を巡り、修行の一環としているように拝察した。(直接本人から話を伺っていないので、事実誤認があればご容赦頂きたい。)

 

 

 

山を背に諸堂が並ぶ

 

    さて納経を済ませて帰路となる。海岸沿いまで戻ると「ドラゴンバス(土佐市のコミュニティバス)」の竜停留所がある。しかしバスは1日わずか4便で、JR伊野駅行きが2本・高岡営業所行きが2本である。自分が到着した時間には高岡営業所行き(16:32発)のみで、さて高知市内へ戻るには?と思いつつ到着したバスの運転士さんに訊くと井上病院前停留所で乗換えれば伊野駅に着けると教えてくれてホッ。

 

    2日間で6ヵ寺を巡り、土佐国(高知県)の残る札所は3ヵ寺となった。次回は土佐国から伊予国へと向かうが、交通手段は事前に念入りに調査しておこう。

「竜」停留所でバスを待つ

 

<参考>高知中心部~清瀧寺~塚地峠~青龍寺~高知駅
タイムテーブル
(初夏の陽気・宿泊用荷物携行・やや健脚の場合)

    堀詰バス停 7:05 (とさでん交通バス) 7:45 高岡高校通りバス停 7:45 - 8:30 清瀧寺 9:00 -11:20 塚地休憩所 11:50 - 12:15 塚地峠 12:15 - 14:20 青龍寺 15:15 - 15:45 竜バス停 16:32 (土佐市ドラゴンバス) 16:50 井上病院前バス停 17:19 (土佐市ドラゴンバス) 17:37 伊野駅 17:51(JR土讃線)18:10 高知駅

 

帰路の「ブルーメッツ号」新宿行き

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