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5月14日 旧48期、新1期 最高裁あたりでは、法科大学院卒業生を迎え入れる2006年に始まる新しい司法修習(司法試験合格後の研修)生について、「新1期」と仮に呼んでいるらしいです。 戦後の民主化とともに始まった現在の司法修習が、「1期」で始まり、それ以前に法曹資格を得ていた人たちは「期前」と呼ばれるようになりました。その後、法曹界はとりあえず「何期か」とでだいたい世代分けができあがり、私は48期、この秋に修習を終える期が57期というわけです。 しかし、新司法修習とともに「新1期」となるならば、必然的に私の期の呼び名は「旧48期」ということになることが予想され、なんだか旧世代の遺物のようなイメージで気分良くありません。このままでは、旧司法修習の世代は「旧期」と十把一絡げに呼ばれる日が来るでしょうね。法曹界でも世代間の対立が先鋭化する日がやってきそうです。 5月12日 Dothan、T42 【インテル、プロセッサ・ナンバ初採用の新Pentium M】 遅れに遅れたintelのノート用新CPU、コードネームDothanがようやく発表されました。それにしてもクロックが上がらないから考え出したグレード表示が755、745、735って、そんなにBMWにあやかりたいですかねえ。 かつてThinkPadが7シリーズ、5シリーズ、3シリーズでしたし、VAIOノートも最初は707,705と出て、爆発的に大ヒットした505が出たときは、たぶんソニーも7シリーズ、5シリーズで行くはずだったと思われます(7シリーズだけが719、729、737、767、777と続いてXRシリーズに受け継がれましたが、5シリーズは505があまりに有名になりすぎて、519とか名前を付けるはずの次期モデルがこの名前をやめられず、505EXとしてしまったために、シリーズ名が混乱してしまいました)。こうしてみると、BMW式ネーミングはけっこう普遍的なのですかね。 それはそうと、自宅用にThinkPadT23を使っている私は、Dothan搭載ThinkPadあたりが出たら買い換えかなーと思っていたのですが、そうやらT42の最上位モデルは15インチ液晶になってまた大きく、重くなってしまうようで、どうしようかなあ、と考え込んでいる毎日です。 5月10日 プチ日誌 【Winny開発者、逮捕】 【Winny開発者逮捕で波紋、P2Pの将来に懸念も】 悪用が容易なソフトをそれと知りつつ開発したからといって、幇助犯としての責任を問えるのかどうか。これが問えるとすると、スピード違反が容易な高速性能の高い自動車を開発したメーカーは、道交法違反の幇助犯ということになりますが………(この手の比喩はネットにあふれているので一つだけにしますが)。 取り締まりの必要性で、刑法を拡大解釈するのは危険です。 5月9日 クリーンハンド 海の向こうでは、イラク占領米軍によるイラク人捕虜虐待事件でブッシュ政権が苦境に立ち、こちら側では年金未納問題で福田官房長官が辞任に追い込まれ、菅民主党代表も辞任が不可避のようです。 捕虜虐待がとんでもないことなのは当然ですが(客観的に見ると、戦争犯罪を犯しているのはアメリカ側なのではないかとさえ言えます)、年金未納問題の方はそれ自体は大したことないような不始末なのに、強い批判を生んでしまったのは、これらがいずれも「クリーンハンドの原則」に反することを、世論が素朴な感覚で感じ取っているからでしょう。 「クリーンハンドの原則」とは、「自ら法を尊重するものだけが法の尊重を要求することができる」という法格言あるいは法原則です。 このような原則が法律に明示的に書いてあるわけではありません。しかし、民法では、 【民法1条2項】権利ノ行使及ヒ義務ノ履行ハ信義ニ従ヒ誠実ニ之ヲ為スコトヲ要ス とされており(通常「信義則」と呼ばれます)、この条項の解釈の際に、「クリーンハンド」か否かという点が問題になります。 例えば、信用組合や労働金庫等、一定の構成員以外に融資すること(=員外貸付)が禁止されている場合、これに違反してなされた貸付契約は無効とされます。ところが、こうした員外貸付によって、借主が設定した抵当権に基づいて不動産の競売がなされた後、抵当権設定者が競落人に対して「貸付は無効だから抵当権設定も無効であり、競売も無効である」と主張した事件では、最高裁判所は「そのような主張は信義則上許されない」と設定者の主張を排斥しました。 これは、「確かに員外貸付は違法だが、自らが違法行為によってお金を借りるという利益を得ておきながら、その後競売される時点になって違法行為であることを主張するのはおかしい」という判断が根拠になっています。まさに「クリーンハンド」の適用場面です。 要するに、すごく簡単にいってしまえば「自分のことを棚に上げるな」という原則です。 米軍の捕虜虐待事件で、何が深刻化といえば、大量破壊兵器という大義名分が結局立証できなかったアメリカが、最後の拠り所にしていた正当性が「それでもフセイン政権という人権も国際法も守らない無法者を倒したのだから」というものだったからでしょう。しかし倒して乗り込んだ占領軍が、やはり人権も国際法も守らない無法者だったわけで、もはや外部の目には、フセイン政権も米軍もどっちもどっちという印象を与えてしまうのです。 そして、年金未納問題。たかが「未納」であっても、まさに年金制度改革法案が成立するかの瀬戸際である時点であり、しかも年金制度の先行きに、多くの国民が疑問の目を向けている場面で、未納が判明してしまったのですから、政府自身が「年金を完納しようというモチベーションに欠けている」ことをさらけ出してしまったわけで、国民に年金制度自体や支払いについて理解を呼びかける資格を失ってしまったのでしょう。 菅代表も、江角マキコの未納が発覚した際に、あれほど歯切れよく「参考人招致」まで要求し、また未納閣僚判明時にも強く批判していたのに、実は自分も………というわけで、完全にクリーンハンドの落とし穴に嵌ってしまったようです。 5月6日 電子内容証明のXP不対応 弁護士が多用する通知手段に「内容証明郵便」があります。予め郵便局用と控え用の写しを取っておいて、郵送することにより、郵便局が、通知内容の発送の事実を公的に証明してくれるというものです。通常は、これと「配達証明」を組み合わせて、法律関係に関わる意思表示の到達を証明したいときや、あるいはもっと単なる態度表明、警告、支払い催告の手段として使われます。 IT時代を反映して、日本郵政公社も、こうした内容証明郵便をオンラインで発送できる「電子内容証明郵便」サービスをしばらく前から行っています。 郵便局に行かなくても、事務所のパソコンからちょちょいのちょいで内容証明郵便が発送できるという便利なものなのですが、実は重大な問題があります。このサービス、WindowsXPに未だに不対応なのです。実際、XP搭載パソコンで「使えてるよ」という方から、「ソフトのインストールすらできない」という方までいて、どうも環境によってトラブルを巻き起こすらしいのですが、XPがリリースされて3年近くが経過した現在も、未だに対応が表明されません。 この辺が誠にお役所だなあ、と思われます。小泉首相の改革について、基本的にちょっと懐疑的な私ですが、こと郵政民営化については、もし民営化でこうしたサービスのアップデートが早まるのであれば、賛成したい気持ちです。でも、よく考えると独占的なサービスである以上、民間業者になっても期待できないかも。内容証明郵便制度を民間に開放してもらう方が先決ですかね。 *後日報では、最近対応はしてるらしいのですが、HP上での案内はなし。どうなってるんでしょうか?(2004/5/16) 5月3日 プチ日誌 全然更新しなくてごめんなさい(^^;本日小旅行から帰ってきました。 |