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3月20日 扶助協会の財政難(2)

 1月25日の日誌の続きです。

 本日、弁護士会の消費者委員会のメーリングリストで流れてきた情報に「4月以降から破産事件の扶助の要件が厳しくなる」というのがありました。

 従来は自己破産申立事件で法律扶助協会の援助を受けようとする場合も、一般の事件と同様の資力基準でした。これが4月から一般事件とは異なり少々収入の上限が低くなるらしいです。

 具体的には、4人家族でいうと、東京で、従来は月収(賞与がある場合はそれも含んだ平均)328,000円以下であれば援助が受けられたのが、4月からは263,000円以下でないとだめだそうですから、相当厳しくなったと言わざるを得ません。

 また、少額管財事件については扶助の対象から除外されてしまいましたので、利用できない方はさらに増えると思います。

 どうしてこのように変わったのかというと、原因は扶助協会の財政難、予算オーバーにあるのは明らかで、これは景気がよくなって扶助協会を利用する人が減るか、扶助協会への補助金を大幅に増やさないと根本的には解決のつかない問題です。

 しかしながら、前回も書いたように、私自身は今年度から法律が制定されて扶助協会への補助金が増やされたのに調子づいた扶助協会が、最初に大盤振る舞いをしてしまったのがいけないと思います。昨年度までは、自己破産事件は、「生活保護、またはこれに準ずる人」でなければ、扶助の対象とはされていませんでした。それを一気に通常の事件と同じ資力基準で認めたのですから、対象が激増するのは当たり前です。
それでもって、対象者が殺到してお金がなくなったから、たった1年で基準を再び絞るというのは、どう考えても定見がなかったとの批判は免れません。

 私自身は、前回も書いたように、破産事件については通常の事件よりやや厳しい資力基準で認め(その代わり少額管財も認める)、任意整理は原則認めない(債権者に返すお金があるのに弁護士費用が払えないと言うのは矛盾である)というのが、扶助の趣旨から言って妥当だと考えるのですが、どうでしょうか。

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