2013年6月13日、庄川のヤマメです。前回のイワナの前、高速を下りてすぐの白川郷のあたりで釣れました。前の前の日にはるばる魚野川で釣ったのとそう変わらんサイズというのが悲しいというかなんというか。ただ、引きは魚野川のヤマメのほうが強かったです。下流域でエサが豊富なせいかブリブリに太っていてよく引きました。ヒットルアーは前載せたイワナと同じバイト3.3g。最近ミノーの使用が増えていたのですが、それでもふと使うと釣れます。不思議。 (2013/6/29)

 前日までストラディックCI4を使っていたこともあって、まことに遺憾ながら11ツインパワーC2000HGSの巻き感度のにぶさを再確認してしまいました。08のC2000Sも巻き感度はよろしくなかったのですが、HGはギア比が高い分ましかなと思っていました。でも、ストラディックと比べるとルアーの状態がほとんどわかりません。

 ベール取り付けカム(ベールアーム反対側のバランスパーツをシマノではこう呼ぶのだ)をデザインのために内側に付けたため、遠心力F=mrω2の回転半径rが小さくなり、その分質量mを増さなければならなくなってベール取り付けカムおよびローター組の重量が増加しています。このとき慣性はどうなるかというと・・・F=mrω2よりも難しい公式を覚えていないので不明です(mが大きくてもrが小さくなって相殺しそうだがそうではないような気がする)。まあ、現在アルテグラまでマグナムライトローターになっているので、このリールのローターをどうこういってもしゃあないですかな。

 じゃあマグナムライトローターつきのモデルでも使ってみるか・・・といっても、07以前の旧型ベースでローターが小さいストラディックの回転レスポンスも捨てたもんじゃありませんし、特に渓流向きのC2000HGSとなるとオシュレーションが速すぎて軽量ローターが100%生きていないわけで・・・。

 ふと、マグナムライトローターは08モデルの樹脂ローターが重いというクレームが来て作ることにでもなったのかなと思いました。98のオシュレーションが速すぎて、反動で00に始まるスーパースローへいってしまったときみたい・・・いや単にエアローターの後追いか。そもそもローター軽量化による回転レスポンス向上コンセプトは97年のABSのマジ軽ローターからあったわけで、遅すぎだよね。

 私は昔々のBMやバンタム、エアロキャストのイメージでシマノのほうが新しいものを積極的に出すように思っていましたが、ここ10年20年は完全に違っちゃってますね。まあ別にいいけど。

 2013年6月13日、庄川のイワナです。12日の日暮れまで魚野川で釣ってボウズをくらったあと帰路につきましたが、途中で力尽きて富山の辺のPAで寝ました。翌日高速代節約がてら白川郷ICで下りて荘川ICまで数箇所釣っていきました。イワナ2尾、ヤマメ1尾、ニジマス1尾とまずまず。ムダにガソリンを燃やさず、地元でおとなしくしとれということか? (2013/6/21)

 白川郷から荘川までは、高山のほうへぐるーんと回り込んでいて、下道走ったほうが早いし安いのです。

 リールは久しぶりに引っ張り出した11ツインパワーC2000HGS。ハイカコルクグリップで重たいHMGの持ち重りをバランスボディが補うかと思ったのですが、トータル重量が増したため、バランス以前にクソ重たいだけでした。

 つくづくこのハイカコルクグリップ重いです。ふつう試作した時点で「おいこれ重ねえけえ」「重えなあ」「あかんなあ」「あかんあかん」「普通のコルクにしよっけー」となるでしょう。6フィートでこれですから、グリップが長くなる7フィートや7.5フィートなんか激重のはずです。さっぱりわからない・・・。

 前も書いたように“小指バサミ”に合わせたかのようにフロントコルク部が長いのも持ち重りの原因です。あまりに持ち重りがするので一度“小指バサミ”もやってみましたが、一発で小指が痛くなりました。手首の回転とリールのレッグがずれるし、小指と薬指でしっかり握り中指は遊ばせるというほかのスポーツ(野球のバットや剣道の竹刀など)にも通じる握りに反しています。それに、人差し指がスプールのはるか前になってしまい、ラインピックアップやフェザリングもマトモにできません。

 ツインパワーはバランスを良くするためにレッグを前に出していて、おかげでストラディック以上にフェザリング性が向上しています。スプール位置はカーディナル33とほぼ同じです。現在市場にあるリールの中でベストです。“小指バサミ”などしたら、そのツインパワーが台無しです。

 しかし、そもそも“小指バサミ”を増殖させたのは当のシマノなんですね。80年代に(ちゃんとしたスプール位置の)アブやミッチェルを市場から追いやった大手日本メーカーのスプール位置は総じて遠かったのですが、特に遠かったのがシマノでした。95年型でスプール位置を見直すまでのシマノリールは、正しく握ると人さし指をいっぱいに伸ばしてやっとエッジに触れるかどうかでした。

 せっかくちゃんとしたものを作っているのに、それが生かせない間違った握り方や変なグリップのロッドが存在しているのが過去のシマノ製品のせいだというのは、なんとも皮肉なことであります。

 2013年6月11日、魚野川のヤマメです。11日に朝から走って夕方釣り、本番は12日の予定。釣り始めは午後3時でしたが、ちゃんと2100万円の日釣り券2枚買っとります。管釣りの半日券みたいに、午後購入したときは半額とかにしてくれるといいのにね。釣果の方は、11日夕方に幸先よくこの魚が出たというのに、12日はニジマスのバラシ2回のみという悲惨な結果に終わりました。いくらの魚なんだ! (2013/6/14)

 11日は夕方軽くということで、HMGの60ULを使いました。ただしラインだけは1.5号(正直表示6ポンド)を巻いています。

 現行HMGのダルな感じはガイドの重さもあると思うのですが、ブランクの特性も少し独特みたいに感じます。日本向け高級品に、アラミド繊維の不織シートを横方向の補強に使った(だったよね)「アラミドベイル」構造のテクナAVというのがあって、たしか高弾性カーボンにネバリを与えた調子が特徴ではなかったかと思います。

 いまのHMGはアラミドベイル構造のアラミドをカーボンに置き換えた「カーボンベイル」構造を採用しているとされています。使った感じはある程度張りがありつつも力が加わるとヌヌヌヌッと曲がり込んでいくいわゆる「ネバリ」がある感じ。魚がかかったときも大きく曲がって楽しいです。カーボンベイルだからと思って使うからかもしれませんが・・・。

 リールはストラディックCI4 1000F。US向け深溝なので1.5号ラインも楽に巻けますし、ドラグも強力です。昔は渓流でも1.5号くらい使いましたからけっこういけます。

 ただ、帰ってきてスプールをチェックしたら、エッジに小さい傷が一か所できていました。撮影するときは写真のようにスプールを持ち上げるようにしていますが、何かの拍子に石に当たったのかもしれません。なにぶんAR-Cスプールはとがったスプールエッジが飛び出しているので気を遣います。最近はけっこう中級品でもアルミ一体なのでなおさらです。2色アルマイトや要らん所にBBを入れまくるコストで傷つかないスプールリングを付けてくれた方がよっぽどいいのになあと思います。

 もっとも、岩でガリッとやったらチタンコートSUSでも地金から傷つきますから万全とはいえません。昔のトーナメントEXはジルコニアセラミックにチタンコートをしていましたが、コスト的に合わないのかいまはほとんどないみたい。これまた昔のスーパーエアロキススペシャルはSiCのスプールリングを付けていました。岩に軽く当たる程度ならこれがいちばんよさそうですが、いざ市場に出したら落として割る人が多いかなあ。

 ストラディックのスプールは赤いので、傷が付くとよく見えます。補修をペーパーなどでやったら色がもろに剥げるのでスプーンの背中で強く押してバリをつぶす感じで直しています。

 リングが張り出しているAR-Cスプールとか後ろより前のほうが大口径のABSスプールでこそ傷つかないスプールリングはありがたいと思うのですが、昔よりもアルミ一体モノが増えています。バスの人なんかで複数のタックルを束ねて持っていく人がいますが、そういうときにも安心じゃないかなあ。傷つかないスプールリングへの要求はないのでしょうか。

 2013年6月9日、揖斐川水系のアマゴです。ぜんぜん雨が降らず大減水だったのでダメもとで行ったのですが、アマゴ6尾という天文学的釣果(当社比)を上げてしまいました。魚が小さく見えるのは先週石徹白川で使ったネットをそのまま持っていってしまったから、にしても小さいな。まさか釣れると思っていなかった1尾目だったので小さくても撮っちまいました。マトモなサイズも釣れたのですが、写真の雰囲気がよかったのでこれを。 (2013/6/9)

 ロッドはフェンウィック現行HMGの60ULです。かつてHMGといえばとても庶民には手の届かない値札を付けて売られていた超高級品でした。オジサンはこういうのに弱いのですな。

 私の持っているフェンウィックロッドの範囲では、90年代のレガシー(ランカーギア)やクラシックグラスFS、00年代前半のHMXまでは1番がへの字曲がりする傾向がありましたが、00年代後半のイーグルGTはこの点が改善されていました。はたして最新HMGは、同じ60の00年代前半HMXと比べてもちゃんとしたカーブに直されていました。米国PFが要求を厳しくしたのか中国メーカーが進歩したのかは不明ですが、なにはともあれちゃんとしたものになっています。

 全体に弧を描くロッドなので、国内向けトラウトロッド(といってもそんなに使ったことがあるわけではない)に比べるとミノーのトゥイッチは苦手なような気もしますが、やはり全体にグンと乗ってくる感じは魚を掛けたときに気持ちがいいです。

 ガイドは国内未発売の富士アルコナイトです。ちょっと見SiCのような黒光りするリングで、こら日本国内では売りにくいだろうなあと思えるものです。しかし、SiC並みにツルツルで安いなら実用的でお得なガイドかというと、そうでもないのかも。このロッド、ちょっとダルな感じです。アルコナイトリングの比重がSiCより大きいためかもしれません。

 リールシートは富士VSSですが、コルク部分はよくロッドエンドに使ってあるハイカコルク(でしょ)です。ちょっと重いです。

 ガイドとグリップのせいでロッド自体ちょっと持ち重りします。持ち重りをさらに増していると思われるのがグリップ設計で、フロント部が長くて一般的なロッドよりリールシートが後ろ寄りにある感じです。

 まさか“小指バサミ”(ちなみにこれも原さん命名)に合わせて設計しやがったのか、そういえば代表氏が小指バサミをすすめる某国内メーカーのトラウトロッドもフロント側コルクが異様に長かったな・・・と思ったのですが、フェンウィックサイトの写真を見ると現行HMXやイーグルGTはフロント短めなのでパーツの共通化とかなんとなくデザインでそうなったくらいではないかと思います。

 カベラスで送料込み約140ドルですから、同じお金を払うならお店に行って国内メーカーのロッドを買ったほうがガイドもSiCだしいい、というのが常識的な判断でしょう。でもオジサンはこれでいいのです。世界初のカーボンロッドの名を受け継いだロッドが21世紀に新品で買えるだけでもうれしいのです。

 2013年6月2日、石徹白川のイワナです。こないだ中国製の最終版308を引っ張り出したものの、あらためて408を回してみたらやっぱこりゃホンモノだわという感触でした。ローターバランスはこちらのほうが悪いくらいですが、それを差し引いても最終版赤線308の感触はオモチャっぽいです。もっとも、そういうリールはそういうリールでこれでも魚は釣れちゃうんだもんねどんなもんだい感があっていいものなのではありますが。 (2013/6/3)

 これは、石徹白フィッシャーズホリデーという石徹白川支流峠川にキャッチ&リリース区間を設けたことを記念するイベントを見に行ったついででした。

 このイベントは10年くらいやってますが、2011年に東日本大震災が起きたため「自粛」で中止してしまいました。どんちゃん騒ぎするようなイベントでもないのになんでやめるんだと思っておりました。

 でもって昨年は再開されたのですが、1年飛んだせいか案内のハガキが来ずに、もうぼちぼちかなと思って漁協のサイトを覗いたらすでに終っておりました。

 で、今年は先週何気なく石徹白漁協のサイトを見たらなんと明日じゃねえかってことになっておりました。先週の朝から晩まで投げて川はちびヤマメだけ湖はからきしかつトロ屋が目の前をフルスロットルでかっ飛ばしていくという徒労感120%の庄川釣行で疲れていたこともあってどーしよっかなあと思いましたが、日曜日に朝飯食ってからぶらっと行ってきました。

 1000円高速も終ったしガラガラじゃないかしらんと思っていましたが、シャーロットタウンの駐車場いっぱいくらいは車が停まっていました。このイベントのメインはフライマンです。朽木渓流魚センターがルアーオンリーになったのに象徴されるようにフライマンが減っている感じがしていましたが、それなりにいるんだなあと思いました。ただ、テンカラの人がやたらと多かったので、純フライマンはもしかすると減ってるのかも。まあ、テンカラであれフライであれ盛況でなにより。

 フライの人がメインの峠川でルアーは肩身が狭いのでゆっくり行って到着した昼間にちょっと投げてみたもののさすがに人が入りまくってたあとで小さいイワナが釣れただけでした。その後石徹白川本流に行って写真の魚です。

 ロッドは前回釣り味がいいと書いたSiC改造のイーグルGT。朝から(昼から)釣れてなくてやっとかかった魚で、バラしてなるかと必死だったため、釣り味もクソもありませんでした。

 GTって付くのは商標権かもしれません。四半世紀前にアメリカからのレポートでイーグルクローともめているとかいないとかっていうのを見たような記憶があります(でもなにぶん昔でものすごくおぼろげ)。90年代のティムコカタログでも「フェンウィック・イーグル」じゃなくて「フェンウィックイーグル」と一個の単語みたいに書いてあったし、当時買ったフライロッドEF867-2はイーグルのロゴがフェンウィックのシールで隠してありました。なんかトラブルがあったのかもしれんね。

 2013年5月25日、庄川の2013年初ヤマメです。もう2cmくらい大きいのも釣れましたが撮影直前に逃げました。久々に“赤線ミッチェル”(原氏命名)を持ち出しました。フランス製終期のダイヤカットのフェースギアはことごとくゴリゴリになってしまい最近はスパイラルベベルの408専門でしたが、最終版中国製308はZDCのフェースギアと0.3mm(!)ものクリアランスを設けた軸受け部が功を奏してかそれなりに静か。ダイヤカットは1回釣りに使ったらゴロが出だすのにこの308は20釣行くらい使ってるわけで、308ボディに入るフェースギアはこれが結論なのかいな。でもやっぱり軸受けクリアランス0.3mmってバカ穴だよなあ。 (2013/5/27)

 何でこのリールを持ち出したかというと、フェンウィック・イーグルGTのグリーンに408のネイビーブルーが似合わんからです。

 フェンウィックといえば、去年ヤフオクでUSモノのFS64を入手したもののガイドが糸溝だらけでほってあります。最近、以前FS65Jからはがしたハードガイドが一式残っていたので巻き替えようかという衝動がムクムクと起きてきたのですが、冷静に考えたときグラスの66は重くて使わんやろという結論に達し、すんでのところで思いとどまりました。

 ティムコカタログによると「往年のFS64を髣髴とさせる」という90年代の台湾製ランカーギア(レガシー)65SL-2も持ってますが、FS64と比べても1番がへの字曲がりでヘンです。やっぱミッチェルと同じで海外移管した頃の欧米メーカーの製品はダメなんでしょう。

 で、写真のイーグル66は00年代の中国製なのですが、ランカーギアよりちゃんとしたブランクになっていて、日本の竿ほどではないもののスムーズなカーブを描きます。スローテーパーで軟らかめのライトアクションはFS64と同じです。ガイドも苦労の末オールSiCニューコンセプトに換装したのだし使わなもったいないぞということで、FS64の代わりにまたまた持ち出したというわけなのですな。

 あらためてイーグル66を使ってみると、魚が当たったときのグンッという感触や、ファイト中のグングンッという手ごたえがよく伝わってくるように感じました。なぜだろうと考えて、(相対的に)穂先が硬いスローテーパーブランクのせいではないかと思い至りました。

 ファーストテーパーで荷重に応じてカーブのピークが先から元に移動するほうが、キャストのタイミングが取りやすくトゥイッチしたときミノーもよく動いて、ロッドとしては優れていると思います。シマノカタログのAR-Cロッドのところに書いてあるようなことです。マルキューノリーズにもそういう説明をしているモデルがあります。テーパーアンドシェイプもそういう理論で、3本持っていてどれもミスキャストしにくいロッドです。フェンウィックでも日本の要求で作ったらしいワールドクラスの83MLはそういうロッドです。

 そういう理論の最初がどこなのかは知らないのですが、90年代のジャクソン・セディというフライロッドが広告で荷重に応じて曲がりのピークを移動させるファーストテーパー理論をうたっていました(そういえば83の2/3番を持っとるぞ)。直近の『フライの雑誌』によるとセディはダイコーがセージのアクションを再現すべく作ったのだそうで、そうなると曲がりのピーク移動理論はセージがルーツなのかしらんと思ったりします。

 その正反対のスローテーパーであるイーグルはうっかりするとルアーがヘンな方向に飛びます。リリースポイントが狭いからです。でも、この日思ったのはそれを差し引いても魚の感触がグングンと伝わるほうがいいなあということです。

 グングンがよく伝わる理由は、ロッドの慣性ではないかと思います。同じ荷重で同じだけ穂先が引きこまれるロッドは「同じ硬さ」だといえます。しかし、魚の引きのように動的に引きこまれる瞬間を考えると、スローテーパーのロッドはロッド全体が引きこまれるため、ロッド自体の慣性が大きく働きます。これが瞬間的な抵抗になって、「グンッ」になるのではないかと思います。ファーストテーパーはしなやかな先端部がスムーズに追従するため「グンッ」を吸収してしまうのではないかと考えられます。

 フェンウィックのロッドではワールドクラスの76MLも穂先の硬いスローテーパーロッドで、去年釣った揖斐川の40cm近いサツキマスや犀川の同じくらいのニジマスも、寄せてくるまでずっとグングンという魚の動きを伝えて至福の時間を味わったものです。私のイーグル66はニューガイドコンセプト改造、ワールドクラス76MLは最初からニューガイド仕様です。これも引き味をよく伝える理由でしょう。

 この日は朝から某ダム放水口へ入ったものの小さいイワナをバラしたのみ、昼にダメ元で川に入ったらヤマメが数匹遊んでくれました。夕方はこれまたダメ元で御母衣湖に入ったのですが、ウグイとニゴイのみでした。しかし、40cmくらいのニゴイがかかったときは満月になったロッドを通じてグングンという感触が味わえ、まさしく至福の時間でありました。正体が判明するまでではありましたが。

 2013年5月13日、揖斐川水系のアマゴです。ヴォルキー&レボはイワナの横で違和感ムンムンでしたが、バンタムならよろしいですな。やはり世界一美しいベイトリールです。岐阜は2月解禁で長く釣りができるのはいいのですが、ちょっとまずいのはベストシーズンの5月くらいにダレてくることでしょうか。川でのベイトタックルなんてある意味ヘンタイプレイなわけで、普通の釣り方に飽きてきた証拠なのかもしれません。 (2013/5/20)

 左ハンドルのレボLTはスピニング以上にトゥイッチングがしやすいくらいでしたが、このタックルでのトゥイッチはしんどいです。左手でロッドを持っているのと巻き取りが遅いためです。バンタムはギア比が4.7対1しかないし、スプール径もスピニングの40mm超に対し35mmですからハンドル1回転の巻き上げ長さは50cmくらいしかありません。右手が忙しいため、左手がお留守になってしまいます。

 そんなわけで、ほとんどリーリング中心でときどき不器用なトゥイッチを入れるような釣り方になってしまいました。しかし、意外にこれで魚が出ました。

 そういえば、何年か前バスデイの川島さんの釣行取材をしたとき「みんなずーっとトゥイッチするけど、トゥイッチはここぞというときに入れるんだよ」っておっしゃっていたものです。もう少しルアーそのものの泳ぎを信用した方がいいのかもしれません。

 でまあ、一生懸命巻くわけですが、バンタムのウッドハンドルはよく指から逃げます。指へのフィット感をおろそかにしたハンドルなど私がよくボロカスに言っていた悪しき時代の日本製品そのものなのですが、バンタムのノブがひょうたん型だったらヤだな・・・。

 このタックルは魚が釣れたときの釣った感が大きい感じがします。昔のリールゆえハンドルがあまり横に張り出してなくて、タックルの一体感が強いからでしょう。もうひとつはいつも使っていない左手でロッドを持っているゆえの新鮮さでしょう。そういえば、昔S社のベイトリール開発にS口氏という人がいて、「右手、左手、逆手」と言っていたのを思い出しました。使う手とか手の向きを変えると何かが新鮮でいいという話だったらしいのですが、何のことかいまだにわからないままであります。

 2013年5月10日、揖斐川水系のイワナです。こないだクロダイを釣ったベイトフィネスタックルを渓流で使ってみました。トラウトタックルだのバスタックルだのというのはメーカーがたくさんロッドやリールを売るために言っているだけだ(おい)というのが持論ではありますが、こうして並べてみると違和感ありありですな…。 (2013/5/13)

 レボLTは、クロダイ釣りで初めて使ったときいまいちスプールの加速感が悪くて思ったほど軽いものが投げられず、ブレーキも効きが弱く感じましたが、あれはやはりラインの太さと重さだったようです。前回のフロロ10Lb(2.5号)50mをナイロン4lb(1号)30mにしたら写真のシュガーミノー50Sも快適に投げられました。

 とはいうものの、キャスティング時の加速感はマグネットらしいややねっとりとしたものでした。スプールが軽いのでぜんぜん不快ではないのですが、不思議に感じたのは、アベイルパーツでマグネットブレーキ化したアンバサダー2500Cに比べると、加速感がよりマグネットぽかったことです。

 なぜだろうと考えていて、2500Cの連動式レベルワインダーが理由ではないかと思い至りました。

 連動式レベルワインダーはキャスト時に抵抗になります。抵抗がなぜ起きるかと考えると、ひとつは慣性による加速への影響で、これはスプールとつながっているパーツの慣性が加わって、トータルの慣性を増しているはずです。

 それだけなら重いスプールと同じことですが、レベルワインダーの場合は両端でターンするときに抵抗が大きく発生するはずです。ターン時にレベルワインダー(ラインガイド部)の運動エネルギーを打ち消してしまうのですから、抵抗(運動エネルギーの損失と考えればいいのかな)はレベルワインダーの速度が速いほど大きいと考えられます。

 運動エネルギーはE=mv2だったような気がするがいまウィキペディアを見たら別の式が載っていてようわからんのだが、とにかく運動エネルギーは速度の二乗に比例するらしいわけです(ええかげんな説明やな)。2500Cのレベルワインダーはスプールにつながっているのですから、レベルワインダーの運動エネルギーはスプール回転速度の二乗に比例すると考えられます。

 ということは、レベルワインダーがターンするときに生じる抵抗もスプール回転速度の二乗に比例するのではあるまいかと考えられるわけです(自信ないけど)。これは、遠心ブレーキの特性と同じです。

 さらに、連動式レベルワインダーはラインガイドとスプールの間でラインが折れ曲がってバックラッシュすることがないため、ブレーキは弱めでもいいはずです(この辺はダイワT3の理論に近い)。

 すなわち、連動式ゆえ弱めで済むブレーキ力のうち、遠心的に働くレベルワインダーの抵抗による分があるため、マグブレーキ化した2500Cのマグネットブレーキ分はかなり小さくて済んでいて、これがマグネットらしからぬ抜けの良いキャストフィーリングにつながっているのではないかと考えられるのです。

 (しょせん私の説なので、高校生諸君は物理の教科書を確認するように)

 (レベルワインダーのブレーキ効果を単位時間あたりで考えると、往復回数自体が速度に比例して増えるのだから、スプール回転速度の3乗で効くのかな?)

 2013年4月20日、揖斐川水系のイワナです。日にちが遡ってますが、ここんとこ寒気は入るわ雨降らなくて減水だわGWで人多いわ霞埠頭でカゼひくわで魚釣ってないからです。この日は「こういう日に限って釣れてしまうんだろうなあ」と思っていたら釣れました。というのは、1年ぶりに408をオーバーホールしたからです。せっかくグリスを新品にしたのに撮影で水が入ってしまいました。こんな撮り方しなきゃいいのですが。 (2013/5/7)

 毎度こういう写真を載せていては説得力ゼロですが、砂や泥の混じった水が入るような行為はリールにとって最悪なので、マネしないように。

 今回初めてシマノ・パーマルブ(DG10)というグリスを使ってみました。パーマルーブではなくパーマルブとは変な名前だなあとグーグル検索してみたら潤滑油メーカーの商品名でした。もうオリジナルでグリスを作るのをやめて既製品を採用したのかと思ったら、メーカーはコスモ石油系のところでした(ごめん、コレ間違えてるわ。あらためて見たら「特約店契約」になってた)。昔はコスモ石油の潤滑油課にグリスを作ってもらっていたので、そこからバトンタッチしたのかも。既成のものを選んだのか昔みたいにリール用にアレンジしたものかは不明。前者ならちょっと寂しいような気も。

 大昔はLRAの0番という鉱物油グリスを使っておりました。ところが冬になると北海道から「リールが回らん」というクレームが来るので20余年前私が作った(・・・というとえらいことのように聞こえるが単に低温試験室で回転を見たり回転磨耗試験機で磨耗防止性を見たりといったテストをしただけ)のがLT-FGの00番という合成油グリスでした。

 グリスを別売りするようになったころのはSHIPグリス(DG06)といっていました。名前から見てもSHIPをいいだした1995年頃からのものでしょう。たしかに、95モデルから98モデルに変わる頃からリールに入っているグリスがLT-FGのオキアミ汁みたいな色からカスタードクリームみたいな色のものに変わりました。ただ、LT-FGからSHIPになるまでにも何回も変わったはずだと聞いたのでそれ以前のがすでにLT-FGでなくなっていた可能性もあります。LT-FGはオイルの分離がひどかったので00番を0番にするくらいはしていたのかもしれません(あのころ世界中の釣具店のショーケースを油でギトギトにした犯人は私ということだ)。

 たしか釣り具ショーでそのへんの話を聞いたとき、「もうすぐまたグリスを変える。今度はさらに海水に強くする」といっていたので、それがパーマルブかもしれません。同じとき、釣具店の店頭にあるスプレー式のものも基本的にはリール組み立て時と同じもので、順次切り替わるはずと聞きました。ただ、シマノHPにあるサービスパーツ扱いのグリス以外のものもあるかもしれません。グリスやオイルはそうバンバン売れると思えないので、たとえば別売り用SHIPグリスの在庫がなくなったときたまたま切り換えたのがパーマルブだったということもあるかも・・・。

 で、そのパーマルブ、408に入れた感じはスプレー式のシマノグリス(色を見るとSHIPグリスみたいだが溶剤分を完全に飛ばしてもリールに入っているのより柔らかいと思う)よりも少し回転が重くなりますが、かえってしっとりするかもという感じです。パーマルブ入り408を冬に使ったことはありませんが、このグリスが入っている近年のシマノリールの使用感から、常温時硬めに感じても寒冷時に回転が重くなることはありません。LT-FGはオイルが分離するくらいユルユルにして寒冷時の重さを防いでいましたが、いまのグリスはこのへん進んでいるのだなあと思います。


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