第十回:駅(2001.9.28)
歌詞を見る掲示板で、「女性アーティストの曲の中で歌ってみたいもの」として書いた曲です。竹内まりやの曲の中でも、特にカラオケでよく歌われる曲だと思います。
僕の中では、竹内まりやといえば「火曜サスペンスの主題歌(「シングルアゲイン」、「告白」)」というイメージがあったのですが、ベストアルバム「Impressions」を聴いてからいろいろな雰囲気の曲を知りました。でも、個人的な感想としてはこの曲のような、女性の切ない心を歌ったら(こう書くのはちょっと照れるのですが・・・)一番ではないかと思います。
これを書くためにちょこっと調べてみると、ほとんどの曲は竹内まりや本人が作詞・作曲を担当しているんですね。デビュー(もう20年以上前)してからしばらくは曲作りには関わっていないようですが、自分で曲を作るようになってからのほうが名曲が多いですよね。やはり、実力でしょう。編曲の山下達郎(旦那さん)の協力も見逃せないところ。
この曲を歌いこなすには、やはりある程度の人生経験が必要ではないでしょうか。この前の「悲しい色やね」ほどではないにしても、この曲を18〜20歳前後の女性が歌ってもあまりしっくり来ないように思います。
歌詞の内容を読んでもらうとわかります。昔の恋人を駅で見かけたけれど、声をかけずにそっと見つめるだけ。そして、今のお互いの日常に戻っていく。「♪それぞれに待つ人のもとへ 戻ってゆくのね 気づきもせずに」…男性31歳、女性28歳、といったところでしょうか(?)。声をかけないところが大人ではありませんか。こんなことを書いている僕はまだまだコドモですが。歌うときには自分のそういった経験を思い出しながら歌ってみるといいかもしれません。あんまり感情移入しすぎると大変なので、ほどほどに。
第九回:悲しい色やね(2001.9.21)
歌詞を見るちょっと渋めの選曲になりました。上田正樹の代表曲ですね。1981年10月に発売されたのですが、発売当時はそれほど売れ行きは良くなかったようです。ところが、大阪の有線放送から火がつき、1983年(翌々年!)になって売れ出して、ついにはヒットチャートの1位を獲得という、実力派の歌手に良く見られるパターンで大ヒットしました。その頃には僕も歌番組を見ていたのですが、この曲のことはよく覚えていません。小学校1年生の子どもにこの曲を理解しろ、というのは無理ですよね。
とにかく、「渋い」この一言に尽きると思います。その風貌、声、すべてが「シブい」。今でも、たまにテレビに出ることがありますのでぜひ一度見てもらいたいと思います。日本のR&Bシンガーの第一人者、という肩書きで呼ばれることも多いですね。
どんな歌でもまず歌ってみよう、といいたいところですが、この曲に関しては「大人」でないと歌いこなせないのではないか、と思います。少なくとも、30歳未満ではこの曲を歌うのには適さないでしょう(勝手に年齢制限を敷いてしまいましたが)。僕も、年齢を重ねたときにこの曲を歌ってある程度サマになるようになっていればいいな、と思っています。
30歳以上のみなさんへ(見ている人、いるのかな・・・)、歌うときのポイントは「出だしを決める」ことでしょう。この曲を聴いたときに、まず出だしの「♪にじむ街の灯を・・・」というところがひとつのヤマ場になると思います。あの声を真似するのはハッキリ言って無理でしょうから、自分なりに感情を込めて歌ってみましょう。もうひとつ挙げるとすれば、間奏前の「♪さよならをみんな ここに捨てに来るから・・・」というところでしょうか。この曲を歌いこなせたら、相当カッコいいと思いますよ。他の人とは一味違った選曲になることでしょう。
第八回:フレンズ(2001.9.12)
歌詞を見る初めての女性ボーカルの曲です。1986年に発売され、大ヒット。大体の人が一度は聴いたことがあると思います。このヒットをきっかけに、レベッカというバンドが有名になりましたよね。この曲以外にも、「Moon」とか「ラズベリー・ドリーム」とかヒット曲は多いのですが僕個人としてはこの曲のインパクトがあまりに強すぎて、他の曲の印象が若干薄くなってしまうくらいです。それほど、完成された曲だと思います。80年代の女性ボーカルの曲では最高峰のひとつでしょう。
歌詞、メロディー、演奏、そしてボーカル・・・すべてが完璧にマッチしていて、僕なんかが言うことは特にありません。Nokko(のっこ)さんの声の雰囲気がまたぴったりなんです。2番目のサビから間奏のギターのあたりなど鳥肌が立つくらいです。この曲を聴くと、(発売された頃は小学生だったのにもかかわらず)なんとなく中学生とか高校生の頃を思い出してしまいます。
この曲を上手に歌うためには、「よく歌詞を読む」ことでしょう。女性なら、ほとんどの人が胸にグッとくるものがあると思います。あとは、自分がどこまでその世界に浸りきれるか、にかかってきます。僕はあんまり自分の世界にどっぷりと浸りながら歌うのは好きではないのですが、この曲に関しては、そういう歌い方のほうが合っているような気がします。歌詞だけで、独自の世界を作っている歌というのは最近あまり無いですよね。
余談になるんですが、僕は「セガカラ」のボイスチェンジで2〜3回歌ってしまいました。すいません。
第七回:もう一度キスしたかった(2001.9.8)
歌詞を見るこのコーナーには珍しく、シングルカットされていない曲を選びました。B'zの5枚目のフルアルバム「WILD LIFE」の中に収録されています。シングルになっていない、とは言ってもちょっとB'zを聴いたことのある人ならたいてい知っているというメジャーな曲です。
B'zがデビューして、その曲を聴いたときに感じたことは「TMネットワークにそっくり」ということでした。後で知ったのですが、作曲の松本さんはTMネットワークのサポートもやっていた、ということで納得?しかし、初めての1位を獲得した「太陽のKomachi-Angel」くらいからその作風が変わった、というか彼ららしさが出てきたように思います。最初はそれほど好きでもなかったのですが、「LADY NAVIGATION」のあたりからよく聴くようになり、このアルバムをレンタルしました。ちょうど僕は中学生になって、ちっちゃいころとはまた違う意味で音楽に興味を持ち始め、いろいろと自分で選んで音楽を聴き始めた時期です。
メロディーはいたってシンプル。ほとんど繰り返し、最後に半音キーがあがるだけ、という曲なのですが、なによりも稲葉さんの声、そして歌詞ですよね。あえてシンプルなメロディーにして、詩を「聴かせる」ことで本当に切ない雰囲気が出ていると思います。まさしく直球勝負、ど真ん中ストレートという言葉がぴったりの曲です。この歌を歌うなら、絶対にキメる(なにを?)という気持ちで歌いましょう。特別、ここがポイントといえるところは無いのですが、これも下手にまねをするよりは自分の声で歌うほうがよいと思います。B'zの曲はキーが高く、原曲で歌うのには骨が折れるものが多い(「ねがい」とか、「ウルトラソウル」とか)ので、そこには注意ですね。
第六回:恋の予感(2001.9.2)
歌詞を見る安全地帯の代表曲のひとつですね。「ワインレッドの心」で一躍有名になった安全地帯が、完全にその地位を確立した曲といっていいと思います。この頃は、ボーカルの玉置浩二は今で言えばラルクのhyde、元Luna Seaの河村隆一のような路線でしたよね。今では、そういった飾りを捨てて、自分の地を出しているように思います。どちらがいいか、というのは人それぞれですけど、僕は今のほうがいいような気がします。北海道出身のアーティストは、キャリアが長くなるとやはり北海道に帰りたくなるのでしょうか?他にも、松山千春、大黒摩季なども北海道に戻ってマイペースの活動をしていますよね。
とにかく、玉置浩二の「声」。これに尽きると思います。物まね番組で、たくさんの人が玉置さんのまねをやっていますが、本当に似ている、と思えた人は「いない」ですね。それほど、特徴のある声・・・聴いていてしびれるような声です。それと、井上陽水の詩。よく読んでみると、何を言いたいのかわからないような詩なのですが、これがメロディーにのるとなんともいえない味が出てくるのです。不思議ですよね。
歌うときのポイントは、「まねをしない」、これが一番です。まねしようと思ってもまずできるような声ではないですから。自分らしく歌うほうが、ずっとよく聴こえると思います。声に特徴のあるアーティストの歌(サザンの桑田とか)というのは、まねをして歌いたくなるものなのですが、僕はあまり気にしないで自分の声で歌っています。それで、あまりに雰囲気が違えば今度から歌うのをやめてしまいます。車を持っていたころは、ドライブがてらカラオケの練習をしていて、それで「今度はこの歌を歌ってみよう」とか考えていたものです。
あとは、最初の「♪なぜ、なぜ あなたは綺麗になりたいの・・・」とにかく、前奏でためてためて「♪なぜ・・・」と来るので、歌いだしをきちんと決めたらあとは自然に歌っていけばいいでしょう。ここで取り上げている曲の中では比較的易しい曲ではないかと思います。練習をして、自分の曲にしてしまいましょう。