2010年2月13日、九頭竜川のサクラマスです。2尾目? なわけないでしょ。同じ魚です。20年に1尾の魚ですから、今年いっぱい表紙の写真はこの魚でいこうかと思うのですが、どうでしょうか。この日は新しいクルマで初めて行った遠征(片道130kmちょいを遠征とは言わんか)でしたが、納車2日前の2月5日は大阪フィッシングショーでした。シトロエンAXとの最後のドライブ・・・も考えたのですが、阪神高速で故障されたら悲惨なことになるので、昨年に引き続きJRの普通電車で行ってきました。阪神高速といえば、昔S社で安治川倉庫へリールの選別に行ったとき、降り口が分からずに環状線を一周して堺に帰ってきたことがありました。まだ携帯もなかった時代なので、倉庫から会社に「まだ着かれないのですが、事故でもあったのでしょうか」と電話があったそうです。実に優秀な社員でした。 (2010/2/23)

 そんなわけで、いまさらながら大阪フィッシングショーです。今年はいくつか新型スピニングが出ていました。

 一番びっくりしたのはセルテートでしょうか。セルテートはルビアスよりも高くてルビアスよりも重い中途半端なポジションになってしまっていたので、もうモデルチェンジはしないものと思っていました。R4系の象徴としてずーっと残していくものだと思っていたのです。

 今度のモデルはローターに秘密があると事前に言われていました。私は、ウェブで公開されるまで、ローターに何かを仕込むのなら、ラインピックアップを簡単にする機構ではないかと予想していましたが、実際は磁気オイルによるシール機構をワンウェイクラッチ前部に採用してメンテナンスフリー化するとともに、ローターを骨組みだけみたいなデザインにしてガラス繊維強化樹脂にもかかわらずたわみを抑えて軽量化を図ったというものでした。

 こういうふうに形を工夫してコストを上げずに軽量化するのは、賢い感じがして好きです。が、とうとう金属ローターが欲しかったら、DAIWAもシマノもハイエンドを買うしかなくなってしまいました。

 私は何が何でも金属がエライという金属信者ではありませんが、樹脂ローターはベールアーム(アームカム、アームレバー)支持部がなんとなくいやです。成型状態の悪い個体に当たったのだとは思いますが、私のリールでは08ツインパワーやミッチェル308X、カーディナル602などで樹脂一体のボス部が早々に磨耗してしまいました。首下の短いタップビスで止めてあるのもなんかいやです。ベールトリップ不良を直そうと分解組み立てを繰り返したこともありますが、私の07ルビアスは数回ベール開閉を繰り返すとネジが緩んでくるので、接着しなければならなくなってしまいました。

 成型状態さえよければそう磨耗はしないし、不必要にばらさなければネジも緩まないわけで、そんな部分に対し「なんとなくいや」でコストをかけることはできないだろうなとは思いますが、一方で、何万円もする高級品のベール支持部が最廉価版同様の樹脂ボス直受けのタップビス止めというのは、やっぱり抵抗があります。あの部分はラインローラーの角度維持やスムーズなベール作動のための重要な支持部です。なんたってベールがあってこそのスピニングリールなのですから、セルテートであれツインパワーであれもうちょっとなんとかならないかなと思います(ただし、セルテートのベールアーム支持部がどうなっているかは見たわけではありません。もしかするとアッと驚くタメゴローな構造になっているかもしれません)。

 一方のシマノは3年ごとのサイクルを守ってステラが新しくなりました。X-SHIPのうちの小オフセットギアやピニオン後ろのベアリングは04セルテートがすでにやったことのようにも思えますが、二大政党制だと片方がやったら片方もやらないわけにはいかないので仕方のないところでしょうか。

 一番のニュースは2000番が2500のスプール縮小版からローターも小さくした専用サイズになったことでしょう。1000と2500の間が開いていましたからね。それにしても2000番サイズに2500SのキャパシティーをもたせたモデルがC2500Sとは、どんどん番手が複雑怪奇になっていきます。

 それはそうと、セルテートが6年でステラが3年。モデルサイクル短くない?

 コンプレックスCI4とかニューナスキーとかは樹脂ボディーの型を起こして、脚を前にグイッと持ってきています。バランスよさそうです。そのナスキーをいじっていたら若い人が「このリールはですねエアロラップといってラインがきれいに巻ける機構が入っていて・・・」と親切に説明してくれました。「わ、わしを誰やと思っとるんじゃ」と言おうと思いましたが、社に帰って過去を知る人に「あの人はどんな人だったんですか」とでも聞かれたらろくでもないエピソードが山のように出てくるだけなのでやめておきました。

 アブ・ガルシアからは、レボ・ネオス(ネオ?)というハイエンドスピニングが出ました。最大のニュースは、ようやくというかやっとというかローターブレーキが付いたことでしょう。どうせならカタログで「カーディナルが世界で最初に採用したローターブレーキ装備」とでもいえばいいのにと思いましたが、「だったらなんでこの30年間採用しなかったんだよ!」と突っ込まれるだけかな。

 ピュア・フィッシングのスピニングは、カーディナル100〜800、ソロン、ミッチェル・アボセット、300Xeを作っている会社と、カーディナル602、ミッチェル300X、アイディールなどを作っていた会社の2つの供給源があるようです。レボ・ネオスのボディー構造はカーディナル602やアイディールに近いですが、最近の流れだとカーディナル100〜800系の方かもしれません。

 先ほど樹脂ローターはベールアーム支持部がいやだと書きましたが、この部分に関してはカーディナル100〜800などを作っている会社のリールは好きですね。ボスに真鍮のカラーをかぶせ、さらに固定ビスの頭を大きくしてがたつきを防いでいます。ネジこそタップビスですが、真鍮カラーがボスの広がりを防ぐのか締め付けにも安心感があります。

 セルテートのところで、ローターの新機構はラインピックアップにかかわるものだと思っていたと書きましたが、たとえばローターをつかんでグイッとひねったらストッパーが滑ってラインローラーを手前にもってこられるとか、そんなものを想像していました。以前リョービ・ダイナファイトを使ったとき、これはいいと思ったからです。あのリールはローター逆転ドラグなのでローターをつかんでラインをピックアップしやすい位置までもってこられます。

 一見ギミックですが、スピンキャストもベイトリールも、投げやすい長さまでルアーを巻き上げたらプッシュボタンやクラッチレバーを押してそのまま投げられます。これらに対してスピニングのラインピックアップはいまだ非常に原始的です。かといって昔のファーストキャスト機構ではストッパーの遊びがローター1回転にもなってしまいますし、ベールアームにも余計なものが付いてしまいます。シンプルな方法で、重量増加を抑えつつラインピックアップをサポートする機構ができたらいいんじゃないかなと思います。

 データがあるわけではありませんからあくまで感触ですが、90年代後半から00年代前半、スピニングはDAIWAが優勢だった感じがします。理由は、90年代のシマノがSHIPに始まって回転性能ばかりやってきたのに対し、DAIWAはABSやエアベールなどリールをトータルでとらえてきたからでしょう。しかし現在、シマノもDAIWAも(90年代のシマノのように)ギアの効率や回転のスムーズさに目がいきすぎているように思えます。

 いま書いたラインピックアップは一例ですが、スピニングにはまだ改良の余地があると思います。

 (やっぱスピニングがらみだと思いっきり長いな・・・)

 2010年2月13日、九頭竜川のサクラマスです。民主党が政権を取ったら高速道路がただになるはずだったので、ずーっとETCは付けていませんでした。でも、どうも全線無料にはならないみたいなので、とうとう私もETCを取り付けました。ところが、先日発表されたところでは、6月から一部の路線を無料にする代わりにETC割引は終わるというではありませんか。なんたること・・・。かくなる上は6月までに車載機の元を取らねばなりません。というわけで、1000円高速の恩恵にあずかるべく、九頭竜川へニゴイ釣りに行ってきました。でもニゴイにはまだシーズンが早すぎたらしく、外道のサクラマスが釣れてしまいました。 (2010/2/15)

 近くにいたフライの人がメジャーで測ってくれたところ67cmありました。

 九頭竜川は大垣から高速で2時間弱なので年2〜3回は冷かしに行きますが、実に20年目にして初のサクラマスです。

 ルアーはバイトの16g。バイトのオリジナルともいえる13gの肉厚版です。バイトといえば、私と忠さんは誕生日が一緒だったということを最近知りました。だからどうってことはないのですが・・・。でもまあ、またしてもシルバーにピンクとイエローをマジックで入れたものでした。もっとちゃんと塗ればよさそうなものですが、私は非溶剤系のエポキシですら体調を崩す人なので塗料の類はさわりたくないのです。

 いままでスプーンを引くときはほとんど、流れに乗せるようにして扇型に流していました。しかし、この魚を釣ったときはスプーンの頭をこちらに向けるようにやや強引に巻いて、流れを切るように引いてきました。ディープミノーでも流れに乗せるっぽいU字ターンの他に流れを切るように引いてくる方法があるようです(“ようです”って、雑誌のサクラ記事を読んでないのかって? だってあんな架空の魚の釣り方なんてって思ってたもん)が、スプーンにもそれは当てはまるのかもしれません。1尾釣っただけで講釈たれるなって?

 しかしまあ、私のように駄菓子屋のくじからお年玉年賀はがきまで、くじ運というものがまったくない者によくこんなものが釣れたものです。宝くじに当たると運を使い果たして身内に不幸が訪れるといいますから(うちの方だけか?)、この魚には撮影後とっとと川に帰ってもらいました。

 関係ないですが、民主党も支持率がた落ちです。自民党、検察、マスコミ、アメリカの連合軍がバンバンやってますからねえ。でも、自民党が政治と金で与党を追及しても「お前が言うか?」としか思えないのは私だけでしょうか。鳩山家の兄弟げんかを持ち出すに至っては醜悪としかいいようがありません。政党同士がスキャンダル合戦に陥って国民がしらけ、ファシズムに向かった戦前に似てきたように思います。スキャンダル合戦になるのは自民党も民主党も同じ保守政党で政策が同じだからです。そういう議席配分を作る元凶となった小選挙区制を導入した細川護熙は大政翼賛会を作った近衛文麿の孫です。そのうち平成版2・26事件とかが起きるんじゃないかとすら思います。歴史は繰り返すといいますからねえ。

 1991年9月以来19年乗ったシトロエンAX-GTです。これは2007年4月27日だから、九頭竜川にニゴイを釣りに行ったときのですね。こういう写真を載せるとき、ナンバーを画像処理ソフトなどで消す人が多いですが、その必要はありません。もうこのクルマが路上を走ることはないからです。Q&Aのどこかに、「ミッチェル408みたいにパーツがもう手に入らないリールのギアが壊れたとき、復活させるとしたら別の中古個体を買って移植するしかないが、別のリールをつぶすことでかえって愛着がなくなるかも」と書いた記憶があります。このクルマは2007年11月にエンジンが壊れ、ドナーを探して2008年春に移植を行いました。しかしその後は部品取りにされたクルマのたたりか不調続きでした。特に昨夏以降は5回も積載車のお世話になり、今年も年明け早々国道で3度も立ち往生する始末。さすがにもうあきらめました。この2年の不調で疲れ果てたこともありますが、新しいクルマを受け取りに行ってこいつを置いてくるときも、いまいち感慨はありませんでした。自分の書いたQ&Aの回答まんまのことをやってしまったわけですね。 (2010/2/9)

 エンジンが壊れた2007年は、6月に常見忠氏訪問と魚野川での釣りのために新潟に行っています。あのころすでにエンジンの磨耗が進み、ブローバイに大量のオイルが混入、インジェクションのあたりから滲み出してオイルまみれの状態でした。走りながら、こいつと遠出するのもこれが最後かなあと思った記憶があります。

 同年11月には、直前に時間ができたので、申し込みだけしてあった忠類川のサケ釣りに急遽フェリーに乗って行ってきました。帰ってきて11月末、ギジーとちぬ倶楽部のロッド記事のベンドカーブ撮影のため三重県霞埠頭に行った帰り、大垣市内に入ったところでにAXは力尽きました。

 もう半日早く壊れていたら原稿作成の日程はめちゃくちゃになったはずですし、交通量の多い23号線でストップしていたら大変なことでした。そう考えると、本当にギリギリのところまでがんばってくれてありがとうと、あのときさよならすべきだったのでしょう。

 このクルマは買って最初の12ヶ月点検でいきなり、「寿命だったのでVベルトを交換しました」と言われて「へ?」と思いました。まだ2万キロも乗っていなかったからです。もともと標準で付いていないクーラー用のコンプレッサーのためにオルタネーターのベルトを無理やり回してあったため、屈曲に無理が出て寿命が縮んでいたのです。普通の感覚の人なら、「欠陥車じゃないか」とさっさと乗り換えるかもしれません(以前マツダ・カペラか何かでVベルトが2万キロもたないといってリコールになったことがあったと思いますが・・・)。実際2年くらいで同じクルマを路上で見ることがぐんと少なくなりました。

 でも、2万キロごとにベルトを替えつつも乗り続けたのは、やっぱり気持ちのいいクルマだったからです。770kgしかない車重のおかげもあってとても元気に走りましたし、自動車雑誌的にはハンドリングがいいとでもいうのでしょうか、ハンドルを切った感じとクルマの角度が変わる感じが感覚的に一致していました。

 シトロエンといえばハイドロニューマチックによる乗り心地ですが、AXの乗り心地も金属バネにもかかわらず、えもいわれぬものでした。GTだから脚は硬い方だったはずですが、ガツンと段差を超えても路面と車体の間に分厚いゴムのクッションが介在しているかのような独特の感触がありました。スピードが乗ってくるとフワッと浮くような乗り心地になり、いわゆるフラット感とはこういうものかなと思わされました(もっともそれも最初のダンパーがへたる4万キロくらいまでで、その後付けたダンパーは耐久性重視に変更したのか、元の感じには戻りませんでしたが・・・)。

 乗り心地に大きくかかわっていたのが、(かつての?)フランス車定評のシートでした。シートの調整機構も最小限のものですが、体に優しい形状や適度な硬さはすばらしいものでした。シマノで「シマノスピニングはハンドルノブが悪い」「スプールが遠くてフェザリングできない」といっても「そんなのクレームになってないもん」といわれた記憶もまだ新しかったころなので、実感としてこういうところにちゃんと力を入れられるフランスのメーカーはすばらしいと思いました。いわずもがなですが、まさにミッチェル408の、ちゃちなプラスチックながら指になじむハンドルノブに通じるものです。

 2万キロ交換のVベルトのみならず、オルタネーターは4〜5万キロでダメになりましたし、フロントのブレーキディスクも磨耗が早く3回や4回は替えているはずです(もっと多かったかな?)。リアのドラムブレーキもよく壊れました。

 ブレーキフルードが抜けてブレーキが完全に効かなくなり、ローギアとサイドブレーキだけで家までたどり着いたこともありました。あれはひるがの高原を越えて庄川に釣りに行った帰りで、ひるがのの下りで抜けていたらこの私もAXもこのサイトも03年で終わっていました。もっともこれは90年代後半から03年くらいまで付き合っていた2件目の車屋さんのせいですが・・・(ここはとんでもなかったですね、ブレーキフルードが減ったら足して乗らせるんですから。素人でもいけないと知っているでしょう。知ってて乗っていた私も私ですけど。二言目には「うちはコンマン(ドイツ車の代理店だった地元の自動車販売会社)の外注をやっとったで外車はまかせとけ」と言うところでしたが、さすがにこれ以上ここと付き合っていたら殺されると思って車屋さんを替えたものです)。

 それでも乗り続けたのは、機械としてではなく道具として体になじむ、フランス製品ならではの感触でしょう。まさしくAXはミッチェルのようなクルマでした。

 次のクルマは(と書いて気がつきましたが私は生まれてこのかたクルマを2回しか買っていなかったのですね)、さすがに日本車にしました。最初に買ったのがサニー(といっても超不人気車のRZ-1だったというのが私らしいが・・・)だったからというわけでもありませんが、日産です。でも、気がついたら変速機がルノー製だったりします。

 2010年2月1日根尾川のアマゴです。この日はアマゴ4尾。つまりあと1尾で5尾でした。5尾は四捨五入すれば10尾ですから、シーズン明け早々あと一息で二桁というすさまじい釣果を上げてしまったことになります。今年は大変なシーズンになりそうです。別の意味で大変なことになりそうな予感もぷんぷんしとるが・・・。 (2010/2/1)

 ストラディックCI4 1000Fに巻いてあるのはサンライン・トラウティストエリアLEステルス1号/5Lbです。昨シーズンまではGTRトラウトなどのカラーナイロンをメインラインにし、フィールドメイト1.5号/4Lbをリーダーに使ってきましたが、今年はこういう色分けナイロンを直結で使おうと思っています。で、どれがいいかなと、トラウティストエリアLEステルス&マイスター、ヤマトヨテグス・ファメルトラウト・サイトエディションを買って使い比べています。

 トラウティストエリアLEの方は、クリアー(もしくはカモフラージュ)のリーダー部2mに対し色つき部分が8mです。一方ファメルトラウト・サイトエディションはリーダー部50cmに対し色つき部分が50cmです。つまり、片やワンセット10m、片やワンセット1m・・・チミらの辞書に中庸という言葉はないのか。

 エリアはラインを見てアタリを取るためあのほうがいいのかもしれませんが、川の釣りはラインの走っている方向がわかればいいので、リーダー部とカラー部が1〜1.5m交互のものがあるといいと思います。カラー部は目印と考えて30〜50cmでもいいでしょう。名前はお仕着せな感じになってしまいますが、「ネイティブ」とか付けたほうがいいかもしれません。いま挙げた3種のラインは渓流で使いたい1号/4〜5Lbくらいのものがなかなか売っていないからです。商品名に「エリア」と入ると店が3.5Lbくらいまでしか置かないみたいです。

 3シーズンほどフィールドメイトをリーダーに使ってきましたが、柔らかくて傷に弱いのはリーダーとしてかなりまずいです。岩の間を縫って魚が走って簡単に切れたこともありますし、根掛かりを軽くクンクンと引っ張ったらフッと切れたことも1度や2度ではありません。メインラインとの結び目は、2時間も投げないうちにガイドに当たって砕けてきます。伸びはまるでゴムのようです。

 傷に対する弱さはまめに替えることで対処できます。実際昨シーズン3回も40cmのイワナを上げていますから、初期強度はあります。伸びが大きいのはリーダーを矢引き(75cm)くらいに抑えることで対処しました。それでも困るのが、30分も投げないうちにクルクルにカールしてしまうことです。相当意識してフェザリングを利かせてもかなりの確率でルアーがエビになります。ミノーを派手にトゥイッチングするだけでもフックがリーダーを拾います。

 いけません、3年分のうっぷんで悪口のオンパレードになってしまいました。しかし、こういった製品を発売した姿勢は大いに評価されるべきだと思いますが、少なくとも渓流ルアーのリーダーには向いていないといわざるを得ません。用途を選んで使うのがよいようです。せっかくの画期的製品なのですから、メーカー側も用途の提案をしてはどうでしょうか。もちろん、ナイロン、フロロ並みの性能のものが出れば、また使いたいと思っています。

 ところで、今後ナイロン直結に戻ったとき、若干の不安もあります。

 ナイロン、フロロ、フィールドメイトを問わず、リーダーを使用するとメインラインと同じ太さでも、必ずリーダー結節部の強度はスナップ結節部を大きく下回ります。雑誌記事のために行った実験でも、スナップ結節部は90〜100%出ますが、ライン対ラインは70〜80%、場合によっては60%を切ることもあります。

 これは一見困ったことに思えますが、そうでもありません。直結の場合根掛かりを1回切るとラインに100%近い張力がかかり、強度が一気に落ちます。強いと思っていたラインが、思わぬときに切れるのはこのせいです。リーダーを付けているとそれがないので強度が弱いなりに一定になります。フィールドメイトリーダーでけっこう大きい魚を上げているのも、強度を体が覚えていたからです。

 これが直結に戻るとライン強度をつかみにくくなるはずです。さらに、ラインの寿命も縮むはずです。リーダーを使っていてさらにメインラインにコート剤を吹いていると、4Lbナイロンでも1シーズン使えますが、直結でそれは無理でしょう。

 スナップなどへの結節強度が常に直線強度の75%になるラインができたら・・・弱いっていわれちゃうかなあ。でも、かえって、強度が安定して耐久性がいいという評判が立つかもしれませんよ(PEの耐久性がいい理由のひとつもこれでは?)。巷のラインでも耐久性がないといわれるラインの中には結節強度が高すぎて根掛かり一発で伸びきっているものがあるかもしれません。実際、某誌のテストでスナップ結節がほぼ100%だった某ラインは確かに劣化が早い印象ですからね。

 さらに付け加えれば、高切れを防げて釣り場環境にもいいでしょう。

 4年前に買ったフェンウィックイーグルGTのガイドを最近SiCニューコンセプトに換装しました。もともとトップガイドを含めて6個しかガイドがなかったのでニューコンセプト化でガイド位置がすべて変わります。で、出てきたのがこれ。その前にガイド換装したHMXもそうだったのですが、ガイドがラッピングしてあった部分のブランクにサンドペーパーで表面を荒らしたがありました。エポキシコーティング剤との密着をよくするためかもしれませんが、こういうのって日本の竿屋さんならありえませんよね・・・。 (2010/1/21)

 これはフェンウィックではなくて、フェンウィックブランドのロッドを作っている中国のロッドメーカーの仕業でしょう。やっぱ中国はよおなんて言い方はしたくありませんが、こんなの見ちゃうと、ねえ。

 HMXのつや消し塗装は確かに密着が悪くてラッピングの端が剥離し、空気が入って光っていました。イーグルGTはそのHMXより4年くらい後のものだしラッピングに剥離も見られなかったのでもうあんなことはしてないだろうと思っていたのですが、ガイドをはがしたらやっぱりやってありました。

 このロッドは米国でしか売られていないフェンウィックです。だから日本市場のロッドは関係ない・・・かどうかはわかりませんよ。フェンウィックにロッドを供給している中国のメーカーは日本のメーカーのけっこう高級品まで作っているそうです。知らぬが仏でこういう加工がされたロッドを売っているメーカーや使っているアングラーがいるかもしれません。

 もっとも、傷が付いているといっても塗装面だけですし、仮にカーボン素材に傷が達していたとしても、そもそもロッドの最外周はセンタレス研磨してあるのですから、カーボン繊維は切断されまくっているはず。ロッドはそれを見越して設計してあるわけですから、よほどのことがない限り強度に影響することはないでしょう。

 メーカーでどうだったかは覚えていませんが、ロッドビルディングでガイドを巻く際、ブランク上でカッターを使ってスレッドを切る方法があります。私もやりますし、富士工業のカタログのガイドの巻き方のページにも書いてあります。以前フライの雑誌で見たフライショップの人もこの方法でしたからそう特殊ではないはずです。そのときわずかとはいえカッターの刃が食い込むのに比べれば塗面にサンドペーパーをかけるくらいかわいいものかもしれません。

 でも、なんといいますか、感覚的になにか違うんじゃないかって思うのは私だけでしょうか。

 (注:このロッドは2006年に米国カベラスで取り寄せたものなので現在のロッドが同様の加工をしているかどうかは不明です)

 NAVIの名称が初めて使われたのは1989年のことです。そのころシマノ本社ビル5階の釣り具フロアから南を見るとNavitasという会社がありました。たぶん担当者がその看板を見てNAVIの名前ができたんでしょうね。現在ナビはナスキーに、エアレックスはエルフになりましたが、ナとエだけ残して名前を変えたのでしょう。現在釣り具部門はガラスばりの立派な社屋に移ったので、今だったらNAVIという名前はできなかったのかもしれませんね。 (2010/1/11)

 で、ぜんぜん関係ありませんが、自動車雑誌のNAVIが2月売り号をもって休刊になるそうです。

 この雑誌は90年代のはじめころによく読みました。初期の私の書いたものはもろこの雑誌の影響を受けていてこっぱずかしいったらない(頭が空の人間ほど外からの影響を受けやすい)のですが、そのくらいよく読んでいたし面白かったのです。

 バブル時代に逆行するようにThink smallのような特集をしたり、日本車が一番という空気が強まっていたときに輸入車、それも豪華なものではなくて欧州の大衆車に注目したりと、視点が面白かったですね。

 2代目編集長スズキ氏のころの日本車批判は痛快でした。日本車はネガつぶしばかり、売れる売れないだけを考えている、従業員や下請けに過酷な労働を課して安く作っているだけだなどの主張に大変共感を覚えたものです。前の2つは日本のリールにも当てはまるように思えましたし、3番目は今の日本製品全般にもいえることでしょう。

 しかし、バブルが終わったころからNAVIは変わっていきました。日本車はすばらしいみたいな企画が出てきて、輸入車も大金持ちしか乗れないような豪華なものが中心になったように思います。内容以外にも、釣りに行くときも普段着も同じだわ3000円以上の腕時計を買ったことないわの私などから見たら異次元の世界としか思えない、高級ファッションや高級腕時計のページが増えてきたのもこのころでした。昨年のトヨタ特集など、全盛期には考えられないものでした。下野康史氏が執筆していなかったのだけは救いでしたが(誤読しないでね。これは下野さんにはトヨタ万歳みたいなことは書いてほしくないから記事がなくてよかったという意味であって、下野さんの記事があかんという意味ではありませんぞ)。

 いこじになって日本車はあかんというのもおかしな話ですし、雑誌が売れずに広告収入に頼る比率が高くなっていることを考えれば仕方ないのでしょうけれど、当初とは違う方向へ走った末の休刊には複雑なものを感じます。

 2代目編集長スズキ氏は、いま新潮社のENGINEをやっています。それを思い出して久しぶりに2月号を買ってみました。でも、あらためて見ると後期のNAVI以上にお金持ち仕様の雑誌でがっかりしました。2月号は中国の自動車事情という特集にも興味があったのですが、誌面に出てくる“自動車好き”はみんなバブルで一発当てた成金ばかりでした。スズキ氏はサヨクなところが好きだったのですが、サヨクってビンボー人の味方ではなかったのでしょうか。

 NAVIについては、創刊編集長大川氏にしょうもない原稿をたくさん送って云々という話(このサイトのどこかに書いてあるはずだが恥ずかしいから再度は書かん)などいろいろありますが、シトロエンAXを買っちゃったのは間違いなくこの雑誌を読んでいたからでしょうね。

 NAVIは不当に輸入車を持ち上げていたという人もいそうですが、シトロエンAX評に関しては100%正しかったと思っています。こんな気持ちのいい楽しい車はありませんでした。なんたって、当時新車で買って今も乗っているのですから。

 でも、そのAXも2年前のエンジン乗せ替え以来臓器移植の拒絶反応がおさまらず不調続きです。つい先日もエンストと始動不良を繰り返すようになり、路上で3回も止まりながら息も絶え絶えに車屋さんに転がり込み、またまた入院中です。

 さすがにもう潮時なのかなと思い始めています。NAVIとともに去りぬか・・・。

 みなさん、明けましておめでとうございます。しかしまあなんですなあ、パソコンのおかげで年賀状も楽になりました。元の絵さえ作ってしまえば、あとはプリンターまかせです。よく「まだ1枚も年賀状を書いてない」と言いますが、現在それはありえないでしょうね。1枚も100枚も一緒です。ただ、本当は手書きで一言加えるのでしょうけれど、なにぶん今年は年賀状にかかったのが29日でしたから全部刷りっぱなしです。すんまへん。 (2010/1/4)

 ただ、その便利なパソコンも困ったもんで、12月の終わりと新年2日に相次いで再セットアップをするはめになりました。先月終わりはアウトルックがセーフモードでしか立ち上がらなくなり、年明け早々今度はスマートビジョンが立ち上がったっきり切れなくなりました。

 アウトルックはセーフモードなら問題なく使えましたし、スマートビジョンはそもそも仕事用のパソコンにテレビ・ビデオ機能を入れているのがおかしいわけで、使わなければいいのですけどね。

 でも、なんかそのままにしておくのは気持ちが悪い。で、再セットアップしてしまうわけです。こういう風にパソコンが不調だとなんともいえず不安になってしまうのは、きっと記憶など本来自分の頭でやることを相当依存しているからでしょうね。パソコンはもはや現代人の脳の一部になっているということでしょう。

 で、再セットアップですが、新年明けのほうはさすがにデータバックアップをやったばかりだったのでスムーズに行きました。が、それでも実に7時間もかかりました。再セットアップとプリンターやインターネット接続のやり直しは2時間くらいで済んだのですが、ウインドウズXPのアップデートが100件くらいあって、そちらに5時間くらいかかってしまいました。

 そもそも、再セットアップが必要になるようなトラブルは、買って3年くらいまではまったくありませんでした。それが今のように不安定になってきたのも、アップデートアップデートでプログラムがつぎはぎになってきているせいじゃないかと思ったりします。

 そう考えると次々にウインドウズの欠陥(?)を見つけてウイルスだの何だのを作っている連中は本当にけしからんと思います。

 でも、そういう連中がいなかったら、パソコンを買い換えようとする人もぐんと減るんでしょうね。ああいうのって、パソコン会社とかセキュリティープログラムメーカーとかの陰謀じゃないのか?

 2009年12月18日、美濃フィッシングエリアです。下界は晴れていましたが、到着時すでに山は吹雪いていました。振っているのにロッドに雪が積もっていくわ指がかじかんでスナップも開けなくなるわの状態で午後2時に退却しましたが、その時点で駐車場の車には10cmくらい雪が積もっていました。帰り道も雪で路面が見えない状態でカーブで対向してきたトラックに突っ込むところでした。ポンドのニジマスは釣れましたが、ストリームのアマゴは気配なし。帰りの路面温度表示は2度。いかに低水温を好むアマゴでも、こりゃだめだわ。 (2009/12/24)

 悲惨な日に行ってしまったもんだと思いましたが、後でエリアのウェブサイトを見たら翌日までに50cmくらい積もったらしい・・・。

 釣行の目的はロッドとラインの調子を見るためです。ロッドはおニューではなくて、02年型並行ものフェンウィックHMX S60L-2のグリップを交換したものです。このロッドは08年によく使っていた、買ってすぐ硬質クロームメッキのガイドに傷が見つかってチタンフレームSiCに全交換したやつです。

 グリップ交換前、なぜかこのロッドは持ったときずしりと重みを感じました。持ち重り(先重り)がするわけではありませんが、どうもグリップまわりが重い感じでした。日本仕様に使われていた開きかけのキノコみたいなグリップは軽いしグリッピングをよく考えた形状でしたが、これはいけません。形状についても、太さのピークが前寄りで「小指バサミ」を前提にしているように見えます。それでコルクスペーサーのスクリューシートに替えることにしたのでした。

 バラしてみてわかりましたが、あのフロントコルクを斜めにカットした樹脂シートはとんでもないものでした。厚みがネジ部で5mmくらいある樹脂の塊のような代物だったのです。アメリカンな感覚なのか、中国に丸投げしたらあんなものになったのか。おかげで金ノコでカットして取り外すのに半日以上かかってしまいました。やはり相当重かったらしく、ロッドのウェイトは105gから83gに大幅に軽量化されました。

 しかしこのロッド、ポンドでニジマスを掛けてあらためてカーブを見ると、前も書いたとおりやっぱりいびつです。1番の中ほどから曲がり始めるのに加え、ジョイント部が思いっきり突っ張っています。これは台湾製のレガシーも同じだったからフェンウィックの味・・・じゃないでしょうね。アメリカのロッドはワンピースのほうが多いですからツーピースのジョイント部には気を配らないのでしょう(このロッドは02年型なので現在は良くなっているのかもしれませんが)。

 ただ、使った感じは悪くありません。もともと硬からず軟らかからずのロッドでしたし、狙ったところにちゃんとルアーを飛ばせます。見た目のカーブはおかしくても、ティップとバットが別々の役割を果たすロッド・・・というのは買いかぶりでしょうけど、軽くなったことだし、また使っていこうと思います。

 ラインは、サンライン・トラウティストエリアLEマイスター5Lb(1号)。フィールドメイトのリーダーに我慢できなくなったので、試してみました。けっこう好印象。ラインについてはまたいつか。

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