パワーショベル(バックホー、ユンボ) 本体の修理事例 |
アームやブーム、バケットなどが、直接作業に当たる油圧ショベル(パワーショベル、バックホー、ユンボ)の「腕」だとするなら、上部旋回体・下部走行体はそれを支える役割を担う「土台」であると考えられます。
上部旋回体は下部走行体と「旋回輪」と呼ばれる機構で連結されており、下部走行体に対して、相対的に左右に旋回することができます。
当然ですが、バケットやアタッチメントで掬ったり、掴んだりした掘削物や瓦礫などを移動するために、不可欠な機能の一つといえます。
また上部旋回体は、運転席(キャブ)や燃料タンク、作動油タンクや作動油ポンプ(ブームやアーム等の各油圧シリンダー・旋回モーター・走行用モーターを稼動させるための装置)、エンジン・バッテリーなど、油圧ショベル稼動のための主要な機構を搭載・格納しており、油圧ショベルの機能の中枢を成しています。
一方、下部走行体は上部旋回体の真下に位置し、油圧ショベルが移動するための走行機能を有しています。
その下部走行体の中心部分は「トラックフレーム」とよばれる構造体で、旋回輪のついている中央部から、左右に各一対づづ、前後に細長い形状をしたフレーム部分が伸びています。
その左右フレームには、走行用の油圧モーターが後端に左右各一つづつ付いており、「駆動輪」(スプロケット)と呼ばれる歯車状のものを回転させ、「トラックリンク」(巨大な、自転車のチェーンのような形状のもの)を回転させて走行力を生み出します。
また、フレームの前端には駆動力を持たないで遊転する「誘導輪」、上部と下部には複数の「上ローラー」「下ローラー」が取り付けられており、トラックリンクがフレームから外れないように、またフレームと接触せずにスムーズに回転するよう、ガイドの役割を果たしています。
更にトラックリンクには、「シュー」と呼ばれる細長い鉄板が左右で各40数枚、ボルトとナットで固定されており、地面への荷重の分散と滑り止めの役割をしています。
(※最近では地面のアスファルトを痛めないように、ゴムの付いているシューもあります。)
上部旋回体・下部走行体ともに、直接掘削物などと接触せず、また構造が堅牢であるためか、バケットやアーム・ブームほどの変形・破損状況というのは、当社では滅多に遭遇しません。
ただ、下部走行体に関しては稼動部が多く、駆動輪・誘導輪・トラックリンク・シューの磨耗、左右フレームの変形などが起こるので、修理や部品の交換などを適切な時期に行なう必要があります。
※当サイト内では、便宜的に上部旋回体と下部走行体をまとめて「本体」と呼んでいます。
※当サイトでは、当社業務上の通例に準じて「パワーショベル」「バックホー」「ユンボ」を、同一種類の建設機械の名称として扱っております。厳密な定義とは異なる可能性がありますが、ご了承ください。
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