今月いっぱいでUFMウエダがなくなってしまうそうです。ウエダの竿といえば25年前たまたま大垣の釣り具店で買ったスーパーパルサーCSU60L/Cに度肝を抜かれて以来写真のFWS60L/Cなど6本買いました。でもよく考えたらスーパーパルサーブランドのころの飾り気のない時代のものばかりで、ボロンが入った高級品になってからのは1本も持っていませんでした。でも、日本で作って実用的でそこそこの価格という路線は不可能ですから、仕方のないことだったのでしょう。 (2012/8/16)

 だから、路線としては間違っていなかったと思うのですが、いかんせん国内トラウト市場はあまりにも小さい。近年は毎年のようにニューモデルが出ていたので、需要を喚起するために無理をしているのではと思っていました。

 高級路線に行ってからのものを持っていないのは、いうまでもなく私のへそ曲がり根性です。住んでいるところも東京と大阪にはさまれた愛知の子分みたいな岐阜県の第2の都市の大垣市にあとから合併した某町で、学校の成績もいつもなにやら中途半端なポジションで・・・みたいなのが心理として働くのかもしれません。学校を出て釣り具メーカーに行きたいと思ったときにしても、あの時代普通の人間がまず目指すならD社のほうなのにそうしなかったのも、なにやら2番手3番手にシンパシーを感じる屈折した性質によるものだったのでしょう。

 さらにこの10年ちょっとは自慢じゃありませんが人並みの収入がありませんから、1本5万6万なんて竿は普通の人がクルマを買うくらいの覚悟がないと買えません(ちょっと大げさか)。俺なんかの持ち物じゃないよという意識でした。

 でも、よくよく考えたら、修理代をガバガバ食っていたシトロエンAXを打ち捨てたこの数年は、価格的にウエダとそう変わらないテーパーアンドシェイプを3本も買っていることに気がつきました。特に76を買うときは1本くらいウエダにしようかと思ってちょっと迷いました。でもやっぱり買いませんでした。

 このときを含めて近年のモデルに踏み切れなかった理由としてボロン素材がありました。といってもボロンを使った竿の特性が悪いとか嫌いとかいうわけではありません。

 私がS社に入って、山口県の竿工場に研修に行ったときのこと、工場の人たちが真っ先に言ったのが「ボロンだけはやめてほしい」ということでした。ボロンは繊維がカーボンよりもずっと太いため、作業中に指にブスブス刺さるのだそうです。うっかりすると指を貫通するほどだそうです。

 似た話はフライフィッシャー誌でも読んだことがあります。まだアメリカに工場があったころのフェンウィックにジムグリーンという伝説的なロッドデザイナーがいました。この人はボロンロッドの製造に反対だったそうです。理由は、工場の作業者に“感染症”が蔓延したからだといいます。

 訳の問題かもしれませんが、おそらくこれは雑菌が入った感染症ではなく、エポキシ樹脂の付いたボロン繊維が指に刺さることによる体の不調でしょう。繊維が細くて指に刺さることのないカーボンロッドの製造においても、エポキシにかぶれてしまう人がいます(一種のアレルギーなので対処のしようがなくそういう人は工場を去ります)。触れただけでかぶれるのですから、ボロン繊維で“注射”されれば、その影響は小さくないはずです。

 どちらも20年以上昔の話で、いまは安全な作業法が開発されているかもしれませんが、ボロンロッドを買おうかと考えたときどうしても引っかかったのがこれでした。

 ロッドの性能は材料ではなく、硬さとテーパー、つまり味付けが最も重要なはずですから、カーボンだけで作ってもウエダの竿は十分ちゃんとしたものになっていたと思います。高級路線に転じた後も、そうしたものがあれば私は買っていたかも知れません。でも、それでは売れなかったでしょう。

 またメイドインジャパンがなくなってしまいます。ガイドといい、悲しいことです。

 2012年7月29日根尾川上流のアマゴです。またバイト3gですが、よく釣れるというよりも、最近こればっかり使っているので、釣れたらこのルアーだというだけのことのような気がしないでもありません。大石がところどころ頭を出して小さい落ち込みが連続する瀬(という表現は合ってるのか?)をアップストリームキャストで釣るとき、ミノーを引いても立ち上がりが間に合わないことがあります。普通のスプーンはうまく泳ぎません。ハスルアーは浮いてしまいます。でもこのスプーンはただ引いてこればいいので、楽なのです。まあ、ミノー使いが下手なだけなのですが。 (2012/8/11)

 根尾川のこのあたりは3年ぶりくらいだったと思います。いつもは瀬のような部分でうまくルアーが引けないので、きわめて雑に引いて、瀬と交互に現れる淵を主に狙っていました。でも、淵はたいてい魚がルアーを見切るのでつまりは釣れないことがほとんどでした。でも、バイト3gだと瀬のような部分も釣っていけるので、いつもよりじっくり釣りました。

 ・・・というのが理由だと思うのですが、この日はやたらと退渓点が遠かったです。川に入った所から1キロくらい(そんなにないか)上ったところに堰堤があって、そこから道に戻れるようになっているのですが、なぜか堰堤がいつまでたっても現れませんでした。

 この淵の向こうに見える瀬を越えたら堰堤が見えるはず・・・と思って釣り上ると、同じような淵が出てきます。あれえ、こんな淵あったかなあと、その向こうに見える瀬を越えたら堰堤だったよなあと進んでいくと、またまた淵があってその先に同じような瀬が続いています。

 そんなことが3回くらい続いて、怖くなってきました。堰堤のために石の供給がないせいだと思うのですが、このあたりも河原がなくなり流れのキワまで木が迫っていてまわりは見えません。夕方狙いだったので、薄暗くもなってきました。

 最後の3区間くらいはほとんどルアーを投げずに逃げるように川を上りました。時にコケて408に傷を入れ、上半身ずぶぬれで、ようやく堰堤にたどり着きました。

 山の中を歩いていて、同じところをぐるぐる回ってしまうという話がありますが、この日はそんな感じでした。川に沿って上っているのでそんなことはありえないのですが、同じ淵を3回くらい見た気がしました。

 何かに化かされたのか・・・まあ、3年で記憶が薄れたのと、体力が落ちて川を上るのが遅くなったからでしょうけど。

 2012年7月28日坂内川支流のアマゴです。この日は昼からゆっくり出かけて午後2時くらいに粕川の手前にある温度計のところを通ったらなんと40度もありました。びっくりといえばその手前にある池田町に「竹中よしひろ連絡所」という議員連絡所の看板が立っています。初めて見たとき、思わず事故りそうになったものです。言うまでもありませんが、私ではありません。 (2012/8/4)

 ここのところずっと30年前のダイコーとミッチェル408の組み合わせで釣っております。ダイコー#GL-256HSはバススピンなのかかなり硬めですが、最近のミノーを意識した軟らかいロッドと違って、あたってきた魚がほとんどかかる感じです。

 ルアーはバイトの3g。昔々はいま4.8gといっているものを3gといっていましたが、これは1987年に追加された正真正銘の3gのほうです。いつかも書きましたが、87年にリトルシリーズとして発売されたバイト3g、マスター2.5g、ギンザン2.5gは、なぜか平板にS字カーブをつけただけで横方向のカーブがありません。そのせいか泳ぎの安定性がとても低くなっています。マスター2.5gは止水で使うとウォブリングしつつ時々バランスを崩して、それがかえって管理釣場で効くことがありますが、バイト3gはウォブリングせずにいきなり回転するか横方向にスライドしながら沈んでいくかします。

 ところが、ここ数釣行バイト3gをあらためて使ってみて、よく(・・・といっても私のレベルでですが)イワナやアマゴが釣れています。使い方は小渓流でアップストリームキャストして流れより速く引くだけです。もちろん回転してしまいますが、それでいいみたいです。回転するといっても、流れの変化で抵抗が減るとヒラッとスプーンらしい動きもまじっているみたいです。以前は動きが信用できなかったので緩急をつけつつ引いていましたが、ほぼ棒引きです。ミノーや細身のスプーンに比べてリアルでない形状なので、緩急をつけて魚に見せてしまうより、ばーっと引いてしまったほうがいいみたいです。スピナーを棒引きで使うのと同じことでしょう。

 同じような使い方をするハスルアーに比べると、明らかに引き抵抗が大きく、浮き上がりにくくなります。引き抵抗が大きいため、リーリングがしやすく、水面に飛び出すこともありません。しかも、動き(回転)の立ち上がりがいいので、小さい落ち込みが連続するようなポイントで使いやすいです。回転すると糸ヨレが心配になりますが、スピナーほど積極的に回転するわけではないので、それほどヨレないみたいです。流れの変化でいったん回転を止めてヒラリとした動きをしたときに、回転方向が変わってヨレを相殺しているのかもしれません。そして、普通のスプーン以上に単純な形状なので、魚が釣れたときのどうだまいったか感が強く、気分がいいです。

 あらためて考えてみると、なぜこんなウォブリングしないスプーンが生まれたのでしょう。当時忠さんは57歳で、老眼で小さいスプーンのウォブリングが見えなくなっていたのでしょうか?

 そんなわけはありません。おそらくこれは、トリプルフックで開発してしまったのだと思います。87年に出たリトルシリーズは、管理釣り場用とされていましたが、現在のようなレギュレーションはまだ一般的になっておらず、管理釣り場用のシングルフックも出ていなかったはずです。

 以前管理釣り場でバイト3gを引いていて、シングルフックに小さなゴミが掛かってしまったことがあります。そのときバイト3gは、ヒラヒラとウォブリングしながら泳いできました。それはちょうどバイト13gのヒラヒラ泳ぎつつときどきバランスを崩す泳ぎそっくりでした。実際にトリプルフックを付けて引いてみたことはありませんが、トリプルフックは水をうまく受けてスプーンの泳ぎを安定させますから、おそらく同じような泳ぎになるはずです。

 バイト3gの小渓流に使いやすい特性は、偶然の産物ということができます。同時に貴重な存在で、あえてウォブリングしないスプーンを作ろうというメーカーはないはずですから、おそらくこれに代わるスプーンはないでしょう。

 フックは管理釣り場用シングルの6番を付けています。やや大きいですが、水の抵抗を増して少しでもウォブリングがまじるようにという意図です。ずんぐりムックリの形状のためエビになりやすいのですが、フックを逆付け(普通のスプーンなら泳ぐときハリ先が川底を向く向き・・・本体が前後逆っていう意味じゃないぞ)にすると少し起きにくくなります。ほとんど回転しているのですから、フッキングに対する影響はないはずです。

 2012年7月22日庄川支流のイワナです。この日は雨の増水が残っていて、荘川集落内の本流でもポツポツ釣れたのですが、なぜかほとんどニジマスでした。それも20cmもないのばかり。支流の一色川でも小さいのが釣れました。外来魚がどうたらと目くじらを立てる気はありませんが、まだ川らしさが残っている御母衣より上流はイワナとヤマメのほうがいいなあと思います。御母衣より上流は本流といえば本流ですが流れもそれほど太くないのでスーパーレインボーに成長することもないでしょう。どうせやるなら御母衣より下の区間で・・・って、こういう“どうせ”ダムで破壊された区間だからってのはいかんかね? (2012/7/30)

 写真のイワナは別の支流に入って釣ったものです。ちょうど私が入ったところから先行者が上がったみたいで、短い区間でこれくらいのが2尾立て続けに釣れました。

 この日はニジマスメインとはいえトータルで10尾くらい(最近3尾を超えると数がわからなくなります)釣れました。1、2尾釣れたら終わりの私から見たら、超大漁です。

 適度に水が出ていてコンディションがよかったのは確かですが、ひとつこれが理由かもと思っているのがラインです。ここのところずっと視認性のいいイエロー系の蛍光ラインを使ってきましたが、蛍光の入っていないクリアーのラインにしてみたのです。このラインは3310Zに巻いていたもので、3310Zがあのようなことになったので408に巻き変えたのですが、3310Zに巻いているときからヒットやチェイスは多かった記憶があります。

 以前クリアなポンドエリアで黄色の蛍光ラインを直結したら魚がなんの反応も示さなかったことがあるので、色付きが魚を警戒させるのは確かです。しかしそのとき、リーダーを矢引きくらい付けたらとたんに魚が釣れるようになったので、先がクリアーならいいのだろうと、最近はクリアーと蛍光イエローが交互に入ったラインを使っていました。

 でも、特に川でアップストリームキャストしたときなどは、魚の前を蛍光ラインが通過してからルアーが泳いでくるわけで、やっぱり影響があったのかもしれません。でも近眼に老眼がミックスされた視力ではほとんどルアーの泳いでいるところをヤマカンで推測するしかなくなってしまうのが、困ったことであります。

 昔デュポンのストレーンが入ってきたころ、“蛍光ラインは紫外線で光るが、紫外線は水に吸収されてしまうため、水中で蛍光ラインは光らない”といわれていました。したがってストレーンは空気中では見えるけれど魚には見えないというわけです(もっとも、水面下のゴールドストレーンを上から見てもまっ黄色でしたし、クリアー/ブルーストレーンにしたって白く濁ったような色で、同じ蛍光クリアの銀鱗ソフトより明らかに釣果が落ち、こと当時のストレーンに関しては光る光らない以前のものでしたが・・・)。

 最近不思議でたまらないのは、ルアーやエギで流行しているケイムラというヤツです。ケイムラの売り文句は紫外線は水中まで達するから、深いところやまづめ時の魚にアピールするというものじゃありませんでしたっけ。とすると、蛍光ラインはたとえクリアー系のものやグリーン系のものであっても魚からバシバシに見えているということになりません?

 ようわかりませんが、というよりようわからんので、しばらくクリアーラインを使ってみることにします。

 408に巻いているクリアーラインはユニチカのシルバースレッドトラウトクリアーというものです。シルバースレッドといえば、昔こんなことがありました。89(初代)ナビの輸出版、というか生産数からいったらこっちが正体ともいえるエアロシリーズをアメリカに出した直後、現地の販売会社から「ドラグノブにラインが絡むクレームが発生した。ラインはシルバースレッドの8ポンドだ」という情報が入ってきました。

 いまから思えば、四角く出っ張ったドラグノブだったので、ラインが巻いて当たり前だったのですが、そこは昔のこと、品管課長は「シルバースレッドとは特殊なラインかもしれない。すぐこちらに送れ!」と日本に空輸させました。しかし届いたボビンにはMade in Japanと書いてあって一同ずっこけたものです。まだシルバースレッドが国内販売されていない時代のことでありました。

 今年の春とてもいやな話を聞きました。いつも酔っ払っている坂内村のあゆ茶屋N橋のオッチャンからですが、坂内川の奥で毒流しがあったというのです。毒流しなんて昔話の世界・・・ではないのです。徳山ダムの工事が始まったころ、徳山村の村民がいなくなったのをいいことに、旧徳山村内の揖斐川上流で毒流しが横行しました。新聞記事にもなりましたし、私もたまたまその直後に川に行って、川一面に死魚が点在する異様な光景を目にしました。そんなことは村民がいなくなった特殊な場所の話かと思っていたら、まだそういう馬鹿者はいたのです。 (2012/7/23)

 情報では、徳山の毒流し犯は旧徳山村民とも久瀬村の左官屋ともいわれています。庄川で「ゲヘヘ、徳山の毒流し、ワシもやった」という旧荘川村民の渓流釣り師に会ったこともあります。昔中部の釣り雑誌「フィッシュオン」に渓流を荒らしまわる“Y県軍団”というのがよく載っていましたが、山梨県にはバッテリーを使って同様のことをする輩がいまだいるそうです。未確認ですが木曽川水系で毒流しがあったという情報もあります。

 ところで、1週間くらい前でしょうか、和歌山県の那智の滝に無断で登ったとして、3人のロッククライマーが逮捕されました。NHKが全国ニュースで取り上げるほどで、うちひとりが著名な人だったとかでネットで名前をさらされ、ツイッターでは炎上が起きていました。

 なにが悪いのでしょうか?

 御神体の滝に登ったといっても、ピトンを打って傷つけたわけでも、駅前のシャッター通りのような落書きをしたわけでもありますまい。私が神様ならば「よう、そこの若いの、よくここまで登ってきたな。元気があってええのお!」って褒めてやりますよ。

 山が神聖なのは、命の源たる水源だからでしょう。那智の滝が神聖だなんて人間が勝手に決めただけのこと。命の源であるのは那智の滝も名のない渓流も同じではありませんか。

 ニュースで大騒ぎしたマスコミにも、尻馬に載ってバッシングという名のいじめに加担した愚衆にも、そうした視点があったとは思えません。人間が勝手に作った宗教とやらにのっとって3人を非難して鬱憤晴らしをしただけではありませんか。実にくだらない。

 山が神聖だという気持ちがちょっとでもあるのなら、そこで青酸カリを撒いて生き物の命を奪っている輩をこそしょっ引いて徹底的に罰するべきです。不法投棄しかり、ゼネコンと癒着したダム建設しかりです。

 2012年7月14日、峠川(石徹白CR区間)のアマゴです。うちのほうでもけっこう雨が降っていたし、テレビは九州の豪雨一色だったので、濁流を眺めて帰ってくるだけになるかもしれんなあと思いつつ朝ゆっくり出発しました。行きに高速から見た長良川は泥濁りの大増水。しかし現地に着くと、水位はやや高いものの十分釣りになるレベルでした。やっぱり今の雨は局所的なのでしょうか。 (2012/7/15)

 そんな時間だったので、一通りアングラーが通ったあとでした。しかも、テンカラかフライのクラブ例会か何かがあったみたいで、10人くらいの大集団が川を歩いていました。

 それでもなんとかかんとか1尾釣れたのはCR区間のおかげでしょうね。やはりCR区間なので魚がきれいでした。20cmくらいですが、体高があってかっこいい魚でした。

 いまいちそう見えないのはゴムコートネットが硬くて魚体が曲がっているからです(しかもでかすぎ)。数年前根尾川でリリースしたイワナを翌週また釣ってしまったことがありましたが、40cmオーバーの魚を30cmの布ネットで無理やりすくったにもかかわらず次の週釣ったとき特にダメージは残っていませんでした。

 だから、目の細かい布ネット(一説にはヌルを取りやすいともいいます)で十分なのかもしれません。だいたい雑誌なんかでどんなネットが良いとか悪いとかって書いてあることがありますけど、たいていその釣り人の思い込みやメーカーの売り文句まんまで、実験したわけじゃないですもんね。写真も撮りにくいし、普通のネットに戻すかな・・・。

 釣ったのはCR区間最下流から最初の橋の下までくらい。1尾出たところでやめました。もうここ何年か、1尾釣れると満足しちゃうんですね。ああボウズでなかった、と。欲を出して続けて釣ってルアーなくしたりノーヒットで夕暮れまでやってしまったりすると、1尾釣った気分も消えちゃうし。

 私も枯れてしまったもんです。もっとも、釣りなんて罪もない生き物にハリ引っ掛けて引きずり回す罪深い行為なのですから、このくらいでいいのですよ。

 2012年7月6日の魚野川です。昨年信濃川があふれた大水で川がガラッと変わっておりました。昨年アシや背の低い木が茂っていた河原がガサッとなくなって、砂地に変わっています。「忠さんに会いに行く」にもでてくる破間川合流点は長々とした砂州ができ、下流はだだっ広い浅瀬になっていました。現地で会った地元のフライマンは、春にイワナが釣れたのと海からのサクラマスはいる(でも釣りの対象ではない)が他の魚はダメだといいます。大水で流れちゃったんでしょうか・・・。 (2012/7/9)

 そんなことはないという話もあるし、よそ者が2日釣っただけで川がダメになったもなにもわかるわけないのですが、とにかくボーズでした。とほほのほのほのほ!

 魚野川へ行ったのは、『忠さんのスプーン人生』のために借りていた大量の写真や原稿類を返却に行ったからです。本当なら6月発売のはずだったので、発売したら行こうと思っていたのですが、現時点で10月発売の線が濃厚なので、それまで大量の写真(考えてみればたいへんに貴重なものです)を持っているのもなにですし、返しにいったというわけです。

 リールはミッチェル408。最初は、バイトキャスターBCB-80にカルカッタをくっつけていこうかとかバンタム100を持っていこうかと思ったのですが、やっぱり408にしました。

 写真の408を買ったのは2000年代中ごろでした。でも、いま中に入っているスパイラルベベルギアはけっこうな腐れ縁なのです。

 現在写真の408に移植してあるギアが元々入っていたリールは、1990年代初めにアングリングの個人売買でつかまされたババでした。面積にして3〜4割は塗装がはげているわハンドルは曲がっているわのボロンボロンのリールで、サギに近いものでした(いまのヤフオクでもこういうことはありますが昔の雑誌の個人売買は活字だけなので現在の比ではなかったのです)。でも、幸か不幸かギアの歯だけは生きていた(といってもストッパーの歯は一本折れていたしベアリングは緩んだまま使われていてザラッザラッでした)ので、しばらくは70年代物の308に組み込んで使っていました。この間、長良川でサツキをかけてラインをぶち切られたこともありました。

 上の「忠さんに会いに行く」で使っていたのはその後フェースギアがダメになった408Aのボディーに入れていたこのギアでした。

 その後、やっぱりフェースギアがダメになった308プロに移植(やっぱあのフェースギアはダメだ・・・)、このころは御母衣や高原でよく使い、浅井田ダムでドクターミノーつきの大イワナも釣りました。

 2年くらい前からは、またまた70年代の308に移植して昨年まで使っていました。この間には昨年魚野川帰りの犀川ででっかいブラウンを釣りました。その後、上の写真の408に入っていたギアに材質不良の疑いが濃くなり(ベアリングを緩めたまま使いストッパーの歯をへし折った前のクソオーナーの使用を経てずっと耐えてきたギアに対し写真の408に入っていたギアは私の使用だけで真鍮粉を吹きまくって歯がペラペラに薄くなっていました)、そのギアを廃棄して“腐れ縁ギア”を移植、11年ぶりに魚野川の河原に立ったというわけです。

 これで11年ぶりの魚野川で再びヤマメでも釣れればちょっとしたドラマだったんですが、釣りは思うにまかせないものです。

 2012年6月24日の高原川です。前回書いたように体調悪いっす。でもトラウトベストシーズンはどんどん過ぎていきます。なわけで、いてもたってもいられず宮川と高原川に行きました。しかしやっぱり調子悪い。朝を食べたあとに腹がおかしくなることが多いので食べずに釣っていると、体力が落ちていることもあってフラフラしてきます。で、パンを食べたら腹がキリキリ。結局トイレのあるところで休んでいたらそのまま寝入ってしまい、ぜんぜんまともに釣りしてきませんでした。 (2012/6/30)

 前回、体調不良の原因は運動不足だろうと書きましたが、どうも原因は別にあったようです。道をはさんで進んでいる建売住宅の工事とともにおかしくなったのですが、まさか道を隔ててシックハウス症候群もないだろうと思っていました。ところが、先日工事現場の前を通ったとき何気なく事業者の立てた工事計画の看板を見て「これだ!」と気づきました。

 「4月6日シロアリ防除処理済」

 目にしみるような痛みを感じ、体の痛みや下痢が始まったのは4月第一週のころでした。あれはたしか撮影に使ったロッドを返送するために宅急便の営業所へクルマで行った日です。窓全開で走ったので花粉にやられたと思っていたのですが、工事現場の前を通ったとき漂っていたシロアリ防除剤を吸ったはずですし、その日クルマの窓を開けて走ったということは気温が高かったということですから、部屋の窓も開けていたはずです。今年の4月初旬は寒い日が続いていて、この日が最初に気温が上がった日だった記憶があります。

 しばらくは花粉かと思っていましたが、目がかゆくなるのではなくてしみるような痛みを感じましたし、鼻やのどには何の症状も出ませんでした。花粉症にはなったことがありませんが、目にしみて体が痛くなって下痢をする花粉症なんて聞いたことがありません。私は化学物質過敏症気味で、接着剤や液体蚊取りで体調を崩しますが、まさしくそうしたときと同じ症状でした。建売住宅は4軒で、シロアリ防除処理は順番に行うはずですから、いったん治まりかけた症状がまた出たのも説明が付きます。

 そう考えてきたら、恐ろしいことに気が付きました。うちには1973年から飼っているアカハライモリがいる水槽があります。イモリの詳しい話は置いておいて、その水槽には常にメダカが20尾ほど泳がせてあります。4月から5月にかけてそのメダカがバタバタ死んだのです。熱帯魚店でメダカを買ってきても、入れるなりフラフラになって死んでいき、一週間もするといなくなってしまいます。こんなことは経験がありません。

 水換えの回数を増やすなどしてやや落ち着きつつあったのですが、やはりぽつぽつ死ぬのがいました。数日前、フラフラしている個体がいたので、もしやと思ってエーハイム(ろ過装置)の中に活性炭を入れてみました。すると、フラフラした個体や死ぬ魚は出なくなりました。メダカを殺す何らかの物質が水に溶け込んでいたということではないでしょうか?

 さらに気づいたのは、イモリの水槽、その隣に置いてある金魚の水槽ともに、ガラスにコケが付かなくなっていたことです。イモリの水槽は水質維持のためガラスのコケは正面以外落とさず残していましたが、それがなくなってガラスが見えてきています。金魚の水槽は、6月はじめに掃除して以来何もしていないにもかかわらず、現在4面ともクリアなままです。4、5月にイモリ水槽のメダカが大量死したとき、15年くらい入れている流木が劣化して水を悪くしたのかもと、大きめの川石と交換したのですが、入れて1ヶ月以上経っているのにその石には、いまもまったくコケが付いていません。ありえないことばかりです。 松本サリン事件でとばっちりを食って死んだ池のザリガニの映像を思い出しました。

 さらに、うちの親父もここのところ突然昼間に眠気に襲われるといいます。私もそういう傾向が出てきていて、先日の宮川・高原川釣行でも、現地で休んでいるとき、帰りのサービスエリア2か所の計3回、いずれも1時間ほど眠気に襲われて寝てしまいました。早起きして行ったとはいえ多すぎないでしょうか?

 うちのあたりは住宅地で、化学物質を扱う工場などありません。証拠はありませんが、やはり建売住宅で行われたシロアリ防除処理くらいしか原因が考えられません。

  「シロアリ防除・健康被害」で検索すると国民生活センターのHPにそうした情報が載っていたので、一応連絡しましたが、この場合私は「消費者」ではないのでなんにもならないみたいです。おそろしくて窓も開けられないので、(節電には反しますが)クーラーと(買ってきた)空気清浄機を回した部屋でこれを書いています。4軒のうち最初に完成した家には、近所の若夫婦がすでに入居しています。2歳のお子さんがいるそうですが、大丈夫なのかと心配になります。

 (あらためて看板を見直したら、4軒中2軒が4月6日、残りの2軒が6月22日にシロアリ防除処理をしたと表示してありました。となると、4月から6月まで体調が回復したり悪くなったりしたのは、4月6日の分が風向きや気温によって漂ってきてたということ? じゃあまだ続くってことか? 嗚呼・・・)

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