2009年5月16日庄川のヤマメです。夏ばてで体調を崩していて魚の写真が切れてきました。もっとも釣りに行っていてもどうせボウズでしょうけど。前も書いたかもしれませんが、バックリバーはルアーの着水位置がつかみやすいです。先から順番に曲がってくるテーパーのおかげで、キャストの力と飛距離が比例しているのでしょう。玉に傷はダウンロックのリールシート。やっぱり富士に替えちゃおっかなーとかせめてコルクかウッドのスペーサーにしようかなーとかオフシーズンが近づくにつれて悪い虫が騒ぎ出しています。そんなリールシートですが唯一の長所は、こうしてルアーを引っ掛けて写真を撮れるところ・・・。 (2009/9/4)

 比例といえば、衆議院選挙には小選挙区比例代表並立制が採用されています(なんというこじつけ・・・)。

 308議席も取ってしまった民主党は比例代表の定数を現在の180から100に減らすと言っています。もともとこんな自民党の亜種みたいな政党に期待などしていませんが、あのまま自民党政権が続くよりはましだったかなとは思います。でも、これだけは絶対にいけません。

 小選挙区制は定数が1ですから、一等賞を取った人しか当選しません。大体トップ当選するのは第一党と決まっていますから、得票率に対して非常にいびつな議席配分になります。小選挙区での得票率は民主党47%、自民党39%でした。しかし議席占有率は民主党74%、自民党21%でした。

 得票率はそこそこいい勝負なのに、議席は3倍超の差がついています。小さい政党となるとさらに極端で、今回公明党、共産党は全滅でした。社民党、国民新党、新党日本は議席を得ましたが、民主党との選挙協力のおかげなので、それがなければまず全滅だったでしょう。

 これを補うために採用されているのが、比例代表制なわけです。ドント式とか細かいことは抜きにして、大まかに言えば議席数が得票率に比例する制度です。3割の得票率の政党には3割の議席、2割の得票率なら2割の議席なわけで、普通に考えたら一番当たり前の制度です。

 しかし、民主党はこれを減らすと言っているのです。鳩山代表は理系のエリートらしいですが、正比例とか反比例とか知らなくても入れる学校みたいですね。

 大政党に有利な制度にして基本政策が同じ自民党とだけよろしくやろうという魂胆が見え見えですが、それにも増していけないと思うのは鳩山代表が「政治家も自ら身を切って手本を示す」みたいなことを言っていることです。財政が厳しいなら議員歳費や政党助成金をカットするとか、金のかからない政治に変えていくとかが本筋でしょう。その前になぜ定数削減なのでしょうか。

 これはリストラ(という名の首切り)思想そのものです。こういう「人は減らしたほうがいい、いないほうがいい存在なのだ」という考え方が、人を大切にしない社会や若者の孤立感、人心の荒廃につながっているのではありませんか。景気が良ければ過労死・過労自殺、景気が悪くなったら失業・将来を悲観して自殺と、どっちへ転んでも年間自殺者3万人超という異常な社会(2008年の交通事故死者数は5155人)を形成しているのは、日本人の間に「人はいないほうがいい存在だ」という思想が蔓延しているからではありませんか。

 まもなく首相になろうという人間が、この究極の危険思想に染まっているのです。恐ろしい話ではありませんか。

 と、ここまで書いたところで、私は来週海外逃亡します。再来週には帰ってくる予定ですが、飛行機が墜落したりクマに襲われたりしてこれが最後の更新になる可能性もありますから、一応釣り具の話もしておきましょう。

 シマノとダイワが時を同じくして磯上物用レバーブレーキスピニングのハイエンドを新しくしました。

 驚いたのは、ダイワの新製品がオールカーボン製だということです。ボディー、ローターのみならず、スプールやブレーキレバー、ハンドルクランクまでカーボンにしています。これに対しシマノは従来どおりマグネシウムダイキャストです。デザイン的にも金属感を前面に出していて、金属の高級イメージで勝負するようです。

 ダイワHPのデータによると、比強度、比剛性共にマグネシウムダイキャストよりカーボンのほうが高いのだそうです。つまり、同じ強度、剛性(たわみにくさ)ならカーボンのほうが軽くできるということです。カーボン(カーボン繊維強化樹脂)をプラスチックだ安っぽいという人がいますが、最高の性能を追求するハイエンドモデルは、より優れた材料を選択するものではないでしょうか。

 恐らく両モデルの方針は、次期ステラ・イグジストに引き継がれるでしょう。なんだか、次のステラは金属ボディーばかりかウォームシャフト平行巻きも使ってきそうな気がします。金属のほうが高級だと思っている人もいるでしょう。より高コストなウォームシャフト平行巻き機構のほうが高級だと思っている人もいるでしょう。

 でも、メーカーが売っているのは材料でもメカでもなくリールなのではないかと、私は思います。

 昨年山本甲士の「あたり―魚信」を読んだとき、この作家がバスについて書いたらどんなものになるのだろうと思っ・・・たら出ていたんですね。「あたり―魚信」は「うなぎ」「あゆ」のようにそれぞれかな書きの魚名をタイトルにした短編集でしたが、この本は丸ごと「ばす」です。帯に「外来魚駆除派vs.擁護派」とあるように、もろバス問題がテーマです。ただ、「あたり―魚信」同様、決定的に悪い人は出てきませんし、ゆるーい感じで物語りは進みます。7つの短編からなる連作もので読みやすいです。けっこう面白いと思うのですが、この本がほとんど話題になっていないことからも、バス問題はほとんど忘れられているのですね。バスフィッシングどころか論争自体もブームだったということでしょうか。 (2009/8/27)

 この本は、けっこう冷静に駆除派と擁護派を描いていますが、やや擁護派に好意的なのかなというところ。

 たとえば、バスやバス釣り人は悪者という前提の番組でレポーターをすることになったアルバイトの女性が、バス釣り人にバスによる影響についてたずねるシーンがあります。質問に対しバス釣り人は、肉食魚はバスだけじゃなくナマズ、ライギョ、ウナギ、コイなどもそうですよと答えます。

 これでレポーターの女性は納得しちゃうんですね。でも、この女性は聡明な人という設定で、最後にはこんなやらせ番組はできないといって辞めてしまうのです。そんな人なら「ナマズやウナギ、コイなどの日本の魚が他の魚とバランスを取っているのと、外来魚のバスの影響は別の問題ではないのですか?」くらいのことを言わせないと、おかしいんじゃないでしょうか。

 これに対し、駆除派に対する見方はややシニカル。登場する駆除派の多くがへら釣り師というのもブラックユーモアです。

 ただまあ、世の中一般の人の認識は、「バスは日本の魚を全部食べちゃう猛魚」くらいのものですから、これくらいのバランスのほうがいいのかもしれません。

 私にはやや擁護派に好意的に読めましたが、基本的には平等に、さまざまな判断材料を提供しています。特にバスの拡散が他の魚の放流への混入ではないかという説は、説得力があります(それだけじゃスモールマウスは出てこんわなと突っ込めますけどね)。いわゆるバス擁護本はいくつか出ておりますが、ああいう本を10000冊売るよりも「ばす」を100冊売ったほうが、効果は大きいでしょうね。

 でもまあ、こんな見方をするのは本来よくないのでしょうし、作者も意図していないと思います。シンプルに面白い本でした。きっとバスごときでいがみ合っているバス論争自体、こっけいなものだったのでしょう。

 今年6月に釣ったイワナです。こないだ買った本に、人間に化ける伝説が残っている魚はイワナくらいではないかと書いてありました。毒流しをしようとしていた村人が僧侶にたしなめられ、いったん思いとどまったものの、やっぱり毒を川に流して大イワナを捕った、しかし、そのイワナの腹からついさっき僧侶にあげた饅頭が出てきたというものです。今年の私にとって不思議な出来事は40オーバーのイワナを4回も釣ってしまったことでしょうか。4回なのに3尾というのもなかなかあることではありません。しかも4回中3回は家から1時間以内の川でした。無駄なガソリン燃やして遠くまで行くんじゃないぞというメッセージだったのかもしれません。 (2009/8/15)

 岩魚つながりで背筋がぞっとする話でもしましょうか。あれは10年近く前の長良川DAYでした。私はある釣り雑誌出版社社長に会いました。当時盛んだったブラックバス論争で擁護派の代表みたいだった人です。なぜそっちの話になったのかは忘れましたが、出版社社長は言いました。

 「銀山湖(奥只見ダム)にブラックバスはいない。あれは写真家Aの捏造だ」

 私はわけがわからなくなりました。目の前にいるのはれっきとした出版社の社長のはずです。当事新潟では銀山湖にブラックバスが確認されたことがきっかけで、外来魚リリース禁止条例が施行されていました。

 私は帰宅後、やり始めたばかりのインターネットで検索してみました。すると、新潟県の公的な機関のHPに銀山湖のバスの存在や捕獲の記録を見つけました。私はますますわけがわからなくなりました。写真家A氏はその著書でバス批判のきっかけを作った人です。その著書を読んでもかなりエキセントリックな人ではあります。しかし、いち写真家の捏造で、ここまでできるでしょうか?

 話は変わってその1、2年後だったと思いますが、私は尊敬するある有名アングラーを誹謗中傷するひどいうわさを名古屋の水中映像製作会社社長から聞かされました。二次被害を避けるためそのアングラーの名前や詳しい内容は書きませんが、結論だけ言えばでたらめでした。

 気になったのは、その有名アングラーは立場上バス駆除派のようなポジションにいたということです。

 そして思い出したのは長良川DAYで会った釣り雑誌出版社社長です。あのとき出版社社長は写真家A氏を散々ののしった後、一人勝手に激高し、あらゆるアングラーの批判を始めました。あげくにバスプロ某は日本の釣りを全部バスにしろと言った大馬鹿者だとか身内までぼろくそに言うほどでした。そのなかに、先ほどの有名アングラーの名前もあったのです。

 私に卑劣な誹謗中傷のうわさを流してきた名古屋の水中映像制作会社社長とはバックナンバー5に出てくる馬鹿なニュースを作った人です。この程度の人ですから、東京人に業界の裏話のようなものをされて舞い上がり、さも特ダネであるかのごとく言いふらしてしまった・・・やめましょう。憶測でものを言ってはいけません。

 しかし、この世界に出版社の社長という立場にありながらウソもつき続ければ真実になるとばかりの発言を堂々とする人や、他人の誹謗中傷を平気で流す人がいるのは事実です。背筋がぞっとしませんか。

 2009年5月2日、根尾川のアマゴです。この日は一日あっちこっち回りましたが、しっぽの丸い大イワナとかヒレピンのホウライマスとかいるはずのない魚ばかり釣れた日でした。夕方最後に釣れたのがこれ。ここはいそうだと思っていた瀬にスプーンを流して狙い通りに釣りました。たいしたサイズではありませんが、これが一番ほっとした魚でありました。 (2009/8/6)

 ロッドは今年分不相応にも買ってしまったグラスウェイジャパントラウト53です。先から順番に曲がりのピークが移動するプログレッシブアクションで、非常に気持ちよくルアーが飛んでいきます。ルアーがロッドを曲げていく感じがよくわかるため、距離がつかみやすく思ったところに飛ばせます。

 このロッドの前まで使っていたフェンウィックHMX S60L-2(ただし02年くらいのモデルの並行品をチタンSiCに換装したもの)に比べるとブランクの完成度がぜんぜん違います。Sミス社で聞いたのですが米国のロッドはティップの破損を減らすためか先端のストレート部が長いのだそうです。たしかにHMXもそういう感じで、ジャパントラウトのように先から順番に曲がるのではなく、1番の途中から曲がり始めます。

 さらに、ジョイント部の出来が違います。HMXは明らかにこの部分が硬く突っ張っています。したがって、1番の途中で生じた曲がりのピークが元にスムーズに移動せず、ジョイントより下の部分が関係なく曲がりはじめる感じです。への字を2個組み合わせたようなカーブです。

 これに対してジャパントラウトのジョイント部は手で曲げてみてもほとんど突っ張りがなく、スムーズなカーブを描きます。ジョイント部はただでさえブランクが二重になるのですし、割れ防止の補強シートも巻きますから、突っ張って当たり前なのですが、そうならないということは恐らく芯金のテーパーとか補強シートのパターンの工夫など相当いろいろなことをやっているのではないかと思います。

 結果、最初に書いたとおり曲がりのピークを先から元へスムーズに移動させてルアーをふっ飛ばし、魚の引きを受け止めるロッドになっているのでしょう。やっぱり日本のロッドは違います(ダイコー製だったっけ?)。

 それだけに惜しいのはリールシートです。やっぱり親指を置く部分に金属スクリューがあるのはいけません。ネジは丸めてあって指が痛くなることだけはありませんが、ウッドスペーサーともども濡れるとつるつる滑ります。

 ちょっと前の私なら、即刻富士のパイプシートか何かに替えていたところですが、エポキシ接着剤の臭いを嗅ぐとひどい体調不良に見舞われるようになってしまったので、踏みとどまっています。溶剤が含まれていないからと油断して閉め切った部屋でロッドの改造をやりまくったため、体のキャパシティーを超えてしまったようです。

 ただ、いままで何本もロッドのグリップやガイドを改造してきましたが、案外やってしまうと愛着が減るものなのですね。気に入らない部分も含めてそのロッドなのかもしれません。そんなわけで、当面このまま使っていこうかなと思っています。

 2009年5月2日、根尾川のホウライマスです。去年なぜか何尾も釣れた魚の生き残りでしょうね。やたら外来魚に目くじらを立てる人たちにもあまりお近づきになりたくないですが、本来アマゴやイワナが釣れる川でこんなものを釣っちゃうとやっぱ気分良くないですね。もっとも、渓流魚がいないところならいいのかというと、なんともかんともなんですけど。リールはミッチェル408。気がつくと今年はこればっかり使っていました。この前の大きいイワナのときカーディナル33が表紙に出てきましたが、あのときはクロスワインド・フェースギアの408を朝使っていたものの、糸の出の悪さとギアのスムーズさで33に持ち替えたのでした。前々回の308プロは中身が408に組み替えてありますし、結局ミッチェルはスパイラルベベルとプラナマティックなのかなあ。 (2009/7/28)

 クロスワインド・フェースギアの408はオランダのコレクターのサイトによると1984年製らしいです。でまあ、むちゃくちゃこじつけですが、こないだミーハーにも村上春樹の「1Q84」を読みました。

 最近立て続けに好きだった作家の長編を途中でギブアップしたので心配だったのですが、1Q84は最後まで読んでしまいました。最近根気がなくなった私が最後まで読むくらいだから、面白い小説なのでしょう。

 「なのでしょう」なんて言ってますが、結局なんかほわーんとわからん感じの結末でした。一応物語りは最後まで行くのですが、リトルピープルなるものがいったい何なのかはついに明かされません。あれは何かを暗示しているんだとか、それを考えるのが文学を読むことだとか、そういう余地があるのが「文学的」なんだとかと言われそうですが、何かを示している風にも思えませんでした。

 村上春樹は20年前に「ノルウェイの森」を読みましたが、ほとんど内容は覚えてません。ただ、最後であの登場人物とあの登場人物が何で交わっちゃうんだろうと強烈な違和感を覚えた記憶があります。このほか「納屋を焼く」とか「TVピープル」とかの短編も読んだことがありますが、ようわからんのが多かったです。やっぱりこれが「文学的」なんでしょう。

 うちの祖母(といっても40年近く前に亡くなってますが)がテレビでフランス映画を見ると「結末がわからん!」といって怒ったそうです。最近テレビでやるのはアメリカ映画ばかりなので、フランス映画がどんなもんかはわかりませんが、きっと「文学的」なんでしょう。

 見ようによってはミッチェルも「文学的」なリールです。たとえば同じようにとらえられがちなカーディナル33は、とってもわかりやすいリールです。なぜこんな設計にしたんだろうという部分がひとつとしてありません。前も書きましたが、33の不評の原因はあくまで品質管理の問題であって、ちゃんとできていれば単純明快すぎてつまんないくらいのリールです。

 たとえば、ミッチェルのローターは、左ハンドルモデルと右ハンドルモデルを同じ金型で作るために回転バランスを犠牲にしています。じゃあコスト優先で作ったリールなのかというと408のギアなんかはかなりお金をかけています。70年代のワンピースベールなんかも決して安くないでしょう。あのタイプのハンドルクランクもかなり高いらしいです。こだわってるんだかそこそこなんだか、わかりません。

 いまの日本のリールを見ているからかもしれませんが、ピニオンとローターの結合方法も、カーディナル33はわかりやすいし、あれが普通だよなあと思えます。でも、308や408のネジ式は、トラブルが起きるわけではありませんが、なんだか違和感があります。この辺も理解しにくい部分かもしれません。

 マニュアルにストッパーは通常オフにするように書いていますが、本当にそれがいいと思っていたのでしょうか。それとも破損クレームを防ぐための防御線だったのでしょうか。

 決定的なのはプラナマティックでしょう。クイックな動きの綾巻き部分とほぼ止まっている密巻き部分が交互に重なって食い込みを防ぎます。内歯車と外歯車のギア比は10対13のため、少しずつずれていって、巻きをならします。中央部でターンすることが多いため、中央部にラインが多く巻かれ、放出時にスプールエッジをたたく割合が減ります。トータルな蜜巻きと相まって、ラインの出はスムーズで飛距離が出ます。それでいて巻き量が適正ならば、ライントラブルは意外なほど起きません。トゥイッチで緩んだラインは真ん中の盛り上がりを避けて両端にたまり、結果的にフラットになるからです。

 プラナマティックは、若干前寄りの巻き上がりかつラインローラーが水平(70年代モデルの場合)で糸ヨレが少なければ、大変に優れたものです。でも、これらは最初から計算されたものだったのでしょうか。ベベルギアでオシュレーションを減速するにはこれしかないから、ケセラセラでやってみただけだったのでしょうか。

 一見完成されている70年代の308や408のデザインも、丸基調のデザインにあって、なぜドラグノブだけは四角基調なのでしょうか。あそこだけ違和感がないでしょうか。

 この辺の「文学的」さ加減が好きな人は好きだけど一般受けしない理由かもしれません。私はよくわからんものを「文学的」とありがたがるのは好きではありませんが、ミッチェルだけは好きです。ここが一番わからんところです。

 2009年5月24日、坂内川のアマゴです。この日も前日に庄川に行って不発、あくる日ぶらっと坂内へ行ってぽつっと釣れました。庄川が釣れず揖斐川水系が釣れるというわけではなくて、前日の庄川は何回かヒットがあったものの全部バレたのに対し、坂内は唯一のヒットを運よく取り込んで、これです。理由はつきだけでなく、ロッドにもあるようです。写真のロッドはバックリバー66ですが、前日に使ったのはジャパントラウトの53でした。ジャパントラウト53はグラスとはいえファーストテーパーのショートロッドで、魚の動きを吸収する曲がりの深さがやや足りないようです。もっとも、それなりのサイズの魚ならちゃんと曲がってくれるはずですから、おちびさんばかり掛けている私のせいでもありますが。 (2009/7/21)

 リールはツインパワーC2000S。実はこのリール、ローターとベールアーム(アームカム)を新品に換えています。今シーズン初めにラインを巻き換えたらなぜか前巻きになってしまい、原因を調べたらベールアーム支持部がベールアームの穴とローターのボスの両方で磨耗していたのでした。

 両方でも2000円(ツインパワー以下が樹脂ローターであることに納得してしまった・・・)だったので部品を取り寄せて直しましたが、シマノのリールでこういうことが起きたのは初めてです。98モデルなどはかなり使いましたが、この部分の磨耗は起きませんでした。こういう具合に魚と並べて写真を撮ったとき、水と一緒に土や砂の粒子が入ったのが原因かもしれません。

 それでは磨耗は私のせいだということになりますが、泥水をぶっかけたわけでもないのになあと思わないでもありません。これで思い出すのは現在アブやミッチェル、オクマなどの名前をつけて売られている中国製リールです。あそこのリールはベールアーム支持部に真鍮のカラーが入っています。金属カラーなら大丈夫とは言い切れませんが、樹脂対樹脂よりは安心でしょう。

 ところで、以前ミッチェル308X(真鍮カラーをベールに入れるところとは別会社製)も同じ部分がひどく磨耗しました。あれも私のせいだったのでしょうか? 断言はできませんが、これは材料か成型状態の不具合だったのではないかと思います。なぜなら、同じ工場製と思われるカーディナルC602はほとんど使っていないしまして川の水をかぶるようなことはまったくしていないのに、この部分が磨耗してしまったからです。おそらくこれらは製造時の問題でしょう。

 異物の侵入であれ成型状態不良であれ、ガラス入り樹脂同士の支持部では表面が一皮削れたら内部のガラス繊維同士がこすれて一気に磨耗していきそうに思えます。ベールアーム支持部は糸巻き形状のみならずラインローラーの角度維持の点からも重要な部分となっています。もう少し重視されてもいいのではないでしょうか。中国リールでさえやってるんだし・・・。

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