フェンウィック・ワールドクラスのガイドを巻き替えたのをきっかけに、またロッド改造したい病が再発してしまいました。アマゾンでポチしたシマノ・ブルックストーン906を届くなりストリップにし、チタンフレームSiCに換装してしまいました。エポキシで体調がおかしくなる(防毒マスクをしても若干影響がある)のに、困ったもんです。 (2014/10/27)

 思いつくとすぐに取り掛からないとすまないたちで、今回もどたばたというか泥縄というかでありました。カード決済で楽だからと渡辺つり具店から浮気をしてヤフーショッピングでガイドを注文したら、バチが当たったのか翌日になって品切れだのなんだのといきなりガイド手配でつまずきました。

 ガイド手配に気を取られていて、改めてスレッドカラーをチェックすると、手持ちのグデブロッドの468パープルとちょっと色が違うのに気がつきました。オリジナルが薄い青紫なのに対し、グデブロッドの468パープルはもう少し赤みの強いいかにも紫な色です。

 グデブロッドはつぶれてしまったので違うメーカーのスレッドなのでしょう。色を合わせるのは困難と判断し、すべてブルーにしてしまおうと思いました。岐阜の東のフライプロショップ(たぶん岐阜でロッドラッピングスレッドが手に入るのはここだけ)にロッドを持って行って相談すると、グデブロッドの272ブルーダンというのをすすめられました。オーナー氏いわくグデブロッドの青はこれだけで、コーティングがしみこむとロッドと同じ色になるとのこと。

 それを買って帰ったものの、272ブルーダンは見れば見るほど青というより青緑です。これにエポキシがしみこんで、紺色のブランクに同化するか?と心配になり、翌日揃ったガイドを巻く段になって、ブルーのブランクに巻いたらグデブロッドの468パープルも青っぽくなるかも、と、ガイド部だけを468パープルで巻き替えることにしてしまいました。

 思えば、十数年前このプロショップにフェンウィック・クラシックグラスFS65Jを持ち込んで相談した際、「これはパープルだ」とグデブロッド468パープルを売られて大外れだった記憶がよみがえり、土壇場で変えてしまったのでした。そういえば今回使ったスレッドこそ、その時買ってきた468パープルそのものです。ただ、オーナー氏の名誉のためにいえば、あとになってググったところ272ブルーダンでフライロッドを巻いた人のブログがあり、写真を見るとなるほど紺色っぽくなっていました。

 で、老眼と戦いつつ半日以上かけてすべてのガイドを巻き替え(フライロッドはガイドが多いから大変なのだ)、エポキシを乗せてガビーンです。青の上に巻くと下地が透けて青紫になるかも・・・・・・というのはむしろ逆で、人間の目は隣接した色と比較して色を認識するため、ブランクカラーの青との対照でより赤紫色に見えます。まず1個だけ巻いて試せばいいだろうというところですが、ここいらへんがせっかちな性格の困ったところです(エポキシで体がおかしくなるんでとにかく早く済ませたいという心理もはたらくのですな)。

 やっちまったーと思いながらいまさら引き返すわけにもいかず、なげやり気味にエポキシを乗せていきました。しかし、目が馴染んでいくと、オリジナルよりむしろ高級感があるように見えてきました。それで、1回目のコート後にグリップやジョイント部分のスレッドも468パープルに巻き替え、上のようなロッドになったというわけです。ここで再びプロショップオーナー氏の名誉のためにいうと、確かにこの状態のグデブロッド468パープルは、クラシックグラスの5274チェストナットに似ていなくもありません。

 参考に、(ってやる奴いるのか?)ガイドは、トップFST6、続いてLSG6を4個、LSG7を2個、以下LSG8、LSG10、LNSG12を各1個となります。サイズは、シマノのHPのパーツ検索システムで、昔SiCガイド仕様だったフリーストーンLDSのガイドサイズを調べて参考にしました。ブルックストーンを選んだのは安かったのと3ピースで車のトランクに入るのと、ワイヤーガイドがシングルフットで剥がした跡が残らないことが理由です。

 そういえば、以前このロッドと同じようなつや消しブランクのフェンウィック・イーグルGTを巻き替えたらガイドの下のブランクにペーパーで荒らした跡がありました。なんと、ブルックストーンも同じことがしてありました。まさか同じところで作っているのか? それともこういうつや消しブランクはどのロッドもこういうことがやってあるものなのか?

 ともあれ、さすがチタンフレームSiC、改造前110.5gだったウエイトはこの時点で(意味深)107gとなり、見た目も高級品っぽくなりました(昔のダイワ・アルトモアの高級品にこういう色のがあったような……)。終わり良ければすべて良し、というところだったのですが、このあと大問題が発覚します。つづく。

 去る2014年9月11日に発売、ヒットチャート爆走中の『Let's Inner Spool!』です。端末はiPodTouchで、キンドルアプリを入れています。元はiPodいうたらウォークマンの電子版みたいなものだったはずですが、電話をかけることができない以外、スマホと変わりません。YoutubeなんかPCよりスムーズなくらいで、ついついずるずる見てしまいます。名古屋では夜9時以降子供からスマホを取り上げましょうなんてやってます。管理教育の愛知らしいなあというところですが、やっぱ取り上げた方がいいと思うぞ。 (2014/10/17)

 いままで出したキンドル本には紙の本のような「あとがき」を付けております。『Let's Inner Spool!』のあとがきは、けっこうぐだぐだで、「Let's Speed Spool」とか、しょうもないことが書いてあります。

 そのあとがきにも書いてありますが、実は「Let's Inner Spool!」の連載がなかったら、『忠さんのスプーン人生』は生まれなかったのです。なかなか人生何がどうなって何が起こるかわからんもんやなあと思います。

 ところで、あらためて考えると、あとがきというのはけったいなものですなあ。文芸書でもなんでも「ご助言をいただいた○○さんに感謝します」とか「取材にご協力いただいた○○さんありがとう」とかよく書いてあるものです。一方で、読者の人へのありがとうはまずありません。

 リールの説明書に設計者によるあとがきがあって、「このリールの設計担当に指名していただいた開発部長さんのおかげです」とか「厳しいテストで品質を高めてくれた品管部門に感謝します」なんて書いてあったらヘンですよね。ユーザーから見たらそんなんあんたらの内輪だけでやっとれよってところです。でも、それをやっているのが本という商品なんですね。

 てなことを言いつつ、やっぱり普通の本みたいな文面のあとがきを付けてしまうあたり、付和雷同というか事なかれ主義というか、そういうことなわけです。

 去る2014年8月31日、先のほうのガイドをKガイドに換装したフェンウィック・ワールドクラス83MLの試し投げに行きました。あれに見えるは長島温泉。こういう構図の写真を釣りブログでよく見ます。あれはコンデジでパチッとやると撮れるのね。コンデジはぼかしがきかないからガイドが元から先まで写ってます。Kガイドと手前のYSGの段差が大きいなあ。カメラは1万ちょっとの安物ですが、画像サイズが横4160ピクセルで写真1枚5メガくらいになって、古い型の一眼デジカメより大きく重くなります。でも画像を拡大するとなんだか汚い。これもリールのベアリング数みたいなスペック偏重主義なのかな? (2014/10/11)

 このロッドはLSGとYSGのニューガイドコンセプトベースのガイド構成でした。PEエギMSの0.8号を組み合わせたところ先端部のLSG7の2個の元側1個とYSG8Lで頻繁に糸絡みが生じたため、この3個をチタンフレームKTSGの7と8にそれぞれ交換したのでした。

 7時間くらい投げて、ガイドにかぶった糸絡みはKTSG8に1回、その手前のYSG10に1回でした。しかし、この2回は7時間投げてしんどくなって、座り込んでひょいと手投げした、穂先だけが曲がったような、つまり絡みやすいキャストでした。

 そのほか、この前は気にならなかったトップガイドFST7への絡みが5回くらい起きました。前起きなかったのにこの日に限って起きた理由は不明ですが、トップに絡むような条件ではその前にLSGに絡んでいたのかもしれません。ただ、トップガイドの絡みはマジスティックEGや改造HMGのMNSTでも起きるので仕方ないのかなと思います。

 この日起こった絡みに関しては、ショッキングピンクのPEエギMSが写真のように真っ白になっていることから、ラインのすきまを埋めていた染料が抜けて腰がなくなってきていたのが大きかったはずです。こうなると、比重と張りを出すために混紡されたポリエステルの重さが悪さをして、ガイド間で飛び出しやすく、絡みやすくなるのでは……。

 ならば、原糸の太さによる張りがあって比重の小さい4本編み純PEなら問題ないのかもしれません。で、続いて先日、ラインを純PEのラピノヴァ1号にして投げてきました。号数が違うのとリールをナスキー2500から14ミッチェル300に変えていたため直接的な比較はできませんが、4時間投げてトップガイドを含めてガイド絡みはゼロでした。

 あとは0.8号の4本編み純PEで絡みが起きなければ最小限の投資で改造は成功ということにしましょう。また近いうちに投げに行きたい……って、夏にシーバスロッドのアルジェント862Lを買ったのに、使う間がないじゃないか。

 それ以前に、投げてばっかで、シーバスにかすってもおらんのはどうしたものか。

 2014年9月27日、犀川です。何を血迷ったか、フライロッドだけ持って行ってしまいました。社長が朝日叩きの尻馬に乗って馬脚をあらわしちゃったT社のフライ雑誌のせいかフライマンだらけ。へたっぴーなキャストを見られないよう、フライマンから逃げるように釣り場を回りました。 (2014/10/5)

 ロッドはシマノ・フリーストーンFS868。90年代に琵琶湖でバスを釣っていたロッドです。あれれと思った人がいるかもしれません。ガイドが全部SiCになっています。もちろんオリジナルはスネークガイドでした。

 15年くらい前、このロッドを持って御母衣ダムへ行ったときのこと、減水したぬかるみで釣っていたためラインが泥だらけになりました。釣りから帰ったら、すべてのスネークガイドに溝ができて、ブランクも塗装が摩耗して部分的にカーボンが見えていました。そのため、うらしま堂の渡辺さんに相談してチタンフレームSiCガイドに交換したのでした(参考に、トップFST7、以下LSG7を4個、UNSG8を2個、LNSG10を1個、バットの2個はもともとSiCなので不変。たしか渡辺さんに決めてもらったはず)。

 ただ、ちょうどそのころロッド改造後に決まって体調を崩すのを、疲労ではなく作業時に嗅ぐエポキシの蒸気だったことに気づいたため、ラッピングとブランク傷の補修にウレタンを使いました。塗装用の防毒マスクをしてエポキシを使えばよかったのですが、そこまで頭が回らなかったのですな(というより、エポキシがダメでウレタンは大丈夫なわけはないわけで、あほやな、わし)。

 で、なんだか汚い仕上がりになってしまい、そのころフライから遠ざかったこともあってロッドケースに入れたまま眠らせてしまっていました。それを、先日引っ張り出して、いったんガイドをはがして(ウレタンなんて使っちゃいかんわ。取れへんもん。LSGの首下も埋まらないし)エポキシでやり直したのでした。

 で、性能は……わかりません。なんたって、オリジナル状態で使ったのが15年も前だもん。でも、少なくとも悪くはなっていないと思います。仮にキャスト性能が同じでも、現実に使用条件によってはスネークガイドは摩耗するわけで、ロッド本体なんて半永久的にもつんだから、これがあるべき姿でしょう。

 ところが、不思議なことに、ほとんどのフライロッドは目ン玉が飛び出るくらい高価なものまでほぼすべて、(ほかの釣りではもはや考えられない)ワイヤー製のスネークガイドなんですね。昔はシマノやティムコにSiCモデルがあったような記憶がありますが、浦島太郎状態で最近のカタログをチェックしたら、なくなっていました。

 で、ネット検索してみると、ショップオリジナルみたいな形でSiCガイドのロッドを出しているところはあるみたい。一方で、フライの某大御所氏がえらい勢いでSiCガイド付きロッドを批判していたりと、ほほーな感じでした。

 SiC付きフライロッドが(少なくとも大手から)なくなったのは、スネークガイド同等の重量を目指すとチタンフレームSiCになってしまって、とんでもなくコスト高になるからでしょう。しかも、メーカーとしてはリペアパーツとしてロッドの各セクションを在庫する必要があるわけで、単純にガイド代を商品価格に上乗せするだけでは済まないはずです。

 スネークガイドなんてブランク側がオープンなんだし、耐摩耗性やラインの保護性能は、SiCより安いハードリングやアルコナイトなどのアルミナ系ガイドでも向上すると思います。でも、アルミナ系はリングの比重にステンフレームが加わってロッドの調子が変わってしまうでしょうね。バンブーやグラスのブランク重量からくるゆったりした感じがいいという人もいるんだから、重いガイドでそういう味を出すことだって考えられますが、バンブーのゆったりした感じがいいという人はゆったりした感じが好きでバンブーがいいといっているのではなく、バンブーが好きがまずあってゆったりした感じが好きは後付けみたいなものなので(おい)、ガイドの重さでゆったりしたアクションを作ってもやっぱり売れんでしょうな。

 ガイド交換の相談をしたとき渡辺さんに聞いたのですが、フライの人たちはトップガイドにセラミックが使ってあるだけでもカッコ悪いからいやだというそうです。そういう市場なんですなあ。

 なに? 犀川での釣果? これはあくまでFS868の調子を確認しに行っただけです。

 2014年9月21日、揖斐川水系のアマゴです。小さいですと? ネットがサクラマス用だからね(おい)。朝ゆっくり起きてから行ったので先行者の足跡くっきり。使ったフライも15年くらい前に巻いた残りだし、腕も考慮したら、出ただけでも奇跡でしょう。 (2014/9/29)

 ロッドはフェンウィックのFF764-2J。往年のではなくて、1998年に出た日本向けクラッシックグラスシリーズの1本です。振ったのは多分15年ぶりくらいで、もっとペナンペナンで懐古趣味だけのロッドと思っていましたが、改めて使ってみたら、近距離だったこともあって普通に使えました。

 クラシックグラスシリーズのフライロッドは、いつぞやも書いたFF756-4Jという4本継パックロッドも持っています。756-4Jは、2番だけが曲がる絵に描いたようなへの字曲りでしたが、写真のFF746-2Jはスムーズなカーブを描きます。軟らかいのでこのサイズでも気持ちよかったです。

 ここ10年以上、1、2年に1回くらいふとフライロッドを持ち出しては、ラインをこんがらからせたりブッシュを釣ったりして「キィーーーーーッ」となって帰ってきていましたが、この日は(フライは相当ブッシュにプレゼントしたものの)なんとなく気持ちよく過ごせました。

 フライが相当なくなったので、オフシーズンにまた巻くかな、とマテリアルのストックを見たら……虫わいとるがや。それにしても、8800円のメッツハックルとかが出てきて、目ン玉が飛び出そうになりました。あのころはまだ会社員だったからリッチだったんだなあ(戻る気はないが)。

 渓流は終わりですが、FF756-4Jはバスを釣ったら面白そうです。大江川なら魚がいるのは岸沿いですし。でも、あの曲りではいかに岸沿いでも苦しそう。発売元に送って見てもらおうかしらん。でもまあ、16年も前のロッドで何言うてはりますねんってところだよね。

 大江川で40オーバーのバス、渓流でアマゴときて、有終の美を飾るべく27日には犀川へ8番ロッドを持って行きました。はたして結果はいかに(言うまでもないか)。

 2014年9月15日、揖斐川水系のイワナです。朝一から本流に入ったものの新子がちょっと追ってきただけ。支流に行ったもののいつもの入川点に車。でもって、ずーっと上流に仕方なく入ったら、なんとか1匹釣れました。ごく細い流れですが、カーディナルでミノーの泳ぎ出しがはっきりつかめて的確なリーリングができました。大したもんです。三本和彦か。 (2014/9/19)

 あとで思い出した。三本和彦は「大したもんです」じゃなくて「なかなかのもんです」だった。誰も覚えとらんわ。

 カーボンローターハイギアのストラディックCI4 1000Fやエアローターハイギアのセルテート2004CHよりも、しっくりくる高感度な巻き心地でした。スプール径、ギア比、ハンドル長さ、そしてスクリューギアがうまくマッチしているのでしょう。この日は午後、ロッドとラインを変えて大江川に行って、9〜11cmのミノーを引きましたが、こういう釣りに使ってもけっして巻きは重すぎず、実に絶妙の抵抗感でした。こっちはボウズだったけど。

 あらためて、Let'sCardinal!ですな。というわけで、『Let's Inner Spool!』新発売です。『ロッド&リール』の「Let's Inner Spoo!/インスプールスピニング探訪」を収録しました。

 アマゾンのKDPキンドル・ダイレクト・パブリッシングによる自己出版ですが、アメリカのシステムをそのままこっちにもってきているせいか、いろいろあります。

 今回は「ローマ字」でトラブりました。アップロードの際、「タイトル」「フリガナ」「ローマ字」を記入します。このとき、何度もエラーが出るので原因を調べたら、「ローマ字」に入れた「Let's Inner Spoo!」の「'」と「!」が引っ掛かっていたのでした。日本語タイトルをローマ字表記する前提のため、記号の類が使えるようになっていないのです。

 でも、「Let Us Inner Spool」も「Let s Inner Spool」もヘンだし、読み仮名みたいなもんだからいいかと思って「RETTSU INNA SUPURU」と適当に入れてアップロードしました。

 あとから思い出して、たしかこれは日本以外のアマゾンでは書名になってしまうのではないかと確認したところ、はたして「RETTSU INNA SUPURU」になっていました。アマゾンのサポートに問い合わせたら、いまのところこれしかしょうがないとのこと。

 でーれーかっこわるいがや。

 2014年9月13日、大江川のバスです。20年ぶりくらいにバスバグで釣りました。90年代には琵琶湖の北でウェーディングしてバスバグや巨大マドラーを投げていたものです。バスバグも20年前に巻いたもの。ティペットは1X(12Lb)でしたが、これまた20年前に買ったきりのもので、ひやひやでした。フライでこのサイズは琵琶湖でも釣ったことがなく、フライを始めて以来初めてリールでやり取りしました。 (2014/9/14)

 釣り終わってから、リールシートのナットの締め忘れに気づきました。おいおい。

 右岸を上流に向かいつつ、岸沿いに投げて釣っていきました。バックキャストが堤防の草に掛かってしまうので、この方向でしか釣れません。なお、右岸左岸は、川を下流に見て右左をいいます。

 午後3時前から釣り始めて、6時まで全く反応がなく、あきらめて車の置いてある所へ投げながら戻っていきました。こうすると、釣り進む方向が逆になって、ロッドを体の左で振らないといけないので、5mくらいしか飛びません。うまい人ならバックハンドでも投げるんやろけど、20年ぶりで普通に投げるのもやっとだもん。

 ほとんど車の下まで来たところで、フライが水面下に消えました。静かな消え方だったので、子バスかブルーギルだろうとアワせたら、ぬぬぬぬぬーっとロッドが絞り込まれました。なんとか寄せたものの、6番のフライロッドでは抜き上げられず、手は水面までわずかに届かず、12Lbとはいえ劣化しているっぽいティペットを持って上げるのは……と思ったら、前、海に行ったときのフィッシュグリップがベストに下げてあって何とかなりました。

 フックは上あごにきれいに掛かっていました。こういう掛かり方をするのは、ウィードガード(5号ナイロン)が付いていて、口の奥では掛からないからなんでしょう。巻いたときはバスバグにはふつう付いているからくらいの感覚で付けたのですが、ノドの奥で掛けてしまわないためにも付けた方がよさそうです。フックはもちろんバーブレスですが、フライはルアーと違って重さがほとんどないので、エラ洗いされてもまずバレません。

 フライのバス釣りは面白いです。この魚みたいに、投げられなくても釣れます。でも、水が汚いのがちょっとネックかも。この日も左手は浮草まるけでした。

 2014年9月6日、大江川のバスです。ミノージャックを振りたくなってぶらっと行って、これまた古いザウルス・ミノートプスで釣れました。ここはスレスレだからハードルアーは無理だと思っていたのでちょっとうれしい。最近、夏の終わりにふとバス釣りに行くことが続いています。歳くってから夏に弱くなって、ちょうどいまごろ疲れが出てきて体がしんどくなるもので、楽な釣りがしたくなります。一昨日なんか、腹にガスがたまって、放出したら……汚いので以下省略します。 (2014/9/6)

 ここ数年たまーにバスを釣るようになりました。なんというか、ルアーを始めたころからバスに対しては全面賛成ではなくてやってみたりやめてみたりでずるずる来てます。

 最近、バスをちらちら釣りに行くのは、セータイケーだのセーブツタヨーセーだのというのが嘘くさく感じられてきて、こんなものを気にしてバス釣りを後ろめたく思うのがバカらしくなってきたというのがちょっとあります。

 前回書いた子供にカメ殺しを教える学者先生のような連中が錦の御旗のように振りかざし、意味もようわからんマスコミやらなんやらを扇動した言葉がセータイケーだったんじゃないかと思えています。

 後日どうなったか知りませんが、何年か前、醒ヶ井では町で保護してきたイトヨだかハリヨだかが混血しているのが判明して、全部駆除して純血種に入れ替えるといっていました。以前石徹白フィッシャーズホリデーで、イワナを守る本を書いた学者先生が、堰堤上に純血イワナがいて堰堤下のイワナが混血していたら、堰堤を撤去したり魚道を付けたりする前に堰堤下のイワナは駆除すべきと話していて、思わず食ってかかってしまったことがあります。京都賀茂川のオオサンショウウオは中国オオサンショウウオと混血が進んでいて、これまた専門家は駆除すべきといっているそうです。タイワンザルやらタイワンリスやら同じような例はほかにもあります。なんだかナチスの民族浄化策を連想してしまいます。

 そこまでしてセータイケーとやらを守らなければならないという意識の高い国が、一方であれだけ悲惨な事故を起こした原発を、再稼働どころか海外に輸出しようとしています。そんな大きな話でなくても、うちのほうでは長良川河口堰や徳山ダムに飽き足らず、木曽川水系連絡導水路で、またまた川がめちゃくちゃにされようとしています。設楽ダムも復活するようです。

 セータイケーと並んでエコロジーとやらも近年の流行語ですが、そもそも資源や環境がやばくなるのは人間の生産活動や人口が過剰なのが理由なのに、一方で景気は回復させなければならず少子化はゆゆしきことだといわれています。

 こんな欺瞞と矛盾に満ちた世の中で、バスを釣るのが後ろめたいとかなんとか、なんのこっちゃということです。

 堕落かい?

 6月に揖斐川中流をうろうろしていたら、護岸の水たまりにイシガメがいました。5〜6月は某トラウト誌の記事にそそのかされてサツキマス狙いでルアーを投げていたのですが、マスどころかウグイもニゴイもナマズもついに1匹も釣れませんでした。昔を思うとまさに死の川です。そんな中こういう生き物を見つけて少しホッとしました。 (2014/8/30)

 カメといえば、半月くらい前、地元のニュース番組で名古屋かどこかの池で学者先生の指導で子供たちがアカミミガメ(ミドリガメ)を捕まえるのをやっていました。今はやりの外来生物駆除活動で、捕まえたアカミミガメは子供たちの見ている前でマイナス20度の低温庫に入れて殺されていました。

 アカミミガメが増えることで在来のイシガメやクサガメ(クサガメって遣唐使の時代に移入された外来種じゃなかったっけ?)が圧迫を受けているから駆除せなあかんということですが、そもそも今の日本の近郊の野池にカメが産卵できるような環境が残っているのでしょうか。

 アカミミガメであれイシガメであれどっちもほとんど繁殖はできていないのではないかと思います。ではなぜアカミミガメだけが増えるかといえば、どんどん捨てられているからでしょう。うちに20年前に買ってしまったのが2頭いますが、普通あんなもん捨てますよ。手に負えませんもん。私は普通じゃない人だから捨てませんけどね(……とはいうものの、まだ20年くらい生きるらしく、最後まで面倒を見るとは言い切れません。私が先に死ぬことだってあり得るわけで)。

 学者先生がイシガメなどの「在来ガメ」を守りたいと思うなら、カメが普通に繁殖できる環境を取り戻す運動でもしたらどうでしょう。アカミミガメが増えるのがいけないというのなら、カメの輸入販売の禁止を主張すればいいでしょう。確かオーストラリアはカメの輸入を禁止していて動物園ですら老成した個体しかいないそうですから非現実的な提案ではありません。

 そういった行政や業界とぶつかりそうなことはせずに(してるのかもしれんが)、子供たちを集めてカメを殺させるのがなんの教育なのかと思います。安易にペットを捨てるとこういうことになるよと教えているつもりなのかもしれませんし、そういう効果がないとはいいませんが、子供ってけっこう残酷ですよ。外来魚たたきが始まりかけていたころの琵琶湖で、釣りあげたブルーギルを「こいつらは死刑や!」といって空に向かって投げている子供を見たものです。

 昔、「矢ガモ」が見つかってマスコミが大騒ぎしたことがありました。こういう「教育」の果てに「矢ガメ」でも見つかったら、マスコミはまたぞろ「命の大切さ」の念仏を唱えるのでしょうか。

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