2012年9月16日、九頭竜川水系のイワナです。前の続きのような話ですが、この日はなんだかいいことがありそうな気がして、石徹白川へのんびり出かけました。でも、連休でしかも9月10日で庄川や高原川が禁漁に入っていることもあるのか、C&R区間の峠川はフライマンでいっぱいでした。石徹白本流でちょっとやったものの、まったく反応がなく、そのまま九頭竜川へ抜けて支流に入りました。そして出たのがこの魚。有終の美ということにしておきましょう。 (2012/10/4)

 ネットから尾びれがはみ出しているため大イワナに見えますが、このネットはアルトモアの最小サイズです。ネット内寸25cmですから尺あるかないかというところ。もっと魚が大きく見える小さいネットないですかね。

 ルアーはあいも変わらずバイト3gです。このルアーはエビになりやすいのですが、いまのところの結論はヘッド側のスプリットリングを外してスナップを直接付けるのがベストということです。

 フックは最初少しでも泳ぎを安定させようと6番シングルを付けていましたが、いまは8番にしています。どっちみち回ってしまうので同じです。モデルは、オーナーのSBL-31です。これは管理釣り場用で、ニジマスにマイクロスプーンをのまれてもフックがのどの奥でかかってしまわないように、ハリ先が内側にカーブしているものです。

 自然渓流の場合魚が小さいのと少し大きめのスプーンを使うこととで、スプーンをすっぽり飲まれることはあまりありません。したがって、普段は、かかり(ハリ先がとりあえず引っかかること)を優先させたがまかつのフッキングマスター58BLやオーナーでもフトコロの広いSBL-35を使っています。

 しかし、バイト3gは幅広形状でかなり小さい(短い)スプーンなのでのませてかける形状でも十分です。この魚を含め、直近に釣った3尾のイワナはすべてフックが上あごにきれいにかかっていました。大きめのスプーンでほっぺたにかかっていたり、プラグで1本は口1本は脳天やらどてっぱらにかかって魚が上がってくるのに比べると、美しく釣った感じがして気分がいいです。

 8番に落とすこともエビ対策になります。もっとも、エビになってしまうのは、ラインが古くなってコイル状になっているのもあります。写真のラインは今年はじめにミッチェル3310Zに巻いたシルバースレッド4Lbで、408に巻き替えてから10釣行くらい使っています。雑誌に出てくる人の中には、ナイロンは毎回巻き替えなさいという人もいますが、(いつかも書きましたが)2間の竹竿1本分の道糸が貴重品だった世代としては、数十メートル場合によっては100メートルの糸を使い捨てにするなんて、とんでもなくばちあたりに思えてしまうのですね。ただし、吸水による劣化を防ぐために、釣行前必ずサンラインのラインコートをスプレーしています。

 そうそう、バイトといえば忠さんのスプーンです。『忠さんのスプーン人生』はこのような状況(「10月・11月の新刊案内」をクリックするとチラシが見られます)です。よろしく。

 2012年9月15日、白川のイワナです。クマにやられるのはイヤだし今年はこの辺でと思いつつ、ぶらりと坂内へ。9日は大減水でしたが下界ではまた雨が降ったので性懲りもなく行ってしまいました。しかしまたまた山では降っていませんでした。で、奥まで行くのをやめて支流の白川に入ってみたらいきなりイワナが釣れました。この川けっこういけるぞと、そのまま釣り登ったもののこれが最初で最後。またまたスミイチになってしまいました。 (2012/9/27)

 朝から釣り始めてスミイチになるのは、日が上がっていくからという説明もつきますが、この日は夕方だったので、むしろ条件はよくなっていくはず。げせんなあ。

 突然ですが、これは釣られた魚の恨みというか祟りというか怨念というかそういう念力みたいなものが、ロッドにとりついて魚が逃げるからではないかという、とんでもないことをひそかに思っています。

 なにをいっとるんだというところですが、昔々S社の同期に北海道大学へ5年通い年間200日もの釣行をしてきたMという男がいました。この男が「新品の竿は魚が釣れる」といっていたのを思い出します。これは自分にも当てはまります。いちばん記憶に新しいのは数年前1週間置いてテーパーアンドシェイプの竿を2本も買ってしまったときのことです。そのときは、1本目の筆いや竿おろしで釣った40オーバーのイワナを次の週2本目の筆いや竿おろし(ええっちゅうに)でまた釣るという椿事が起きました。

 このほかにもいくつも心当たりがあります。やはり竿は魚を釣るたびに魚に祟られていくのかもしれません。だから、1投目で魚を釣るとフレッシュな怨念が竿からほとばしって、高い確率でスミイチが起こるのではないだらうかということです。いわゆるビギナーズラックもこれで説明がつきます。たくさん魚を釣ってきたベテランの後ろには魚の怨念が背後霊のごとくとりついているわけですな。

 これが科学的に証明されてしまったら大変なことになります。ヤフオクには「まだこの竿は魚を釣っていません」という売り文句が頻出するようになるでしょう。そして竿を落札した人が「魚を釣っていないとのことでしたが、グリップにウロコが付着していました。最初の釣行でもボウズでした」とかいって、「非常に悪い出品者です」という評価を下してしまったりするわけですな。

 こうなると、「魚の怨念が付かないコーティングを施しました」というロッドとか、魚の怨念除去スプレーとかが出てくるかもしれません。困ったもんです。

 そういえばMはこんなこともいっていました。

 「魚がヒットするのは気配で分かる」

 これにも私は同意したものです。たしかに、ルアーを引いていて理由もなく「来る!」と感じることがあります。直後、ググッとロッドティップが引き込まれたという経験が何度もあります。

 ただ、これに関しては説明がつきます。どんな釣り場だったか忘れましたが、ロッドを持っている右手に何かムズムズしたものを感じ、今にもティップが引き込まれるのではないかという気になってきました。ところが、ラインの先に目をやると何匹もの魚がルアーを追って代わる代わる体当たりしていたのです。このわずかな水流の変化が、グリップに伝わっていたのでした。

 でも、そういう直接的なものでなくても、なんとなく今日はいけそうだなあと出かけたらいい魚が釣れたという経験はあります。何か予感のようなものはあるのかもしれません。

 2012年9月9日、坂内の奥に行きました。朝から土砂降りの雨の音で目が覚めて、大垣市に大雨警報が出ていたので、前の週に大減水で釣りにならなかったここへ行ってみたのでした。ところが、久瀬のあたりまでは雨がパラパラきていたものの、現地に着いたら雨が降った形跡すらありません。本当に今の雨はスポット的に降るのだなあと思わされました。 (2012/9/21)

 川に入ってすぐ、ふと右の山側を見ると薄茶色の物体が茂みから出てきたところでした。何かと思ったら、写真のシカでした。ツノが丸いので子ジカに見えるかもしれませんが、生え変わったようで成体の大きなシカでした。

 5〜6m先で目が合ってしまったのですが、シカさん「なんかヘンなのがいるぞ。川渡りたいのにな。どうしようかな。もう出てきちゃったし、しょうがねえなあ」という感じで、恐る恐る川に出てきました。そしてそのまま川の真ん中で1分くらいじーっとしていました。仕方ないので、ルアーを足元に投げてみたのですが、知らんぷりです。その後シカは、またゆっくりと歩き始めて上流へ向かい、画面左から入っている支流のほうへ消えていきました。これがクマで、1分くらいニラメッコしていたら、もたんでしょうな・・・。

 ニラメッコしているとき、動物は金属音を嫌うはずだと思い、ぶら下げていた熊鈴をカラカラと鳴らしてみたのですが、シカさん知らん顔でした。私の持っている熊鈴は、10年くらい前に北海道で買ったもので、登山者がよく付けているカランカランとかん高い音を出すのではなく、カラカラという少しこもったような音がします。店いわく、この音は人には聞き取りにくいが、獣にはよく聞こえる、とのことでしたが・・・。そういえば、以前高原川の河原でタヌキが前を歩いていたので、鈴の威力を試してみようとカラカラと鳴らしてみたのですが、タヌキさん気が付きませんでした。ホントにこの鈴、獣の耳に聞こえとるのか?

 川に入る前、滋賀から来た人と、今年滋賀ではクマがたくさん里に下りてきているという話をしていたこともあって、シカを見て、あらためてここは野生動物のエリアなのだなあという気持ちになりました。そんなことで、ちょっと怖くなってしまい、気もそぞろに淵だけたたいて早々に引き上げました。

 減水していることもあって、瀬状のところに魚の気配はまったくなし、淵で追ってくる魚もいましたが、仲間と一緒についてくるという感じで、取り合って食いつく感じではありませんでした。婚姻色も出ているようでした。今年岐阜県はクマの出没過去最高だそうだし、もうやめといたほうがいいのかなあ?

 これは何かといいますと、ミッチェル300Xeのストッパーレバーです。何か針金が巻いてありますが、これはステンレスバネ材をぐるぐるっと巻いて常にオン側に倒れるように改造したものです。これにともなって、元々レバーに付いているトーションスプリングは外しています。こうすることにより、ラインピックアップでラインを巻き込みすぎてしまいストッパーをオフにしてラインを出したとき、レバーを戻す手間がなくなって、手返しがよくなるという寸法です。しかしこの機構、6月に魚野川釣行で試そうと思っていたのですが、300Xeのようなコピー商品は魚野川に失礼なので、結局持っていきませんでした。 (2012/9/15)

 300Xeは、プリウスのデザインをコピーしたクルマにビートルの名前を付けて売ったのと同じくらいバカなものです。企画をしたのはPFアメリカのはずですが、(何度でも書くが)こんな企画をした人間はクビ、いや釣り具業界から追放するべきです。ミッチェルやスピニングリールの歴史、リールそのものに対する知識がない。いや、そもそもリールそのものが好きでないのです。でなければ、こんなものが出てくるはずがありません。

 いまPFは、スピニングを中国のリールメーカーに作らせているわけですが、なんでもっとそれを生かさないのかと思います。300Xの品質は問題ありでしたが、300Xeやその他もろもろのリールを作っているほうのメーカーは、そこそこちゃんとしたリールを作ってきます。ベールアーム支持部の設計など、日本のリールよりよっぽどまじめです。こんなうれしいことはないではありませんか。私みたいに頭が悪くてリールのような複雑な図面が引っ張れない人間でも、うまくやれば思い通りのリールが生み出せるんですよ。なぜそれを生かさない?

 仮にも300の名前を与えるならば、300のデザインをリスペクトしなければならないでしょう。つまり、やはり卵形シルエットの黒ボディになります。90年代のプリビレッジやプレステージ、80年代の松尾2200のRDを外したようなものです。当たり前すぎる気もしますが、300Xみたいにちょっとあくが強くてもそのうち納得させられるようなデザインはフランスでなければ無理でしょう。ならば、単純にいきます。当然オムツはなしです。ブラックなんだから要らないでしょう。300Xeは二重のオムツに加え、ニセエンジンプレートを左右に付けています。この4点はいずれも樹脂成型品です。こんなばかげたものに金型代を使うことはありません。

 ハンドルは300Xのようなというか昔の300シリーズのようなものにします。デザインイメージ上不可欠なだけでなく、軽量ハンドル七難隠すで、回転が絶対よくなるはずです。

 スプールの2色アルマイトはコストの無駄遣いではありますが、あえてこれを使って、スカート部だけ黒くします。糸巻き部だけシルバーにすることで、インスプール的イメージを生むのは300Xの手法です。これにともないローターのベールスプリングカバーもボディ同色の黒にし、ダイワを思わせる二股デザインはやめます。

 300Xやアボセット、アイディールまでのカートリッジスプールは、便利ですしミッチェルのアイデンティティーでもありますが、重くなるのとドラグノブが突出して糸絡みが起きるので、やめます。スプールでひと工夫するならば、ラインクリップをなくして、昔の300のようにスプールエッジに糸止め穴をあけるのも面白いでしょう。ラインクリップ周りの部品がなくなって、コストダウンにもなります。無論、流行を追っただけのスカートへの無意味な穴あけはしません。コストの無駄遣いです。

 そして、脚の位置を指定します。図面が描けない人だって、足首からスプールエッジまでの距離をXY方向で測定することはできるはずです。こうすれば、300Xeみたいに人さし指がスプールに届かないリールはできないはずです。中国リールのスプール位置が悪いのは、釣りをする文化がまだないからです。彼らに「スプールが遠い」といったところで、「これでクレームになったことはない」「この前アメリカ人に握らせたらOKといっていたからいいんだ」といった、25年前のシマノリール開発課のようなことをいうに決まっています。ここを補うのが、ブランドメーカー側の役割でしょう。脚位置を前にもっていけば、重量バランスも改善するはずです。付け加えれば、プリビレッジ、プレステージ、クォーツ、300Xまでのフランスデザインのミッチェルリールは、この点ちゃんとしていました。

 アピールポイントがない? じゃあ、ストッパーレバーを写真のようにしましょうか。ダイワのイグニスとかアブ・ガルシアのソルティステージハイドリフトとか、そもそもレバーがないリールだってあるのですから、少なくとも不満は出ないでしょう。糸ひろいは楽になるはずですし、なんとかも方便で「ストッパーをうっかりオフにしたまま使ってしまう心配がない」といえば、そう思う釣り人もいるでしょう。コストだってほとんど変わらないはずです。何より、ストッパーにこだわるのは、ハンドルを持ったまま切り換えられた300シリーズに通じるともいえます。

 しかし現在、PFグループで、ミッチェルのカラーを生かす方向はないようです。欧州では、新たに吸収したフルーガーブランドのリールに、ミッチェルの名前を入れて売っています。しかし、パトリアークXTなどを見て思うのは、何の個性もないことです。まとまったデザインだとは思いますが、あのリールにダイワやシマノのブランドを付けても、ほとんど違和感はないでしょう。これを含めて、どこのリールかわからないようなものばかり、アブ・ガルシア、ミッチェル、フルーガーの3ブランド(シェイクスやペンも)に並べても、何の意味もありません。

 まして、ミッチェルはスピニングリールの歴史を作ったブランドです。その名前を受け継ぐ会社がこんなことをやっていては、いけません。

 2012年9月8日庄川上流のイワナです。この日は気合を入れて朝一番から上流部に入りました。そして入渓点から最初の落ち込みでいきなりこの魚がヒット。おおこのペースなら今日は二桁も夢ではないぞ!と色めき立つも、あとはうんともすんとも。1回表に先制点を入れながら、その後ゼロ行進で逆転負けのような庄川最後の釣行でした。 (2012/9/9)

 ロッドは、ヤフオクで思わず買ってしまったUFMウエダ・スーパーパルサーFWS-55L/Cです。ほんとは55UL/Cが出ていてそっちが欲しかったのですが、どうしようかなあと思っている間に売れてしまいました。で、残ったのが、この55L/Cと50UL/Cでした。50UL/Cにしようかなあとも思ったのですが、出ていたのが最初期の夜光リング入りハードガイド仕様だったので、ハードロイガイドの最終モデルだった写真の55L/Cにしました。

 用途からいったら50UL/Cのほうがよかったのですが、私のことですから夜光リング入りハードガイドを見ているうちにまたぞろ改造衝動が湧き上がってきて、SiCリングへの巻き替えを画策し、トップを焼いてしまったり(60UL/Cで2回も起きました。たぶんグラスはブランクの中に気泡が入っているためにそれが膨張してパイプから外れなくなり、過熱するうちに焼けてしまうのだと思います)きったない仕上がりにしてしまったり(どうもこのシリーズは塗装が弱くてガイドをはがすとき地肌が出てしまいます)しそうだったので、やめました。CS気味の体ではマスクをしてもまたエポキシで体調を崩しそうですし・・・。

 で、55L/Cの使用感は・・・硬い。当たり前か。

 なんとなくグラスを使ってしまうのは、グラスのほうが釣り味がいいと思っていたころの名残のようなものです。かなり最近までそう思っていたのは、昔ダイワ・サンスピンL5(最初に買ったルアーロッドでした)とかシマノ・オリーブULで魚を釣っていたころのほうが感動が大きかったような記憶があったからです。初めて使ったカーボンロッドのダイコー#GL-256HSで魚を掛けたとき、ロッドばかりが踊って手元に魚の動きが伝わってこなかったような印象を受け、グラスは魚の躍動感を手元に伝えるがカーボンはそれを吸収してしまうと思ったのでした。#GL-256HSを使ったときあまりに魚が簡単に上がった印象があったのも理由です。

 しかし、考えてみれば、たとえばサンスピンL5は全長が短いですから、魚の動きは感じやすくて当然です。#GL-256HSはバススピンみたいなものですから、当時釣っていたウグイくらいなら弾性の範囲内で処理してしまって、釣り味も何もなかったのでしょう。それより何より、ルアーで魚が釣れること自体驚きだった時期の感動がいつまでも続くわけがないわけで、これがグラスで魚を釣ると感動が大きいという思い込みを形成していたのではないかと思います。

 それでも、カーボンは魚が引ききらない印象があるのに対し、グラスは魚が引ききって、ぐんぐんという感触を伝えてくるような気がいまも少しします。カーボンが魚が少しひるむと勝手に浮かせるのに対し、グラスはもう少し優しい感じがします。でも、こういった印象も同じ硬さとテーパーのロッドで比較しなければ分からないわけで、よくわからないというのが本当のところです。

 それでもなんとなくグラスロッドを持ち出すのは、なぜなんでしょうね。自分でもよくわからないのですが、主流のものを嫌うマイナー志向であるとか、懐かしさであるとかが関係しているのかもしれません。

 もうひとつ、魚相手に人間様が何をいってるんだという、道具の進化に抵抗する気持ちがありそうです。9m10mのアユ竿ならともかく、たかだか1.8mくらいまでのルアーロッドならグラスだっていいじゃないのと思います。

 もうひとつは太さでしょうか。細いカーボンロッドは“シャフト”というイメージですが、グラスロッドは“竿”という感じがします。それが魚の引きでグンと曲がっているのは目の記憶となって残ります。

 それにしても、この時代のスーパーパルサーといい#GL-256HSといい、ベンディングカーブはスムーズです。フェンウィックのレガシーとかHMXとかのガンガンに突っ張ったジョイントとか1番と2番にまったく連続性のないベンディングカーブとかなんだったのかと思います(それをありがたがっていた自分も・・・)。

 おお、いま「サンスピンL5」でネット検索したら、このサイトの去年のバックナンバーが引っかかりました。読んでみたら、今回とほとんど同じことを書いてます。昔中島らもが同じ内容のエッセイを2回書いてしまったことをあるまじきことと書いていました。わしも中島らも並みやな。


 2012年8月5日庄川上流のイワナです。ルアーを5回も追ってきて、最後は足元でヒラヒラ上下させたときに食いつきました。アマゴならありえない釣れ方です。谷でしたがうまく日が差しているところがあって、きれいな写真になったと思ったのですが、腹ビレがネットに隠れて残念。 (2012/9/2)

 ここんところ、写真のリールが408に固定されております。たまには新しいのを使おうかと思うのですが、なぜか使うとボウズを食らうジンクスがあったりして、なかなか写真にならんのですな。

 新しいリールというと、10セルテート2004CHと11ツインパワーC2000HGSとなるのですが、どっちもいまいちで、それも使用頻度を下げています。

 セルテートのほうは回転が素直です。最初使ったときはS字カムのトルク変動が少し感じられましたが、気になるほどではありませんでしたし、今年はじめ使ったときにはそうした傾向がなくなってきていたように感じました。オシュレーションギアのOリングがなじんでくるのかもしれません。

 と、回転はいいのですが、やはりハンドルでベールを返そうとすると、カクンと止まってしまうのがいけません。07ルビアスみたいに反転しないのではなく、ローターが軽いこともあって意識的に強くハンドルを回さないと、途中で止まってしまうのです。私のリールはベールスプリングをカットしていますが、それでもダメです。

 エアローター化で、ベール反転機構をベールスプリングガイドをベール反転レバーで蹴る方式に変更しているのが理由です。この方式はシマノが98モデルまで使っていましたが、98も同じ傾向がありました。98の場合はローターブレーキの採用でスペースが圧迫されて反転が重くなったのですが、セルテート2004CHの場合は最小モデルゆえのスペース不足が同様の傾向を生んだようです。さらに私のリールはローターブレーキがほとんど効いていないので、この点でもキャストの際のストレスがたまります。

 ツインパワーのほうはその点問題ありません。ベール反転はスムーズですし、ローターブレーキもちゃんと効きます。スプール位置は33や408同等にまで近いですし、ボディの重量バランスもこちらが上です。じゃあ、こっちを使えばというところなのですが、なんだかこのリールはいやらしいのです。

 ツインパワーC2000HGSの回転は慣性が大きく、ねっとりした感じです。理由はローターが重いとか、ウォームシャフトオシュレーションであるとか、三段腹巻き(スプール1往復間のローター回転数が整数になって巻き上がりがデコボコになる現象)を避けるためにウォームシャフトの溝がノーマルギアモデルよりあらくなっているとかが挙げられます。

 それに加えて、ベアリングの使用箇所です。上のような理由が主だとはいえ、この回転を少しでも改善しようと思ったら、ドラグのスプール支持部やハンドルノブの前に、高速回転するウォームシャフト、さらには往復と回転の摩擦を同時に受けるピニオンギア口部にベアリングを入れるべきでしょう。

 もっと理想論をいえば、ギア歯数の組み合わせでこういうオシュレーションスピードにしかできないのであれば、このサイズにウォームシャフトを使うのは、不適切でしょう。

 ではなぜこんな仕様になっているのかといえば、この方が売れるからです。ネット上でリールについて書いているブログなどを拾い読みしても「セルテートはハンドルノブにもベアリングが入っていない」とか「スプール受けがカラーで安っぽい」と書いている人はいても、「ダイワは07ルビアスだってピニオンギアの口部にベアリングを入れているのに、シマノはステラでないとやってない」とか「ダイワやアブ・ガルシアの安物リールでもオシュレーションギアはベアリング支持なのに、シマノのウォームシャフトはヴァンキッシュにならないとベアリングを使っていない」と書いている人は、まずいません。一般ユーザーの理解などこの程度なのです。

 ウォームシャフトにしても、小さいモデルだけ別の方式にしたら、シリーズの統一性を損ねて、売り上げに響くでしょう。

 と書くと、シマノがずるいメーカーのように思えそうですが、そんなことはありません。企業は利益を上げて社員を食わせるための組織です。リールはそのための商品です。こうするのがいちばん売れるのなら、それが正義なのです。誰にも反対できません。

 だからツインパワーは嫌なのです。

 2012年7月29日のアマゴ2尾目です。私はどちらかというと開けたところが好きで、釣行する所が比較的下流部なので、いつも7月くらいになるとおしまいな気分でしたが、今年は4月5月に体調が悪くて釣行していない分、7月8月は上流部や谷に足を伸ばしています。入ってみるとそれなりに釣れますが、そのうちクマさんに頭をかち割られないかちょっと心配です。 (2012/8/26)

 この魚を釣ったのは大河原と呼ばれる所なのですが、名前に反して河原がありません。草や背の低い木が水際まで茂っていて川は木の根元を洗うように流れています。

 このあたりまで来るようになったのはここ数年なので昔の姿は知りませんが、たぶん昔は河原が広がっていたのではないかと思います。おそらく上流にある大堰堤が石や砂利の流下を止めて今のような姿になったのではないかと思います。釣りの本などに堰堤ができると川がどうなるか書いてあることがあります。大河原はまさしく教科書どおりの様子で、さらに堰堤に近づくと河床から石や砂が消えて岩盤がむき出しになっています。上の写真がいまいちなのは、撮影する河原がないからなのです。

 大河原より下流に黒津と呼ばれるところがあって、ここは10年以上前からたまに行っています。初めて行ったころは川石の河原があったのに、ここ数年どんどん岸辺まで木が茂ってきて河原がなくなっています。たぶん、堰堤から遠い分影響が遅かったからで、そのうち今の大河原のようになるのではないかと思います。

 こうなってくると、魚の産卵場所である砂利の浅場がなくなるとか、川が歩きにくくて釣りにくいとかいう影響が出ます。さらに、もうひとつ、クマさんが出たときヤバさが増すように思えます。クマは出会いがしらに驚かせると危険だから山側でなく川側を歩けといいますけど、水辺まで木が迫ってしまったら両方山側みたいなものですもの。

 この辺も当然クマはいて、5、6年前に黒津谷で釣り人がやられています。そりゃ谷だからだろうといっても、出るときは出ますからね。昨年荘川のそばの里の下の対岸(もろ村の中)にいるのを見ましたし、何年か前椿原ダムBWへ通じる道(高速インターのあるあたり)を通ろうとしたら「○月○日ここにクマが出ました。ご注意ください」という看板があって、その日付がちょうどその前釣行した日と3日違いでゲッと思ったこともありました。数年前日本中でクマが里に下りてきた年には、うちの町(別に山の中ではない)にまで出ましたもん。黒津も大河原も人は住んでいません。

 砂防堰堤たって、すぐに埋まってしまうわけですし、ダムだって寿命は50年とか100年とかいいますけど、その後どうするかって考えてないのでしょうね。原発がトイレのないマンションだといわれるのと同じようなものです。どれも作ったときには必要だったのかもしれませんが、後先考えてねえよなあと思います。

 そうそう、クマがヤバいといえば、クマのプーさんっているでしょ。アイツも相当ヤバいですよね。上半身に赤いTシャツを着て、下半身すっぽんぽんなんて、同じ格好で人間が歩いていたら逮捕されてしまいますもん。

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