2012年3月20日、揖斐川水系のイワナです。実に6釣行連続ボウズの末、久々に魚を釣りました。なぜこんなにボウズが続いたかというと、根尾川の成魚放流日に九頭竜川に行ってボウズをくらい、成魚放流魚がどっか行っちゃったころに根尾川に行ってやっぱりボウズをくらうという無計画な釣行をしてしまったからであります。 (2012/3/26)

 ここんとこ根尾川か坂内川ばっか行ってますが、毒饅頭水系に行かないもんで、どうしても揖斐川水系の二本になっちゃいますね。わざわざその向こうの木曽川水系までは行かないし、庄川は遠いしまだ早いし(昔は解禁と同時に御母衣湖に行ったもんですが)。で、この2川に飽きるとついふらっと九頭竜川に行っちゃうんですが、最近やっぱりありゃ金の無駄遣いだって思うようになりました。夢がないな、わし。

 ロッドは、昨年グリップを替えて美濃フィッシングエリアでちょっと使って以来のダイコーカーボンスピニングロッド(という名前なのだ)#GL-256HS。あらためて使うと、こういう硬めで短いロッドをピシッと振るのもええもんです。スプーンは気持ちよく飛ぶし、フッキングも確実です。美濃フィッシングエリアは川幅がないのでわかりませんでしたが、スプーンなら広めの川でも十分飛距離がでます。

 それと、やっぱりガイドシステムは旧式のほうがラインの出がいい感じがします。するするするって伸びていきます。さすがに現在のエリアロッドやメバルロッドで旧式のガイドシステムは無理でしょうけれど、硬いロッドなら無理して小さいガイドを付けなくてもって思いますが、流行はさらに小さい方向に行っているようで・・・。

 あらためてこのロッドをみると、やっぱり日本のロッドはちゃんとしてます(当たり前か)。何年か前Sミス社で聞いたのですが、アメリカのロッドはティップの先のストレート部分が長いのだそうです。アメリカのロッドといってもいろいろありますが、たしかに自分のフェンウィックを思い浮かべると、そんな感じです。荒い使用で穂先を折られないためか、製造技術が低いのか、私の持っているフェンウィックはたいていのものが1番の真ん中へんにいきなりカーブの頂点が発生します。唯一例外はワールドクラスWC83SML-2Jですが、これは比較的近年(といっても03年)に日本の要求で作ったっぽいロッド(アメリカでこんな半端な長さは作らんでしょう)なので例外でしょう。

 そういえばフェンウィックでいちばんとんでもなかったのはFF756-4Jという4本継ぎのパックロッドでした。これはまったく理解不能で、1番がまったく曲がらず、2番だけが曲がるロッドでした。穂先の先に棒をくくりつけて振り回しているみたいな調子で、それがフライラインをうまく飛ばす独自のフェンウィックアクション・・・なんてことはまったくなく、私にはキャスト不能でした。グラスだったからもっただけで、カーボンであの調子だったら2番がたちまち折れるんじゃないかしらん。センタレス研磨をメチャクチャやった不良品だったのかもしれません(多分そうでしょう。正常品であれだったらどうかしてます)。

 写真のダイコーはもう30年も前のものですが、ティップ部が先に向かってキューっと細くなっていて、負荷に応じてちゃんと先からカーブの頂点が下りてきます。きっとこういうテーパーだから、一見硬くても軽いルアーが飛んでいくのでしょう。ジョイントの突っ張りもそれほどありません。表面の研磨は、アンサンドではないものの穂先近くはテーピングのデコボコがわずかに残っていますから、強度を落としたり調子を変えたりしないギリギリの仕上げになっているのでしょう。

 こんないい竿を30年も寝かせておいたのは本当にもったいないことでした。これからもっと使っていきましょう。

 (といいつつ、そういえばつい2週間前にヤフオクでフェンウィックを買ったんだっけ。まあ、まだ02ワールドクラスだからちゃんとしたもんだけど、ワシさんマークの神通力はたいしたもんじゃな)

 2011年4月15日、根尾川のアマゴです。なぜ去年の写真かというと、最近ボウズばっかりだからだよ。ぜんぜん関係ありませんが、某フライフィッシングの雑誌がフェイスブックで、原発問題が関東の渓流解禁延期など釣りに影響を及ぼしているにもかかわらず何も発言をしない釣り具メーカーについて「釣りと釣り人を守れない釣り具メーカーに存在する意味はない」と書き、ちょっとだけ論争になっていました。これを見て私は、昔天野礼子女史が長良川河口堰反対運動で何もしない人に川で遊ぶ資格はないと書いていたのを思い出しました。 (2012/3/18)

 長良川について、当時の私は天野女史にまったく同感でした。あの頃ちょっと足を突っ込んでいた岐阜のルアークラブのメンバーは河口堰に関して何の問題意識もなく、「シラメが海に落ちず外敵に食われないから数が増えていい」ないていう馬鹿までいたほどで、お前らに長良川で釣る資格はないと思ったものです。もっとも今では補償金でばら撒いた毒饅頭魚など釣ってたまるかと自分のほうが長良川に行くのをやめてしまっているのですけどね。

 長良川河口堰問題についても釣り具メーカーは総すかんでした。長良川河口堰建設に反対する会は、各メーカーに協力を呼びかけたそうなのですが、同会の会報「長良川ネットワーク」に広告を出していたのはスミス、ティムコ、上州屋、フライの雑誌社くらいのものでした。

 私はS社にいたころ釣り具フロアで河口堰反対署名を集めたことがありますが、やはり釣り好きの人ばかりですからみなさんよろこんで署名してくれました。しかし、自分のいたところを含めて当時の4大メーカーは河口堰問題について何も発言せず、釣り具メーカーなのにと思ったものです。でも、いまにして思えば会社としてかかわるのは無理だったでしょう。建設族の政治家、建設省(現国土交通省)、ゼネコン、公共事業に群がる魑魅魍魎を刺激することになります。政治家経由で事業に支障をきたすような嫌がらせを受けることだって考えられるでしょう、経済界の中でもゼネコンは強大ですから、経団連(に釣り具メーカーって入ってるのかな?)の中でもギクシャクするかもしれません。

 公共土木事業ですらこれですから、原発問題で釣り具メーカーが何かいうのはありえないでしょうね。相手は経済産業省と電力会社ですから、国土交通省とゼネコン以上に強大です。いまでこそみんなでやれば何とやらでマスコミもおっかなびっくり原発批判をするようになりましたが、去年のいまごろって明らかにおかしかったでしょう。メディアだってコントロールされてるんですから。

 でも、そういえば釣り具メーカーが、お上にものを言ったことがありました。バス問題です。あのころフィッシングショーには「バスの公認釣り場を」というでっかい垂れ幕がかかり、例文まで作ってパブコメを送ろうキャンペーンをやっていました。当時の釣魚議員連盟会長の綿貫民輔氏がバス攻撃に熱心だった小池百合子環境大臣に反論(?)した文書のコピーを嬉々としてブースにはっているメーカーもありました(北川石松環境庁長官が長良川河口堰に異議を唱えたときそれを無視して建設を推進した当時の建設大臣が綿貫氏だったことを知っているのでしょうか)。ともあれ、釣り具業界にすら意見されてしまう環境省って、やっぱり日本では三流省庁なんですねえ。

 某フライフィッシングの雑誌の発言からかつての天野女史の言葉や昔の自分の気持ちを思い出して、純粋やなあと思ってしまいました。それだけ自分が汚れてしらけた人間になったということなんでしょう。

 2012年3月10日、坂内川へ年券を買いに行ってついでにルアーを投げてきましたが、なんにも釣れませんでした。ところで11日までBSで釣りビジョンが見られるので、最近テレビがつけっぱなしになっています。勉強になるので見たほうがいいような気もしないでもないのですが、ただでさえ最近パソコンやテレビを見すぎだなあと思っているのにこんなものを契約してしまったらニュースすら見なくなってよけいアホになりそうです。それにしても、ボウズで帰ってきて釣り番組を見とるというのは健全なのか不健全なのか・・・。 (2012/3/10)

 バンタム100のラインが爆発しているのは、キャストのときに後ろのネコヤナギをひっぱたいたためです。アベイルスプール入りバンタム100を川に持ち出したのは今年2回目ですが、2回が2回とも開始早々ネコヤナギバックラッシュで終了しました。

 やっぱりベイトは川で使うのに向いてないなあと思いますが、それでも2〜3gのスプーンの飛距離がスピニング以上に伸びるのは驚くべきことです。スピニングは一見フリーにラインが放出されているようですが、コイルがガイドを叩く抵抗はバカにならないみたいです。ベイトリールの場合、ガイド抵抗が少ないのみならず、スプールが慣性で回ってラインを送り出す面もあるため、ブレーキやスプールのバランスがよければより飛ぶということでしょう。

 ただ、くらべたスピニングがプラナマティックなしのミッチェル308なので、そのへんは考慮すべきかもしれません。プラナマティックなしだとラインがあや巻きになってトラブルは減るのですが、放出時にラインがばたつくため飛距離は落ちます。

 久しぶりに中国製最終版308を持ち出したのですが、放出時の抵抗のみならず、スプール下へのライン落ちに2回も見舞われましたし、巻き取り時に駆動系のガタが感じられ、使用感はいまひとつでした。以前はこの308もけっこう気に入って使っていたのですが、最近408ばかり使っていたからでしょう。スプール下へのライン落ちに関しては、408ではほとんど記憶がありません。どうやら、プラナマティックの真ん中が盛り上がり両端が落ち込む巻き上がり形状が、ライン落ちを防いでいたようです。

 中国製308は亜鉛ダイキャストのフェースギアの当たりがソフトで、部屋で回した感じはそれほど悪くありません。ところが、現場に持ち出すと特にストップアンドゴー的な巻き方をしたとき、ガクガクした感じがあります。これは、ドライブギアの軸と軸受けの間がガバガバだからです。中国製308のドライブギア軸部は、フランス製時代のものより0.3mm(ナイロン3.5号14Lbの直径相当!)も細くなっているのです。昔買った台湾製310UL(ローターが樹脂のやつ)も同じようにドライブギアがガタガタだったので、台湾に生産を持っていってドライブギアを亜鉛ダイキャストにしたころこんな風にしてしまったみたいです。

 本当ならこのリールのドライブギアはマシンカットで作られたフランス時代のフェースギアのようにトランプのダイヤのような歯形になるはずですが、それをなんとかかんとかいまの日本のメーカーが使っているハイポイドタイプのフェースギアみたいな歯形状にしています。おかげで歯が広く当たるようになり、フランス時代のダイヤカットがどんどん減ってゴロついていくような極端な磨耗は起こしません。

 しかし、「フェースギア1」のページで計算してみたように308のフェースギアはピッチ円がかなり外にあります。本当は、フェースギアはピッチ円の外側の歯面しか使えないのだそうです。これを無理やりぴったり当たる歯にしたために噛み方に無理があり、しっかり支持してしまうと回らないかひどくゴロつくのではないでしょうか。それで、軸部を遊ばせてごまかしてしまったのではないか・・・というのが私の推理。

 昔々、シマノにチタノスツインパワーGTというリールがありました。このリールはピニオンギアの後ろにボスがなく、代わりにメインシャフトを受けていました。その後、ダイワ・トーナメントEXに対抗(?)するためにパールホワイトに塗ったツインパワーGT-Xというのを出したとき、ガタをなくして高級感を出そうとピニオンギアの後ろにボスを付ける改良を行いました。ところが、ボスを付けてガタをなくしたら、ギアがゴロつくようになってしまって、製造が困ってしまいました。ギアの支持をしっかりすると、ギアゴロがシビアに出るようになるのです。

 ドライブギアを亜鉛にした308のギアが遊んでいるのは、この逆をやったのではないかと思います。しかしまあ、クリアランスが0.3mm以上とは、もはや軸と軸受けではなく“バカ穴”です。いまさらいっても仕方ありませんが、やることがメチャクチャですよね。

 と、書きながら、頭の後ろのテレビではいまも釣りビジョンが流れています。イケメンファイルやったら出してもらえるかな。

 2012年2月1日、根尾川解禁日のアマゴです。いまさら解禁日の写真を引っ張り出したのは、最近釣ってないからです。でまあ2月26日もボウズだったのですが、釣り場を移動しようとしていたら女性の釣り人が話しかけてきました。ルアーをやるそうで、自然の川でルアーをやる女性に会ったのは初めてです。ところがその人、「上流で釣っていたら“ルアー・フライ専用区以外はルアー禁止だ”とエサオヤジにいわれて釣り場を追い出された」といっていました。いわずもがなですが、アホはエサオヤジです。ルアー・フライ専用区でエサや網をやってはいけないというだけで、ルアー・フライは根尾川全域で可能です。 (2012/3/5)

 根尾川ルアー・フライ専用区は、実質カリモク前から藪川橋までの800mで、公表されている成魚放流量は根尾川全体900kgのうち専用区はたったの60kgです。稚魚放流を含めればさらに専用区の割合は低くなります。これで、専用区以外ルアー禁止なんてことがあるのなら、わたしゃあ今すぐ漁協事務所に行って年券叩き返しますよ。そもそもやらずぶったくり(開高か)のエサオヤジよりルアー・フライが冷遇されるなんてことがあっていいわけがないでしょう(もっとも、伊豆のほうにはそういういかれぽんちなことをいまだやっている川があるそうですが・・・いまやっている忠さんの本の中にも、やっとの思いで北之岐川の禁漁にこぎつけたのに、魚が戻ってきたとたんに「増えたなら釣らせろ」と地元の古い釣り師が言い出して困ったなんて話が出てきます。地元のおかしな人がいちゃもんつけるんですかね)。

 根尾川のルアー・フライ専用区は2年か3年前に始まってトラウト専門誌にも取り上げられたので先進的な取り組みと思われている人もいるかと思います。そういえなくもないのですが、実際に専用区になっているのは最下流域のアマゴどころかウグイもいるかどうか怪しいフラットな砂利底の浅場が広がるところです。本来ならルアー・フライのような釣獲圧力の低い釣りの専用区を作るなら、魚の増殖の見込める区域が理想なのですが、現在専用区となっているところはそういう場所ではありません。

 以下は私の想像ですが、漁協はあの区間への成魚放流をやめたかったのではないかと思います。もともとはカリモク前にほかの場所と同時に成魚放流をやっていたのですが、いま書いたようにフラットで浅い砂利底(多くの場所は砂底泥底に近いかも)なので魚が居つかず、私自身も放流当日以外アマゴを釣ったことがありません。

 すぐに釣れなくなるのは魚の着き場がなくて散ってしまうことのほかに、放流早々カワウにやられていた可能性があります。魚が隠れる場所がありませんから、カワウにしてみれば願ったりです。そんなところに成魚放流を定期的にしたら、カワウが居ついて上流の被害も増えていくはず。すでに根尾川はかなりカワウに悩まされていて、これからの季節上流域でもカワウよけの糸が張り巡らされ、ルアーを投げるのに苦労するほどです。

 今年から、谷汲大橋上流の放流も取りやめになって、ほかの場所に変更されました。谷汲大橋で放された魚は下流の堰堤のたまりまで落ちていましたが、ここもカワウの遊び場になっています。おそらくこの変更も、カワウを呼びやすい場所への放流をやめるためだったのではないかと思います。

 カリモク前もやめてしまえ・・・となったのかもしれませんが、この区間にはフライの人がよく来るのです。ルアー・フライの人にも乱獲屋はいますが、ここに来る人はライズを見つけてそこへフライを流せれば満足みたいな人たちです。しかも、彼らは解禁前にゴミ拾いをしたり自主放流をしたりしていました。こういう人たちの釣り場をなくすのは忍びないと漁協も考えたのではないでしょうか。だから、最低限の放流をして、それをエサ師に抜かれないようにルアー・フライ専用区にした、というのが私の見方です。

 正直いうと、私のようなルアー屋(フライもまったくやらないわけではないがライズの狙い撃ちなどとてもできないし、フライマンには失礼だがライズ待ちなど気が知れない)にとって、専用区にメリットはありません。これで「専用区以外はルアーはダメ」なんて勘違いをするエサオヤジがでてきたんじゃ、たまりません。でもまあ、いまいったようないきさつ(ほとんど想像ですが)を考えるとしゃあないかというところです。

 2012年2月19日、九頭竜川です。美しく釣って美しくリリースするため、新調した昌栄製のサクラマス用リリースネットを持っていったのですが、肝心のサクラマスは釣れませんでした。とはいっても、雪の予報だったので、様子を見がてらゆっくり行って着いたのが朝10時過ぎですから、しかたないでしょう・・・と書くと、ちゃんとした時間に行っていれば釣っていたように読めるナ。 (2012/2/27)

 去年のいまごろはにわかにベイトリールがマイブームだったので、レコードやら4600Cやらを使っていましたが、今年はまじめに(?)スピニングに戻しました。でもまあ釣れないなら何使ってもいっしょかね。

 ベイトといえば、と、またフィッシングショーの話ですが、ダイワのT3は面白そうですね。パックリ口が開くだけでなくて、パーミングした感じもコンパクトでした。昔最初のTD-Xが出たとき釣具店の店頭にパーミングの良さを体感させるためTD-Xをグリップにセットしたサンプルが置かれていましたが、いくら握りやすくてもこのカッコは・・・と思ったものです。でも、T3はカッコいいです。

 こういうワニの頭みたいなデザインは25年くらい前のバンタムマグナムライト2000GTに始まったのですね。で、現在非円形ベイトのほとんどが、このデザインの延長線上にあるというのは、たいしたものというか、変わってないというか、そんなことも思います。

 アンタレスは、ARはサイズ違いだしDCは別物と考えると、今年出たのが二代目ということになるのでしょうか。そう考えるとモデルライフが長いです。この形も考えてみればマグナムライトの延長線上です。デザインは初代とほとんど変わっていません。いまだバンタム100がええとかBMがええとかいっている私がいうのははなはだおかしいのですが、保守的だなあと思いました(やっぱおかしいわ)。

 私は長らく、シマノのほうが革新的なメーカーで、ダイワのほうが保守的だというイメージを持っていました。でも、どうやらこれは70年代終わりから80年代はじめのBM、バンタム、エアロキャスト、ファイティングロッドなどのイメージを引きずっていたみたいで、あらためて90年代から現在の製品を思い浮かべると、逆だったのかしらと思います。

 そのアンタレスは小モジュールギアによる滑らかさをうたっていて、そうしたギアの採用が可能になったのは、ピニオン両側をベアリングでうけたからとカタログにあります。たしかこういう受け方の最初は初代TD-Xだった記憶があります。TD-Xは97年くらいだから、15年(20年だっけ?)で特許が切れたのかな? 全然関係ないけど、シマノのリアディレイラーの性能がグンと上がったのは、サンツアーの持っていたスラントパンタの特許が切れてからでした(たしか)。

 ベイトではあと、カルカッタがまさかのモデルチェンジです。他社ではクランクハンドルなるものが流行ってますが、それに代えてドラグノブをハンドルクランクより外に持ってくることで、ハンドルを本体に近づけています。ナルホドナルホドと思いましたが、なんかスタードラグがないとベイトリールに見えないような気がします。コリャきっと、私の頭が先入観でガチガチだからだ、と思ったものの、なにやらこのデザイン、どこかで見たような気が・・・。ああ、スタードラグがないとセイハコウ(クロダイ片軸)に見えちゃうんだ。

 このほか、富士工業はK・Rコンセプトなるものを発表していました。バット寄りのKガイドを新たに脚高小口径タイプとし、穂先側をより小さくするというものです。いやはやロッドメーカーからしてみれば、やっとこさKガイドへのモデルチェンジが一巡しようかというときに、またモデルチェンジせなあかんやないのてなとこでしょう。なにやら、XP、ビスタ、7と次々OSを変えられてパソコンを買い換えさせられるパソコンユーザーみたい。そういえば、私の使っているメインのデスクトップも予備に置いてあるノートもXPです。あと2年で両方ダメになるのか !? どーしてくれるんや。

 2012年2月11日、根尾川のアマゴです。リールは昨年買ったもののずーっとまともな魚が釣れなかった11ツインパワーC2000HGS。苦節1年ようやくヘロヘロながらアブラビレのついた魚を釣りました。しかしふと気づけば、今年ヴァンキッシュことツインパワーMgが登場。ということは事実上の型遅れということか? 今のリールははかないのお。 (2012/2/20)

 前回、2012フィッシングショーレポートといいながら、ルックス自慢に終始してしまったので、あらためてショーのことでも書きましょうか。といっても、最近リールメーカーは2社だけだし、出るものもわかってるんで、カタログだけかき集めたら簡単に回って帰っちゃってたいして見てませんけど・・・。

 シマノはそのヴァンキッシュとレアニウムCI4+なるものが出ておりました。自重と回転慣性軽減が売りで、上のTPと同じC2000HGSも確かに回転の立ち上がりが軽くなっているみたいでした。でも、やはりこのサイズはオシュレーションが速い。三段腹巻きを避けるとギアの歯数で決まってしまいマイナーチェンジでは直せないのですが、せっかくの軽さがもったいない感じです。

 ヴァンキッシュのローターと新レアニウムのローター・ボディーは新しいカーボン材料になって硬くなったみたいです。(聞いてこなかったけど)たぶんダイワ・ザイオンみたいにカーボン繊維強化樹脂の樹脂を少なくしたものではないかと思います。でもそうなると、タップビスとの相性が気になります。もっとも、リールをばらしてニヤニヤしているようなヘンタイな人は少数派でしょうから、仕方ないのでしょう。

 そういえば、今回気づいたわけではありませんが、ツインパワーMg(今年からヴァンキッシュ)はボディーがステラの金型なんですね。Mg(カーディフやコンプレックスなど派生モデルも)は中途半端な時期に出てくるツインパワーのてこ入れモデルみたいに思っていて関心がなかったのですが、ちょっと前あらためてウェブ展開図を見たらワンウェイクラッチのところにシールがありますもん。そう考えると、わざわざ別の金型を起こしているのにステラとツインパワーのデザインを同じにしている理由がわかったような。別デザインだったらツインパワーMgを作れないし、作ったら“安物ステラ”に見えて、ステラオーナーががっかりしちゃいます。

 中身はツインパワーに近いので、ステラのマイナーチェンジとまではいえませんが、ハイエンドもはかないですなあ。ちょっと前開発の親分に「もっとモデルライフを伸ばしたら?」と聞いたら、「そんなにもたん」といわれました。考えてみれば、ハイエンドモデルを買うような熱心な人は出たらすぐ買っちゃうでしょうから、実際売れるのは最初の1年くらいがほとんどなのかもしれません。

 一方のダイワ・イグジストは7年ぶりに変わりました(7年間どんな売れ方をしたんだろう)。こちらはローターもボディーもカーボンになりました。比剛性でマグネシウムを上回るなら当然でしょうけど、やっぱりタップビスが気になります。もっとも、10セルテートに引き続きマグシールドでボディー分解禁止、ラインローラーもマグシールドで分解禁止だからベール周りを外すこともありえないわけで、もうタップビスが嫌いも何もないのですな。

 ところが、帰ってからカタログ写真を見ていると、ボディーのビス穴のうち脚の付け根のところだけ真鍮のメネジがインサートしてあるのに気づきました。なぜ一ヶ所だけなんだろうと考えていたら、残り二ヶ所は外から見えないのに気づきました。もしかすると、反対側に金属製のナットみたいなものを付けて、サイドカバーとボディーの固定からタップビスをなくすようにしてあるのかなと思いました。三ヶ所ともインサートしたらデザインに影響が出たり、コストが上がったり(熱い金型に金属ネジを置いていかないといけないから作業者が大変で成型屋さんがすごく嫌がると昔聞いたことがある)するからかもしれません。残り二ヶ所だけタップビスというのはちょっと考えにくいですが、展開図が公開されたらわかるでしょう。

 しかしまあ、いかに精密な部品と色々なノウハウが詰まっているとはいえ、(たとえウォームシャフト方式でも)そうそう複雑怪奇な機械が入っているわけでもないリールがブラックボックスになっちゃうってのは、どうなんじゃろうと思う私は、古いんですかねえ。

 これに対して次のステラはどうするんでしょうか? 3年サイクルなら来年・・・つくづく早いなあ。歳とったでかもしれんけど。

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