2013年1月6日、美濃フィッシングエリアのアマゴです。アマゴだけのストリームエリアで水温4度とあっては1尾出ただけでも十分と思ったら、ミノーを駆使して午前中だけで11尾も釣ったルアーマンがいたとか。しかし、私の場合はスプーンにこだわっての価値ある1尾・・・ではなくて、ミノープラグも動員した上での1尾だったということは、口が裂けてもいえません。 (2013/1/7)

 ダイワリールに合わせて引っ張り出したのは、なつかしのアモルファス・ウィスカー・ファントムAWS504ULFです。このロッドを買ったのは1987年の4月、と書いて気がつきました。S社に入った直後、初任給で買ったようなものです。いまさらながらとんでもないヤツです。

 とはいえ、当時シマノ(伏字にしてもしょうがない)にはこういうルアーロッドがなかったのです。当時のルアーロッドはファイティングロッドというメガホンブランクのバスロッドだけだったのです。当時まだフライロッドもシーバスロッドもありませんでした。

 で、5月の連休(いや夏ごろだったような気もする)に輪行して尾越カントリーレイクに行ったとき、このロッドを持っていきました。まだクルマは持っていませんでした。湖西線の駅で降りて、161号を走ってから山を登りました。途中、琵琶湖に流れ込む川にハス(ケタバス)がいっぱいいて、マスターアングラー5gを投げたものの1尾掛かってバレただけだった記憶があります。

 学生のころ使っていた5万分の1地形図を見たら、161のほうから尾越村へ回りこむ道があと少しでつながりそうになっていたので、もうつながっているだろうと決めつけてそちらへ向かったのですが、はたして道は途中で消えていました。おかげで、いったん山を下りて再び別ルートをほとんど自転車を押して登ってやっとのことで尾越カントリーレイクに着きました。つながりそうでつながっていなかった道は、その両側にある集落の仲が悪くてつなげないのだということでした。

 朽木渓流魚センターに初めて行ったのもこのロッドでした。あれはクルマで行ったのですが、まだいまのような池ではなくてひとつ池が出来ただけのころでした。場所もいまのところだったのかどうか、記憶があいまいです。まだエリアフィッシングが盛んでないころでしたし平日休みの日で、釣り人は私ひとりでした。

 管理人さんに料金を払って池に案内されました。水が澄んでいたので、水辺から離れて身をかがめて最初のキャストをしたのですが、そのためにロッドティップが水辺に配置してある大きな石を叩いてしまいました。ティップを見るとSiCリングが割れています。養魚場育ちの魚は人影をそれほど恐れないのに、何をやっているのやら。こんなときに限って、予備のロッドを持ってきていません。

 お客が私ひとりだったこともあって、管理人さんはどこかへ行ってしまっていました。今のような事務所・休憩所はありません。それに、いったんお金を払って、やっぱり帰るから返してというのはまずいかなあと、3500円だか3800円だかの料金を払ったまま1投もせずに、とぼとぼと堺へ帰ったのでした。

 帰ってからロッドは泉北1号沿いにある釣具店に修理に出しました。数日で直ったという連絡があり、いやに早いなと受け取りに行くと、オリジナルのガイドではなく磯上物竿に使う小さなトップガイドが付けられていてスレッドがニスか瞬間接着剤で固めたようになっていました。これおかしいよと指摘すると、店はしぶしぶ再び受け取りました。

 しばらくして、今度こそロッドは元通りになって返ってきました。釣具店いわく「ダイワの営業マンに仕上げが汚いってしっかりいっときました!」ということだったので、私はダイワの営業の人が自分で修理したのかなと思っていました。でも、いまにして思えば営業マンが営業所に帰ってからしこしこ竿やリールの修理をするとは思えませんし、最初の修理が早すぎました。最初の修理は釣具店自らが振り出し竿のトップを替えるような感覚でやったのかもしれません。じっさい、使用されていたトップガイドはそうしたガイドでした。それをメーカーのせいにするとは、いまさらながらふてえ野郎です(そうそう、あのころ、ダイワの大阪(堺?)営業所が独身寮から会社までの途中にあったんじゃなかったかしら。えらいところにあるなと思ったものです)。

 とまあ、このロッドにもいろいろと思い出があるのですが、大物を釣った話が出てこないのは、私の不徳のいたすところであります。

 2012年12月28日天竜川のニジマスです。浜松は暖かいかと思ったら気温6度と水温11度よりも低い。おまけに午後は予報通りに雨になりました。そんな中なんとか良型のニジマスが釣れて今年の締めくくりとすることができました。でも、これがつい30分前に放流されたばかりの魚だということは、口が裂けてもいえません。ハイ水か。 (2012/12/30)

 放流魚がウロウロしている状況でもルアーは何でもいいというわけではなくて、反応が違うのが面白いというか当然というかでした。放流場所に入って投げたのは、使用順にバイト3g、コンデックススプーン3g、ハスルアー1/8オンス、マスター5g、2.5g、バイト6g、4.8gだったのですが、一番当たったのは写真のマスター5gでした。

 シングルフックにしてあるせいもありますが、このスプーンはきっちりウォブリングするのではなくて、ときどきヒラッとバランスを崩しながら泳いできます。横方向のアールのないリトルシリーズは極端な例ですが、こういう不安定さが反射食いを誘っているのかもしれません。

 忠さんのスプーンのうちいちばん古くかつ代表的なバイト13gも、たとえトリプルフックで使ってもどことなく不安定さがある泳ぎだったものです。何と比較するかにもよりますが、バイト13g、6g、マスター(レイカー)12g、5g、ダムサイド10g、5g、ギンザン12gなど初期に作られたものは、あまり強いアールを持っていないように見えます。アール、特に横方向のアールが強ければきっちり泳ぐと思うのですが、横を含めてあまり強いアールは付けてありません。

 79年の『ルアー野郎の秘密釣法』には、“釣り人側でプラスアルファのアクションを加えやすくするため私のスプーンにはあまり強いアールを付けていない”という記述があります。ロッドによるアクションやスピード変化にヒラッと反応する不安定さをあえて与えていたということではないでしょうか。

 こういうことを考えていて思い出しました。昔々ダイワにダンサーというスプーンがありました。定価150円実勢110円というルアー少年の味方のようなスプーンで、中学高校時代に揖斐川のウグイやニゴイ、ナマズ釣りに使ったものです。ダンサーは横に強めのアールが付いていて、安定したウォブリングで泳ぐスプーンでした。

 その何年かあと、大学生のころチヌークというスプーンが出ました。同じような細身のタイプなので買ってみたのですが、ダンサーのようにきっちりウォブリングするのではなく、ときどきヒラッとバランスを崩して泳ぎました。当時の私はダンサーのように安定して泳いでこそいいルアーだと思っていました。プラグでいえばラパラみたいなものこそちゃんとしたものだと思っていたのです。ダンサーより高いのにダメじゃんかこれと、その後チヌークはほとんど使ったことがありませんでした。

 ところが、現在チヌークは定番スプーンとして生き残っています。サクラマスの当たりルアーとされることもあります。あらためてチヌークを見ると、横方向のアールがとても弱いことに気がつきます。これによる不安定さをはらんだ泳ぎが魚を釣ってきたのかもしれません。実際市場で生き残っているのですから、そうなのでしょう。

 さらにふと思ったのは、アブのトビーでした。トビーの尻にはなぜか2本の羽根のようなものが付いています。これはいったい何のためのものだろうかと思っていたのですが、泳ぎに不安定さを与えるためのものだったのではないかと思えてきました。

 横方向のアールが泳ぎを安定させるのは、ローリングの軌道にアールが沿うからだと思われます。これに対してトビーの羽根は、横方向のアールとは反対側に反り出しています。これは泳ぎを乱す原因になるはずです。実際、以前買ったうぬまいちろうさんの本にはトビーは回転しやすいからスイベルを付けたほうがいいと書いてあったものです。トビーは回転するものだと思っていたという釣り人もいるようです。私は、これまた最初に使ったときにちゃんと泳がないじゃないかと思って以来あまり使ったことがありませんでした。最近はアブのスプーン自体がメジャーでないのでトビーの名前はあまり聞きませんが、かつては定番とされていたものですしいまも存在はしているのですから、やっぱりあの泳ぎがいいのでしょう。

 ルアーの泳ぎは人間の目で判断してはいけないのですね。

 2012年12月16日の朽木渓流魚センターです。この日は日本が再び戦争に突き進む記念すべき総選挙の日でした。二大政党への幻滅から軍国主義へ進むとは戦前といっしょ、歴史は繰り返すのですな。河口堰や八ツ場ダムみたいな公共事業もレベル7の事故を起こした原発も止められない国が戦争なんて始めたら絶対止められないぞ。また最後の最後まで行くんだろうな・・・。なに? そんな日に釣りなんて投票に行っていないのかって? 失敬だな、君は! 期日前投票に行くのは、あったりまえの話だあ! (2012/12/24)

 先ほどはね、映像と声がずれててね、あなたと分からず怒鳴って、失礼しました。

 前回書いたようにこの日はバンタム100のブレーキ調整をやっていたのですが、それでは元が取れないので(セコ・・・)、ちゃんと前半はスピニングタックルで釣っていました。使用したのはテーパーアンドシェイプのグラスウェイ53とセルテート2004CHでした。

 ロッドはシーズン中魚の引きで曲げられなかったので、ニジマスに曲げてもらってきたのですが、リールは調整したベールの調子を見るためでした。

 10セルテート2004と2004CHは、ローターブレーキの効きが悪くてフェザリングがじゃまされたりハンドル回転でベールを閉じようとすると衝撃が大きかったりと不調でした。さらに2004は最近ハンドルを回してもベールが閉じきらず立ったままグルグル回るようになっていました。

 ローターブレーキの効きや反転衝撃は感覚的な面もありますが、ベールが閉じきらないのは作動不良なので、まずこれを直すことにしました。

 対策として考えたのは、アタリ(シマノ語で「内ゲリ当タリ」ダイワ語で「ベールキックカラー」)を外側に押し出すことでした。アタリの表面にわずかながら磨耗の跡があったのでこの辺が原因なのかなあと思ったのです。ところが、2004をバラしてみたところアタリはパッチンとはめるタイプで、ずらすことはできませんでした。

 で、次に思いついたのが、ベールアーム(シマノ語で「アームカム」ダイワ語で「アームレバー」)の裏のベールスプリングガイドA(シマノ語で「アームバネガイド(A)」ダイワ語で「アームレバーシャフト」)が入る穴をずらすことでした。しかしこれは、穴をあけるのがめんどくさいし、おそらく穴1個分ずらしたらズレ過ぎになってベールが開ききらないなどの障害が出るはずです。

 思案の末の結論は、ベールスプリングガイドAの先を向かって右に曲げることでした。こうすれば、ベールアーム裏の穴をずらすのと同じことになるはずです。ベールスプリングガイドAの先をモンキーレンチではさんでほんのわずかに曲げてみました。

 すると、ローターを手で持ってゆっくり回してもベールがきっちり返るようになりました。ここまでは予想通りだったのですが、同時にハンドルで返したときの衝撃が小さくなり、快適に作動するようになりました。さらに、ほとんど効かなかったローターブレーキがしっかり効くようになりました。

 ここでやっと気づいているようではいかんのですが、理由が分かりました。内ゲリレバー(シマノ語で「内ゲリレバー」ダイワ語で「キックレバー」)がベールスプリングガイドAに当たる部分が磨耗していたのです。内ゲリレバーのベールスプリングガイドAに当たる部分は丸っこい形をしていますが、当たりが付くまで少し磨耗が進みます。内ゲリレバーは亜鉛なのである程度当たりが付いたら磨耗は進まないはずですが、そのときには寸法がギリギリになって、個体によってはベールが返らなくなってしまうようです。反転力が大きくなったのとローターブレーキが効かなくなったのは、ベールを開いたとき内ゲリレバーが十分内側に飛び出ない状態になっていたからだったのです。

 同じ処置を2004CHにしてみたらこちらも快調になりました。思い起こせば最初2004はベール返りがスムーズだった記憶があるので、だんだん悪くなっていたのです。で、16日はこれを使ってみたのでした。働くべき部分がちゃんと働くのが快適なのはいうまでもありません。やっぱりベールはスピニングの要です。

 このまえ天竜川に行ったときバンタム100に入れて使ったのが左のアベイル製スプールでした。ブレーキは中央のスプールのように、バンタム100のオリジナルブレーキブロック(青)を1個だけオイルなしで付けていました。去年まで使っていた中央のアベイル試作スプールより巻き径が小さいせいかブレーキが効きすぎる感じがしたのでブロックにオイルを付けたところ、最初は良かったものの日が上がって暖かくなったらバックラッシュし始めました。続いてオイルが付いたままブロックを青2個にしてみたら効きすぎて飛ばなくなり、結局最初のオイルなし1個に戻しました。こんなことばかりやっていたのも魚があまり釣れなかった理由であります。 (2012/12/17)

 これにはさらに続きがあって、昨日朽木渓流魚センターに行ったとき、SVS用のブロックをオイル付きで試したら、重いほう2個では効きすぎ、標準2個でちょうどいいかやや強いかという感じでした。なんといっても日曜日で人が多く、あまり投げられなかったので確定的ではありませんが、いろんなルアーを投げることを考えたらこの辺かなあというところです。

 標準が赤で重いほうが緑? これはバンタムクロナークやキュラド(クラド?)に付いていたアメリカ向けブロックのスペアです。なぜ色が違うのかは知りませんが、たぶん欧米人は合理的だから落としたとき失くさないように目立つ色を要求し、見た目を気にする日本人は赤や緑は安っぽいとクリアとグレーにした、のではないかと思います。私が赤を選んだのは、SVSみたいに脱落防止になっていないから、やっぱり落としたときのためです。シルバーのスプールに赤いブロックのほうが見た目もかっこいいし、見えないけど。

 投げた感じだけなら青1個を乾いた状態で使うのがベストです。しかもこのブロックは「B-100ブレーキカラー3.5」という名前でイシダイリール海魂のパーツとして入手可能ですからうっかり失くしても平気です。しかし、この状態で1日フルに使っていると、ブレーキ力がわずかながら弱くなってきます。スプールエッジのすき間から入った水がブレーキに回るからです。アブのように盛大には入りませんが、天竜川でブロックを交換したときにもスプールエッジの裏側のあたりには細かい水滴が付いていました。オイルを付けた状態であれば、水が入ってもブレーキ力が落ちず安心です。

 もうひとつは私が心配性だからでもありますが、アベイルスプールのブレーキブロックピンはオリジナル(写真右)の1.2mmから1mmに細くしてあって、1本で全ブレーキ力を負担させるより2本に分散させたほうが強度的に安心かなと思ったのです。径を1.2mmから1mmに落とすと直径は83%になりますが、曲げ強度は断面係数πd3/32で計算するため、直径の3乗で効いてきます。すなわち曲げ強度は57%になってしまうのです。

 じゃあこの直径1mm、長さ9.5mmのピンの曲げ強度は?(以下文字化けごめん)

 たぶん(おい)曲げ応力σ=モーメントM/断面係数Zなので、繰り返し荷重の許容曲げ応力7kgf/mm2、モーメントFkgf×9.5mm、断面係数はπd3/32のdに1を入れて0.098としたもの代入して計算すると、ピンの先端にかけてもよい繰り返し荷重は0.072kg、すなわち72gとなります。

 72gといえば投げ釣りに使うオモリの20号くらいになります。これだけのブレーキ力が発生するものなのかどうか、瞬間的にはありえるようなありえないような・・・。

 じゃあ、青のブレーキブロックに72gの摩擦力を発生させるだけの遠心力は? ポリアセタール(たぶん)と金属の摩擦係数を0.15とすると480gとなります。あの小さいブロックがいくら高速で振り回されても480gもの力でブレーキドラムに押し付けられるとは思えませんが、計算を続けてみます。

 青ブロックの寸法はΦ3×Φ1.3×3.5(mm)なので、体積は約20mm3すなわち0.02cm3です。ここにポリアセタールの比重1.41をかけると0.028gとなります。遠心力F=mrω2なので、Fに0.48kg、mに0.000028kg、rにドラム径24mmより0.00012mを入れると角速度ωは1195rad/sとなります。rad/sをrpmに換算する方法は忘れてしまったので、ウィキペディアで調べたら(おい)、1rad/sは9.54rpmだそうなので、これをかけると、約11000rpmとなりました。

 で、問題はベイトのスプールは何rpmまで回るのかということです。ダイワのカタログにはキャスト直後30000rpm、シマノの09カタログにもDCによって20000rpmが30000rpmになったと書いてあります。むむ、11000rpmで許容応力を超えたらあかんやないか・・・ということになりますが、20000rpmとか30000rpmとかは上級者が重いバイブレーションを大遠投したり、海アメでサーフからジグをフルキャストしたりといったケースでしょう。私のか弱い腕によるへなへなシングルハンドキャストで、投げるルアーもせいぜいスプーンの15gならその半分もいかないのではないかと思います。

 でも、半分にしても数字が近いのは気持ちが悪いので、青ブロック1個を乾燥状態で使うのはやめて、赤のSVSブロック2個オイル付きが安心・・・というのが結論です。キャストの結果からは赤オイル付き1個あたりのブレーキ力は青を乾いた状態で使ったときの半分強くらいです。ピンの太さを1.2mmから1mmにしたときの曲げ強度が57%でもかかる力が半分くらいならオリジナル状態と同じことです。オリジナルスプールの遠心ブレーキのピンが折れたという話は聞いたことがないし、青ブロックの上にはもう一つ大きい黒もありましたから、これなら何をやっても大丈夫でしょう。

 (計算は、しょせん某1.5流大学機械工学科の1回生時に50数単位中24単位しか取れなかった優等生によるものなので、間違っていても笑って許してください)

 (これはあくまで心配性と個人的興味で計算してみたのであって、アベイルスプールのピンが折れるということではありませんし、そのような話は聞いたことがありません。キャスト時の遠心ブレーキの音を思い浮かべてみると自動車のエンジンをいっぱいに回したときに近い感じなので、10000rpmもいかないのではないかと思います)

 2012年12月5日、天竜川のニジマスです。実に一ヶ月ぶりに釣りに行きました。この日も懲りずに3ヶ所の放流場所のうちいちばん釣れないといわれている鮎釣へ入りました。平日貸し切りだからなんとかなるかと思ったら、やっぱり午前中いっぱいやって反応なし。ダム下へ移動してこのサイズをやっとこさ2尾。相変わらず学習しない人です。 (2012/12/9)

 ひとつ言い訳をすると、入るなり20羽くらいのカワウの群れが最初の淵で宴会をしていました。釣れないから人が来ない、人が来ないからカワウが来るという悪循環なのかもしれません。

 この日は、というかこの日も天竜川は濁っていました。ダムが濁りを貯めているからだと思いますが、たいていひざまで立ち込んだらつま先が見えないくらいの濁りが入っています。ここのところ雨が度々降っていたのでいつもよりやや濁り気味にも思えました。

 で、ポイント移動後に考えたのが、濁りでルアーが見えにくいならスピナーみたいに音や振動を発するものが良いのではないかということです。実際、過去ブレットンの5gで大きいのを掛けたことが2度ほどあります。

 でもスピナーは糸をぐるぐる撚ってしまうのがイヤなので、代わりに選んだのが写真のバイト3gでした。すぐに回ってしまうもののスピナーほどのことはないからです。そうしたらいきなりこの魚が釣れました。このあとやや小さ目を1尾、アタリ2回、大型魚に岩に巻かれたブレイク1回と続きました。

 忠さんのスプーンのうち、バイト3g、マスター2.5g、ギンザン2.5gのリトルシリーズだけは、どうしたことか横方向のアールがついていません。平板をS字型に曲げてあるだけです。だから、規則的にウォブリングを起こして泳ぐのではなく、すぐにバランスを崩してヒラリとスライドしたり回ったりしてしまいます。最初は泳がないじゃないかと思っていたのですが、どうもこの動きが良いケースがあるみたいです。

 なぜこういう泳ぎになるかを考えてみると、やっぱり横方向のアールがないからでしょう。スプーンが泳ぐとき、ウォブリングとともに必ず回転方向の動きであるローリングが入ります。このローリングの円弧と横方向のアールが一致するからうまく水を切って泳ぐのですから、横方向のアールがなければスムーズに水が切れずローリングが起こせません。だから、リトルシリーズはバランスを崩してスライドしたりバタついたり回転したりするのです。

 しかも、平板で無理やり回ろうとするのですから、水をよりかき回して(最近ルアーの世界でよく使われるところの)「波動」を強く起こすのではないかと思います。平たいお風呂のフタでお湯をかき回そうとすると板が強い抵抗を受けるのと同じ感じです(最近のお風呂でそれはしないか)。バイト3gを回転しない程度の速度で引いているとバタついたときのショックがかなり大きくロッドティップに伝わってきます。これも、濁った条件下で使おうと思った理由です。こうした特性は同じく平板のハスルアーも同じで、あのルアーも少し速めに引くとバタバタした動きになって、細身の割に抵抗があります。バランスの崩し方も似ています。

 この日は回るか回らないかのスピードを基本に、少し速めに引いて回転させたり一瞬止めたりを織り交ぜました。

 なお、バイト3gは幅が広いので特にこういう特性が強いのですが、やや細身のマスター2.5gになると、もう少し普通っぽい泳ぎ方になります。こちらは適度なバランスの崩し方で、管理釣り場でいいという人が多いそうです。もちろん、規則的なウォブリングが効くケースも多いわけですから、従来のスプーンと使い分けるのがいいであろうことはいうまでもありません。

 常見氏は過去の著書に、スプーンは縦(全長方向)のアールと横のアール、そして首の所で反対側に反っているアールの組み合わせによって成り立っている、と書いています。常見氏はこうしたスプーンの基本形に強いこだわりがあって、あまり異形のもの(リップが付いているものとか…)は好みませんでした。そう考えると、スプーンを構成する3つのアールのうちひとつをあえて省いたリトルシリーズがいっそう不思議な存在に思えてきます。

 2012年9月30日、禁漁ギリギリに犀川に行ってきました。川は大減水で釣れる気配がない・・・と思っていたら2回もアタリがありました。でも、ぜんぜん釣れると思っていなかったので、アワせられませんでした。アタリを逃したあとも移動したポイントで50cmくらいのニジマスがドッパン!と跳ぶのを見ましたから、魚はいたんですね・・・。なぜ最近釣り場や魚の写真がないかというと、ここ2週間連続で週末が仕事でつぶれているからなのですな。で、今日明日は久々に空いたものの疲れが出たのか先週中ごろに風邪をひいてしまい、療養中と、まあそういうわけなのですな。 (2012/12/1)

 そら10月に1週間も北海道に行っとるからそのしわ寄せじゃわというとことなのですけどね。もっとも1週間(正確には6日)使ったといっても、フェリーで行くと前後2日ずつ移動でつぶれるんで、向こうで有効に使ったのは2日だけなのですが・・・。セントレア空港に車を置いて現地でレンタカーを借りるならその日のうちに現地に着けますが、お金かかるし飛行機怖いもん。

 ロッドは、前の前の扉写真にも登場したスーパーパルサーCWBU65Mです。ウエダのバスロッドはマイナーなのか、ググってもこの品番は引っかかりません。だから、まず気づく人はいないと思いますが、ハンドルが替わっています。

 元々は、同じ富士のオフセットでもグリップ部に角度が付いているやつでした。それではまっすぐ投げられないのと65の長さでシングル、しかもシート部が重いので、渡辺つり具店でストレートタイプのセミダブルハンドルを買ってそれに付け替えたのでした。コネットのサイズが違ったので、元のコネットの上にグリップに合ったものを接着しました。

 しかし、ダブルにしたものの、シート部が重いせいかよけい重い感じになってしまい、そのグリップを破壊(アルミパイプで延長してコルクがかぶせてある)して、再び渡辺つり具店でそれに合わせたコルクだけ頼んで、アルミパイプをカットした上から接着したのでした。

 あらためて使ってみると、やっぱりバンタムとか2500Cとか、昔のリールはオフセットハンドルに付けるとパーミングがバッチリです。しかし、いかんせんガラス繊維強化ナイロンの塊のようなリールシート部が重いったらありません。これこそ同じ金型を使ってカーボン繊維強化樹脂で打ったらあかんのかなと思いますが、いまさら作っても売れませんわな。

 写真のハンドルにはナイロンガラスと書いてありますが、元々付いていたものには(たしか)ルー・フジ・グラファイトと英文で書いてありました。もっとも、あのころはガラス繊維強化樹脂のリールをカーボンリールといっていた時代ですから、たぶんガラス材料だったのではないかと思います(確かめたいところですがそのハンドルは10年くらい前に別のブランクをくっつけて従兄弟に譲ってしまったのでもうありません。そういえば同じころ別の従兄弟に譲ったマグナムライト2000GT-Pは翌年にはハンドルを曲げられてボロボロにされてました。もうあのグリップもロッドもリールもこの世にはないでしょう。釣り具は人に譲るもんじゃありませんね・・・)。

 現在発売中の『アングリング・ソルト』で海で使えるベイトフィネスタックルについて書いています。これはそのとき撮影用に借りたタックルをガメたもの・・・ではなくて、撮影しているうちに欲しくなってネットで買ってしまったものです。リールは少し前の『ロックフィッシュマガジン』、ロッドは今回の『アングリング・ソルト』のときでした。今回のロッドはナチュラムで納期4〜7日になっていたのを見てポチしたところ、翌日届いた納期確認メールには2013年1月31日の文字。一瞬今がいつか分からなくなりました。10ステラが今年変わると思い込んでいたほどの人ですから、危うくそのまま現在を2013年1月だと思い込むところでありました。 (2012/11/26)

 で、結局それはキャンセルして(シーズン終るわ)、ググりまくってヤフオクに定価出品しているショップを見つけて再度ポチ。送料無料やしまあええかと思ったのですが、ヤフーのシステム使用料か何かが加算されたので、結局プレミア付きで買ったような形になってしまいました。ギャラの●割が飛んでしまいました。こんなことをしておっていいのでしょうか。

 『アングリング・ソルト』では、このメジャクラ・ヴォルキーBFSとPFJアブ・ガルシアのソルティーステージを撮影しました。こちらを選んだのはロッドの良し悪しではなくて、アブブランドの付いているロッドにシマノなどアブ以外のベイトリールを載せたくないなと思っただけです。潔癖症(?)なのですな。

 適合ウエイトもほぼ同じのため同じような竿ですが、ソルティーステージのほうが6000円くらい高い分カーボンの弾性が高いのか、穂先を手で押さえたときグイグイ戻ろうとする感じがしました。トップガイドが小さいこともあって、空で振ったときはこっちのほうがシャンとしていました。ヴォルキーは手で穂先を押さえたとき同じような硬さながらスーッと素直に曲がっていってそのままおとなしくしている感じ。空で振るとやや先ペラな感じがしました。

 ソルティーステージのほうがシャープな感じでしたが、空で振ったとき穂先がしなるヴォルキーのほうが軽いルアーが投げやすいかもしれないので、どっちが実際良いのかは分かりません。まあ、現在の竿なので差があったとしても好みの問題だろうと、こっちにしました(竿にはあんまりこだわらんのね)。

 ちゃんと投げてみて記事に書けといわれそうですが、借りたヴォルキーはコルクにフィルムがかぶった新品でしたし(撮影のためにあっさりめくったけど)、ソルト用ベイトロッドの面子がそろわなかったために急遽入れた代打(本来はバスロッド)でした。ベンドカーブくらいは撮ろうかと思ったのですが、もう1本取り上げるはずだったブリーデンのロッドが間に合わず、ソルティーステージとバスロッド比べても・・・ということなのですわい(次あらためて詳しくやろうか?)。

 関係ありませんが、ブリーデンって、昔ラインバックとともに阪神にいたブリーデンからとったのでしょうか。子供のころ中日球場に中日阪神戦を見に連れて行ってもらったとき見たことがあります。掛布がルーキーで人気が出てきたころで、バスから降りるとまわりの中日ファンから「ヒューヒュー」と冷やかしの声がかかっておりました。試合は中日リードのまま9回表になって、ブリーデンが大きな外野フライでアウトになり、最後は仏の遠井吾郎が代打で出てきたものの打ち取られてゲームセットとなりました。話が古すぎるぞ。

 2012年9月23日、五三川のバスです。昨年のこのころもふと出来心でバス釣りに行ったのですが、不本意にも自分的には反則のはずのソフトルアーで釣ってしまったものです。今回はスプーン、それもバイト6gで釣りました。たいしたもんです。でも、フィッシングベストのポケットに、行きにタックルベリーで買ったゲーリー4インチグラブが入っていたということは、口が裂けてもいえません。ハイ水か。 (2012/11/17)

 リールはバンタム100。アベイルスプールを入れていますが、昨年まで使っていたのはノーマル溝のシルバーが品切れだったために代わりに売ってもらった1号が50mくらいの超浅溝試作スプールでした。今年ノーマル溝のシルバーが補充されたのでそれを買って付けています。巻いてあるのはナイロン4号16ポンドで、たぶん30から40mだと思います。太いのは強引に釣るためではなくて根掛かり対策です(根掛かりしたときラインを持って切るのは当然です)。

 ロッドはUFMウエダのスーパーパルサーCWBU65Mです。ウエダがなくなってしまったからあわてて買ったのではなく20余年前S社在職時に買ったもので、よく寮の近くの野池でバスを釣ったものです(自社製品使えよ)。トラウト用のCSUがバンバンに硬かったのに対し、このロッドはむしろしなやかで普通の感じで使えます。中間部からティップまではCSU60L/Cよりずっと軟らかいです。トラウト用だバス用だというのがそもそもおせっかいなのですが、不思議な味付けです。

 バスといえば、『忠さんのスプーン人生』に「スプーンはオールマイティ」という章があって、琵琶湖のバスと新潟のクロダイをスプーンで釣る話がでてきます(余談ながら、バス編に登場するH氏はレスターファインの樋上さんです)。常見氏といえばトラウト・サーモンの人というイメージなので「あれ?」という人がいるかもしれません。収録には異論もありましたし、私も迷いました。しかし、入れてよかったと思っています。スプーンはトラウト用のルアーではなく、あらゆるルアーの原点だからです。

 「スプーンはオールマイティ」は1992年のベースボール・マガジン社『忠さんのルアー・フィッシング』から収録したのですが、その大元になっている釣行は1986年から1987年にかけて『月刊フィッシング』で行われた、トラウトのみならずバスや海水魚などあらゆる魚をスプーンで釣りにいく連載のものです。当時ルアーフィッシングの中心はバスに移りシーバスも盛んになっていました。どちらの釣りもスプーンはあまり使われません。そんな時代に、すでに50代後半の常見氏があらゆる釣りにスプーンで挑戦していったのです。「スプーンはオールマイティ」は70年代のセントラルフィッシングのカタログのキャッチコピーです。そのカタログには「ルアーの対象魚すべてに使えるのがスプーンです」と書いてありました。これが常見氏の信念です。

 ひとつ裏話をすると、2003年に私が常見氏から本の相談を受けたきっかけは、そのころ送った手紙に「80年代に月刊フィッシングでやっていたスプーンでいろいろな魚を釣る連載が大好きでした。あれをまとめた本があったら面白いですね」と書いたからでした。もしかしたら、あの連載がなかったら『忠さんのスプーン人生』は今できなかったかもしれないのです。

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