業務日誌(2004年1月その3)

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1月31日 再生申立

 しばらくプチ日誌で、「大変な案件!」と騒いでいましたが、昨日何とか東京地裁へ民事再生の申立にこぎ着けました。

 さすがに企業の民事再生申立になると、話が飛び込んできてからの時間的余裕も少なく、その中で担保権者の一部に事前に説明をしたりしなければならなかったりして、今週は本当にてんてこ舞いの一週間でした。おかげで他の案件がだいぶ飛んでしまいました。

 ま、申立自体は、さすが東京地裁20部というべきか、事前に打診するとすぐに監督委員候補者が内定し、申立当日には準備万端整っているなど、スムーズな対応で、大したものだと思いましたが。

 実際には大変なのはこれからで、来週には債権者説明会、その後開始決定までこぎ着けても半年くらいはスケジュールとの戦いが続くわけですが、申立代理人の心理状態としては、とりあえず第一の山を越えただけでもずいぶん楽になったという感じです。




1月29日 プチ日誌

 気がついたら35,000アクセスになってました。感謝。
 明日が過ぎれば普通の業務日誌を再開できるかも知れません。。。





1月27日 プチ日誌

 ちょっと大変な案件が事務所に舞い込んできている関係上、更新がなかなかできません。
 しばらくご猶予を。




1月23日 またまた選挙の季節

 毎年この時期になると弁護士会の選挙の話ばかり書いているような気がしますが、実際に弁護士会内部が選挙一色になっちゃうんだからしょうがない(笑)。

 さて今年は日弁連会長選もありますが、身近なところでは東京弁護士会の副会長選挙に、若手派閥の法友全期会からも候補を出すため、全期会の執行部に入っている私も自動的に選対に入ってしまいます。

 この、弁護士会の選対組織図というのがまた仰々しいことこの上ないしろものです。

 まず選対本部に選対委員長がいるのはいいとして、「委員長代行」が3人、「副委員長」が6人!、「委員長付」が2人もいます。

 そして、選対本部のさらに上に「顧問団」というのがあって、ここにはもはや私なんぞは口をきくのもはばかられるような大ベテランの先輩方が、50人も名前を並べています。

 一方、選対本部の下には、「政策部」「実践部」「総務部」「財務部」とあって、それぞれに「部長」が一人、「副部長」が15人くらい!!、「部長付」が4人ずついて、要は「ヒラ」がいない。さらに別に「事務局」というのがあって、ここでやっと肩書きのない「ヒラ」が20人くらい、そしておそろしいことに、事務局の上に、「事務局相談役」という部署があって、そこにまたまたベテラン弁護士が20人近く名前を並べている………というわけで、死ぬほど「頭でっかち」な組織図です。ちなみに私は「実践部」の「部長付」だそうです。

 実際には、働いているのは、中堅から下にかけてのうち、ほんの一部なんですよね。あとは名前だけ。弁護士の「組織」の作り方って、面白いというか、何というか。




1月22日 弁護士像の変化(3)−公益活動の義務化

 ロータリークラブとか、ライオンズクラブってありますよね。

 まあ、それなりに裕福な人たちの課外活動というか、社会貢献を目的とした集いのようなものといいましょうか。

 弁護士が、弁護士会を通じて行う様々な活動(公益)も、このような「持てるもの」の社会貢献、というような意識から行われてきた側面があるように思えます。

 しかし、急速に進む企業法務・渉外系弁護士の増加は、こうした伝統的な弁護士の公益活動を大きく揺さぶっています。

 企業法務系の大規模な事務所に勤務する若手弁護士の多くはサラリーマンの意識に近く、また弁護士=ビジネスという割り切りが多いように見受けられます。要は、金にならないことはやらないという主義です。

 もちろん私だって食っていかなければなりませんから、金にならないことばかりやっているわけにはいきません。しかし、個々の事件について全て採算性を追求して、それ以外を切り捨ててしまうことは弱者を守るべき弁護士の使命に反しますし、時には個々の事件を超えた公益的な活動も必要だと考えています。

 しかし、自発的に弁護士会等の公益的な活動に参加する弁護士の割合は、大都市であればあるほど低下傾向にあります。このため、弁護士会が、会規で「公益活動の義務化」を定める事態になりつつあります。

 東京弁護士会でも、いよいよ公益活動が義務化され、年間に公益活動を何もやらなかった場合、5万円の「罰金」が徴収されることになる見込みです。いいのか悪いのかわかりませんが、弁護士の自治を守るため、仕方ないと言うところでしょうか。