2003年に釣った揖斐川のサツキマスです。どこかで見た顔だと思った人はいい人です。これは絶賛発売中(笑)の電子書籍『川マス』の表紙に使った魚です。最初のブレットンの表紙は、発売1カ月で変えました。おいおいというところですが、最初は、一太郎の使い方は覚えないといけないし、アメリカの納税者番号は取らないといけないし、ファイル変換はうまくいかないし、キンドルGenはエラーばっかり起こすし、何から何まで初めてで、表紙まで気が回らなかったのです。言い訳するんじゃないっ! (2014/3/10)

 表紙の作り直しにあたっては、『ノンデザイナーズ・デザインブック』なる2000万円もする本まで買ったんだぞ。それであの程度か……。

 この魚は、以前も別ショットを載せたことがあります。常見忠さんに特注カラーのバイトを塗ってもらったものの、忠さんの勘違いで変な色になってしまい、仕方なくそれを持って行ったら思わぬ魚が釣れたのでありました。

 しかし、この話にはさらに深いエピソードがあったのです。この日は朝5時くらいに起きて、朝食にカップ麺を食べてから川に行きました。揖斐川は家からクルマで15分くらいです。

 今にして思えばあほな話で、わたくしのガラスのおなかに、体が目覚めていないうちから消化の悪いカップ麺を流し込み、ネオプレーンウェーダーを履いているとはいえ冷たい水に浸かって下半身を冷やしたらどうなるかは、自明のことでした。釣り始めて間もなく鋭い差し込みがきました。

 しかし、揖斐川の河原にトイレなどありません。クルマで近くのコンビニへ、といっても、大垣市街までもちそうにありません。仕方なく人のいない下流方向にひたすら走って草原で用を済ませることにしました。適当なところでネオウェーダーをずりおろしてしゃがみこみ、用をたし始めたときのことです。突然太もものあたりに大量の水がかかる感触がありました。一瞬何が起こったのかわからなかったのですが、慌てておろしたウェーダーが完全に下がりきっておらず、私の巨大なナニがウェーダーのヘリに乗っかったままになっておったのでありました。

 水浸しのウェーダーを脱ぎ捨てるわけにもいかず、そのまま履いてとぼとぼと川に戻ると、さっきまで別の釣り人が入っていたポイントが空いていました。そして、ずくずくのウェーダーで再び川に立ちこんでルアーを投げたところ、この魚がヒットしたのでありました。

 こういう苦難の末に釣った魚が表紙かと思うと『川マス』の印象も変わることでしょう。

 イメージダウンやろ。

(そうそう、上記の釣行は『川マス』に含まれておりません。下ネタお笑い釣行集ではないのでご注意)

 90年に出たバンタム・スコーピオン1000です。今月末に出る『ギジー』でベイトリールの進化をまとめたページを作るため、こういった節目節目のリールを集めています。スコーピオンは新品が某中古ショップのサイトに出ていて、問い合わせたら数千円の安さだったので買ってしまいました。単体なのでコレクションでもなさそうですが、ロッドにつけたあとも糸を巻いたあともありません。なんだろ、これ。それにしても、24年も前のものなのに、よく出てきたものです。 (2014/3/1)

 このリールが出るまでのシマノベイトは、ビーストマスターやブラックマグナムの2スピードやファイティングスターなどフィーチャー路線が行くところまで行っていました。一方で円高コスト対応で外観は無塗装ブラックがほとんどでした。

 このリールのころからシンプルな構造にしつつ、カラーリングを施したデザインになっていきました。ビーストマスターやブラックマグナムくらいまでのベイトリールは米国向けのものをほぼそのまま出していましたが、国内向けをはっきり別物にしたのもこのリールからでした。

 スコーピオンの輸出版はバンタム・クロナークで、クロナークやキュラドなどの名称を初めて使ったシリーズだったと記憶しています。クロナーク版はシルバー系のボディで、電磁誘導ブレーキ仕様でした。ハンドルは片方が長く片方が短いツインパワーハンドル(といったと思う)で、長いほうには写真と同じノブ、短いほうにはBMなどに使っていたハートっぽいノブが付いていました(というのは記憶違いで、両方とも写真と同じノブでした。違うノブが付いていたのは最初のデザインサンプルを見たときの記憶でした)。

 国内版スコーピオンへの一番の変更点は遠心力ブレーキです。このリールから遠心力ブレーキへの回帰が始まりました。さらに、当時流行していた「チューニング」を製品段階から施し、スプール支持のボールベアリングをオイル潤滑にしていました。

 製品企画をする営業企画課は品管の隣にあったので、このリールを企画したN氏の話がよく聞こえてきていました。復活されたばかりの2500Cをばらしてベアリングを洗浄液に漬け、それほどグリスが入っていないからうちもやっても大丈夫だろうみたいなことを言っていました。でも、今にして思うと洗浄液に漬けたベアリングからどろどろとグリスが出てくるのが見えるかというとちょっと疑問で、そこまでのことを当時のアブがやっていたのかなと思います。「チューニング」オイルはどこかの会社が売り込んできたものを使うことになりました。オイル潤滑ベアリングの耐久性に関しては品管でチェックしましたし、その後のリールの評判を考えても実際大丈夫でした。スコーピオンの商標は製薬会社か何かが所有していたものを十何万かで買ったとかと聞こえてきました。

 いまこのリールを見ると、前後にぬぼーっと長い感じで、当時のジウジアーロデザインTD-Hiの影響を受けているのかなあと思います。それまでのモデルはプッシュボタンを変形させたようなファーストキャスト(ワンハンドキャスト)機構でしたが、このリールからダイワと同じバー自体がクラッチボタンになっているタイプになりました。クラッチ機構もピニオンギアの周りを丸い部品がくるっと回るダイワに近い方式に変わりました。

 ストッパーはワンウェイクラッチではなく、歯付きストッパーにかかる爪を2枚にしたもので遊びを減らしていました。フレームはガラス繊維強化樹脂ですが、いま重さを測ってみるとアルミフレームのTD-1Hiの284グラムに対しスコーピオン1000は254グラムとかなり軽くなっています。瞬間ストッパーやアルミフレームなどの流行に乗らず、コストを抑えつつ実用的なものになっているように思います。

 ところで、『ギジー』企画のリールはほぼ集まりつつありますが、シマノの2スピードモデルだけがありません。バンタム・ビーストマスターBBMかバンタム・ブラックマグナムBKMの2スピードモデル(ブラックマグナムは2スピードでないのもあります)をお持ちで撮影用にお貸しいただける方がいらっしゃいましたら、ご連絡をいただけるとうれしいです。

 2014年2月23日、根尾川のアマゴです。やっと今年2匹目。しかもバリバリいやボロボロの成魚放流です。この時期寒いし、暗いうちから場所取りまでしておられるご熱心なエサ屋さんとご一緒するのはご遠慮したいので、いつも朝ゆっくり行って空いたころ釣ります。だから、いつもこんなもんです。 (2014/2/24)

 リールは14ミッチェル310プロ。サイズ的には500番なので6フィートULロッドにはやや小さいのですが、HMG60ULにはいままで組んだリールのうちで一番バランスしました。自重は190gなので、ツインパワーやシメトレ、セルテートなどと同じくらいなのですが、どうもロッドから重心が離れているのが理由みたいです。

 このリールは、やや脚が長いのに加え、亜鉛のオシュレーションギアに加えてスローオシュレーション用のアイドルギアも入っているため、重心がかなりロッドから離れます。HMG60ULは、スローテーパーでやや持ち重りが大きくグリップも短いため、前組んだレイレックス2000SHのような大きめのリールにバランスする傾向があります。このふたつを組むと、310プロは重心が離れていて、キャスト時の振りバランスを修正しつつ、自重自体は軽いため、良好な使用感になるようです。

 この日試したかったのは、リング状になったローターをストッパーの代わりに使えないかということでした。このリールはローターブレーキが付いていないため、ストッパーオンで使うとフェザリングできないことがあります。そこで、ストッパーオフで使いつつ、魚がかかってネットを手にするときだけ右手の指でローターを押さえてストッパーの代わりにできないかと思ったのでした。

 結論からいうと、ダメでした。部屋でやってみたときは、親指を伸ばせばうまくいきそうでしたが、魚を寄せながらやるのは厳しいです。なお、人差し指は前すぎ、中指はグリップが不安定になるのでやっぱりダメです。グッドアイデアだと思ったんやけどねえ。

 昔シマノにICシリーズというチヌ・上物用スピニングがありました。ストッパーオンとオフの間にブレーキモードがあって、逆転に弱い抵抗がかかりました。これにより、魚がかかったとき、ドラグの代わりにハンドル逆転で対応しようというものでした。このリールの姉妹品にIC-Sというのがあって、黒い樹脂製らしきリングがローターに付いている写真を釣り雑誌の広告で見た記憶があります。魚がかかって、走らせるとき、このリングに指をあててブレーキングするのです。ただ、シマノにいたころもこのリールの現物は見たことがなく、子供のころの記憶ゆえいまとなっては本当に見たのかどうかもおぼろげです。

 14ミッチェル300シリーズのローターも、リングをフィンガーブレーキに利用するアイデアを盛り込んでいたら……まあ、アメリカ人はオートマチックなものが好きだから受けんだろうなあ。

 最近2500番クラスのレバーブレーキをシーバスその他に使う人が増えているようです。1000番クラスにレバーブレーキモデルはありませんが、ローターにリング状のものを付けて、ロッドを握る手の中指を浮かせてブレーキやストッパーとして利用できるようにしたら面白くないかな。2500番より上だと指をやけどしそうですが、1000番クラスならそれもなさそうだし。オプションパーツであとからローターにくっつけるとか。

 2014年2月11日、根尾川でボウズ。なんの反応もなく釣り場から上がったら、成魚放流の日にちを書いた漁協の看板に変更のお知らせがありました。よく見ると、週末の放流は天候などの理由で場所が変更されていて、ここには放してありませんでした。どうりで人も魚もいなかったはずです。 (2014/2/17)

 リールは、小さくて見えませんが、アブ・ガルシアのレイレックス2000SHです。このリールは、昨年のシーズン終わりに、成魚放流魚の生き残りとみられる朱点がにじみまくった尺上アマゴを釣った際、水際に置いて撮影したため砂混じりの水がたっぷり入ってしまいました。

 分解清掃し、シュルシュル音がするようになってしまったピニオンギアのベアリングは、レイレックス2500MSHのドライブギアベアリングと交換しました。幸いベアリングのサイズが共通だったからです。ドライブギアの回転速度くらいなら、音は気になりません。

 2000SHは完全分解してパーツをクリーナーで洗いたかったのですが、オシュレーションギアが外せなかったので、ドライブギアも外れず、仕方なく歯ブラシとティッシュで極力古いグリスをぬぐったあと、新しいグリスを塗るにとどめました。

 オシュレーションギアは普通のS字カムリールと同じようにプラスねじで止めてあるのですが、このリールは左右が一体になったワンピースアルミボディで、プラスねじの真正面がボディーの左側の壁になっていて、ドライバーが入りません。ねじ穴を右から見ると、ねじの先にマイナスドライバーのはまりそうな溝があったので、裏から止めたのかと思いましたが、そうでもないみたい。謎です。

 先をL型に曲げたプラスドライバーを作って、90度ずつ回して組んでいるのかと思いましたが、その工程だけで製造ラインが止まってしまうでしょうし、設計者が製造部門の人間に殴られそうです。ベルトドライブか何かでボディのすき間に入る特殊な電動ドライバー……を作るくらいなら、左側のボディに小さい穴でもあけるよなあ。やっぱり謎です。

 レボ・ネオス、レイレックス、オーラ共通のワンピースボディですが、メリットあるんでしょうか? 巻き上げ強度が上がるかというと、自重が特に軽くないところから見て、上がらないはずです。必要以上の巻き上げ強度をもたせるくらいなら軽量化したほうがいいわけで、それがなされていないということは、変わらんということでしょう。むしろ、誤って頭から落下させてしまったときなど、オシュレーションギアのあたりが弱そうです。

 メンテナンス性を向上させるためかというと、上級モデルのレボ・ネオスは、ローターを外さないとカバー兼レッグが外せませんから、そういう理由でもないみたいです。つくづく謎です。レイレックスも、一見リアカバーを外してメンテできそうですが、うっかり外すとストッパーがおかしくなります。2000と2500においては、リアカバーを外したときストッパーレバーをオフ側にすると、レバーの先端が外れてしまい、ローターを外さないと修復できなくなります。持っている人で、リアカバーを外すときは、必ずストッパーレバーをオン側にした状態で、行ってください。

 でもまあ、従来方式に対して特に重くなったり弱くなったりしているわけでもなし、シマノ・ダイワと同じものを作るよりは、これはこれでいいのかなあという気もします。ローターブレーキも付いているし、ドラグはいいし、まあいいか。

 惜しいのは、いつかも書いたスプールで、この辺はなんとか日本サイドでいいものを付けたらいいのになあと思っていましたが、PFJのサイトを見るとレボLTという新型が出るようです。サイトの写真を見たら、もろAR-Cスプールです。たらーっと解放角をもたせつつ、適正糸巻き量を2色アルマイトかスプールラインで示すとか、もうちょっとほわーんとコピーしたほうがええんと違うか?

 お〜「ルビーの指輪」が売れていたころの寺尾聡みたいや。たとえが古いぞ。でもこれ、実際のダウンロード数を聞いたら10人中10人がずっこけるでしょう。そもそも、「釣り」カテゴリーのKindle本はたったの22冊です(しかも人数は4人)。これは、アマゾンのシステムがおかしいからみたいで、本をアップする際「釣り」カテゴリーで登録すると、なぜか一番上にある「スポーツ」カテゴリーに入ってしまうのです。これに気付いてサポートに連絡した人だけが手動操作で「釣り」に直されているため、ほとんどの釣り本は「スポーツ」に入ったままなんです。Top100とありますが、正確にはTop22なのですな。 (2014/2/7)

 写真昨日だけどね。

 写真とはまったく関係ありませんが、今日は大阪フィッシングショーに行ってきました。

 14ステラは、ご存じのとおり、撥水加工による防水構造と、ウォームシャフトを上に移したGフリーボディをもって登場しました。何はともあれエアローターをパクってなくてよかったです。ローターは、そのものが上から降ってくる雨やしぶき、シャワーに対しては十分防水機構なんだから、このほうがいいよね。

 撥水パーツで防水しているのだから、分解してもいいのかなと思ったら、パーツのクリアランスが小さくて、普通に組むと部品同士がタッチしてしまうため、バラしてはいけないそうです。組み立てるとき、専用の芯出し治具を使っているそうです。ただ、治具を別売りしようかという話もあったそうなので、市場からの要求が多ければ発売されるかもしれません。私は売るべきだと思います。バラしちゃだめならマグシールドと同じなわけで、方式は違うとはいえ同じコンセプトの機構を後出しで採用したのなら、先行メーカーを越えなければいけないでしょう。

 たしかに、異物さえ入らなければ、ギアのグリス補給は事実上不要です。でも、世の中には、自分の塗ったきれいなグリスの中でギアの歯がこすれている様を想像して快感を覚えるヘンタイな人もいるわけで、そういう人たちのささやかな楽しみを残しておくのも悪いことではないでしょう。

 昔、自転車に乗っていたころ、自転車マニアの人たちはチェーンに注油するとき、ニードル状の注油口をもつオイル注しを使い、リンクのつなぎ目に(右左右左と)1滴ずつ注しておったものです。今にして思えば、チェーンなど泥水や土ぼこりを浴びながら回っているわけで、スプレーオイルをぶっかけて土の粒子を洗い流し、余分をふき取ったほうがよっぽど理に適っていたと思うのですが、ヘンタイというのはこういうものなのですな。

 Gフリーボディについて、事実上先に採用していたシメトレ/ナスキーでは足から脚が立ち上がる直線部が短いのが少し気になりました。これに対し、ステラではこの部分がやや長くなっていて、窮屈感は緩和されていました。おそらく不満は出ないでしょう。

 今までのモデルで歯数の制約により速くなってしまっていたC2000HGSのオシュレーションは、ギアが根本的に変わったため、落ち着いたスピードになっていました。これは、マイクロモジュール以前に歓迎すべきことです。

 マイクロモジュールは、きっと滑らかなのでしょうけど、私なんかから見るとハイビジョンが4Kテレビになったようなもので、モノクロからカラーになったわけでもあるまいに、もうええやんという感じがします。どうでもいいことですが、なんで3Dテレビの3は「スリー」なのに、4Kテレビの4は「よん」なのでせうな。

 ダイワではカルディアがマイナーチェンジです。ローターが変わっています。私の10セルテートで起こったベールアーム支持部の磨耗やベール反転機構の故障に対して改良が加えられています。BB配置が変わったこと以上に重要かつ歓迎すべきことでしょう。

 そういえば、以前釣りビジョンでダイワの人が10セルテートを「テンセルテート」、13セルテートを「いちさんセルテート」(じゅうさんセルテートだったかも)といっていました。これも、4Kテレビの4を「フォー」と読むと大変なことになってしまうような、重大な理由があるのでせうか。

 (いま気がついたけど、サーティーンセルテートといったほうがゴルゴ13みたいでかっこいいぞ。これも古いか)

 2014年2月2日根尾川のアマゴです。1日の解禁日にも行きましたがあえなくボウズ。翌日雨が上がってからルアー・フライ専用区で釣りました。今年は昨年と打って変わって上流域も含めて雪がまったくありません。昨年秋は真夏日からいきなり冷え込んだので、こりゃあ異常気象だ大雪になるんじゃないかと11月にスタッドレスタイヤに履き替えてしまいましたが、大ハズレでした。 (2014/2/3)

 一見グリップがウエダに見えるロッドは、何年か前に買って少し使っていたオリムピックのサンダーバードトラウト60ULです。オリムピックの名前が懐かしくて買ったロッドで、カーボン60%の安物でした。

 あらためて使ってみると、けっこうしっかりしています。どうやら理由はバットの中程から手前に巻かれた織りクロスカーボンのようです。これは、サンダーバードシリーズ(ほかに磯竿などもあった)共通のデザインです。

 この部分は1枚余計にカーボンが巻かれているので、曲げた状態で手元からロッドを見るとこの部分から先が曲がりの中心になっているのがわかります。5フィートくらいのロッドの根元に曲がらない棒を継ぎ足したようなカーブに見えなくもありません。こういうロッドは、曲がりの頂点移動がバットの途中で終わってしまうため、ロッド全体の弾性が生かせないことになります。

 でも、あらためて使ってみるとそう悪いものではありませんでした。前日使っていたフェンウィックHMGに比べると、少々ラインリリースのタイミングをミスってもルアーがうまく飛んでれて、ずっと扱いやすく感じました。グラスの多く入ったブランクでコストを抑えつつしゃっきり感を与えている構造といえるのかもしれません。ティップとバットの特性が違うというと、90年代の台湾製から00年代初めの中国製前期のフェンウィックロッドみたいですが、オリムピックはさすがに日本のメーカー(このロッドの製造は中国ですが)なので、ジョイントの突っ張りがなく、織りクロスカーボンが巻かれている部分より先に関してはスムーズな曲がりを見せ、ルアーが重くなっても1番が腰砕けになってあらぬ方向に飛んでいくような現象は起きません。

 ふと思い出したのは、シマノのファイティングロッドでした。あれも手元30センチくらいはほとんど曲がらないわけで、ファイティングロッドで軟らかいものを作ったらこんな感じになるのかなあと思います。あ、ファイティングロッドがどんなものかは『マイナーリールの紳士録』でどうぞ。宣伝でした。

 曲がりの頂点が先から手元まで移動するロッドがたぶん理想なのだと思いますが、これはこれでありなのかなあと思ったのでした。

 ただ、この日3匹かかって2匹がバレたのは少々気になるところ。バットが張っている分曲がりのストロークが狭いのかもしれません。ただし、フックがいつものオーナーではなくがまかつで、同番手でもやや小さかったのが理由かもしれません。それと、最新のフッ素加工のフックは刺さりやすい反面抜けやすいのかもしれません。3匹のことなのではっきりしたことはいえませんが・・・。

 2014年1月25日天竜川のニジマスです。昨年12月、漁協HPに透視度30cmくらいと書いてあったときに行って悲惨な結果に終わりました。この日は前日「透視度40cm」「やや濁りあり」となっていたので、初釣りとしたのでありました。ところが、川はどう見ても透視度20cm以下の泥濁り。若干濁りがマシだった雲名で交通事故的にこの魚が釣れておしまい。今年もこういう中途半端な釣行が続くということなのであらうか。 (2014/1/27)

 リールは「Gフリーボディ」のシメトレ1000FL。国内版13ナスキーがボディ重心について何もうたっていなかったのは、14ステラより先にフィーチャーをいってしまうわけにいかなかったからか?

 その「Gフリーボディ」の使い心地は・・・グリップを替えてかなりマシになったとはいえHMGがいまいちなんで、あまりよくわかりませんでした。VSSの後部が細すぎてしっかり握れないのと、タイミングのとりにくいスローテーパーブランクのせいです。昔のガイド構成だとスローテーパーのロッドはガイドの重さでムチのようにしなって楽に投げられましたが、ニューガイドコンセプト以降のガイドシステムだと投げにくいロッドになることが多いように感じます。まあ、ええかげんワシさんマークが付いているだけのロッドなぞやめて、日本メーカーのちゃんとしたロッドにせいということでせうかな(国内向けフェンウィックなら日本で企画・チェックしているはずですがUS企画ものはあかんと思います)。

 それでも、シメトレは持ったときの一体感があるような気がします。この日はスプーンばかり使っていたので釣り場では実感しませんでしたが、ミノーのトゥイッチのような操作はリールにはたらくモーメントが小さくなるので楽になるはずです。これは部屋で持ってもわかります。

 キャスト時の振りバランスは、ボディ重心がロッドに近くなった分、相対的にローターから前が重くなった状態になりそうです。でも、S字カムをボディ上にオフセットさせると(従来位置ならS字カムのクランク部でドライブギア軸を逃がすような形になるがボディ上だとそうならないため)おしりが突き出して、その分は相殺される・・・のかな? これに関しては、先に書いたロッドのせいでいまいちわかりませんでしたが、少なくとも不自然に頭が重い感じはしませんでした。

 シメトレを持ったときの一体感というか独特感は、重心位置のみならず薬指の背中にレッグが密着することも理由のひとつでしょう。最初は窮屈な感じもしましたが、使っているうちにかえってグリップが安定しているような気がしてきました。まあ、店頭で13ナスキーを見てください。

 ナスキーはピニオン2BB、ドライブギア2BBですが、シメトレはドライブギア1BBで、代わりにラインローラー1BBとなっています。私はラインローラーBB要らない派なのでナスキーの方がいいと思います。シメトレは少しゴロつき感がありましたが、ドライブギア右のブッシュをBBにしたらよくなりました。この点でも国内版のほうがよさそうです。

 なに、安物リールで「Gフリーボディ」の推測なぞしとらんとモノホンの14ステラを買えですと。ふ、電子書籍が10万ダウンロードを突破したらフルラインナップで買ったるわ。そうそう、電子書籍第2弾『マイナーリールの紳士録』も出たからチェックしてね。キンドルなくても読めます。

 2013年9月12日、サンクチュアリのニジマスです。これは『ロッドアンドリール・トラウト』のリーリング記事の測定に行ったとき、測定実験後に釣ったもの。そういえばこの日は三重テレビの撮影隊が来ていました。金曜か土曜夜のルアーの番組だったのですが、撮影スタッフの親分が昔『チヌかかり釣り手作り工房』で取材したチヌ釣り師の兼松さんでびっくりしました。
 (2014/1/20)

 ニジマスは北米原産の外来魚です。こないだヤフーに、同じ北米原産のミドリガメことミシシッピアカミミガメの輸入・飼育禁止を環境省が検討しているというニュースが載っていました。

 なにを今頃いっとるんでしょうな。ブラックバスやニジマスやらでさんざんセータイケーがどうしたこうしたみたいなことをいっているくせに、アカミミガメが子供の小遣い程度の価格で年間何万匹も売られているのをいままで放置してきたなんてちぐはぐもいいところです。

 バスたたきが始まったのは90年代終わりころでした。ちょうど同じころ外来カブト・クワガタムシの輸入が解禁されました。なにを考えとるんだと思ったものです。案の定すぐに在来カブト・クワガタムシとの交雑が問題になり始めました。

 アカミミガメにしたってカブト・クワガタにしたって子供にせがまれた親がおもちゃよろしく買い与えて、すぐに飽きて捨ててしまうケースがあるのは誰にだってわかることです。昔、有名獣医師さんの本で読んだ話ですが、「もう10年も飼ってやったからいいかと思って・・・」と保健所に飼い犬を連れてくる人がいるんだそうです。犬は炭酸ガスで安楽死です。世の中の人なんてこんなものなわけで、そこにアカミミだのカブト・クワガタだのをばらまけばどうなるか程度のことが、最高学府を出た官僚のみなさんにはわからんのですかね。

 メディアもバカ。多摩川でピラニアが見つかると「タマゾン川」なんていって騒ぎ立てます。あんなもん、冬になったら死にますがな(だから放していいとはいわないけどな)。昔、アカミミガメについてメディアは、サルモネラ菌がいるとかいって騒ぎ立て、一気に野良ガメを増やす役割をしたものです。サルモネラ菌なんて家畜の体内にだっているのに。サルモネラ菌はアカミミのみならずほかのカメにもいます。スッポンの生き血を飲んで腹を下し、「生き血が効き過ぎた」なんていう人がいますが、これはサルモネラ菌にあたっているのだそうです(これは前NHKラジオで学者がいっていたことです)。

 アカミミの輸入禁止は当然でしょう。しかし、同時に飼育禁止も検討というのがいかにもお役人的です。特定外来生物のように飼育を許可制・届け出制にしたらまた野良ガメが増えるだけです。在来ガメ(もっともクサガメは遣唐使の時代に持ち込まれたものらしくて外来種と見なす人もいるそうですが)を圧迫しているといいますが、イシガメ・クサガメであれアカミミガメであれ、いまの日本の水辺でカメが産卵・繁殖できるところがどれだけありますか。現在はびこっているアカミミガメは繁殖した個体よりも捨てられた個体が圧倒的に多いはずです。だから、アカミミガメの数を抑制しようと思ったら、輸入を禁止するだけで十分でしょう。

 行政のちぐはぐさ以上にこのニュースに注目させられたのは、アカミミガメの寿命でした。20年ちょっとくらいかと思っていたら、40年も生きるそうです。なにを隠そううちには20年前つい出来心で買ってしまったアカミミガメ2頭がいて現在30cm近くに成長しています。水はめちゃくちゃ汚すしどう猛だし、はっきりいって手に負えません。セータイケーうんぬん以前に飼い主の責任として(許可制になっても)最後まで面倒は見るつもりですが、あと20年も生きられたら、わし70やで・・・。

 2013年5月13日、揖斐川水系のアマゴです。なぜ古い写真を出すのかって? こんな寒いのに釣りなんか行けますかいな。おい、ちょっと前に塩水誌の防寒用品特集で、フィールドでは魚が待っているから防寒を万全にして釣りに行こうとかなんとか書いておったのはどこの誰だい。 (2014/1/10)

 下流に流れきったドリフトトゥイッチャーを引いてきたら、石の影から飛びついてきました。下からルアーを食ったため、腹のフックが口にかかり、寄せてくる間に尻のフックがのど元からエラのあたりにかかってしまいました。そのため、取り込んだときには大出血していて、すでに動かない状態でした。

 蘇生を試みたのですが、ピクリともせず、川底に沈んでしまいます。死んで腐ってもそれは自然のサイクルに戻るわけで、そのまま川に流してくることが多いのですが、この日は持ち帰って食べることにしました。コンビニ袋に入れてベストの背中に入れ、腐ってしまってもいけないので、そのまま川を上がることにしました。

 ところが、ピクリともせずに川底に沈んでいた魚が、ベストの背中に入れたとたんぐねぐねと動き出しました。かといって、いまさら袋から取り出しても体表のヌルもこすれてしまっていますし、そのまま土手を上ってクルマへと戻りました。その間5分くらい、ずーっと魚は動いていました。

 これに似たことは昔長良川のサツキマスでも経験しました。マスターアングラーの12グラムで30センチくらいの魚を釣ったときのことです。もう20年くらい前で、マスターアングラーには2番か4番のマスタッドのトリプルフックを付けていました。

 巨大なトリプルフックが魚のほおにかかっていて、リリースしようとしても水面に横たわってしまい、ピクリともしませんでした。仕方なくベストに入っていたポリ袋に入れ、ベストの背中に入れてからクルマへと戻っていきました。このときも、ベストの背中に入れたとたんぐねぐねと動きだし、かなり長い間生きていたものです。

 昨年のアマゴといいトラウトは一見弱そうですが、けっこう強いのかもしれません。

 この逆に、強そうで弱いのではないかと思うのが、ナマズです。一見両生類っぽい印象で、水から上げてもすぐには死にません。昔うちの親父がよく釣ってきた魚をさばいていました。あるとき、さばいたナマズが頭だけでしばらく生きていて、それが元で気分が悪くなってしまい、魚をさばくのをあまりしなくなってしまったものです。それくらいしぶとい魚です。

 その一方で、釣ってきた魚を生かしておこうと庭にあった防火用水やタライ、水槽などに入れておいたとき、ナマズだけは翌日まで生きていた記憶がありません。子供のころのの記憶なので、確かなことはいえませんが、なんだかナマズは釣られたダメージがじわーっと効いてきてあとになって死んでしまう気がします。地震を予知するともいわれる魚なので、顔に似合わず神経が過敏なのかもしれません。そういえば、ちょっと大きい地震が来たあとで、水路の土管から大きなナマズが何匹も飛び出して死んでいるのを見たことがあります。

 ここ何年か、ナマズのルアーフィッシングが静かなブームになっているようです。できればそっとしておいてやって・・・は釣り人がいうことじゃありませんが、せめて大切に扱ってやってほしいなあと思います。

 みなさん明けましておめでとーございます。6日にもなってなにをゆっとるのかというところですが、12月終わりに風邪をひいてしまい、それも最近はやりの胃腸風邪だったもので、元々IBSもちのガラスのおなかが壊れて寝ておりました。ようやく年末に治りかけたのですが、忘年会で飲み過ぎてまた振り出しに戻ってしまい、正月は「孤独のグルメ」を見ながら寝ておったというわけなのであります。 (2014/1/6)

 あれはなかなか渋い番組やな。

 こともあろうに、今年の年賀状はミッチェルが写ったいい写真がなく、まことに遺憾ながら初めてミッチェル以外のリールの写真となりました。上は、シマノバージョンとダイワバージョンを作ったうちの、後者です。

 奇しくも(ってあえて選んだんだが)、エアローターのセルテートが写っております。エアローターといえば、12月末に出た各釣り雑誌に14ステラのティザー広告が載っておりました。一部が写っているだけですが、妙にエアローターに似ているように見えます。ローター胴部にも穴が開いているように見えます。

 (以下はもしも本当に穴あきのエアローターモドキだったと仮定しての話であります)

 ステラ自体、トーナメントEXのコンセプトをちゃっかりいただいてスタートしたわけですが、いまや曲がりなりにも高級スピニングの代名詞であんなことやっちゃうのかなあと思っております。

 ヴァンキッシュの軽量ローターにも関心はありましたが、11TPも持ってるし同じようなリールばかりあってもなあと、14ステラ系が出るまでパスしていました。が、14ステラやそれに続くシリーズがあのような穴あきローターになるのなら、私は事実上型遅れになるヴァンキッシュにいってしまうかもしれません。

 ところで話はずずいと逸れます。こういうときに、「10ステラにいってしまうかも」ではなく「ヴァンキッシュにいってしまうかも」というところが、意地を張るにしてもせこいところであります。これはいうまでもなくお金がなくて手が出ないというのが第一の理由でありますが、よくよく考えたら何年か前までは壊れかけのシトロエンに総額100万以上の修理代をつぎ込んでおったわけで、なんだか矛盾しているようであります。

 なぜ私がステラのみならずトーナメントやイグジストを含むハイエンドを避けるかというのを考察してみるに(こういうとき原さんはメガネを人差し指で押し上げながら「竹中さん、私の専門は心理学なんですがね」といったものです・・・当時S社の海外生産に関わった一部の人にしかわからんことやろ)、子供のころのアニメの影響がいくらかあるのではあるまいかと思い至りました。

 昔のアニメはなぜか主人公が貧乏で、いやーな脇役や悪者はたいていお大尽の息子と決まっておったものです。「いなかっぺ大将」も「タイガーマスク」もそうでした。「巨人の星」も主人公は貧乏でしたし、脇役でも花形より左門のほうが苦労人の人格者になっていた記憶があります。

 子供のころの私はこういうアニメに毒されていて、お金持ちっぽいことをするのは悪いことだと洗脳されていたのであります。中学のころだったか高校のころだったか、お金持ちの親戚のおじさんに三重県に連れて行ってもらい、初めて松阪牛(?)のステーキを食べさせてもらったとき、自分が堕落したかのような気分になってひどく落ち込んだものでありました。

 考えてみれば、貧乏な人の心が清くてお金持ちの心が醜いというのはなんの根拠もないわけで、逆のケースだってたくさんあるはずです。あのようなアニメは、人民の向上心を萎えさせ、成功者へのネタミをあおる、有害なコンテンツだったのではあるまいかと思うことがあります(ファンにしかられるぞ)。最近のアニメは見たことがありませんが、いまのはどうなっているのでしょうか。

 私はそんな時代の影響を受けてしまった(受け取る側の問題か)人間なので、私がハイエンドリールを持っていないからといって、何か深い理由があるのだろうとか、ハイエンドは買う価値がないのではないかとか思う必要はありません。ただ、それでも、パクりはあかんことだと思っております。

 2013年12月22日サンクチュアリに行ってきました。すんごい冷え込みの日だったのでガラガラだろうと思って朝ゆっくり行ったら満員御礼でした。9時過ぎに釣りはじめたときすでに入る余地がないくらいで、11時半に昼食をとったら午後券の人でさらに過密に。寒いこともあってそこで退散、実質3時間で帰ってきました。寒くてもみなさんお元気です。 (2013/12/31)

 ロッドはガイドにグリップにとどんどん改造しているUS版HMG。とうとうフロントグリップをこういう形状にしてしまいました。この前天竜川に行く前に前の形を残しつつ親指のくるあたりを細くしてみましたが、実際使ってみたらまだまだダメでした。リールのレッグより後ろのスクリュー部分に対しレッグより前のフロント部分が太いため、キャスト時にグリップが前に逃げてしまうのです。

 天竜川から帰ってから、さらに細くしたものの先端のフレアさせた部分が中途半端に小さくなって不格好になってしまいました。で、ままよと、最近のバスロッドにあるような先細形状にすることにしました。

 平ヤスリで2面、4面、8面と削っていって、円形に近づいたところで、サンドペーパーを巻くようにして削るときれいに上がります。親指が乗るあたりのいちばんくびれた部分と先端のいちばん細い部分をつなぐ面を形成するように平ヤスリをかければ削りすぎることがありません。

 サンドペーパーは240番くらいから始めて、番手を倍にしつつ800番くらいで仕上げます。もしあれば1500番で磨くとさらにつるつるになります。早く削ろうと80番などの荒いのを使うとコルクがもげるように取れてきて穴だらけになるのでご注意。

 やっと何とか使えるレベルの竿になりました。99ドルの竿にムダな費用と手間をかけてなにをやっとるんだというべきか、99ドルの竿でこれだけ遊んで勉強(?)になったんだからけっこうなことというべきか。

 繰り返しになりますが、このレベルのものを商品として売ってしまうフェンウィック・・・はもう住所もアイオワに変わっているので、USピュア・フィッシングは、まともな釣り具メーカーといえないのではないかとすら思います。適当なイメージスケッチとシリーズラインナップだけ送って中国の製造メーカーに丸投げしているんじゃないかと思いたくなります。

 その割には90年代の台湾製や00年代初めの中国製初期に比べるとベンドカーブがマトモになってきているのがちぐはぐなイメージです。これは中国の製造メーカーが進歩しているからでしょう。5、6年前に聞いた話ですが、フェンウィックのロッドは日本の某老舗ルアータックルメーカーの高級ロッドのブランクと同じところで作っているのだそうです。“フェンウィック中国工場”なんてもちろんないわけで、日米をはじめとする多くのブランドのOEMをやっている製造メーカーで作らせているのです。特に日本のブランド側メーカーの厳しい要求を受けていれば、製造メーカーのレベルも上がっていくはずです。

 製造メーカーにはいい技術があるのに、それをコントロールするべきブランド側メーカーがダメとは、スピニングリールでも見られる傾向です。もったいないですねえ。

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