結局南極HMGのガイドをチタンフレームKガイドに巻き替えてしまいました。100ドルしなかったロッドに総額8000円超のガイドを巻くのが粋です。しかし、久しぶりにやったら老眼が進んでいてちっともうまくできませんでした。途中何度もロッドを投げそうになりました。ここんとこ夏バテ気味で釣りに行く代わりにガイドを巻き変えていたのですが、よけいにへたばってしまいました。 (2013/8/26)

 いままで端糸は、引き抜きループでギリギリまで引きこんでからカッターの刃をそっと乗せてカットし、斜め下へ引きこんでいました。一見するとブランクに刃を乗せる危険な方法に見えますが、これは『フライの雑誌』でマッキーズの宮坂氏が書いていた方法です。この方法は端糸が顔を出しにくく、きれいに仕上がります。縁取りスレッドもこの方法で切ると端糸が見えずきれいです。

 ところが、老眼のおかげでそもそもブランク(ダークブラウン)とスレッド(ブラック)の境目が見えません。最初のガイドを5回失敗して、これではそのうちブランクをカットしてしまうと、富士のカタログにも載っているいったん引っ張り出してからカットする方法に変更しました。

 しかしその方式も老眼のおかげでギリギリではカットできず、結局1回目のコーティングのあとで出っ張りをカッターで落としました。情けねえなあ。

 Kガイドはセットものですが、トップガイドはT‐MNST5.5にしました。前回書いたように、石を叩いたときのダメージがブランクに残っているといけないので、取り越し苦労かもしれませんが、FSTより全長の長いMNトップで不安のある部分を覆ってしまおうという魂胆です。ちょっと大げさ臭いですが、アンリパのロッドもMNトップやし・・・。

 サイズ5.5は大きいかなと思ったのですが、1.8mm径のものは5.5より5のほうが全長が長くなることもあって5.5にしました。後から気づいたのですが、5は薄型のJリング、5.5は厚型のLHリングだったのでリングサイズ以上に重くなったかも。でも、幅が広い分ラインには優しいか。いやラインが曲がるのはリングの端だからあんまり関係ないのかな。

 それでも、ガイド一式の重さはステンフレームアルコナイトの8gから5.5gになりました。まだ使っていませんが、軽く振った感じは胴のあたりがしっかりした感じ。

 巻き替えたのはトップガイドうんぬんだけではなくて今後PEの使用が増えそうだからです(アルコナイトがダメってことはないと思いますけどね)。本格PEデビュー(予定)が遅かったので気がついたらPE用ガイドのロッドがありません。重いルアーを投げたときほどガイドに絡んだとき恐ろしいことが起きそうなのでワールドクラス83MLもKガイド化、どうせならK・R化しようかと思っていたのですが、もし富士カタログどおりの数を付けたらガイド数が10個もあります。いまの老眼ではとても耐えられません。困ったなあ。

 2013年7月15日、揖斐川水系のアマゴです。確かこのころは明けたはずの梅雨が戻ってきてゲリラ的に雨が降っていたときじゃなかったかしら。根尾川の西谷川濁流、東谷川増水なれどクリア、坂内川は透明度ゼロセンチのど濁流、白川笹濁りと、かなりスポット的に降った模様でした。グリップが重いのなんのといいつつ使っているHMGはなぜかボウズ知らず。この日もめちゃくちゃな状況ながらなんとか1尾。妙にゲンのいい竿です。買ったのが6月で季節がよかっただけかな。 (2013/8/19)

 そのHMG GS60UL-M-2、アルコナイトガイドのせいかカーボンベイルブランクの特性かメタリック塗装の重みのためか、すこしドロンとした調子です。

 それもあってこの日、キャストのとき手前にあった石をトップガイドで叩いてしまいました。うわっと思ってガイドを見たら、運よくフレームの外周だけが当たったようでフレームにわずかに傷が付いていたもののリングは無事でした。

 よかったよかったと思ったのですが、釣り終わって再びトップを見ると、トップガイドのパイプの際のエポキシ樹脂に亀裂が走っていました。なんと!

 ただ、こういうことはままあるみたいです。昨年ヤフオクで買ったスーパーパルサーFWS-55L/Cのトップガイドのところのスレッドがほつれて飛び出していました。ウエダともあろうものがコーティングのミスか、と思っていたのですが、拡大鏡で見てみたらパイプの際のエポキシにグルッと亀裂が走っていました。トップガイドのフレームもかなり打痕がありました。どうも前オーナーがトップガイドで石か何かを叩いたときにエポキシが割れて中のスレッドが跳び出したようです。

 亀裂が入ったということは、瞬間的にエポキシが割れるほどの変形が生じたということになります。ロッドブランクってけっこう強いんだなと思います。

 トップガイドで石を叩いたことはこの日以外にも数回ありますが(おいおい)、穂先が折れたことはあまりありません。ただ1回だけ折れたのはフェンウィックレガシー65ですが、あれは2回ほどトップガイドを交換したロッドでした。もろく、しかもパイプの際でスパッと切ったように折れたのでライターであぶってトップガイドを外したときにブランクが劣化していたのではないかと思います。

 写真のHMG、折れなかったとはいえ内部のブランクにダメージがあるかもと思うと不安です。スレッドをコーティングしているエポキシに亀裂が入るのはトップ以外のガイドでは普通にありますし、破損につながることはありません。でも今回はトップガイドしかも明らかに石を叩いたケースなので同列には考えられません。さてどうするか・・・。

 2013年8月4日、また敦賀でコチです。しかもミニ。4月霞埠頭に行ったとき、いきなりチヌが釣れたのに、その後パッとしません。こっちのほうでもスミイチ的傾向です。 (2013/8/9)

 リールは初登場レイレックス2000SH。このシリーズは昨年2500MSHを買って忠類川とか九頭竜川とかで使いました。で、回転慣性が小さく感じられるローターとかやりすぎドラグとか高すぎないハイギアとかブッシュ入りベールアームが面白かったので、続いて渓流で使おうと2000SHも購入したのでした。

 わかってはいたもののダイワでいう2004のラインキャパなのに250gと重く(ならレボネオス買えよ)、結局川には持ち出さなかったのですが、最近PEラインを使うようになってふとこのリールの存在を思い出し、やっと引っ張り出したのでした。

 ラインは数年前渓流で使ったあと捨てずに残してあったシルバースレッドアイキャッチPE0.6号で、150m巻きを半分ずつ使えるマーク入りを75mで使い、1回トラブルで切っているのでおそらく60mくらいのはずです。

 レイレックスのスプールは奇ッ怪で、なぜか順テーパーがついています。最初目の錯覚かと思ったのですが、2000SHのスプールにノギスを当ててみたらやはり0.3mmか0.4mmくらい胴部にテーパーがついていました。しかもスプール往復はハンドル3回転で1往復のスローオシュレーション。いつの時代のトレンドでリールを作っとんじゃアブは、こりゃライントラブル必至やで・・・と思っていたのですが、はたしてこの日は1回もラインがもつれたまま放出されるトラブルは起きませんでした。表示キャパPE0.6号100mですから、60m巻きでトラブったらおしまいですけど、写真のとおりそれなりの量なので、意外でした。

 ナイロンやフロロは張りがあって勝手に飛び出すしテンションが緩いと後ろ巻きになるから順テーパーはダメだけど、柔らかいPEはそうしたことがなく、かえって前の糸をひっかけないから弱い順テーパーがいいという独自理論をアブは持っているのかも・・・というのは皮、いや買い被りでしょうな。

 それはともかく、あらためて感じたのはこういうスプール(順テーパーに加え、往復幅が不足気味で両端で糸が落ち込むどころか写真の巻き量で底が見えている)でも巻き量が適当ならトラブルは起きないということです。シマノAR-Cスプールのツバの形に効能があるのは確かですが、あのスプールの一番の効能は適正巻き量をはっきりさせたことではないかと思います。ダイワの新イグジスト&ルビアスのエアスプールもチタンコートの色で巻き量をはっきりさせるようになりました。

 シマノAR-C、ダイワABSに対し、PFJなど他社はライントラブル防止機能で見劣りがしますが、要は適正巻き量をはっきりさせればいいんじゃないかしら。スプールリング部に色分けするとダイワさんあたりがすでにPATを取ってたりするといけないので、スカート側に昔のベイトリールみたいに適量ラインを入れるとか、スカート側の面取りを大きくしてそれ以上巻けなくするとかやり方はいろいろありますわな。その上でスプールリング部にやんわりとアールをつけておけば、AR-Cスプールに近い性能が得られるかもしれません。たぶんレイレックスの浅溝スプールは日本特注なのですから、こっちで図面を引っ張ってそのくらいのことをやってもよかったんじゃないかしらというか、今後のモデル(たとえばニュー300シリーズとか・・・入れないか)でやったらいいのになあと思います。アルミスプールを削って試作するくらい日本側でできるでしょう。

 このほか、このリールについてはドラグについても語りたいのですが、長くなったのでまたいつか。

 2013年7月28日、敦賀小河川河口近くのマゴチです。特に何狙いということはなくて、フィネッツア762ULTとPE0.8号を巻いたストラディックCI4 2500Fを持ってぶらっと行ってきました。どのロッドを持っていこうかと思ったのですが、ふと気がついたらこれがピッタリでした。「メバル用」というとメバルやアジしか釣っちゃあかんのかと思ってしまいますが、あらためて考えたら76長さのULパワーってだけのことですよね。何々専用ってのは目を曇らせますね。 (2013/8/2)

 この季節コンクリートはちんちんに(この表現は岐阜と名古屋だけか?)なっているので、ヤケド防止にプチプチを持っていって、この上で撮影しました。日ごろトラウトを水に浸した状態で撮っている人が、海の魚になったとたんちんちんの上に魚転がしちゃいかんでしょ。

 最近魚の写真を撮らないと気がすまなくて、トラウト系でも撮影場所のないところは最初から敬遠するくらいになってしまいました。海にいまいち行きにくいのは海なし県にいることのほかに、釣っても写真が撮れないのもちょっと抵抗になっていました。で、今回はこれを持参してみました。

 プチプチはコチくらいだったらよさそうですが、シーバスとかチヌとかバタバタ跳ねる魚だと難しいかなあという感じで研究の余地はありそう。逆にアオリイカならうまくいきそうです。

 プチプチはあんまり見た目がよくないような気も・・・それ以前にネットが不自然か。ネットは小河川で護岸から水面までが50cmくらいだったんでこれを持っていきました。

 これでマゴチ2匹をヤケドさせずにリリースしたものの、クルマに戻ったらベストのループ(どういうのか知らないが右ポケットの下にあるタオルを通すようなところ)に丸めて突っ込んでおいたプチプチがなくなっていました。海に飛んでいってしまったみたいです。マゴチ2匹を助けても、あれが漂っていってウミガメやクジラを腸閉塞で殺したらなんにもならんやないか・・・。

 2013年7月23日、犀川のニジマスです。某SW誌でPEラインの特集があったのですが、近年ほとんどPEラインを使ってなくてあまり自信を持って書けない部分があったため、これではあかんぞと久々にPEラインを巻いていきました。いままで障害になっていたのは、どうしてもスナップ部分のユニノットが切れる前にFGノットが抜けてしまうことでした。釣り場で抜けたんじゃなくて事前のテストで抜けてしまうのでいままではPEを使っても電車結びでした。で、あらためてあれこれ試してユニノットに勝つ強度が出るようになったのですが、どうもわたくし、編み込み回数の数え方を間違えていたくさいです。なんたること・・・。 (2013/7/29)

 編み込みって、本線側と支線側を交互にくぐらせますね。あれって、本線と支線各1回くぐらせて「1回」と数えるのかえ? 私は1回くぐらせて1回と数えていましたが、ウェブ上でノットの解説をしているサイトをいくつか見たら、本線支線ワンセットが「1回」なのね。そら抜けるわ半分で勝負しとったんやも。それとも私がやっていたような回数でもやる人がやったら強度が出るのか? なお、ノットアシスト2.0を使って結びました。

 何はともあれ実用に耐えるノットができるようになったので、スーパーブレイド0.8号にシーガーエース2号のリーダーで犀川へ行きました。朝イチはワールドクラス76MLを使ったのですが、元々硬いロッドにPEを組み合わせたせいでぜんぜんショックが吸収されず、3匹かかって全部バレてしまいました。

 季節もぼちぼち遅いし晴れちゃってここも猛暑だしもう帰ろうと思ったのですが、たまたま寄ったポイントが空いていたので入ってみました。午前11時を回っていてどうせダメなんで、予備で持っていったイーグルの66Lを試してみることにしました。

 本流では短かすぎ柔らかすぎと思っていたのですが、PE0.8号なら十分飛距離がでました。ワールドクラス76MLで軽めのルアーを投げるとティップのLSGにラインが絡むことがありましたが、イーグルはサオに乗っけて投げるのと(というよりスローテーパーで柔らかいからそういう投げ方しかできない)、たぶん換装したSiCガイド(PE用ではなくLSGとYSG)が富士のカタログどおりの数で密なせいで、ガイド絡みは1回も起きませんでした。

 そいでもって、直前までカワウが泳いでいた岸沿いで出たのが上の魚でした。フッキングに持ち込めたのも伸びのないPEのおかげでしょう。

 ただでさえ引きの強い犀川のニジマスですが、PEで釣るとゴンゴングングンどころかガキガキギンギンと引きが伝わってきて怖いくらいでした。一瞬リールが巻けなくなり、ガイドにPEが絡んだのかと思ったくらいです。

 引きがダイレクトに伝わるということは釣り味がいいということになりそうだけど、ここまでくると逆に趣がないなあ、でもメリットも大きいなあ、というのが久々にPEを使った感想でした。

 2013年6月23日、庄川のイワナです。前回載っけた宮川の日です。この日は宮川であのサイズのニジマス2尾、小鳥川でちびっこイワナ2尾というさびしい結果でした。でも帰りに庄川に寄ったら思わぬ良型のイワナが出てしまいました。魚野川へ行ったときも帰りに寄っていいイワナが釣れました。ということは、北海道とかアラスカとか思いっきり遠征して貧果に終わり、帰り道おもむろに庄川に寄ればもっと大きいイワナが釣れるのだらうか。 (2013/7/22)

 帰りに庄川に行ったのは、寄ったというより休むためでした。宮川は昼前に切り上げたのですが、朝2時に起きて行ったので帰り道意識が朦朧としてきて、高速に乗る前と料金所の前と高速上で3回くらいおかまを掘りそうになりました。このまま帰ったら死ぬと思って荘川インターで下り、川沿いで1時間くらい寝たのでした。

 下道で行っていたころは夜のうちに走って車中泊していましたが、高速を使うようになってかえってムリな時間に行くようになってしまいました。行き方を考えたほうがいいな。

 日曜日で人が入った後だからダメだろうとは思ったのですが、せっかく来たし年券持ってるしで入ってみました。しんどかったのでクルマ横付けポイントで、下りてすぐこの魚が釣れてしまいました。どうも、下りたところからやや下流に行ったのがよかったよう。たいていの人は入ったところから上るから、運よく叩かれてなかったのかも。

 セルテート2004CHは前書いたように、ベールが軽く確実に反転するようにあれこれいじってあります。この日も快調。やっぱりスピニングは、ギアよりドラグより防水よりベールが一番大事です。

 (といってみたものの、そういえばこの撮影中に一回水没させとったわ・・・)

 2013年6月23日、宮川のニジマスです。6月28日の朝日新聞朝刊に「外来魚放流いいの?/河口湖などのブラックバス」という記事が載っていました。富士山が世界文化遺産に登録されたのにふもとの富士五湖で漁協がバスの放流をしているのはけしからんといういつもの調子のセータイケイを守れ的外来魚憎しの記事でした。バスをかばうわけじゃありませんが、富士五湖って火山でできた湖だから元々ほとんど魚はいなかったんじゃなかったっけ? (2013/7/16)

 本来の生態系に戻せというならば、富士五湖ができた当時にいなかった、ニジマス、ヒメマス、ワカサギなんかも全部ダメでしょ。ニジマスは北米産だし、ヒメマスなんてベニザケすなわちレッドサーモンですからね。ワカサギだって自然の湖にいる魚ではないはずです。さかなクンとやらが見つけて大騒ぎになったクニマスだって西湖では狭義の外来魚なのだから駆除しなきゃ。

 日本では富士五湖のみならず芦ノ湖や中禅寺湖など元来魚相が貧しい湖に魚を放流してきました。農産物のほとんど、稲すらも大陸から持ってきたのですから、これは人間の営みのひとつともいえます。朝日新聞などがいう神聖で犯すことのできない生態系など幻想なのです。

 生態系の問題じゃなくて文化の問題だ、その時代とバスが入った時代は違うのだという人もいるでしょう。でも、芦ノ湖や富士五湖にバスが入ったのだって相当古い話ですし、私より上の世代でも子供のころバス釣りをした思い出を持つ人は少なくないはずです。これだってもはや文化のひとつになっているとはいえないでしょうか。少なくともニジマスやバス(ラージマウス)までは「時効」でもいいじゃないかと思います。ニジマスやヒメマス、ワカサギがよくてバスがダメというのは好みの問題でしかありません。

 ・・・と、バス擁護派的立場でいってみました。でも好みの問題とわかっていつつ日本の景色にバスが似合うのかと聞かれたらちょっととまどう自分がいます。ラージマウスバスを時効にしてしまうと、90年代に放たれたスモールマウスもあと数十年したら時効にしなければなりません。これでは放した者勝ちです。

 自分に当てはめてみると、地元の根尾川や坂内川でアマゴやイワナの代わりにニジマスばっかり釣れるようになったらやっぱり嫌です。ましてもしスモールマウスバスなど釣れたら私は殺して持ち帰るでしょう。そういいつつ、宮川や高原川、天竜川、犀川、魚野川へニジマスを釣りに行ったりします。宮川や天竜川などダムだらけの川ならニジマスがいたっていいじゃないか、養魚場がたくさんあってニジマスが地元の魚になっている犀川ならニジマスやブラウンがいてもいいじゃないかと思いますが、矛盾してるっちゃあ矛盾してます。まったく我ながらどっちなんだです。

 いえ、どっちなんだの人だから、朝日の記事は腹が立つのです。

 外来魚の問題はいま思いつくままに書きなぐってみただけでもこれだけの見方や考え方ができます。ちょっとでも深く考えたら普通の人はおいそれとどちらかの立場には立てないはずです。こうした見方や考え方を知らずに記事を書いているなら朝日の記者は無責任極まりないといえます。

 いえ、本当は知っていてこういう記事を書いているのだと思います。どうせ大衆など「バスは日本の魚を全部食べちゃう雑食性の魚(いうまでもないが雑食は本来こういう意味ではない)」くらいの理解なのだから記事で「正しい」方向に導けばいいくらいに考えているのではないでしょうか。だとしたらもっと悪質です。

 2013年5月13日、ちょっと時間が遡って揖斐川水系のイワナです。今年この川で釣ったイワナのうち3尾が写真のように尾の上側が切れていました。写真を確認したところすべて別の魚でした。まえダーウィンが来た!かなにかでイワナが縄張り争いでお互いの尾をかじりあうのを見たことがあるようなないような記憶があるのでそれが原因ではないかと思うのですが、本流筋の広い川でそれほどイワナが密集するとも思えず、やっぱり謎です。 (2013/7/8)

 この日は早朝揖斐川R21号下流にサツキ狙いに行きました。11日に雨が降り、12日13日と日釣り券を買っちゃったので行ったのですが、いまの揖斐川は見るにいたたまれず、13日は早々に切り上げて年券を持っている上流方面へ走ったのでした。

 揖斐川R21下流は35年前初めてルアーで魚(ウグイ)を釣った場所ですが、もはや死の川になり果てました。昔はこの時期になると流れの中でコアユがきらめくのが見え、大きなウグイやニゴイがあちらこちらで水面を割っていたものです。ヒバリは高く鳴き、コアユを狙ってアジサシが水中へダイブしていました。

 揖斐川はだんだんおかしくなってきていましたが、徳山ダム稼働で完全に死にました。アユも見られず水面も静かなままです。ウグイもニゴイもナマズも釣れません。ニゴイはたまにスレで掛ける人がいますが、大きな個体なので徳山ダムで水温が変わる前に生まれた魚でしょう。下流ではウナギもシジミも壊滅だそうです。シジミは産卵する時期に水温が合わないからではないかとのことです。ニゴイもいまいるのがダム稼働前に生まれた魚だとすれば早晩消えるでしょう。

 昔「大魚の一撃(ダブルウァミー)」という小説があって、バストーナメントを開催する湖が元産廃処理場で、放流されたバス以外なにもいないというシュールな設定になっておりました。いるべき魚が消えた揖斐川で、補償金でばら撒かれたサツキ目当てに釣り人が群がるのを見ていると、この小説を思い出してしまいます。

 長良川河口堰にせよ徳山ダムにせよ公共事業が止まらないのは癒着のせいです。先日も日本建設業連合会に自民党が4.7億円の政治献金を要求したと伝えられていました。竹中工務店の人に聞いたところ公共事業費は3〜5%を政治献金としてキックバックすることになっているそうです。国土強靭化政策でいったいいくら儲かるのでしょうか。

 最近この国の国民は、公務員の給料をカットせよとか議員定数を削減せよとか生活保護費を減らせとか遭難者を自衛隊が助けるのはけしからんとか(ただしあの人はかつてイラクで人質になった人たちを自己責任論で叩いたのだから因果応報の感もあるが・・・)、やたらと税金の使い道に厳しくなっています。それなのに、税金による公共事業費から政治献金の形でキックバックを受け、しかもその政治献金をやめるために導入したはずの政党助成金(いうまでもなくこれも税金)との二重取りを堂々と続ける政党に高い支持を与えています。この国の世論やそれを形成するマスメディアのレベルの高さには、感心させられるばかりであります。

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