会社の近くにミキコとサブローが時々お昼を食べに行くうどん屋さんがある。店の人が釣り好きで店内には77pや88pもの大型マダイの魚拓が飾られている。店へ行くといつも釣りの話で盛り上がる。行くたびに「今、マダイがバンバン上がってるよ。」という話を聞かされるとじっとしていられない。サブローは直前に予約を入れて愛知県知多半島の河和港から乗合船“信昇丸”でマダイ釣りに出かけけることにした。ミキコは母親の世話があって留守番。ミキコの分までがんばらなくっちゃ! 答志島船籍の信昇丸が釣り場にしているところは当然のことながら三重県の答志島沖。河和港を出た船は50分ほどで答志島へ着きエサの生きウタセを積み込む。ポイントはすぐ目の前だ。釣り座は到着順にくじを引いて決める。サブローはくじ運が悪いから期待できない。案の定釣り座は船首にもっとも近い左舷のミヨシ。デッキも平らではなくて足場が悪い。 阿曽浦と違ってここでの釣り方は、胴付き仕掛けでエサは生きウタセエビ。コマセは船長がするだけ。胴付き仕掛けに慣れてないサブローにとって3本針は扱いが大変だ。 ウタセマダイの釣果を左右するのはエサの付け方。これはマダイ教室で習ったので問題ない。付け方が悪いと絶対と言っていいほどマダイは釣れないという。ウタセエビの付け方をおさらいすると、針をエビの口に刺して頭の上の突起に針先を1ミリほど出す。ここが一番硬いので針がはずれない。間違えてもエビの脳に刺してはいけない。エビが即死する。突起が長くて邪魔なときは先を折れば針が刺しやすくなる。 底をとって棚を探るが当たりはない。仕掛けを上げるたびに3本針に苦労する。あまりうっとうしいので針を2本に変更。ちょっとやりやすくなった。しかし鯛の食いは鈍くなかなか上がらない。そのうち一人おいて隣の人が小ぶりの鯛を上げた。こちらも頑張るぞっ、と気合いを入れて仕掛けをおろす。すると小さな当たりが。苦労することもなく上がってきたのは小さめの鯛。天然物は色が鮮やかで綺麗だ。 2本針でももたついて時間を無駄にするのでとうとう1本針にした。これで手返しが早くできるようになった。すると続けて当たりが。今度はさっきよりも大きい。しかし40pを超えるような引きはない。この日は5匹を釣り上げたが、1匹は20pをやっと超える大きさだったので放流し4匹をゲット。結局、最後まで40pを超える鯛は上がらなかった。他の人も同様だったようだ。初めての船にしてはまぁまぁの出来かもしれないが、ちょっと寂しい釣果に終わった。 港に戻ってきたのはお昼前。まだ日は高い。釣り足りないサブローは港で小魚を釣ることにした。狙いは先回釣り損ねたハゼ。ところがハゼも全然釣れない。仕方ないのですぐ近くの釣りエサ屋へ走って、サビキ仕掛けとアミエビを買ってきて小アジを釣ることにした。小さなカゴにアミエビを入れてサビキ仕掛けを投入すると早速アジが掛かってくる。初めは1,2匹。そのうち、群が回ってきたのか一度に6匹も掛かって5月の鯉のぼりみたいに釣れるようになってきた。2,3匹掛かると引きも強いし、重くなってくるのでおもしろい。マダイの釣果が悪かったことを忘れるほど、楽しくて一人で盛り上がってきた。両側の人たちもアジ釣りに切り替えたが、サブローのサビキの色が合っているのか自分だけに数上がってくる。クーラーの中はアッという間に一杯になった。3時間くらいで100匹くらい釣っただろうか。コマセのアミエビが無くなったところで切り上げて帰途についた。マダイの貧果を補ってあまりあるほどの楽しい小アジ釣りだった。 家に帰って“釣ってきたよー”と、まずアジを見せた。“エーッ、マダイを釣りに行ったのじゃないのー?”とミキコ。“フフフ、行ったよー”とマダイも見せる。わけを説明したら家族みんなびっくりしていた。ミキコと娘がアジの数を数えたらちょうど140匹。我が家だけではさばききれないので、近所中に配って歩いた。どこでも“魚屋さんで買うより新鮮だ”とひどく感謝された。沢山釣って釣り甲斐があったというものだ。娘がアジの刺身が食べたいというので2,3匹刺身にしたが、これが驚くほど美味しい。一部唐揚げにして残りは一夜干しに。外は雨が降っているので室内に干して一晩中扇風機をかけておいたところ、翌朝にはうまい具合に仕上がっていた。 本日の釣果 マダイ 35p 1尾 30p 1尾 小ダイ 2尾 小アジ 140尾 |
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