業務日誌(2003年3月その1)

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3月10日 国連の権威

 例えば、もし、気に入らない賃借人を追い出そうと、建物明け渡し請求の裁判を起こした大家さんが、裁判官に向かって「俺を勝訴させろ。もし敗訴させるようなことしたら、自力で賃借人を追い出すぞ」とすごんだら、どうでしょう?

 現在アメリカが国連安保理に対して取っている態度はまさにそのようなものかと。

 そして、その裁判の裁判官に対し、裏で「あの大屋さんには逆らわない方がいいですよ。ボーナスが減りますよ」と説得している人がいたらどうでしょう?

 それが現在日本のやっていることではないかと。

 そんな簡単なことじゃないとはわかっていますが。





3月7日 商工ファンドの「約束手形」


旧商工ファンドが手形訴訟乱発、東京地裁が自粛要請
 商工ローン大手の旧商工ファンド(現SFCG)が債権回収に手形訴訟を乱発していた問題で、東京地裁が「手形訴訟の 趣旨から逸脱している」として、同社に提訴を自粛するよう、異例の要請を行っていたことがわかった。

 日栄と並んで商工ローン大手として知られる商工ファンド(現在SFCGとか商号を変更していますが、まだまだ旧商号の方が通りがいいようです)。

 日栄の「腎臓売れ」事件の際に、一緒にやり玉に上げられて、しばらくは低姿勢だったのですが、ほとぼりが冷めるとともに強硬な取り立てが復活し、さらに利息制限法引き直しによる和解も一切拒否して強制執行をかけてくる戦闘的な貸金業者となっています。

 その強硬姿勢も困るのですが、もっと困りものなのが、商工ファンド特有の脱法的なアイデアの数々。「約束手形」もその一例です。

 普通、約束手形といえば、銀行の統一手形用紙を使用して振り出されたものを指します。ところが商工ファンドは、手形法の手形記載事項は一応記載してあるが、完全に私製の用紙に記入した「私製手形」を貸し付けの際に債務者に記入させ、これを使って「手形訴訟」を起こすのです。昨年は東京地裁での手形訴訟の8割、1500件が商工ファンド提訴のものだったとか。

 しかし、商工ファンドの「約束手形」は、銀行に持っていっても当然取り立てには回してもらえませんし、もちろん裏書きを受けて買い取ろうなどという第三者もいませんから、全く流通性のない紙切れです。手形法の記載事項を形式的には満たしていても、手形の本質である有価証券性・指図証券性を実質的に欠いています。いわば、「手形」と名前の付いている「借用証」にすぎません。

 そこまでして、何で手形訴訟にこだわるのか。一つは、手形訴訟が反証をほとんど許さずにすぐ判決が出る点、もう一つは手形上の支払地が管轄となることから、相手がどこの債務者でも東京地裁に提訴できるからです。

 法律論争を頑張ること自体は権利ですからやるな、とは言えませんが、ここまで姑息なアイデアを実践し、裁判所にまで辟易されてしまう会社も珍しいのでは?




3月6日 免責審尋の番号札

 昨年度の破産申立件数は、ついに20万件を大きく超えたそうです。東京地裁でもその1割、2万件を突破しています。

 東京地裁の破産部(民事20部)は、この膨大な破産事件の対応のために、どんどん省力化を行っており、申立書式の簡略化に始まり、宣告前の本人審問の廃止(代理人の即日面接のみ)、管財事件の処理の簡略化と進んでいましたが、ついに同時廃止事件(管財人を選任せずに破産手続きを終結させ、免責の判断のみを行う事件)の免責の審尋に「番号札」が登場しました。

 これまで、免責審尋の法廷に本人を連れて行くと、入口で書記官に出頭カードをを渡して、書記官がそれを束ねて裁判官のところへ持っていき、裁判官が順々に当事者を呼んで免責審尋を行っている、というのが東京地裁の光景でした。

 これが、入口で書記官から「番号札」を渡され、裁判官も法廷で「何番の方どうぞ」と、番号で当事者を呼ぶ形にいつの間にか変わっていました(この1ヶ月内に変わったものと思います)。

 まあ、番号順で呼ばれる方が、順番を待つ側としては順序がわかるので、より親切になったということは言えるでしょう。しかし、また一歩、免責審尋が「大病院の診察」みたいな雰囲気に近づいたことは否めません。当事者への感銘力、という点では、あまり省力化しすぎてもらうと困ることも事実です。

 しかし、他の裁判所では、一度に20人も法廷内に座らせて、裁判官がお説教をしておしまい、という「朝礼型」免責審尋を行っているところもまだまだ多いので、個別に審尋を行う東京地裁はまだ良心的ですかね。




3月4日 誰のための国益か

 まあ、アメリカのイラク攻撃の是非については評論家によって語り尽くされている感もありますが、前々から思っていることを一言。

 「日本政府は、いったい誰のために、何のために動いているのか?」

 川口外相が以前、「日本が態度を明らかにしないことが国益」などと国会で答弁して顰蹙を買っていましたが、これも「誰のための、何のための国益を想定しているんだろう??」との疑問を禁じ得ません。

 弁護士は具体的な依頼者の利益のために動きます。もちろん、法や社会正義に反してまで依頼者の利益を追求することはできません。その枠内で、それぞれの弁護士が依頼者の利益を追求することによって、総体として社会正義が実現されるのだ………というのが弁護士がプロフェッションとされるひとつの根拠です。

 そうした弁護士の感覚からすると、日本の政府のやっていることは、いったい何が獲得目標なのか、さっぱりわからない。

 裸の「国益」というものはないわけで、「国民にとっての利益」が「国益」でしょう。その意味での国益はいろいろな側面があっていいと思われます。具体的な物的成果から始まり、ある国との友好関係促進による成果、短期的な国際社会での発言力、長期的な国際社会での信用、等。

 ただ、具体的にどのレベルの「国益」をめざすのかは、「国民にとっての利益」である以上、国民の理解を得ながら進めることが大前提でしょう。これをしないのでは、弁護士が依頼者の意見も聞かずに一方的に結論を押しつけているようなものです。

 たとえば、裏にどのような意図や権謀術数があったにせよ、フランスの態度は「国際社会におけるフランスの理念面での発言力」を高めていると思われますし、ドイツはともかく世論に従っています。イギリスは「アメリカと協調することによる友好関係」を最大の獲得目標としているようです。世論は反発しているようであり、そこは問題ですが、少なくとも首相が信念を持って世論を説得しようという姿勢はうかがえます。

 で、日本です。いつのまにか、アメリカへの支持を打ち出していますが、どのような利益考量により、どのような「国益」を目指すつもりなのかは、依頼者たる国民についに説明はないようです。




3月1日 週末パソコン復旧記

 花粉がだんだんひどくなってきましたねえ。もはや朝晩薬が手放せません。

 さて、仕事が溜まりまくって追いつかないため、例によって週末出勤しましたが、結局事務局の壊れたパソコンの復旧でほとんど時間が尽きてしまいました(^^;

 壊れたのは2000年製のThinkPadA20m(2628-31J)。長らくこれをサーバー代わりの「母艦」として、事務局の共有ドキュメント書庫を置き、無線LANの設定母艦にもしていました。

 月曜日に無線LANカードのドライバが壊れてしまい、ネットワークがつぶれてしまったのは既に25日の日誌に書いたとおりですが、無線LANカードのドライバを再インストールすればよいかと思いきや、なぜかブルースクリーンになってしまうという始末。どうやらレジストリまでいかれてしまったのかも。いじくっているうちに、なぜかデバイスマネージャに不明なデバイスが増えていくという悪循環に(^^;;;もはや東京トホホ会状態(「週刊アスキー」を呼んでいる人しかわからない)です。

 まあ、壊れた理由はたぶんHDDの不良セクタでしょう。HDDのプロパティをチェックしてみたところ、なんと400日以上もエラーチェックしていないことが判明。常に稼働している母艦だけに、HDDのチェックをする暇がなかったのは事実ですが………

 潔くあきらめて、HDDを交換することにしました。最近は秋葉原に買い物に行く暇もないため、ひいきにしている通販shopで40GBのHDDを注文。元が12GBですから、容量は3倍以上です。

 しかし、HDDは木曜日には配送されるも、再セットアップする暇がないのです。しかたなく、応急措置として、母艦自体を切り替えることにしました。事務局最新のT30(2366-K2J)に無線LANの設定ソフトをインストール………しようとしたら、おいおい、なぜかNECのWarpstarの設定ソフトのCDが動かない。最初の自動再生ソフトがエラーを起こしてしまいます。頭に来て、無理矢理CDのフォルダの中身を表示し、ドライバのインストールソフトを直接起動して事なきを得ました。次にA20mのHDDを抜き出してセカンドHDDアダプタに装着してT30のウルトラベイに突っ込み、共有ドキュメント類を引っ越し。ようやく壊れたA20mを除いては、ネットワークが復活しました。

 ここまでが昨日の話。

 本日はいよいよ新しいHDDをA20mに装着し、リカバリー開始。リカバリー後、問題の無線LANカードのインストール、WindowsUpdateの実行、アンチウイルスソフトのインストール、Office、一太郎のインストール、いろいろやっていたらあっという間に半日経ってしまいました。

 まあ、母艦がWindowsXP機に移動したので、前よりも安定するかも知れません。怪我の功名かな。そろそろXPのトラブルも出尽くしてきた感もあるので、近いうちに残る98機2台もアップグレードしてみようと思います。