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「2025 今年の総括 その1」



 怒涛の一年が終わりに近づいた。僕たちは、その日一日を終えることに精一杯で、せいぜい過ごしている月をどのようにやりこなすのか?ということに腐心した。十一月もようやく堆肥運搬という大きな仕事を終えたところまで漕ぎ着けて、休むまもなく十二月に突入した。

 今年の天候は、酷暑とも言うべき真夏が早くやってきて長く居座った、ということに尽きるのか?確かに七月の初めから、梅雨を押し除けるように高温続きの日々だった。それが九月末まで続いたが、八月の終わりには長期予報で、十一月がかなり寒くなる、という脅しのような報道が出た。つまり、秋が極端に短くなるだろう、という予報だった。

 うちの畑の九月の種まきは、暑過ぎて無理があると思ったけれど、遅い種まきを敢行した。予想通り、大根やカブ、小松菜は生育が進まずに、特に大根はほぼ全滅に近かった。秋が短いというのだから、その後に種まきを何度も行ったのは言うまでもない。ところが十一月は寒くなかった。最低気温4度を何回か記録したが、最高気温は18度を超えることが多く、風もそれほど吹かなかった。結果として、今、野菜が豊富になってきた。九月に種をまいたカブや小松菜、白菜すら予想に反して育っているのである。十月にまいた水菜やカブ、小松菜、白菜も大きくなりつつある。予想よりも秋は、しっかりと存在感を放ったのだ。これは嬉しい誤算だし、僕たちを楽天的にさせるに十分なものだ。

 去年の夏も酷い暑さだったが、今年の夏はさらに上をいった。不思議なことに、僕たち人間はそのことに慣れつつある。人の順応能力は、その場での対応が無理だとしても、長いスパンでの対応は可能であることを想像させる。野菜たちもまた、見事な順応を見せる。草があるのに野菜が育ち、虫がいるのに大量発生にならないで野菜が育つのだ。これを目指してきたし、今後もそこを目指す。虫を捻り潰すこともしょっちゅうだが、虫を大量殺戮はしない。草取りもするが、草を除草剤で枯らすこともしない。多様な野菜、多様な生物相、多様な植物相、それらが混然一体となった状態で、野菜を収穫するのだ。

 メディアがスーパースターを作り出そうと特定の人を称賛するような、一つの野菜だけを称賛することはない。それが正しい、とか、それは間違っている、というような意思統一も必要ない。このクソ暑くて、クソ寒い気候の中で、育った野菜が素晴らしいだけのこと。そしてそれらは、透明感のある味で後味がよい、それだけのことだ。色が薄い、とか、大きくない、不揃いだと文句を言うこともなく、化学残留物や細胞肥大を称賛する世界とは無縁である。

 僕達人間が、地球に対してあまりに人間中心主義を強いたので、当然その報いは受けなければいけない。そこで修正できるところに人間の豊かさがあるのではないか?現に、昨日の堆肥運搬の4tダンプの運転席から見た浜名湖の水は、透明できれいだった。そのようなことがこの三十年の間にあちらこちらで見られることも事実なのだ。しかし一方で、僕達も野菜たちも虫たちも、皆が自然界の一員であることも事実だ。だから、暑さや寒さが来ても、順応できていくのだろう。そのような覚悟が垣間見えた一年である。

2025年12月1日



 暖かくてよく育つ冬野菜
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