東京 ことば悦覧  ことば紀行 2008年4月8日〜16日   home 

  藤村龍至さん ことば紀行 2008 4月9日 よる 渋谷藤村さん事務所にて 
参照 学生時代  その01 その02  その03 その04  


 龍光寺眞人さんの ことば悦覧のあと 藤村龍至さんが施工中の高円寺の現場に行くことになった 藤村龍至さんと 佐藤敏宏は10年来の付き合いなので 出会わないようにしていたのだが 出会う事になった縁を最大限に使い霧  高円寺の計画について 1時〜2時間ほどうかがった その藤村ことばの全ての 記録である 

 その01  0分〜 15分 48秒

佐藤この事務所へ至までの話は省いて 
藤村:この事務所を作ってからにしましょう
佐藤:じゃーそうしよう  龍光寺さんも聞いてください どんどん聞いてください この建物の核心まで迫っていただいて  

藤村:龍光寺さん最初に感想とか を
佐藤:じゃー 今日現場を訪ねた感想から
龍光寺:そうしましょうか  
佐藤:逆質問されてるよ〜  かいじょうおおわら 

龍光寺:さっき ゆった事が 正直な感想ですね 
佐藤:さっき言ったことを繰り返してくれないと 記録出来ない
龍光寺:はい  たちかたを考えて と言うのが面白いと思うのですけれども それをこの大きさで何かその ボリューム分割 して 在る程度の大きさのボリュームを沢山並べて で何かそれでまー どっちが先か解らないのですけども 小さくしたことで そう言う考え方が出来ている それで全体 がなにか 全体を 統括しようとしてると いうか 統括というか秩序をつくろうとしている おもしろいなと 思いました 例えば集合住宅の場合は 動線だとか 部屋を もうすこし 即物的に決まってくるのが多いと思うんですね 集合住宅 一般てきに頼まれた場合 とか 当然条件厳しいですから そのなかでこういう 作り方と言うのは 初めて見たんで おもしろいなと思いました 

藤村:たちかたと言うのを 聞きたいんですけど 配置ですか
龍光寺:配置ですね 
佐藤:ボリューム分割と言うのは

龍光寺:ボリューム分割しすることで それが出来るような になっている ちょっとした 事 操作も出来るようになっているじゃないですか  自分で下地を作ってやってらっしゃるんですけど それは 通常敷地の外形から切り取りますよね どれぐらいセットバックしてたどか ここに窓先空地が必要だとか なにか そういう即物的な理由 で切り取って行くところを  何か違うルールで作ろうとしている と思って 建ち方の説明にはなってないかもしれない ですけど 

藤村:構成の形式 
龍光寺:構成のけいしきって
佐藤:平凡なマンションのスタイル 言われている
龍光寺:ようするに ベランダとか無いじゃないですか ふつう最初 与条件でいれますよね 当たり前に入れますよね 

佐藤:最近の売りマンション貸しマンションはベランダが付いている 
龍光寺:付いてないですよね 
藤村:はい 
龍光寺:逆にそれを付けると このカタチは絶対無いじゃないですか
藤村:ええ 
龍光寺:やりずらいと 思うですよね  なんでしょうか ほほえむ 
佐藤:感想ですから

龍光寺:感想はそういう処 ですね ただ新鮮に 見た後というのは突っ込んだ思考が出来ないですね 1日2日後になってから また振り返ってから って感じで なると思うんで 微笑む また後で 
藤村:ええええ 
龍光寺:そんなに突っ込んだ話が できない


佐藤:
平面図とかはあるんですか 僕の質問に していいですか 
藤村:はい
佐藤:まず4本の大きな柱(構成柱) でね 支えようというか 曲芸みたな 吊ろうと言うか そう言う曲取りのような 躯体を 採用したと言うのは なにか 意味とか 意義とかあったのでしょうか 


藤村:そうですね これが過程 なんですけど 
佐藤:はあはあ 最初はごく平凡な 
藤村:ボリュームだけですね 
佐藤:このブリュームと言うのは 許容容積率が 満杯とか 
藤村:そうです 240% 床面積を 建坪率で6割で
佐藤:満杯だと2.4階にしかならないと 建坪率6割なんですか

藤村:窓先 取るだろうと言うことで 左右にちょっと 通路を取ったうえで 60%に設定したばあいに 4層 80%だと3層なので 3層か4層で 最初スタディーを始めた

佐藤:ごく平凡なスタートですね 法律に合わせたと言うかね 
藤村:それに 構造を鉄骨にしたり RCにしたりして  いるんですけども その後に 当然1階の賃料 が高いので 1階の床面積を最大にして 上を絞って行くというような 計画を考えた 

佐藤:一階を一番広くとる 最大面積にしたと 
藤村:そうですね この時は まだ住宅ではなくって 全部事務所なり 
佐藤:容積だけで検討してたわけですね
藤村:そうですね でまあ 当然 最大化すると 斜線が掛かって来ますよね 上が削られて行って その分をバルコニーにして 付加価値にちて 行うと そう言う話をしたんですけども  あの場所なので 5階に店舗があっても なかなか人が来ないだろうと 言う事で 2階から上は 共同住宅として  1階は居住性と言う意味では 店舗の方がいいだろうと いうことで 下を 1、2階を 店舗として 上を 住宅として 
佐藤:それは貸店舗なんですね 
藤村:貸店舗です 
佐藤:発注者が営業するのではなくって 誰かに店として貸すと 
藤村:はい 簡単に片廊下で 羊羹型のプラン というと こういう感じなんですけど も そうすると 屋上に誰のものでもない 不思議な庭が出来てしまう ので これが気持ち悪いので これを分散して 個別に使おうと

佐藤:屋上も使い込もうと 
藤村:そしたら ここに 商店街に対しては 肩が張ったというか 関係がとれていないので 切れているような感じがするので 
佐藤:無関係でもいいじゃないか とは行かなかったのね 

藤村:カタチだけ見た時に この線が(1階の道路側の外壁)ちょっと気になるなと いうことで ここをちょっと下げましょうと 考えて 下げたんですね 下げておいて こういう垂直のライン が出てきたので それを強調して行って タワーが並んだかの様な 変化にしていったんですけどれども その時に 最初イメージだけで タワーにして行くんですけども 前のビルのスケールに合わせて 

佐藤:ここで出てきたイメージのタワーは 容積率は無視しているのですか 
藤村:同じ容積です 
佐藤:先の検討と同じ 容積は一緒だと 
藤村:はい 3階まであって 4階で 来ているという案です でこのへん当たりから 

佐藤:その当時は 2階の機能性にたいする変化はあったんですか 
藤村:lこの当たりから 店舗は1階だけに 上は住宅にしましょうみたいな話に成っていて それで ここで 唯ランダムに作ってもしょうがない ので 二つのボリュームが 接するように ルールを作って 

佐藤:話だけだと このHPの記録を見る人がつらいので 絵のデータ撮りますね 
あとで この絵をもらえばいいのか 

藤村:二つのボリュームが接すると 決めて そここに設備計画 を考慮して 4本 ぐらいのコアが あったりしたですけども そこにパイプシャフトを通すことにしたんですけども そうすると パイプシャフトだけじゃなくって 排気の 出て来るので 唯のパイプシャフトではなくって ドリフトになって来るので 

         10+1 48号 絵 より→

佐藤:風呂や台所などの排気もそこにブチ込んでしまうと
藤村:最大値に
佐藤:隣の敷地に向けて排気しないと 
藤村:しないようにしようと いうことでね  室外機を各階で解いていこうと 垂直のスリットが出てきたので 段々 エレべーションに 垂直に出て来るっていうことで それを統一をして行って なんかサッシの企画だとか この当たりから構造が 

最初イメージに合わせて構造 をボリュームの四隅に柱を置いて 行くと 一階の無数の柱が出てきてしまうので 効率が悪いので それで集約をして 5階メガフロアーにして そこから吊ると言う 構造形式が出てきて それに従ってドンドン構造 整理して行って 基壇をなくして 元に戻したり 

この当たりから近隣説明が始まったんですけど 高さの事で 近隣の方といろいろ 話しあいをしていって、ネゴしぇーション して行く過程で 最終的に西側のボリュームは下げて 東側だけ6階と言うカタチで落ち着いて 基本設計が完了したと 

佐藤:西側が4階で 東側が6階ですか
藤村:西側が5階です 
佐藤:西が1層低いと言うことですね  スタートから基本設計完成するまでに時間はどのぐらい経過しているんですか この絵に添えば 

藤村:実質的に半年ぐらいです 
佐藤:半年ぐらいね で最後の方のボリューム を立てに並べて メガフロアーにすると 言うのはどこでしたっけ 

藤村:ここです
佐藤:ここまではどのぐらい掛かったんですか 
藤村:これも 3ヶ月とかですね 
佐藤:ちょうど 折り返し点ぐらいだ ふりかえると
藤村:真ん中 ぐらいですね だいたい 1週間に一回づつ 作って たまに 幾つか作るときあるんですけど 設計 設備の人と 構造の人と 

     ビールが運ばれてくる 
佐藤:よかったらどうぞ 
龍光寺: 個人的に聞きたい事を聞いてもよろしいでしょうか

佐藤
:ああいいよ いいよ じゃーこうしよう 藤村さんはプロセスを公開すると言うことが そこまで公開するのが 建築の手法として みんなで共有するために 自分の計画過程を赤裸々に ここに至る  行為過程を公開して行こうと ことを実践して 恥も外聞もなく と言うか

藤村:ふっふふふ
佐藤:なんでも 公開するという のは珍しいですよね 
龍光寺:そうですね
佐藤:それを 設計の手法として 発注者にも共有させる と言う

藤村:そうですね 
佐藤:そういう事はあまりやったことないので  偶然そう言うふうになった 後付語りでしょうか 最初から 公開してしまおうと言うのが あったんですか 
藤村:そうですね
佐藤:そうですか  それは凄く危険じゃないですか ドキュメンタリーを作るみたいな感じで ヤラセは出来ないんだから 

藤村:ドキュメンタリーを作る感じですね その前 切っ掛けとして 器と言う 10坪の店 これが最初にやった事務所の仕事ですけども これをやったときの経験が 割とそういう感じだったんです 単純なボリュームからスタートして 与条件を足していって変化して行き 設計がまとまると言うような 
佐藤:この過程に発注者はどのように関わっているのですか 最初から全て関わっているの
藤村:最初から全部関わっています  最初にこの時は 最初の8番ぐらいまでを バリエーション見せて 方向性を絞って それからダンタン改良して行くって言う 段階を共有しているんですけど こう言うやり方が 非常になんて言うんでしょう 問題を発見して行くし  問題が明らかになって行くんですね 

佐藤:その時に発注者の人は建築を考える 能力と言うのか 建築リテラシー(使いこなす力)を一緒に高めて行くと 
藤村;そうなんです
佐藤:能力付いてこれないと 私これが一番良いと言われると 成り立たないわけだけど その辺の問題は 面白さと言うのは 苦労するのではないですか 

藤村:一緒にリテラシーを高めて行けるんですね 当然 私達はこの物販店の この規模の物販店の問題 と言うのは最初 知らないわけですから 
佐藤:はあははあ 
藤村設計しながら段々解って行くんですね 
佐藤:ああなるほどね 

藤村:店番は一人だから 入り口はこの方が良いとか 
佐藤:とういうことは最初から与条件は聞かないで  いきなり思いこみで初めて 徐々に発注者の 条件を 置かれている社会的状況を いろんなものを 投入していって 僕たちの世代の建築家だと 条件全部聞いちゃった〜後に 正解と出すしました〜で。 セルフプロデュスーしちゃった後で情報公開して リッパー みたいな感じだったが そう言う決め方ではないでよね 

藤村;そうですね 私の考え方でもあるですけども 最初に解っている 問題 は一部たと思うですね 全部では無いので 設計のプロセスで 問題を全部把握して行くと言う 事だと思うですね 設計の問題もあるし  向こうは お店の何が問題か なのか 解ってない部分もあるので
佐藤:当然 出来て無いんだから 同然あるよね
藤村;それ設計して行くうちに 段々 外部化して行くと言う それを一緒にやって行くという そういうやり方を こ の10坪の経験の時に 凄く手応えを感じたので それをあらゆる規模でやってみようと思って 

佐藤:あらゆる発注者は 藤村さんの行為に対応出来ると言う楽天的な 人間を信頼する 人間の能力と 言うものを 全幅的に信頼するといういのは大丈夫なでしょうか 
藤村;今のところはそれを信頼してやっていこう
佐藤:なるほどね 
藤村:それはこちらから、こういう設計のしかたを 伝えて行くと 
佐藤:そう言う行為を伝えて行って 建築はそう言うふうに作るものであると言う  建築家の社会的能力も高まり 発注者の幸せも高まる  全体の能力を高めるための リテラシー実践だと  一つのやり方ですよね 

藤村:その辺の考えに至ったんですね 
佐藤:なるほどね 
藤村:でそれを  

佐藤:そこに至ったのは 最初の10坪の店舗の過程を記録して ジャーナリストのように 定期的に観察、観測して セル フジャーナリズムだよね  自分の経過をキット同じ視線で 観測して アウトプットしていくと言うのは かなりしつこい 執拗なジャーナリストだよね 

藤村:そうですね 
佐藤:その辺の処はまったく もって おもしろいですよね 
藤村:ありがとうございます なにかそういう自分のやり方を考えて そこれを他者と共有する プロセスですね 最初はまず所員と共有しなといけないですし 構造の人 設備の人 御施主様もそうですし 近隣の人 業者の人 だんだん他者が 増えて行くので その人達と 徐々に 一つの建築を 共有するための コミュニケーションのツールとして
佐藤:ふんふん 

藤村:模型の こういう設計過程を 残して行くと言う アルゴリズムの過程を 記録すると言う 
佐藤:記録するのが非常に重要だと 
藤村:そうです

  15分48 秒  次のページへ続く