少しだけ実験




ちょうど今、マクドナルドにおいてチキンマックナゲット(5個)が100円という特価になっている。…え?前みたいに100個頼んだのかって?いや…5年前ならともかく今となっては「マクドナルドで大量注文」ネタはありふれ過ぎてインパクトに欠けている(前やった時点で既にありふれていたし)


かと言って、独創的な工夫を加えてチャレンジレポートを作る度量は今の私には無い…が…ただ、少しだけ試してみたかった、自分がどれだけチキンマックナゲットを喰えるのかを。


私はさして大食漢ではない(太ってはいるが)ので、相対的に見て感嘆を誘えるような実験ではないのは分かっているし、残るのは単なる嘲笑だろう。しかし、それで本望だ。血迷ったおバカさんのくだらない実験が、この文章を読んだ人の感情を変化させることが出来ただけで十分なのだ。



チキンマックナゲットの購入先は前にハンバーガー100個を注文したところと同じ、私の家から最も近いマクドナルド。前の実験から1年以上が経った今でも、私の「ハンバーガー100個」という注文を聞いた店員さんは働いているし、その人は私の顔を見ただけで未だに固まる。


前回の実験で私はハンバーガーを14個喰ったので、とりあえず個数は15箱…いや、キリよく20箱にすることにした。ちょうど中身が100個になるし(もちろん後悔)。カウンターでチキンマックナゲットを20箱持ち帰りで頼む。私はマスタードソースの方が好きなのでもちろん全てマスタードだ(これも後悔)。


持ち帰りにした理由は、「20箱程度じゃ見せびらかしても面白くない」「マクドナルドで吐きたくない」の2点。10分弱待ってくれれば出来るとのことなので待つ。


「たかが20箱、そんなに面白い話ではないなぁ…」とか「でも店員は持ち帰って一人で喰おうとしているなんて思ってないだろうなぁ…」とか思っていると、どうやら20箱の注文は店員を苛立たせるに十分だったようだ。というか厨房から商品を投げてやがる。


10分足らず経ったところで商品(というかブツ)を受け取る…何故か4袋もの大荷物になっているチキンマックナゲット。一昨日捨てた古雑誌の束(中身は秘密)より重いぞ?私は雑誌10冊分以上の重量を喰おうとしていたのか?…と半ば敗北宣言。



そして、食べる前から既に食物ではなく負債でしかなくなった20箱のナゲットとソースを持って帰って記念撮影。

羅列


定番ピラミッド



…詳細にその様子を描写するとエロ・グロ・ナンセンスの世界に突入するので結論のみを書こう…何かがこみ上げてくるのに要するチキンマックナゲットの数は8箱(40個)。体内のチキンマックナゲット人口が40人を超すと、奴らは独立運動を起こして体外へ脱出を試みるらしい。


さらに付け加えるならば、ただ単に気持ち悪いだけではなく頭痛までしてくるのはどうしたことだろう。しかもさっきからまともに文章を組み立てられない(いつものことだが)。思考の中に妙な邪魔者が居るような気分だ。過度のチキンマックナゲットは思考にも影響を与えるのか?
(チキンマックナゲットが意識や思考にすら強烈な影響を与えるというチキンマックナゲット唯物論が観念論を打破…今回、得られた唯一の結論。マクドナルドが哲学を変える)



5個喰った時点で飽きたナゲットをひたすら口に運ぶ21歳の夏の夜。わずか30分で2840kcalを摂取した7月のアホな夜。残り60個の在庫をどうするか悩みながら床に就く涙の夜。きっと朝はやって来ない。
(チキンマックナゲット1箱+マスタードソースで355kcal…8倍すれば2840kcal。1日の必要熱量を軽々と超えているという恐怖)



(2004/07)



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