雲と水面

2001年6月30日
海上釣り堀・辧屋



 ほぼ2ヶ月ぶりの辧屋。昨日まで3日間連続で釣れない日が続いているから、今日の予想は爆釣になるはず。ミキコとサブローの頭の中はマダイ、天然イシダイ、シマアジ、カンパチ、ブリでいっぱいだ。さぁ、釣るゾー。特に今回は、大阪のマー坊さんから教わった秘密兵器“特製K団子”があるからマダイは間違いなしだ。それに、業務店向けスーパーで、生きた沢ガニ、サザエ、なども買ったからイシダイも釣れるはずだ。
 しかし、出足でちょっとつまずいた。昨日家を出発して、夕べの内に生きアジ、生きうたせ、ボケを買い入れたのだが、車で仮眠をとっている間にアジは半分がお陀仏。生きウタセも同様、残ったものも元気がない。こういうときはスカリに入れて海に入れておくべきかなぁー。冬にアジをスカリに入れて海に一晩入れておいたら、朝までに全部死んでいたことがあったけど、こういう時ってどうするのがいいのでしょうね。
 でも今日はほかにエサは、たっぷり準備してあるから、全然困らない。アジもなくなれば筏の外で小アジを釣ればいい。そのためにアミエビとサビキも準備してある。

 第1投、タナを底ぎりぎりの8.5mくらいにとって誘いを軽く掛けると“グィッ、グィーン”と強い引きが。マダイだ。40pオーバーのマダイが上がってきた。幸先が良い。続いて第2投、エサは特製K団子をつけた。仕掛けがタナに着くかどうかというときに、はや強い引きが。サブローは思わず「ウッソー!!」嬉しくて、リールを巻きながら顔が緩むのが自分でも分かる。上がってきたのは型のいいマダイ。「嬉しいー!」思わず笑顔になる。K団子で釣れるのはホントに嬉しい。「ミキコ、この団子すごいよ。すぐ試してみて!」早速ミキコもK団子を付けて仕掛けを投入。こちらもタナに着くやいなや“グィーン!!”「ウワー、来たー!!凄いね、この団子。」などと話しつつ、また仕掛けを投入。続けてミキコにマダイが上がってきた。「イヤー、これは魔法の団子だ!」大阪のマー坊さん、ありがとうございました。

      ミキコ・ワラサ
      ミキコ、小イワシでワラサを掛ける

 ミキコは沢ガニでも試していたが、エサを取られるばかりで獲物がかからない。何が食っているのかなぁ、と首を傾げる。鯛かな?イシダイかな?しかし、ついにやりました最後の一匹になった沢ガニで本日最長寸となる46.5pのマダイをゲット。「やはりあたりはマダイだったんだね」とミキコ。

 サブローは、今日は調子よくあげている。スーパーで10匹100円で買ってきた小イワシを鼻掛けにして投入すると、エサが7mを過ぎたあたりで早速強い引きが。上がってきたのは大きめのハマチ。続けて小イワシを付けて投入すると、またすぐにハマチが。3匹目の小イワシを付けて投入するとまたすぐに強いあたりが出た。ちょっとお疲れ気味のサブロー、竿をミキコに任せて、手網を取りに走る。ところが今度は大きそうだ。なかなか魚が姿を見せない。今日はいつも使っているムーチング竿ではなく、硬めの中通し竿を使っているので、魚の引きがより直接腕に伝わってきて、強い青物の引きをいつもより楽しめる。ドラグはその分緩めてある。いつまでも上がらない大物が、面白そうなので、ミキコに「竿を返して」、と控えめに頼んだが、「ダメ」と一言で断られた。結局上がってきたのは70pオーバーの立派なワラサだった。同じ小イワシでミキコはマダイも釣り上げていた。マダイってイワシも丸飲みするんだね。「エビで鯛を釣る。」と小さいときから教えられたサブローは、鯛がイワシを食うことに抵抗があって、いまだに納得できない。「鯛よ、エビを食え!」と声を大にして鯛に言いタイ。

 食いが悪く中だるみした9時半過ぎ、退屈しのぎと生きエサの確保のため、用意していたサビキとアミエビで小アジ釣りをすることに。小さなカゴにアミエビを入れて筏の外で12,3m糸を出したところで、ク、クッとあたりが。あげてみると元気な小アジが掛かっている。まず1匹ゲット。同じようにサビキを投入すると必ずエサに丁度よい小アジが上がってくる。4匹釣り上げたところで2回目の放流の船が回ってきた。
 ミキコが早速釣り上げた小アジを付けて投入したところ、エサがタナに着くやいなや強い引き込みが。ミキコ、思わず「ヤッター!」上がってきたのは70pオーバーのワラサ。夏場はエサの小アジは筏の外で確保できそうだ。

 11時過ぎ、2回目の放流の後しばらく釣れ続いた青物もひと休み。暑さがきびしい。蒸し暑い。今日は効果的に釣れたのでエサがたっぷり余っている。昨日、上州屋・名古屋北店(国道41号線沿い、楠交差点北)で買った本虫と青虫(僕の知る限りここが一番安い。沿線の方にお奨めします。)はたっぷり余っている。魚の食いも悪いしエサもあるしで、青虫3本掛けにした。立派な青虫が針から10pくらい垂れ下がっている。これなら食欲のないマダイでも、イシダイでも食欲をそそられるだろう。ひと所ではあたりがないので、あちこち探ってみると、ク、クというあたりが。食い込むまで少し待って合わせると、マダイが上がってきた。しかし豪華なエサにもかかわらず、本日一番小さなマダイ。最後の晩餐が豪華な青虫3本掛けで、君は幸せなマダイだ、とつぶやきつつスカリへ入れる。

      サブロー・ブリ
      本虫にきた大物と格闘するサブロー

 本虫(マムシ)もたっぷり余っているので、マダイとうまくいけばイシダイを狙って、これも房掛けにした。8mあたりであたりがあったが、合わせが早すぎてエサだけ取られてしまった。もう一度、同じ所へ本虫を投入。ところが今度はあたりがない。仕方ないので、少し右へ寄せてから左へ誘うように仕掛けを泳がせた。その時だった。“グッ”と引き込みが。素早く合わせて竿を立てようとするが、微動だにしない。まるで根掛かりみたいだ。糸を少し巻いてもすぐに潜られて糸が出ていく。エサがエサだし、あまり横へも走らないので、多分シマアジかイシダイだろうと思った。なかなか上がらず苦労をしているのを見かねたお隣さん二人の方が手伝ってくれた。一人は手網を。もう一人はまつってしまった竿を持って下さった。1m巻くと2,3mもって行かれる。何しろマダイを狙っていたので、竿が細い。竿はUの字にしなりっぱなしだ。一年前ならとっくにバラしていただろう。その後浅いながらも経験を積んでいるので、大物にもあわてない。ドラグの使い方を覚えた分、こちらに分がある。5分くらいたっただろうか。それでも魚の姿は見えない。竿を立てて魚を浮かせようとするがいっこうに浮いてくる様子もない。多分10分以上はたったと思われるが、やっと姿が見えてきた。大きな青物だ。奮闘の末とうとう釣り上げた。お隣さんが手網に納めて、「これは重い。」と言いつつあげて下さったのは5.2sのブリだった。釣り上げて嬉しさいっぱい。大物の強い引きを十分に堪能した。まるで力相撲を取った後みたいに、思わずフーとため息をつき両手を膝に当てて休んでいた。ご協力下さいました皆様ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。辧屋のお姉さんの判定では中ブリだったが、本ブリだったらどんな事になるんだろう。まだまだ宿題は達成されていない。楽しみだ。

       6.30釣果
      
      本日の釣果
        マダイ 46.5p、1.8sほか 計10尾
        中ブリ 77p、5.2s 1尾
        ワラサ 72p       3尾
        ハマチ           3尾
                   合計 17尾 (新記録)

      エサ
        マダイ   K団子(4尾)、沢ガニ、本虫、
               青虫、小イワシ
        中ブリ   本虫
        ワラサ   小イワシ、生きアジ
        ハマチ   小イワシ、生きアジ

      
      隣の筏で釣られた方々の釣果にはヒラメも。

 《後記》
 掲示板で大阪のマー坊さんの奥様が、ワラサを釣った翌日筋肉痛に悩まされたと書いていらっしゃった。そんなことで筋肉痛になるのか、正直なところ不思議に思っていた。それが事実であることを、翌日に十分思い知らされることになった。ミキコもサブローも太ももの筋肉痛で歩くのが辛い。特にサブローは15分近くブリと格闘したので痛みがひどい。どこにも出掛けたくない気持ちだったが、7月1日はミキコの10日遅れの誕生日会。入院しているおばあちゃんの外出時間の関係もあって、お昼ご飯でお祝いすることに。本人の希望で、お蕎麦と精進料理で有名な名古屋市瑞穂区の「安江」で美味しいお蕎麦を楽しんできた。でも帰る時には筋肉痛はさらにひどくなり今ではてこでも動かない気持ちだ。ホント、釣りがスポーツのジャンルに入っていることをようく理解しました。


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