最初にお断りしますが、これはセルテートがライントラブルを起こした写真ではありません。このラインはクリア2mとイエロー8mが交互に入ったもので、クリア部がなくなるとイエロー部をカットしなければならず、こういうゴミが出るのです。この写真を撮ったのは4月14日。前日13日も私は庄川に釣りに行っていました。13日はなんだか朝から気分が最悪で、根掛かりするたびに荒っぽくラインを切っていました。そうすると結び目以外で切れてしまうのでイエロー部を引き出してカットしなければならなくなるのですが、いつもは絶対しないのに、この日は丸めたラインをいくつも釣り場に捨ててきてしまいました。帰宅後、これは釣り人としてというより人間としていかんと思い、翌14日ふたたび庄川まで行って写真のラインを回収してきたのでした。(2011/4/16)

 震災以来、こんなものに行動を変えられてたまるかと、無理に釣りに行っていた感じがします。早朝から根尾川で釣った後、夕方から敦賀にメバルを釣りに行ったこともありました。敦賀に向かう途中のそば屋で、次に月が地球に近づくころ(ちょうどその頃だった)が危ないという文春だか新潮だかの記事を見たこともあって、東海大地震がきて自宅が瓦礫の山になるところを想像してしまいました。私もいっそここらで瓦礫の山に消えれば、竹中サンもリールが好きってだけで曲がりなりにも10年やったんだからたいしたものだったのであるなあなどと言ってくれる人が3人くらいはいるかもしれんからちょうどいいかとか、でも最後に釣った魚がメバルってどうなのよとか考えてしまいました。野坂昭如が昔歌っていた、マリリンモンローノーリターンこの世はもうじき・・・というフレーズが浮かんで仕方なかったものです。朝思い立って東京まで反原発デモに行ったり、往復300km走って糸くずを拾いに行ったり、私も震災(の報道?)でちょっとヘンになっていたみたい。まあ元々ヘンな人なんだが。

 それはさておき、このまえ、購入した11ツインパワーC2000HGSについて「魚を釣ったら語るぞ」などと書いておきながら、リールが10セルテート2004CHになってるじゃないの。現時点で両方とも各3回ずつ釣行しているので、感想でも述べてみましょうか。

 回転の感じは、ヌルヌル滑らかシマノと低慣性で軽快なダイワという従来のイメージがそのまま当てはまります。ただしツインパワーのほうはウォームシャフト方式の慣性が大きく巻き始めが重い特性が、ハイスピード化でいっそう強調されています。さらに、三段腹巻き(スプール1往復間のローター回転数が整数になることで巻きがデコボコになること)を避けるためにウォームシャフトがノーマルギアタイプと変えられているようで、いっそうスプール往復が速くなっています(ところでまえツインパワー以上とバイオ以下でオシュレーションスピードが変えてあるようなことを書きましたがどうも現行モデルは共通みたいです)。ギア比が6対1と5.6対1で違うこともありますが、S字カムでスプール往復がノーマルタイプと変わらないセルテートのほうが違和感なく巻ける感じです。ギア比が違うといっても、渓流で使うのに十分なスピードはあります。

 ツインパワーの巻き始めが重いといっても、使っていて気になるほどではありません。とはいうものの、なんだかなあと思うのはベアリング配置です。ツインパワーは高速回転するウォームシャフトの支持をハイエンド・ステラのベアリングから樹脂ブッシュに落としています。ローター金型が違うから仕方ないとはいえ、ローターナットのベアリングも省略しています。その一方でユーザーアピールが期待できるドラグやハンドルノブにはしっかりベアリングを入れています。ツインパワーの巻き始めに感じる重さは慣性が大きいためですが、少しでも何とかしようと思ったら、優先してベアリングを入れるところは、ドラグやハンドルノブではないはずです。これに対してセルテートは、分解図などから見る限り、駆動系のベアリング配置はハイエンド・イグジストと同じです。

 ただ、ついでにいうと、セルテートハイギアシリーズのハンドルノブなどへのベアリング追加は、いらなかったのではないかと思います。そうして価格をさらに上げてしまうよりも、駆動系はハイエンド同様に追加する余地がないくらいベアリングを入れているのだからそのままハイギア化してもいいのだと、広告などでうったえたほうが良かったのではないでしょうか。まさか今のユーザーはゆとり何とかでそういう広告が効かないとか・・・。もっとも、駆動系のベアリングをこっそり抜いて、ハンドルノブやラインローラーにもっていっていたら、それこそ最悪、つぶれる前の大森ですけどね。

 ベール返しはツインパワーの勝ち。シュパッと軽く返ります。セルテートはローター慣性が小さいこともありそうですが、ハンドルで返そうとすると意識的に強めに回す必要があります。ただし、ベール支持は両者とも不安。3回の使用で両方ともベールアーム支持部が磨耗してきました。ツインパワーは08モデルに対してベールスプリングを長くしたのか閉じきらない状態にはなっていませんが、すでにネジの頭がベールアームに接触してきています。セルテート2004CHは以前ここに書いたノーマル2004同様にベールが内向きになってきました。ベールはスピニングの重要部品なのに、なぜこんな支持部にするのでしょう。ドラグやハンドルノブなどどうでもいいところにまでベアリングを入れろという日本のユーザーは、なぜこんな設計の支持部に何も言わないのでしょう。

 フェザリング性もツインパワーの勝ち。08以降のC2000サイズはカーディナル33とほぼ同じ位置にスプールがあるので、この点では最高のものでしょう。ただし、セルテートも悪いわけではありません。ツインパワーのほうがよくここまでやってくれたというところです。

 重量バランス(振りバランス)はツインパワーのほうがいいように感じましたが、同日に使ったのではないので保留。セルテートはアルミボディーでS字カムなのでバランスはいいはずですが、もしかするとマグシールドがボディー先端を重くしてしまっているのかもしれません。マグシールドに関しては、個人的には疑問です。ステラや新フリームスのようにこれ以外の方式でも防水は可能なのですから、分解整備性を犠牲にしてまで付けなくてもいいのになあと思います。

 ライン放出性は両者とも良好。私がヒントを与えたおかげでできた(?)AR-Cスプールはやはり優秀です。一方のABS-Uスプールも、写真のようにスプールリングの根元が露出するくらいのライン量でも抵抗が増えない感じです。07ルビアス2506でラインを減らすとかなり抵抗が増える感じだったので、広告に偽りなしです。いずれもライントラブルはまったく起こしていません。

 とまあ、回転慣性の大きさもそれだけ使っていれば気にならないわけだし、総合的に見てツインパワーのほうがよさそうです。価格もこっちのほうがだいぶん安くなっています。

 でも、やっぱり私は、リールに大切なのは志だと言い張りたいと思います。ツインパワーのベアリング配置はポピュリズムでしょう。トップメーカー(どちらがトップかは分からないが同率一位みたいなものだと思う)がこれでいいのでしょうか。そんなわけで、私としてはセルテートに一票ということにしておきます。価格差は東日本の会社へのカンパということで・・・。

Japanese mediums never report this anti-nuclear demonstration ! 2011年4月10日に東京で行われた高円寺原発反対デモです。16年前、社会党が長良川河口堰のゲートを下ろしたとき、私はデモをしたり署名を集めたりすることで世の中が変わるという無邪気で純粋な心を捨てました。そんな私がこの日東京まで行ったのには理由があります。前日にツイッターで、某俳優が、“タレントが原発反対を言ったら仕事を干されるから行くなと家人に止められているが日曜日に高円寺で行われる反原発デモに行く”とツイートしたら、ツイートを見た人から“日本から出て行け”“非国民”と非難されたというのを見たからです。自分の意思で行動する人を何もしない人たちが批判する・・・これはイラク人質事件と同じ構図です。そう思ったら無性に腹が立ってきて、思わず電車に飛び乗ってしまったのでした。(2011/4/11)

 このデモも時期だとかやり方だとかけちをつけようと思えばつけられるのかもしれませんが、アクションを起こした人に何もしない人が安全な場所から批判を浴びせるのは、やはりとても醜いことだと思います。出る杭はなんとやらという日本人の特性かもしれませんが。

 しかしまあ、やはりというか、このデモは電力会社から大量の広告をもらっている新聞やテレビではほとんど報道されませんでした。アメリカやフランスの反原発集会は報道するのに! 日本は中国や北朝鮮のことを笑えるのでしょうか。

 これに似た話を思い出しました。この地方につボイノリオさんというラジオ(ときどきテレビ)タレントの人がいます。「金太の大冒険」とか「極めつけ!お万の方」とか「インカ帝国の成立」とかとんでもない歌を作るとんでもないオッサンですが、ルーツが郡上八幡にあるせいか長良川河口堰問題ではなかなかいいことを言ってくれる人です。

 90年代初めの頃、この人が岐阜放送テレビで30分くらいの情報番組をやっていました。1週間のニュースを10個選んで伝えるのですが、ある週、建設が進みつつあった長良川河口堰反対の大きなデモがありました。全国ニュースでも取り上げられたはずです。ところが、番組が選んだ週間10大ニュースにそれは入っていませんでした。ニュースを紹介しながらつボイさんは「僕としては河口堰が入っていないのが不満ですね」と発言しました。

 それほど間をおかず、番組は打ち切りになりました。その後のネットラジオで「私にそんな影響力はない」と語っていましたが、同時に「たしかに岐阜放送はやりにくそうだった」とも言っています。岐阜放送は岐阜県の財界が作った放送局なので、県の基幹産業である公共土木事業は批判できなかったのでしょう。

 小沢問題とかパチンコ問題とか、日本のマスメディアの報道は信用できない面があります。かといって、自分の考えに近いものばかり見がちなネットは、考えがどんどんそっちに傾くのでこれはこれで気をつけないといけないのかなとも思いますが・・・。

 ふたたびデモの話。正直言うと私は、脱原発は理想でも現実にはムリだろうと思っています。でも、高円寺に集まった人の多さや、若い人が多かったのを見たら、少しは日本の将来に希望を持ってもいいのかなと思いました。エコに偽善を感じ、原発なんてどうせなくせないと思う、すっかり汚れてしまった私には、この日集まった若い人たちがとても純粋でうらやましく思えました。

 私くらいの歳の者がそんな老けたことを言っていてはいけませんが、この国を動かす政治家は私よりさらに1世代2世代上の人です。人間は歳を取るほど汚れて保守的になっていきます。政治が硬直しているのは当然かもしれません。再選された都知事っていくつなのよ。

 これはですね、いま売っているアングリング・ソルトのメンテナンス記事(ホント最近こればっかやってるような気がする・・・)に使ったハンドルノブの注油写真です。実は私はBB入りのハンドルノブには普段まず注油しません。単純に考えてもここの回転数はピニオンの5〜6分の1、ラインローラーの数十分の一ですから、油切れなんて起きるはずがないからです。でも撮影中に写真のように吹いたら上手くオイルが回ったので、これでええやんと思って、こういう注油法を書いておきました。ところが、この原稿を出した後に買った11ツインパワーC2000HGSの取扱説明書を見たら、オイルで溶けるからノブにはオイルが付かないようにして、もし付いたら中性洗剤で洗うようにと書いてありました。アングリング・ソルトに書いてある通りにした人がいたら、ノブ洗ってね。本を買ったみなさんスミマセン(立ち読みの人は知らん)。(2011/4/4)

 本当は純正オイルを純正部品に付けて異常があってはいけないのですが、樹脂やらゴムやら塗装やらグリスやらオイルやらの生もの系は難しいのですね。もちろんオイルを塗ったくって高温で蒸したりいろいろするのですが、やっぱり何ヶ月も何年も先の状態を再現するのは難しいのです。

 昔のリールの樹脂スプールが割れたのも同じで、糸を巻いて圧力で割るテストはするのですが、それをクリアしても、実際の使用で糸を巻いたまま何ヶ月も何年も放置されると、徐々に亀裂が走って割れる樹脂があるのです。もちろん現在市場にある樹脂スプールは時間でテストされているようなものなのでだいじょうぶのはずです。

 そういえば、このオイルの最初のカンのはオイル注しに入れておくと白くにごってきたので、昔タナトルの塩ガミ対策用に作ってリール全般に使われていたオイルだと思っていたのですが、2缶目のもの(オイル注しに入れて1滴ずつ使っていてぜんぜん減らないので2缶目もまだ前のデザインの古いやつ)はクリアなままです。オイルを変更したのかもしれません。2缶目はやたらと油くさい(灯油みたいな臭いがする)気がします。

 20年も前の話だし変更しちゃったんなら書いてもかまわないと思いますが、前のオイルはACE-2という自転車部品用のグリスを油で溶いたものでした。ACEはデュラエースのエースです。テフロンの入ったグリスで、リールではベイトのドラグワッシャーに使われていました。一時期はベイトのギアにも使っていたはずです(そうそう、デュラエースのグリスといっても、現在デュラエースグリスとして自転車用に売られている黄緑の半透明なものとは別物です)。

 ACE-2をベイトのギア用グリスに採用したのは、なんだか変な話でした。その前まではBG(ブラックグリス・・・そのまんまやんけ)というモリブデングリスを使っていたのですが、ベイトのグリス担当(は特にいなかったのでなぜか私のいた品管課が見ていた)が替わって、ACEに変えちゃったのですね。新しい担当者がなぜか前任者(私から見たら温厚なとてもいい人に思えたけど・・・ちなみに元ルーBBの設計者だった)をよく思ってなくて、坊主憎けりゃ袈裟までってやつで、グリスも変更しちゃったように(私には)見えました。

 私は在職中にACEとBGをスピニングリールに入れて高負荷巻き上げ繰り返しマシンテストで対決させたことがあります。ただし、どちらのグリスもスピニングに入れると粘度が高くてハンドルが回らなくなるので、あくまで興味本位で行った遊びのテストです(何をしとるんだ)。結果は、ACEのほうは早々にピニオンの口から真鍮粉を噴き出して最後には焼きついて止まってしまったのに、BGは最後までなんともなかったものです。

 もっとも、あのとき行ったテストはピニオンの後ろにボスのないリールを使ってとんでもなくきつい条件で行ったもので、当時のスピニング用純正グリス(あ、わしがテストしたやつだ)も焼きつきましたし、同じ設計の他社製品(ペンのスピンフィッシャーの大きいのとか)も全滅だったので、ACEがダメなグリスというわけではありませんが、BGがたいしたものだったのは確かです。

 そんなわけで、私は自分のバンタムやBMのギアのグリスは全部BGにしています。20年前のものですけど、フィルムケースに入れていただいてきたものが、まだケースの底に5mmくらいあります(賞味期限切れか?)。

 まあ、会社にはいろんな人がいて、こういう理由で製品が変わってしまうこともあるのです。

 純正オイルスプレーが変わった(?)のはなぜでしょう。ノブが溶けるからってことはないんじゃないかしらん。私の2缶目のオイルはカンのデザインが前のものですから、これだって相当古いものです。オイル分がにじんで抜けて、残ったグリス分がワンウェイクラッチあたりで悪さをしたとか・・・。やっぱりこういう生もの系は長い年月で出てくる問題がありますから。まさか、新しい担当者が前の担当者を・・・って、いまの時代にそりゃないか。

 (いろいろ書きましたが、BGがよかったのはモリブデンのせいかベースオイルのせいかわかりません。ACEにテフロンが入っているといっても、数ある成分のひとつにすぎません。よく、リチウムグリス、カルシウムグリス、シリコングリス、モリブデングリス、テフロングリスという具合に名前だけでグリスを語る人がいますが、あくまでいち成分なので、それだけでどうこういうのはあまり意味がないと思います。例えばモリブデン入りグリスでもモリブデンの粒子が荒いとリールに使われる金属は逆に削られることがあるそうですし、名前だけ見てリール用でないグリスを使うのはやめたほうがいいでしょう)

 2011年3月27日、冬型の気圧配置で庄川などへ行ったらドツボなので九頭竜川に行ってきました。ただでさえ釣れない釣り場なのに、こういう風に他の釣り場がダメなときの時間つぶし的な釣行ばかりしているから20年に1尾しか釣れないのかという気もしますが、釣れる確率が3%から1%になったってどうせ釣れんのはいっしょでしょ・・・って、それがあかんのか。ともあれこうして釣行したことで、自粛禍で入らなかったかもしれない私の入漁料1500円がちゃんと入ったわけですな。それなのに、やっぱり魚は釣れませんでした。恩知らずめ。九頭竜川なんて嫌いだ。(2011/3/28)

 どうせキャスティング練習なので、今回もベイトリールを持っていきました。写真のレコード40と、旧4600C(89年くらいの最初のウルトラキャスト採用モデル)です。このまえ、レコード40はワンウェイメカニカルブレーキによるキャスティング特性がすばらしい(加速時は軸付きと同じことだが飛行中はワンウェイクラッチが働いてオーバーランはしにくいはず。さらに加速時に軸付き状態のため遠心ブレーキ特有の急激すぎる加速を抑えるのではないかという仮説)と書きましたが、旧4600Cもけっこういけました、というよりあんまり変わらないかもしれません(おいおい)。

 むしろ旧4600Cのほうがスプールの加速がよく、重いもの(18g級のスプーン)はレコードよりも伸びるくらいでした。一方の軽いもの(7〜8gのスプーン)はレコード40のほうが飛びました。ただ、遠心ブレーキが、レコード40は6点可変(ブロック2個オンでオイルを付けて使用)、旧4600Cは2点固定(標準で付いていた大のブロックにオイルを付けて使用し、後半は1個にした)と違うので厳密な比較はできません。レコードと同じ6点遠心の現行4600Cで遠心ブレーキを調整していったとき、さらに飛距離が伸びて軽いものも投げられるようになるのか、その前にバックラッシュが発生するのかはわかりません。ただ、レコード40は7〜8gくらいのスプーンの飛ぶ感じに独特なもの(なぜか伸びていく)があって、このくらいのスプーンやプラグなど、レコードのほうが飛ぶものがあるような気がしますが、これもあくまで印象です。(注:上記のブレーキブロックセッティングは、最低気温0度、最高気温10度前後の条件でオイルの粘度が上がっていることが考えられ、86MLのロッドで重いスプーンを中心に投げているため、一般的な使用条件には当てはまらない可能性が高いです)

 と、キャスティング性能はあまり変わらなかったのかもしれませんが、やはりレコードのメカニカルブレーキを締めても軽く巻ける機構は有効です。この日は、オイル粘度の関係か、日が上がるにつれてスプール上のラインが浮き気味になってきましたが、こういうときでも巻きの重さを気にすることなくメカニカルブレーキが締められます。遠心をいじる頻度は減りますし、遠心とメカニカルを組み合わせたセッティングもしやすくなるはずです。

 まことに遺憾ながら、前回書いた印象のうちやっぱり正しかったのは、レコードはくそ重たいということです。レコード40の後に旧4600Cを使ったら、スプーンが川底の石を叩いたり泳ぎがばたついたりするのが手元にはっきり伝わってきて驚かされました。4600Cに対し50gも重いレコード40のウエイトがタックル全体の感度をかなりスポイルしていたのです。レコードをこんな文鎮みたいなものにしてしまったアブ・ガルシアは、やっぱりダメだなあと思ってしまいました。

 そんなわけで次は4600Cのブレーキブロックを小さくして使ってみたいなと思うのですが、今シーズンの九頭竜はこれで終わりのつもりなので、次いつ何に使うかは未定です。こんな釣行をシーズンに4回も5回もやるほどマゾではありませんわよ。

 2011年3月19日またまた坂内川と根尾川でボウズを食らってきました。実は直前まで九頭竜川に行くつもりで朝4時前に目覚ましをセットしていたのですが、よくよく考えると東日本・東北に救援物資を運ぶルートとして北陸自動車道が使われるはず、そこに休日1000円高速で車が増えたら・・・なんてことを布団の中で考えていたら5時くらいになっちゃって、結局近場めぐりにしてしまいました。さらに、坂内川は川上ダムの泥抜きで濁流、根尾川は減水に加えて水温6度でぜんぜんダメでした。根尾川でほとんど釣り人を見なかったので、やっぱこういうときに釣りをしている不届き者は自分くらいかと思ったら、追加放流のあったLF区間とかその近くの大野橋(ついでに放したのかも、エサの人がいました)にはしっかり釣り人がいました。根尾の成魚放流は2月20日が最後、居付きの魚が動くにはまだ寒いと、3月は一番釣れない時期ですもん。釣れない所に人がいないだけのことなのか。(2011/3/20)

 この前、九頭竜釣行2回分くらいは義援金募金をしようと思っていると書いていたのに、九頭竜行きをとたくらんでいたとは募金してないということか、けしからんヤツだですと? しましたよお。あれは、九頭竜川に2回行く予算を募金に回そうという意味ではなくて、九頭竜川に2回行ける1万円くらいは募金しようと思っているという意味です(厳密に計算すると1万で2回はちょっと不足でしたけどね)。

 釣行でも旅行でも欲しいものを買うことでも、元々使うつもりだったお金を募金に回してもお財布はまったく痛んでないわけです。嫌な言い方をすれば、自分にとってより心地よい(より後ろめたくない)方に出費の先を振り替えたに過ぎないともいえます。それに、(無駄遣いで成り立っている資本主義経済は間違っているなぞと日ごろ考えている危険思想家の私がこんなことを言うのははなはだ矛盾していますが)1億人がみんな、募金の分の消費を抑えたら、日本経済全体が冷え込んで復興に必要な国力まで弱ってしまうかもしれません。だから、自分の行動はそのままで、プラス、募金をしようと考えたのです。

 で、先週の頭くらいにヤフーで1万円募金をしたのですが、その翌日、糸井重里が「募金は自分を3日雇えるくらいの金額にしよう」と言ったとインターネット上のニュースで見ました。いまどきアルバイトでも自給1000円と考えれば3万円くらいでしょうか。

 これに対して、募金は気持ちの問題だからそんなことを言うなという反発もあったみたいですが、精神論で人は救えません。そういう精神論には、社会を必要以上に暗くして経済を冷え込ませ回りまわって被災地にまでマイナスになりかねない自粛圧力に通じるものを感じます。お金でっていうのはドライに思えますが、個人で大量の物資を保有している人はまずいないのですし現地まで行ける人もそういないのですから、これが一番効率的かつ現実的でしょう。

 そんなわけで、さらに2万円募金して、総額3万円にしました。現地で3日働くと考えたら、宮城までの交通費だけでも3万円では足らないのですから、ちっとも多くないと思います。

 でもよく考えたら、“自分を”3日雇えるくらいの金額ということは、その人の経済力に応じた額ということですね。ということは、私の場合、2010年の申告所得から逆算すると・・・1万円くらいがいいところじゃないの。先に心配しなあかんのは自分の今後の方と違うのか。

 2011年3月11日坂内川と根尾川でボウズを食らってきました。気温2度水温3度で行くほうがアホです。ついでにいうと9日にも同じパターンでボウズを食ってきたので二重にアホです。リールは11ツインパワーC2000HGS・・・ですが、魚釣ってから語りましょう。11日はこの写真の後、根尾川のLF専用区へ行って3時から4時過ぎくらいまでやったのですが、クルマに戻ってからラジオで東北の地震を初めて知りました。こっちでも震度3くらいはあったはずなのですが、どうも車を運転していて分からず、ラジオが一報を伝える直前に釣り場に着いて車から降りたからみたいです。やっぱり車を運転していると分からないものなのですね。(2011/3/13)

 本当は、12日か13日は九頭竜川に行こうと思っていたのですが、テレビで地震のニュースを見ているうちになんだか不謹慎な気分になってやめてしまいました。日本人の好きな“自粛”というやつで、この辺は私も日本人なのかしら・・・。

 あえてひねくれたことを言ってしまうと、国民みんなが自粛したところで被災した人たちには何の助けにもならないのですけどね。でも、この辺が日本人のメンタリティーなのか、ニュースではあちこちのイベントやスポーツの大会が軒並み中止になっていて、この地方の名古屋港水族館なども休みだとかいってました。災害のあった翌日や翌々日では仕方ないのかもしれませんが、たとえば入場料や賞金の発生するイベントなら、そこで上がった収益や賞金を義援金に回すことにしたらダメなのかなあと思います。それでも不謹慎だとかいって批判する人が出るのでしょうか。

 週2回も平日釣行しているような廃業寸前の自称釣りライターが釣行を自粛してホームページに“心よりお見舞い申し上げます”なんて歯の浮くようなことを書いても仕方ないので、そうだ義援金を送ろうと思いました。昨日の朝日新聞朝刊に救援募金が載ってましたが、さすがネット時代でヤフーとがグーとかいろいろあるみたいです。どこにするかは決めてませんが、九頭竜釣行の費用2回分くらいはしておくことにしましょう。自粛なんて自己満足にもなりません。

 話はいったんずれますが、自粛といえば今年2月の九頭竜解禁直前に大雪が降ったため、地元の某釣具店が釣りを控えてくれとホームページで呼びかけていました。高速で車が1000台以上閉じ込められた大雪だったので仕方ないのですが、なんとなく引っかかったのはその書き方でした。地元の人が雪で参っているところに釣り人が来ると反感を買うぞとか肩身が狭いぞみたいな言い方だったからです。やっぱりここでも日本人の好きな自粛の思想です。河川敷は雪で下りられないし堤防道路や橋の周辺も駐車できないから来ても釣りはできませんよ、雪が解けるまでちょっと待ったほうがいいですよといえば済むことでしょう。そもそも大雪のニュースを見ていれば普通の人は行かないのにわざわざああいう書き方をされるとなんだか釣り人が基本的に招かれざる存在みたいで嫌な感じだなあ・・・と思ったのは私だけでしょうか(関係ありませんが、そもそもあそこは感覚的に相容れない感じです。死んで目を剥いたサクラマスを自慢げに持った釣り人の写真を美しいと思います? 九頭竜のサクラが再生産しているとは思えませんからキープに何の問題もないと思いますが、ああいう写真をホームページで羅列する感覚が私なんかダメですね。某プロショップのオーナーも言ってましたよ・・・というかちょっと受け売りですけど)。

 話は東北関東大震災に戻ります。なんだかんだいいつつ今週の九頭竜釣行をやめたのは“自粛”な気分になってしまったのもありますが、どの道釣れっこないからというのも理由です。しょせんサクラマスなんて優秀な日本の原発が事故を起こすくらいの確率の魚ですもん。揖斐川水系を含めて週3回ボウズって嫌でしょ。

 ところが、今度の地震では原発が大変なことになって今もニュースでやっています。新潟の地震でたいしたことがなかったので日本の原発は安全なのだなあと思っていましたが、やっぱり絶対なんてことはないのですね。最近、原発は二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーだというキャンペーンが行われていますが、この流れにもブレーキがかかるでしょう。

 常々思っているのは、本当に二酸化炭素が温暖化(すら起こっていないという説もあるそうですが)の犯人なのかということです。地球の大気なんて卵の殻みたいに薄いわけで、その中で人間が化石燃料をせっせと燃やして熱エネルギーに変えていれば温暖化もするでしょう。温室効果がどうこうではなくて、二酸化炭素は結果的に出ているだけではないでしょうか。原発だって、地下でおとなしくしていたウランを熱エネルギーに変えているのは化石燃料と同じでしょう。しかもいったん事故が起こったときの問題は、化石燃料の比ではありません。さらに最近は国として原発をインフラ輸出しようなんていっています。二酸化炭素を温暖化の犯人にすることで原子力エネルギーにシフトしようというのは、石油産出国が多いイスラム圏の力を削ごうというキリスト教欧米圏の陰謀ではないでしょうか。そんなものに乗せられて、世界中に今回のような事故の危険を広げていいのかと思います。

 壮大な世界的陰謀論から国内政治です。政府民主党は非常事態だとして野党各党に協力を呼びかけました。そのときの野党党首のコメントがNHKテレビで流れていましたが、みんなの党の渡辺世襲喜美代表は、国会を止めて政治休戦すると官僚がなんでもやって“官僚ファシズム”になるからダメだと言っていました。みんなの党に関しては昨年7月12日のここ(バックナンバー38)に書きましたが、ここまでイカレてるとは思いませんでしたね。

 (そういえば今日はたった1ヶ月選挙を早めるためにリコールを成立させた名古屋の市議会議員選挙投票日です。名古屋の人たちはみんなの党の二番煎じみたいな減税日本に投票しちゃうんでしょうねえ。1年後大変なことになってなきゃいいですけど)

 被災地でおっしゃったらいかが?

 20万で辞任、45億は?


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