今年が始まったばかりと思っていたのに、早四か月が過ぎている。明日から五月。怒涛の勢いで時が流れていく。相変わらずに子供のことが頭の多くを占めているから、そのスピードは速く感じる。暖かくなって出荷も忙しく、農繁期の今、時間はいくらあっても足りない。出荷に時間の多くを割くと、苗の植え付けなど農作業の時間は少なくなる。畑を歩けば、やりたい仕事が次々と見出される状況だ。

　長男のサッカーは、ますます熱を帯びてきた。各チーム選抜の子たちとサッカーをすれば、見えてくることがある。皆そこそこに上手であるから、ドリブルをしてもなかなか突破し続けることはできない。ミニゲームを４ゲームこなせば、へとへとになって、からだの大きな子にはなかなか及ばない。つまり、長男がサッカーの練習を毎日やるように、皆が毎日練習をしているということだ。そのことを、長男に説明した。

　次の日から、学校から帰ると、遊びに行くのを控えるようになった。練習時間が少なくては通用しない、と考えたのだろうか？朝は、学校へ行く前の１０分を朝練するようになった。朝も夕方も、僕は相手をする。仕事がどんなに忙しくても、その時間は確保する。車で配達する道すがら、長男のサッカーをイメージして、練習方法を考える。

　今週思いついたのは、人の密集の中でボールと相手を見る訓練だ。野菜のコンテナを利用して、それらを相手ディフェンダーに見立てて数個並べる。その間や上をパスしたり、オフサイドラインを考えながら走ってシュートしたり、とやり方はいくらでも考えられる。ただ、コンクリートの駐車場でコンテナだから、当たったり転んだりすれば痛いし、怪我もしやすい。だから、普通の人はやらないだろう。しかし、当たって痛くなければ、しっかりと認識することにも真剣にならないだろう。怪我対策として、ひざ当てを付けさせたりもする。

　連休には、二つ上の学年の試合にも出るようだ。からだが大きくて早い５年生に、吹っ飛ばされることもあるだろう。通用しないことを認識すれば、また何かを工夫することにもつながると思う。僕には休みがないので、試合を実際に見ることができるかどうかはわからない。仕事が忙しすぎるから、骨休みに仕事を中断して、試合を見るのもいいかもしれない。

　次女は、連休中に、学校で製作する美術部のコマーシャルビデオを編集するそうだ。三女は卓球の試合があるし、ケーキ屋まわりもしなければいけない。四女は、お祭りの屋台を動かす行事があるとかで張り切っている。長女は家には戻らない。

　長女の誕生日があるので、みんなでてんでに手紙を書いたり、クッキーを焼いたり、あるいは連れ合いが洋服を仕立てたり、それらのものを宅急便で送ることになった。僕は、長女の好きなものを買いだしに出かけたが、たったひと月長女がいないだけで、あいつがいつも何を好んで食べていたっけ？と思い浮かばない自分を発見した。三女は、クッキーのラッピングにも凝るようだ。長女一人がいない連休に、皆が長女を意識すること、その流れはとてもいいなと思う。それだけみんな大きくなったということかもしれないね。

2015年4月30日　寺田潤史

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