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3月27日 最終弁論

マスク
 先週から3年半やっている刑事事件の最終弁論作成の追い込みで、全く日誌の更新ができませんでした。その間に世の中は辻本清美の辞任はあるわ、石原銀行税の全面敗訴はあるわ、ずいぶんニュースが続いていましたが、個人的にはそれどころではありませんでした。

 3年半も続いた否認事件ですので、当然証拠の量も半端ではなく、検察官の論告も180ページ以上の大部なものでした。弁護人としては、当然論告を完全に論破するものを目指した関係で、最終的に210ページを超える弁論になりました。もともとそんなに起案が早いほうではない上に、なかなか公私ともに時間があけられず、私の分担部分がなかなか仕上がらなくて相弁護人の先輩を冷や冷やさせてしまいましたが、何とか当日には間に合いました。もう寝不足でへとへとです。

 しかし、公判で210ページを読むだけでも大変です。我々に与えられた時間は3時間程度。試しにリハーサルをしてみたら、どう頑張っても読み上げるのに1ページ1分はかかると言うことが判明。やむをえず、40ページほど読み上げを割愛し、残り170ページを読むことにしました。これを約20ページずつ、相弁護人と私で交代で読むことにしましたが………。

 誤算だったのが、写真のマスク。2月27日の日誌に書いたように、被告人が拘置中に結核に罹患してしまい、法廷では全員写真のような仰々しいマスクを着用です。

 これをしたまま読み上げるというのは予想以上につらいものでした。何せ、空気のとおりがあまりよくないもので、読んでいる内に、マスクの中が酸欠状態になってきて、くらくらしてしまいます。また、マスクの中に湿気がたまって、顔の下半分だけサウナに入っているかのように不快です(^^;

 それでも、何とかかんとか読み終わり、無事時間内に終了しました。やれやれ。これで明日から通常の勤務態勢に戻れます。

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