2013年3月3日、坂内川のアマゴです。小さすぎてツインパワーが2500に見えます。シメトレ1000FLをながめていたら、そういえば同じあちら向けでストラディックCI4 1000Fもあったなあ、自重だけならヴァンキッシュやレアニウムと変わらんぞと持ち出したものの、ネコヤナギに絡めてラインを傷めてしまいツインパワー登場となりました。使いたいけど使ってないリールが多くて困ります。ハンドル替えたセルテートも使わないともったいないし、レイレックス2000SHもあるぞ。でもぼちぼち408がまた恋しくなってきた。 (2013/3/4)

 こういう事態に陥っているのはひとえに私がリールを集めすぎているからなのですが、世の中全体がこうなっているんじゃないかと思うことがあります。

 別にリールの話じゃなくて、カメラもパソコンもクルマも世の中にあふれています。そいでもって物が売れないデフレだ大変だといってます。当たり前じゃないのかしらん。高度成長期は3Cとかいってカラーテレビ、クルマにクーラーが普及しましたが、ありゃどこの家にもなかったから売れたんであって、金ばら撒いたからってあんなことが再来するるわけがないでしょ。カメラだって昔は「うちのカメラ」であって、戸棚に大事に仕舞ってあったものですが、いまひとり何台持ってます?

 それなのに、デフレ退治だとかいって輪転機を回してお金をジャブジャブ世の中に流通させるそうです。2%の物価上昇率が目標だそうですが、景気がいいと結果的に物価が上がるのであって、物価が上がるのが目標というのが分かりません。

 でも、テレビに出てくる経済アナリストだかははまことしやかになぜ物価が上がると世の中が良くなるのかという説明をしています。今でもおぼえてますけどね、1990年ころのバブル崩壊前夜、ニュースステーションで経済アナリストだったか評論家だったか学者だったかが「この景気は永久に続きます!」と堂々といっていたものです。信用していいんでしょうか、こんな連中。

 企業は給料を上げろと、自民党が昔の社会党みたいなことをいってます。まことにけっこうなことのようにも思えそうですが、正社員の給料をちょろっと上げるより本当の意味でのワークシェアリングでもして若者の雇用を増やしたほうがいいんじゃないですかね。ユニクロやらワタミやらが黒企業だっていいますが、そもそも違法な労働がまかり通っている現状を厳しく律するだけでも相当雇用は増えるでしょう。働きすぎで人が死ぬような、しかもそうした企業が野放しになるような、異常な社会をこそ正すべきではないのでしょうかね。わたしゃ会社員じゃないし、二度とする気もないんで知ったこっちゃないですが。

 アベノミクスとやらで、まだ何もしていないうちから円が安くなって輸出企業は息を吹き返しています。けっこうなことですが、あれあれあれとちょうどいいところを通り越しちゃうってことはないんでしょうか。

 いまの世の中はさっぱりわかりません。きっと私の頭が悪いからでしょう。

 (おかしいなあ、イーグルのガイドの話を書こうと思ったら、手が勝手にこんなことを書きなぐってしまった)

 2013年2月24日、またしても放流アマゴをひろってきました。釣れん九頭竜より放流ものだぁ。ルアーは貴重なマスター5gS。昨年12月に諭吉さん2人を広島に派遣してスプーンを注文したのですが、半月経っても届かず、もしや郵便事故かと電話したらなにやら売り上げ好調で塗装が追いつかずもうちょっと待ってとのこと。暖かくなるまででいいですといったら、届いたのは先週でした。しかも、頼んだスプーンのうちマスター5gはブランク切れで写真のルアーは結局岐阜の上州屋で買ったもの。忠さんのスプーン・イコール・バイトで、マスターとかダムサイド、ギンザンは少数派みたい。ことごとく私の欲しがるものはマイナーです。 (2013/2/25)

 リールもマイナー、シマノ・シメトレ1000FLです。最近セルテートやツインパワーのようなまっとうなリールばかり使っていたので、これではいかんと買ってしまいました。カベラスでポチして1週間で来ました。すごいですね。でも円が安く(元が高すぎただけ)なったので、ちょっと損しました。

 13ナスキーの米国版のようなものですが、いろいろ違ってます。カタログ写真によるとナスキー版のローターは、08TPから使われ始めたベール取り付けカム(シマノ語)がローターの腕(そういえばシマノでは「耳」といってましたな)の内側に付いたタイプになります。シメトレ版は写真のように普通のデザインのローターです。

 さらに、2013カタログの仕様一覧表によればローター材料はCI4プラス、ハンドルはねじ込みになります。これに対し、シメトレはたぶんボディローターともに普通の材料です(あちらではXGT7グラファイトとかいっていますが・・・)し、ハンドルは防水キャップ共回りです。ナスキーはシャワー洗浄OKですが、シメトレのドラグノブにはパッキンが付いていませんから、ナスキー版は変わるのかもしれません。ただ、カタログの一覧表はたまーに間違っているので、ちょっと不安です。

 で、問題のへんてこりんなボディですが、以前ボディ重心をロッドに近づけるためにウォームシャフトをボディ上側に付けたエアロがあったような気がします(調べるのはめんどくさいので興味のある人はシマノサイトでパーツリストを見てね)。そのコンセプトにのっとったものだろうかと思ったのですが、どうなんでしょうね。

 箱から出して最初に思ったのは、こりゃ薬指が痛くなるぞということでした。フットからレッグが垂直に立ち上がっている部分がとても短いからです。しかし、実際には、投げるとき薬指の第二関節はリールの左に回りこんでいるため、ほとんど気になりませんでした。

 重量バランスはよくわかりませんでした。振りバランスを考えると、ボディ後部に働くモーメントが小さくなって、相対的に頭が重いことになりそうですが、長いロッドに付けたのと気温2度で指の感覚がなくなってそもそもまともに投げられず、いまいちわかりませんでした。ただ、全体で見れば重心がロッドに近づいているため、トゥイッチングやシェイキングみたいな動作は普通のリールよりやりやすいような気のせいのような・・・。

 感心したのは、共回りハンドルです。たいていこのタイプは思いっきり締めても回転方向のガタ(ガタというか強くゆすると動く)が残るものですが、このリールは軽く締めただけでピタッと止まります。しかも釣っていて1回も緩みませんでした。たしか前撮影で借りた09アルテグラがこれだった記憶があります。いつからかが気になる人はメーカーサイトで調べてください。

 異形ボディが重量バランスのためというのは、皮、いや買いかぶりかもしれませんが、面白いからいいんじゃないでしょうか。

 2013年2月17日、九頭竜川へ行ってきました。この冬一番の冷え込みでガチガチの路面を3シーズン目で効きの悪くなったスタッドレスでツルツル滑りながらポイントにたどり着き、ガイドの凍る中1日投げて、結果はいつものごとくでありました。 (2013/2/18)

 前回、フィッシングショーのことを書こうと思ったのですが、私があまりにかっこいいのでおねえさんがただで入れてくれた話で終ってしまいました。

 シマノの13ステラは出ませんでした。去年ソルトウォーター誌にステラはモデルチェンジを見送ったと書いたのが当たってしまったように見えますが、あれは前も書いたとおり年度の足し算を間違えていただけです。

 ステラSWのほうは13型になって、パッキンを使った防水をうたっています。ダイワのマグシールドには乗らなかったみたいで、引き続き出るであろう14年(?)の小型モデルはどうなるかというところです。私はユーザー分解の余地を残したパッキン式のほうがいいと思いますが、ベアリングの数や使用箇所のように市場は目的と手段をごっちゃにしてしまうことがあるので、どうなりますやら。

 ダイワはセルテートが13モデルになりました。10モデルから変わるのはローター組が主のマイナーチェンジで、イグジストと同じカーボンローターとマグシールドラインローラーになります。モデルチェンジが早いですが、イグジストとルビアスの間で仕方ないでしょう。

 ウェブで出るのを知ったときローター組を2万円くらいで組み替えるサービスをやったら希望者がけっこういるんじゃないかと思いましたが、やはり人間考えることは同じのようで6月からやるそうです。価格は1万円台後半で、ついでにOHして2万くらいなら安いんじゃないでしょうか。

 シマノは13ナスキーも出していました。米国でシメトレ(シメトリ?)FLというのがすでに出ていますが、なんかヘンな形になります。異形ボディにいったいどんなものすごいメカが入っているのかと聞いてみたら、普通のS字カムでした。あらためて見たらSACのサイトに展開図も出ています。

 オシュレーションギアを上にオフセット配置したのは、普通にS字カムを配置したらパテントにでも引っかかるのかな(ダイワとアブそのほかがやっているのだからそれはないはずですがP3の四角いギアといい普通にS字カムを使うのをかたくなに避けているように見えます)。重量バランスはどうなるのかなど気になって、この前カベラスでシメトレ1000FLを買ってしまいました。やっぱりヘンなリールが好きな人です。

 2013年2月10日、根尾川のアマゴです。この日は5尾すなわち四捨五入したら二桁という天文学的釣果を上げてしまいました。なにやら今年になってからセルテートばかり写真に出てきていますが、じつは、この日は久しぶりに11TPC2000HGSを持ち出したのでした。ところが30分くらい釣ったところでキャスト後の巻き始めにラインがモジャモジャのかたまりになるトラブルに見舞われてしまいました。この日はセコく100ヤード巻きのラインを半分だけ巻いていたため、いきなり終了になってしまいました。こういうことを考えるとやっぱり最低75mくらいは巻いておいたほうがいいみたいです。 (2013/2/10)

 33や408であれ現在のリールであれ、新品のラインを巻いた釣り始め30分くらいの、キャスト後の巻き始めが一番やばいです。糸フケを巻くときのヨレがたまってくるのと、まだラインに張りがあるためでしょう。この辺の傾向からも、33や408と現在のリールとでそう決定的に糸ヨレの差があるとは思えんのです。感覚的にではありますが。

 現在のリールはベールなどにラインが絡むことがまずないので、どうもフェザリングなどのライントラブルを防ぐ操作がおろそかになってしまいます。じつは前回2日のセルテート2004もうっかりループを巻き込んだままキャストしてしまい、バサッとやらかして75m巻いていたラインを1/3くらいダメにしました(そういえばこれも新品ライン釣り始め30分くらいだった)。リールが良くなった分人間が退化していくのですな。

 そういえば2月1日は大阪フィッシングショーでした。フリーの人は入場料が必要だということを去年初めて知って、去年はちゃんと1000円払って入りました。ところが今回、報道受付で申込用紙に名前と住所を記入しておねえさんに渡すと、なぜかそのまま入場証をくれたので、またまたただで入場できてしまいました。ぼ、僕は悪くありません(こんなことを書いたら来年過去10年分の入場料を請求されるんやないか)。

 シマノのブースの前に行くと、なぜか靴の裏がヌルヌルしてきて転びそうになりました。床が何かで濡れています。なんじゃこりゃ、靴の裏を拭いてやろうとシマノのブースのカーペットでゴシゴシやった(おい)のですが、ますますヌルヌルしてきました。カーペットでこすっても取れないとはよほどしつこいオイルがリールから噴き出したのか(んなあほな)と思ったら、カーペット自体がびっしょり濡れていたのでした。

 あとで聞いたら、なんと隣のメガバス社のブースの巨大アクリル水槽の接合部が剥がれて、夜中のうちにあたり一面水浸しになっていたのだそうです。会場が開いているのに同社のブースはまだ工事中だったので、社長さんが土壇場で変更を指示した(釣りビジョンでそういう番組を見たことがある)のかと思っていたのですが、水槽を交換(?)していたのでした。不幸中の幸いで、魚は入っていなかったそうですが、その後直ったのでしょうか・・・。

 シマノブースはいっそう知らない若い人ばかりになってきました。知った顔は例外なくオッサン化していました。ということはまさか私もオッ・・・。

 以上、2013大阪フィッシングショーレポートでした。

 2013年2月2日、根尾川のアマゴです。解禁日(=成魚放流日)の1日は大阪フィッシングショーだったのでこの日が初釣行です。いつものごとくなんとかかんとか1尾。こんなもんですよね。2月なんて本来冬だもん。岐阜は県条例で他府県より若い18歳からJR岐阜駅裏とかにあるお風呂屋さんで働ける(ラジオでつボイノリオ先生がそうゆっとった)そうですが、無理な季節に渓流を解禁して釣り客を呼ぶのも同じことなのでせうか。何に例えとるんだ。 (2013/2/2)

 そんなこと言いながらしっかり行ってるんだから世話ないですよね。あ、いや、行ってるというのは釣りの話であって、私はそんなおねえさんが出てくるお風呂屋さんになど一回も行ったことがないので、自分で書いていても何のことやらさっぱりわかりません。

 ちょっと前、アングリングソルトの連載でリールのチューンナップパーツを特集したとき、パーツが欲しくなって買ってしまったと書きました。いかついハンドルの付いたリールが出てくるのではと期待した方には肩透かしかもしれませんが、そのパーツがこれ、ちょっと見では分かりませんがRCSハンドルの40mmです。

 セルテート2004は元々45mmハンドルなのですが、速巻きしたときなど違和感がありました。なんというか空のボディにハンドルだけ入れて回しているような感じです。これは、ローター軽量化と回転系の効率アップで相対的にハンドルが長すぎる状態になっているのだと考え、短いハンドルに替えてみたのでした。

 結果は大変良好で、非常に快適かつ巻きやすくなりました。適度な抵抗感がありつつ回し始めの重さなどパワー不足もありません。ファーストリトリーブもしやすくなりました。さらに、45mmのハンドルが2500番に付けてもいいように横への張り出しを大きくしてあるのに対し、40mmは2000番専用で張り出しが小さいため、リールを巻くときの一体感がアップしました。前使ったのはかなり以前ですが、左右のバランスが改善されるのですから、ロッドもまっすぐ振りやすくなっているはずです。スプールだけが小さい感じだった外観イメージも、全体にバランスが取れたものになりました。

 ダイワの2000番は1000番(1003)とローターが共通でスプールも互換性があります。つまり2004の首から上は1000番のスプール径をちょっと大きくしたものといえます。1000番のスプール径を大きくしたシマノC2000Sのノーマルギアモデルのハンドルが40mmなのですから、2004も40mmでぜんぜん大丈夫なのです。

 私が買ったのはRCSのほうだったので本体価格8500円でしたが、07ルビアス1003のハンドルなら4100円です(年収を考えるとRCSを買うような身分ではなかったような・・・)。なんだか回転が軽すぎて巻き感がしっくりこないという人は、替えてみるといいかもしれません。

 ところが、これは替えた価値があった・・・と思ったら、なんと13モデルが出て早くも旧型になってしまったではあーりませんか。

 さぶいわ雪は降るわで日曜日は家にこもってスイミングフックを巻いておりました。今まで使っていたチヌバリ5号に替えて買ってみたのはダム湖用のへらバリです。入り数が同じ価格のルアーフックの倍くらいなのが嬉しいところです。しかし、主な理由は老眼が進んでダイヤモンドヤスリでバーブを落とすのができなくなったからというのが、悲しいところであります。 (2013/1/28)

 このハリもチヌバリ5号もアイを8mm付けるとオーナーのシングルフックS-59の4番とほぼ同じサイズになります。

 バーブを落とす手間がないと出来上がりの早いこと早いこと。バーブを削り落とすのに巻くより時間がかかっていたのではないかと思います。ペンチでつぶすだけでは角が残ってベストの胸のフォームパッチやスプーンワレットのスポンジがどんどんボロボロになっていきますし、事実上バーブがあるのと変わらないので物騒です。

 バーブを落とす必要がなくなったのを機会に、効率良く巻くことを考えました。いままではバッキングラインを適当に切ってハリの軸に乗せて定規や見本で長さを調節しながら縛り、途中まで巻いたところで余った分をカットしていました。

 今回はバッキングラインをあらかじめ32mmにカットして使いました。半分に折って16mm、その半分のところにチモトがくるように巻けばアイは8mmになります。やってみると早く正確に巻けます。まあ、いままでが行き当たりばったりだっただけのような気もしますが。

 フィニッシュはウィップフィニッシャー・・・といいたいところですが、脳ミソのメモリーが足らないのか、どの入門書を見ても使い方が分かりません。それで今まではハーフヒッチャーの穴の大きいやつを使っていたのですが、スイミングフックのアイを押し込むのはなかなかやりにくいものです。最近は1号ナイロンの抜き輪でロッドのガイドスレッドと同じように最後を止めるようにしています。ハーフヒッチャーだと瞬間接着剤で仕上げる前に先が解けることがありますが、さすがにこの方法なら解けません。

 アイはダクロン30Lb、スレッドは3/0です。アイは強度的には20Lbでもいいと思うのですが、スプリットリングから抜けるといけないので太めです。スレッドは6/0のほうがきれいに上がりますが、3/0のほうが巻くのが速くて楽です。もうひとつの理由は6/0を使いきってしまったからで、最近は量販店がフライ用品を置かなくなってしまったので、とりあえず残っていた3/0で巻いています。

 やっぱり、フライは衰退しているのでしょうかね・・・。『忠さんのスプーン人生』の売れ行きはどうかとセブンネットの年代別ランキングを見ていたら、同じ時期に発売された『フライの雑誌』98号(だったっけ)の傾向が『スプーン人生』とまったく同じで驚きました。どちらも40代以上で釣り本部門のベスト5(11〜12月ごろ)くらいに入っていても、30代になるといきなり最下位になってしまうのです。『スプーン人生』は第一次ルアーブームの洗礼を受けたかどうかにかかわってくるのでわからないでもありません(それでもルアー初ヒットまでの道のりは若い人にも面白いと思うんだけどなあ)が、フライ大丈夫かと思ってしまいました。

 フライにしてもルアーにしても若い人の釣りだと思ってきましたが、とっくにそうではなくなっているのですね。そらそうですわな、自分も老眼鏡が要りそうなんだから。

 先週天竜川で試運転したバンタム10SGの回転がざらつくと思ったら、別の中古リールから移植したベアリングがイカレておりました。そんなわけで元の焼結ブッシュに戻しました。改めて見ると五角スプリングの端が内側に曲げてあってブッシュの回り止めになっているのですね。凝ってます。 (2013/1/19)

 10SGのスプール軸は窒化してありますが、やはりあれはスプール成型時の軸傷つき防止だった記憶のほうが正しい感じなので、アベイルスプールや100のスプールをブッシュで受けても大丈夫だろうと考えました。ぜんぜん違う分野ですが、鑑賞魚用の上部ろ過装置のポンプのモーターもこういう銅系焼結ブッシュが使ってありますが、軸はステンレスで窒化はしてありません。

 ニッソーの上部ろ過装置の取り説にはモーターは1年で寿命だから買い換えるようにと書いてあります。たしかに1年くらいするとキリキリキリと音がするようになって流量が半分くらいに減ってしまいます。でも、これぜんぜん寿命じゃないんですね。ローターの軸を受けている焼結ブッシュがオイル切れしただけなんです。分解してこの部分に注油してやったら完全に復活します。早く買い換えさせようという作戦なのか、買っても2000円か3000円くらいのものだからアフターで預かって分解注油しても割に合わないのかというところですが、もったいない話ですね。

 モーターの回るほうの鉄心をローター、そのまわりの止まっているほうをステーターといいます。ニッソーのモーターの鉄心はS社の次にいた大垣の会社でプレスしておりました。あれはたしか米子に送って組み立てられていたのではなかったかな。

 で、そんな風にキリキリキリと音がする状態で2、3ヶ月使ってしまったモーターのブッシュや軸が減ってガバガバになっているかといえばそんなこともないのですね。荷重のかかり方が違いますが、これを見てもバンタム10SGの銅系焼結ブッシュで生のステンレス軸を受けても耐久性は十分あるだろうと思われます。カーディナル33や44のドライブギア軸も同じ組み合わせですし。

 モーターといえば、去年の夏に部屋の扇風機がゆーっくりとしか回らなくなりました。電気回路の速度コントロールがおかしくなったのかと思っていたのですが、水槽用ろ過装置のポンプを思い出してバラしてみたら同じようにローター前後の焼結ブッシュがオイル切れを起こしていました。扇風機みたいにブンブン回るものはベアリングかと思っていたので意外でした。こういうものでもブッシュで事足りるのに、ベアリングを10個も12個も入れたリールというのはなにやら大げさな機械やなあと思います。

 ニッソーというのは観賞魚業界の老舗ですが、何年か前にいったんダメになって今はほかの会社の一部だったのではないかと思います。たしかそのダメになる前くらい、シーバスのルアーを出していた記憶があります。動物愛護と動物虐待をいっしょにやったら企業イメージ的にダメじゃないのと思ったものです。相反するものがいっしょになったら「ヤンキー先生」みたいだもん(ちょっと違うか)。

 2013年1月13日、はるばる天竜川までバンタム10SGの試運転に行ってきました。先月行ったとき放流日の数日前だったにもかかわらず中島のプールでニジマスの群が見えました。あんまり釣れないので放流するそばからカワウに食われているのではと思っていましたが、そうでもないみたいです。水のきれいな管理釣り場でたくさん魚がいてもルアーに知らんぷりしているのがよく見えるものですが、天竜川は水がいつも濁っていてそれが見えないだけなのかもしれません。だったら管釣りタックルを持っていってそれ用のルアーを投げれば釣れそうな気がしますが、それなら管理釣り場に行けばいいわけで・・・。 (2013/1/14)

 とは言うもののカワウの影響もたしかで、この日の朝も最初に入った鮎釣のプールは30羽くらいの群がわいわいやっていました。朝のいい時間がこれでは釣れるわけがありません。リョコウバト(だったっけ?)を絶滅させた昔の記録映画みたいにミサイルででっかい網を発射してコロニーごと駆除したったらあかんのでしょうか(おいおい)。

 バンタム10SGはアベイルのスプールが2個になってしまったのに本体が100の1台だけだったので中古屋さんで買ってきました。私の100は中古品で中がめちゃくちゃにされていたためこれまた中古の10SGマグキャストを部品取りにしてなんとかか使えるようにしたものです。そんなわけでギアなんかもゴロゴロなので程度のいい100をもう1台探したほうがよさそうなものですが、なんだか同じリールが2台あると興ざめな感じがしてしまうのですね。

 10SGは100の安物になります。違うのはボディカラーが銀から黒になること、ハンドルがウッドから樹脂になること、ボールベアリングが銅系焼結ブッシュになること、スプールがアルミ削り出しからアルミダイキャストになること、レベルワインダーが真鍮ダイキャストからガラス繊維強化樹脂になること、スプールベアリング受けがアルミ削り出しからアルミダイキャストになることなどです。

 10SGを持ってみると、100より軽いのに気がつきます。自重(ただしアベイルスプールを入れた後)を測ってみると、100が212グラム、10SGが203グラムとなりました。レベルワインダーの材質変更が大きいです。スプールベアリング受けもダイキャスト化ですこし形状が変わっているのでこれも影響があるのかもしれません。このように安物のほうがシンプルで軽快なものになることがよくあります。

 アベイルスプールを入れると同時にブッシュはベアリングに替えました。10SGのスプール軸は耐磨耗性を増す窒化がしてあって、軸を窒化していないバンタム100やアベイルスプールをブッシュ受けすると軸が磨耗するかもしれないと思ったからです。昔安物でブッシュ受けだった(と思う)最初のバスワンベイトリールのスプール軸も窒化してあった記憶があるので、そういうことかではないかと・・・あ、いや、窒化はスプールのダイキャスト(10SGなど)や樹脂成型(バスワンなど)のときの金型による軸の傷つき防止のためだったような記憶もいま浮かんできました。どっちだったっけなあ・・・。

 このころのバンタムをバラすと、ギアのグリスが黒くカサカサになっていることがあります。磨耗粉でグリスが黒くなっているように見えますが、これは当時のモリブデングリス(BGグリス)です。下手にグリスを塗り替えてあるものは子供(当時)がいじくった可能性が高いので、グリスが黒いままのもののほうが安心です。関連して、ドラグワッシャーは乾式なのでグリスをつけてはいけません。ついでに、100のスプール軸の二面は対角方向の角が取ってあります。これはピニオンギアにスムーズに入り込むように施された加工であって、磨耗ではありません。

 10SGの黒ボディも目が慣れてくると、けっこうかっこいいものです。ダイワ・ファントムの高級品が黒で安物が銀の逆をやっているわけです。同じように当時シマノは安物スピニングにML-SSとかカーボマチックSSというようにダイワの高級品の「SS」をわざわざ付けておりました。お互いに相手の高級品のイメージを落としてやろうという作戦なわけです。

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