戻る      次へ

夢見るHard Winds
Act8・刻まれる振り子

 


「レイオスの給仕を引き受けたあ?」

 その日、雑貨屋の仕事から戻ったキャシーにそう告げられてリードは思わずベッドから転げ落ちるところだった。

「何なんだよ、それは。わざわざ敵の陣地に飛び込むような真似をして…」

 今朝、小屋の周辺に人の気配を感じると言う事件があったばかりだ。リードは気を取り直して声を潜めた。

 そんなリードをニコニコと余裕の微笑みで見つめているキャシー。ジミーとカーター氏は寝室で何やら楽しそうに語り合っているし、リーアはアレクと一緒に帰宅すると言うし…今、食堂兼居間にいるのは2人だけだ。

「リーアが行くよりはいいかと思ったのよ。私だったら彼女より窮地に強いんじゃないかと思って…」
「そりゃあ、そうだろうけどさ…」
 リードは大きく溜息を付いた。

「お前、大体分かっているんだろうな。どうして今まで娘らしい格好をしないで来たんだよ、着飾ったらお里が知れるからじゃないのかい?」

「あら、でもリード」
 キャシーは本当に楽しげに浮き浮きしている。この事態に置いてこんなに余裕でいられる気が知れなかった。リードに睨まれても臆することなく、キャシーは話し出す。
「私が着飾って綺麗になったところ、見たことないでしょう?」
「……」

 やったことないものは見たことない、当然である。

「だったら、私が本当にゴースト達に身分が知れるか分からないじゃない。それにさ、ちょっと興味もあるんだよね」
「…興味?」
 興味本位でやっていいことではない気がする。
「事態は緊迫しているんでしょう? 命を狙われているかも知れないんでしょう? …どうせ死ぬんだったら、一度くらい綺麗にドレスが着てみたいの」
「……」
「やりたいこと我慢したままじゃ、死んでも死にきれないわ。ねえリード、覚えているでしょう? アレク兄さんがポリスに入りたいと言い出したときのこと…」

 

 アレクの所にポリス入隊の話が来たのは、彼が12歳になった頃だった。リース村ポリスの署長、ワーグス氏が直々に話を持ってきたのである。
「アレクには天性のカンのようなものを感じる。銃でも剣でもこれから仕込んでやるから入隊しないか?」
 あのおどけた署長とは思えない真剣さであった。
 
 通常はポリスの入隊は筆記と実技と書類選考の厳しい試験を受ける必要がある。孤児であるアレクは書類選考の時点でアウトになるはずだった。実際、タウンに提出されたポリス入隊の書類ではアレクはワーグス署長の養子、と言うことになっている。もちろん書面上のことではあるが。

 それまでアレクはリーアの父、オルフェイン氏の雑貨店で働いていた。話を受けてポリスに入隊したいとアレクは皆の前で言い放った。
 その時、いつもは何も言わずに見守るのが常のロッドが珍しく正面から反対したのである。
「そんな目立つことをしてどうする? ポリスに入ったらタウンに出向したり、ゴーストと関わることになるやも知れん。そんな危険なことをして何になる」
 厳しい、有無を言わせぬ口調だった。
 まだ小さかったジミーが寝入った後の居間で息の詰まるような緊迫した空気が流れた。

 

「…それでも兄さんはとうとう自分の意志を貫いたわ」
「兄貴は銃や剣の技を身につけたいという希望があったからだろう?」

 思えばアレクはあの頃からゴーストと対する覚悟があったのだろう。だからこそ常人では身につけられない技を極めるため、ポリスに入隊したのだ。

「私だって、ロッド兄さんが言うから我慢してきたのよ。前にも言ったでしょう? 私にはリードと違ってタウンでの生活の記憶がないんだもん。そりゃあ、家にいた頃は着飾っていたでしょうよ。でもね、お金がないからと言うだけで服を買えないんだったら…リーアが小さくなった服をくれるというのすら断るのはどうかと思うのよね。本当はずっとずっと思っていたの」

 リードにとっては初めて聞く話だった。小さいばかりだと思っていたキャシーもそろそろ娘らしい夢を持つ年になっていたのだ。

「…私にとってはドレスが戦闘服よ。負けやしないから…でもこのことは内緒よ。おばさんにも口止めしてあるからね」
「内緒よ、って言ってもなあ…」
 話を聞いたらロッドはどんなに仰天するであろう。アレクの時ですらあんなに厳しかったのだ。どうやったって許されるわけがない。
 キャシーもそのことは承知しているようであった。

「でね」
 キャシーはおもむろに身を乗り出して、リードに耳打ちした。
「実はもう一つ、みんなに内緒の計画があるの」

「…おいおい…」

 リードは困り切った表情になった。
「俺にばっかり秘密を打ち明けないでくれよ。聞かされたら気になるじゃないか」
「だって、誰にも話さないのもストレス溜まるんだもの…丁度いいところにリードがいるから、つい話しちゃうのよね」
「つい、かよ…」
 やれやれ、という諦め顔。分かりました、と言うようにリードは話を聞く体制に入った。

 

「なあ、ロッド」
 いつもの通り無口に仕事をしているロッドに、時計屋の主人はやさしく話しかけた。
「何だい?」
 ロッドは別段、嫌な表情もせずすぐに顔を上げた。
「そこに大きな置き時計があるだろう?」

 彼が指さした先には、古びてはいるがしっかりとした造りの大人の背丈ほどもある振り子時計がある。

「レイオスの…そう、もう後4日後に迫ったセイジュ・S・モートン伯ご視察の一行がおいでになる日に使われる旅館だが…あそこの主人のベンが伯のお泊まりになる部屋にひとつ時計を置きたいと言ってきたんだよ…」

 モートン伯、と言う名が出たとたんにロッドの頭の中にもう昨朝の事になった出来事を思い出されていた。
 あれから今までよりさらに慎重に周囲に気を配っているつもりであるが、そういえばどこからか人の気配がするようになった。思いこみかも知れないが、もしどこからか誰かに狙われているかもと思うと、戻り道どころかちょっと用足しに外出するのでさえ息を飲むような重苦しい心境だ。こんなことには慣れているはずのロッドですらそうなのだから、キャシーや…ましてやリーアにとっては耐え難い心内であろう。

「どうして、気配があるのに…姿がないのかしら?」
 昨日の夕食時、まずキャシーが口火を切った。初めのうちこそはおどおどしていた様子であった彼女もいつしか動きを見せない「影」に憤りすら感じているらしかった。
「おいおい、そんな風に軽く言うなよ。本当に動き出して危害が加えられたらどうするんだよ?」
 リードがそうたしなめると、黒パンをかじった。

 ごく普通の夕餉の風景であった。

「──── 俺、思ったんだけどさ… 」
 スプーンの動きを止めて、アレクが顔を上げる。
「こういう考え方は良くないかとは思ったんだけど…敵は必ずしも外部からの人間とは限らないんじゃないかな…? もしかするとごくごく見慣れた…」

「じゃあ、アレク兄貴は村の人の中にいるっていうの? 僕たちを狙っている人が…」
 ジミーが口を挟む。
「…僕にはてんで思い当たらないよ…」
 明らかに不服そうにふくれている。

「でも…そうじゃない、とは断言できないだろう?」
 ジミーの心境を思いやってか強いいい方ではないにせよ、アレクはしっかりした口調で言った。

「私も信じたくはないな。もしそうだとしたら、どうして? 私たちを村の人が監視しなければならないの?」
「そうだよ、…たとえば…王政に反感を持っていたとか?」
 よく似た、二つの顔がアレクを見つめた。

「う…ん、別に俺も根拠があったわけじゃないしな。それにここは中央の政府の力が余り及ばないのどかな村だし…」
 さすがのアレクも考えがまとまらないようであった。
「俺は、兄貴の言うことにも一理あると思うよ」
 フォローするようにリードが話し出した。
「この村って、外から人が来たら一目で分かると思うけど…そういう人は見かけてないんだろう? 話も聞かないし…」
「そこが、俺が睨んだ所なんだ」
 ロッドは黙っていた。
 じっと皆の話に聞き入っていたのだ。

 自分の意見を述べるのはいつも出来るだけ、皆の意見が出そろってからにしようと気を付けていた。年長者であるからこそ、自分の言うことが他の者にどれだけの影響力があるかはよく分かっている。押しつけてばかりいたら、皆は自分で考えなくなってしまうだろう。そう思っていたからこその考慮だった。

「ロッド兄さん、どう思うの?」
 不意にキャシーが話しかけてきた。
 彼は少し考えてから、
「突飛な意見だとは思うが…否定することも出来ないな…」
と、出来るだけゆっくりと言った。
「そうなの…」
 それだけ言うと、キャシーは暫く何かを考えていたようであったが、やがて口を開いて、
「だったら…誰が…」
と、寂しそうに呟いた。
 悲しそうに俯いたキャシーの横顔をロッドは見ていた。
「みんな…いい人だと思うの。疑いたくなんかない。でも…本当はみんな他人で何の繋がりもない人たちなんだもの…私たちって、やっぱり自分の身は自分で守って行かなくてはならないのね…」

 誰も答えなかった。

 人を信じると言うことはとても勇気のいることである。いつも不安がつきまとう。
 疑うことなんか忘れてしまいたいのに、そうも行かない。

 重苦しいテーブルになってしまった。

 

「おい…ロッド?」
 ロッドはハッとして、現実に戻った。
「どうしたんだ、お前がボーっとするなんて珍しいな」
「いや…この大時計だな」
 出来るだけ悟られてないように、彼は素早く思考回路を今に戻した。
「そうだ。古いものではあるがちょっと手を加えたら何とかなりそうだろう? 悪いがお前の手で見てもらえんかね?」

「…親父がやるんじゃないのかい?」
 ロッドは不思議そうに尋ねた。

「あ、いや…ちょっと出掛ける用事があるんでな」
「どこへ?」

 考える前に言葉が口をついて出ていた。そんな自分に後から気付いてロッドは愕然とする。

「ああ、モートン伯をお出迎えするパーティーのことでベンに相談されてな、話を聞いてこようと思うんだ。その時計、お前だって十分見られると思うよ」
 時計屋の主人の声は穏やかにそう言った。
「じゃあ、ちょっと留守を頼むよ」

 彼の姿が通りの角を曲がって見えなくなってから、ロッドは店中に響くように大きく溜息を付いた。

(何てこった…)

 自分は一瞬ではあったが、九年間も共に働いている…何も知らない自分に仕事を一から教えてくれた親切な主人を疑っていたのだ。
 そんな自分の邪推に答える彼の表情には一瞬の曇りもなく…ロッドはそれを見て、自分が自分で情けなくなっていた。
 アレクの考え…否定することは出来ない。自分も言わなかったが心の何処かではそう思っていたのだ。

 ふわりと。

 ロッドの頬を春風がすり抜けた。
 肌寒さは感じないやさしいやわらかい風。
 それに導かれるように彼は顔を上げた。

 ロッドの両の眼に商店街の賑わいが見える。暖かな日差しに誘われて村人達はこの小さな通りに集まってきていた。
 ある者は春蒔きの野菜の種を求め、またある者は反物を求めている。新しい服でもこしらえるのだろう。その誰もがもし、ロッドの姿を見かければ、
「やあ、元気かい?」
「仕事ははかどってるかい?」
と、にこやかに声をかけてくれる顔なじみ達だ。

(…みんな他人で何の繋がりもない人たちなんだもの…)

 昨夜のキャシーの声が耳元で響く。
 軽いめまいを感じたのは、春の明るすぎる日差しのせいか…?彼は暗い店内に視線を戻した。先ほどの大時計がゆっくりと振り子を動かしている。その横には4月2日、と言う今日の日付ともう一つ4月6日と言うモートン伯が到着する日時が紙に朱で書かれて止められている。この店の主人の字だ。九年間、毎日、折に触れて眺めている右上がりの字だ。

「俺は…どうするべきなのだろうか…」
 古時計に手を置いて、ロッドは小さな声で呟いた。
 時計は──── ただ、時を刻み続けるだけであった。

 

 アレクはポリスの自分の机で文書を制作していた。
 さらさらと書き進められる文字は流麗である。この村に流れ着いた頃からこの文字は皆の注目の的だった。どこから流れ着いたとも思えないみすぼらしい身なりの子供がこんな文字が書けるほど学があるとは信じられなかっただろう。

 迂闊であった…今更ながらそう思う。

 雑貨屋のオルフェイン氏にあっても、見た目で疑った上にこの文字を見せられては自分の推理に確信を持ったかも知れない。ただ、ロッドはここまでの字は書かなかったし、他の3人に至っては村人でも「練習したら?」と頭を抱える位だったから…結局の所、これはアレクの天性のものということで村人の心の中で片づけられたのだろう。
 ポリスに入隊してからも何か清書する正式文書があるときは、必ずアレクに仕事として回ってきた。

 やがて、彼は付けペンを置くとインク瓶の蓋を閉めて文書を静かに読み直した。何度か心の中で読み直してから、さっと席を立ちワーグス署長の机の前に立った。
「これで宜しいでしょうか?」
 署長は彼が差し出した書面を受け取ると、ゆっくり目を通し、やがて、
「結構だ、ご苦労」
と、言った。
「あの…署長…」
 普段は用が済めばすぐに自分の勤務に戻るアレクが机の前に立ち続けるので、ワーグス署長は不思議そうに顔を上げた。
「何だい?」

 アレクは暫く言葉を選んで考え込んでから、話し出した。
「あの…唐突ですが…村の周辺で、ここ何日か夜盗が出たという情報などはありませんでしょうか?」
「ああ? 何だよ、物騒な…」
 唐突ですが、と断りを入れたのではあるが…やはりリース村ポリスにとっては余り聞き慣れない言葉であったので、署長の方も慌てていた。

「実は…雑貨屋のオルフェインさんが…」
「ああ、彼の姿が何日か見えないと皆が言っていたな。それがどうかしたのかい?」
 ワーグスは姿勢を正した。

 アレクは言葉を選びながら話を続ける。

「リーアの話によると、何処に行くかとも詳しく言わずに出掛けたまま戻らないらしいんです。彼女も心配しているし…何か事件にでも巻き込まれたのではないかと思いまして。ちょっと、お尋ねしたのですが…」
「事件ねえ…」
 ワーグスは首をひねった。
「彼は何処に出掛けるとも言わなかったのかい?」
「このセルア区の東、ジャイス区を抜けてルータ区に良く買い出しに行っていたそうなんです。定期馬車を使って。今回も彼はこの村の隣のミラ町から出ている乗り合い馬車で出掛けたんじゃないかと、リーアは…」
 アレクの話は創作ではなかった。
 この村には定期馬車の駅がないが、隣町からは出ている。馬車はセルア区内の村や町を点々と周り、区境まで来ると他の馬車に乗り換える。早馬と違って乗り合いの馬車はゆっくりとしたものだったがそれでも早朝に出れば夕方にはジャイスを横切り、ルータに到着する運びになっていた。
「買い付けに行く問屋はルータ区の一番西寄りにあるルディー町にあるそうです。いつもはそこに一泊して次の日に戻ってきていたそうです」
「オルフェインはいつから出掛けてるんだい?」
「それはリーアも良く覚えているそうです、3月の27日、初めにモートン伯のご視察の話が入った日です」
「それなら忘れるはずもないな…もう6日になるのか…何の連絡もないまま、若い娘を置いたまま…そうだな、不自然だな」
「そうでしょう?」
 アレクはワーグス署長の言葉を待った。
「う…ん…、このセルア区でも隣のジャイス区でも定期馬車が事件に巻き込まれたという話はないな。夜盗が出たという情報もない」
「そうですか」
 アレクはがっかりした。何か手がかりが掴めるかと思ったのだが。

 中央政府の息が掛かっているのはリディール共和国の九つの区の内でタウンはもちろんだが、後はタウンの西のダーク、東のティレス、そしてティレスの南、タウンの東南に位置するルータ…であると言われている。タウンからの兵の数も多いし、税金も裕福な分、多く取られるという。

リーアの父、オルフェイン氏は王政の復活を望む組織に関わっていたと言うがそれが何処にあったかまではリーアも知らなかった。しかし、ルータ区のルディー町に良く出掛けていたこと、手紙の差出人もそこからのものがほとんどだった事などから、本拠地はそこではないかと推察される。これは丘の上の住人が出した推論ではあったが。
 ミスター・カーターは王政主義者の事など知らず(もっとも、部外者に漏れているようではそんな組織が成り立つわけもないし)情報も期待できなかった。しかし、何度か訪れたことのあるルディー町は問屋街であるだけに部外者が多く往来している町で、そんな組織を運営するには見つかりにくい土地柄だったことは確からしい。

「ああ、そうだ」
 ワーグス署長はにわかに思い出したように机をぽんと叩いた。
「定期馬車の話はなかったが、そう言えばええと…」
 彼は資料のファイルをめくった。
「ここだ、ここ。三十日、昼頃にジャイス区のカカリアという町で民家が燃えている、ここは定期馬車が停まる町だよ。ただ、死傷者がいたかまでは分からないんだが…」
「カカリア…ですか…」
 馬を使うアレクは定期馬車には乗ったこともないし、ジャイスにも明るくない。彼はむしろセルア区の北に位置するユリス区やロード区に明るかった。山岳地帯のロード区は急な斜面が多いのでポリスの演習にはよく使われていたのだ。ロードの北はタウンなのだが道が険しいため、定期馬車も汽車も迂回して早馬ならロードを通って一日強で着くところも、この迂回のため数日を要してしまうのだ。汽車に乗っても3日半掛かると聞いていた。

「実はな…アレク」
 部屋には他の部隊長はいなかったが、それでも署長は声を潜めた。
「タウンからの視察が来る、という時期柄…村人を混乱させても行けないと思っていたのだが…私のタウンにいるポリスの養成所時代の友人によれば、政府の…ゴーストのメンバーの間で何かあるらしいんだ」
「共和国になってからの十年祭を来年行うと言うことは聞いていますが」
「それはみんな知っていることであるが…そうも明るいニュースだけではないらしい…」
「と、申しますと…?」
「どうも…内部分裂があるらしいんだ」

 アレクにとって。初耳であった。と、言うことは丘の上の住人にとっても知らないところである。
「そうだったんですか…」

「タウンを牛耳るゴースト、その中心人物はクレール・P・ドリアンと────」
「今度視察においでになる、モートン伯ですね」
「その通りだ」
「で…え、まさか…」
 アレクは自分の中に浮かんだ考えを自分で信じられなかった。
「さすがにお前は察しがいいな、その通りだと思うよ」
 署長はそれ以上は自分では言わなかった。
「とにかくその亀裂が元で仲間内でもごたごたが起きているらしい。情報が入っていないまでも国のあちこちで諍いや襲撃が起きているらしいんだ…考えたくはないが…オルフェインがそう言うことに巻き込まれたとしたら、大事だな」

 アレクは何も答えられなかった。

 

戻る   次へ