プレ・建築あそびin仙台 (ダメハウス) 2009年4月14日 home 八重樫直人さんの話 「この10年の作品について」 講演前の様子 その01 その02 その03 その01 参加者の自己紹介 佐藤:八重樫さんお願いします 八重樫:仙台で建築をつくっている八重樫ですよろしくお願いします 小原:ダメハウスに2年住んでおります、東北工業大学修士2年の小原(淳)ですよろしくお願いします。 岡村:五十嵐研究室のM1の岡村和明です。横浜から来ました。よろしくお願いします 豊嶋:東北大学大学院修士2年のプロジェクトデザインの豊嶋です。よろしくお願いします。 高橋:仙台で細々と設計事務所をやっています高橋(泰)と申します、ダメハウスにすみたいな〜と (爆笑) 佐藤:この会場の部屋は5000円だそうですよ 会場爆笑 五十嵐:東北大の五十嵐です。よろしくお願いします。 加藤:ダメハウスに4ヶ月住んでます。五十嵐研究室でm1の加藤(拓郎)です 石井:学生なんですけども東北大学で五十嵐研究室に所属してます石井勇貴ですよろしくお願いします。 佐藤:じゃそんなことで、講演よろしくお願いします 八重樫:みんな学生なんだ。 佐藤:じゃーそういうことで、社会人は高橋さんだけなのですが、まあいいじゃないですか。web観客がたくさんおりますから 八重樫:電気消したほうがいいな〜 佐藤:高橋さん質問などジャンジャン出してくださいね〜 高橋:質問ですか〜 佐藤:じゃ 八重樫さん お願いします はくしゅ〜ぱちぱちぱちぱち 八重樫直人 この10年を語る 八重樫:切りが良いところで、僕は設計事務所始めて10年。佐藤さんと会って10年なんですよ(実際は13,4年)。一通り10年やって来て「どんな事やってきたかな〜」って最近よく考えるんです。たまたま佐藤さんにこういった機会を与えてもらって。佐藤は退屈かもしれませんけど。僕の最初4年5年ぐらいですか。98年から2002年前までなんですけど。ここに居る人達はみんな若いので、その頃は新建築にもだいたい出してきたのが多いんですけど。まずそれを一つずつ。お復習いして、どういうことを10年間考えて、「次の10年間どうしようか?」と考えていくと。自分の頭まとめてながら喋ってみます。 五戸の住宅 (建築あそび 2000年8月5日記録参照) これは個人住宅で、青森の五戸という町の片田舎に出来た、つくった建物。これが一番最初の僕が建築を初めて出来た処女作。そういう建物です。一辺が15mぐらいの平面の中に納めています。 僕の10年間だいたい、図式というか、形式で建築の平面とか建築の構成を考えて続けようと決意して設計事務所を始めてますので。非常にプランはストイックで堅い、偏ったものになりますけど。 逆からみるとこういうふうになっています。五戸の町並みの中に、これ平屋ですけれども。このように収まって。これは当時60才定年向かえた女性の方が一人で住んでいる。ということになります。これ佐藤さんもわざわざ五戸まで見に来てくれて。その手前の大い扉が開くとかなり開放的なこういった土間とか居間とかが見えるような空間を当時 作って。 この頃は建築のこれは閉じた空間ですけれども。建築のそういった道具立てで、境界論とか外部と内部の関係性みたいなのをずーっと考えていた。というのがこの時期で。 10 BOX (2002年12月28日建築あそび記録参照) その次にこれは卸町にある仙台演劇工房10ーBOXなんですけれど。これがたいたい26mスクエアーぐらいですかね。平面がこれも内部と外部を色々考えて設計したもので。ここにあるのが中庭。7mスクエアーの中庭です。これもそういった抜けとか、物理的な抜けとかを具体的に考えながら色々図式の構成とかを考えてきたころですね〜。これは閉鎖的なエントランス部分で。こういった色んな居室と外の抜けみたいなものを物理的にどういうふうにやれば巧く内部と外部の問題を、すこし新しい関係性とか、それから考え方でまとめることが出来るか?というのをやっていた時期。これが2000年まえですか。 百窓のアトリエ (2002年12月28日記録参照) で、その次に今日省いてきたんですけれども。幾つかこういう内部と外部の話をしながら「ちょっと待てよ」と。閉鎖的な簡単な壁で内部と外部、遮ったりとか開いたりしていたものを、もうとっと壁に質を与えて何か出来るのではないかという処でやったのがこれで。小さいアトリエの増築なんですけども。 壁に少しランダムな開口を開けることによって、内部と外部の関係を、中に住んでいる人と外の関係性を考える良い切っ掛けにならないかな〜と思って作ったのがこの多賀城に在る。 これはまあ、これ直前に施主にプレゼンしてOKもらったあれなんで、思いつきで本当に一瞬の思いつきでやった建物で、実現出来てしまったわけですけれども。 色んな、元々大きい開口を考えてましたけれども、3m角の大きい開口を採ろうとか言うと施主はカーテンをどうしても付けたがるんですね。「カーテン付けたらせっかく開口付けても景色も見えないしダメなんじゃないか」ということで。 内部空間はこうなるんですけども。カーテン無しで内部外部を何時も感じられるような部屋構成が、室内構成が出来ないかいうのを、このときは試みてやってましたね。これはだいたい数を入れるとトップライトと壁の大小色んな開口ありますけれど。100弱ぐらいあるんですけど。こういった「内部と外部の関係を物理的な大きな窓を用いないで何か良い関係性を保てないか」というのがこの時期の話ですかね。 東北大創造工房センター (2002年12月28日記録参照) 2002年の最終的に皆さん観たことあると思うんですけれども大学の創造工房センターをやって。この時は、これもフィルーターというものを通して内部と外部の関係性をこのときも考えてみた。今日は平面は省きましたけれど。 だいたい2000年2002年ぐら前まで14位のプロジェクトを考えたり実現したりしたんですけど。平面的に図式っていうのかな。そういうのを非常に強く求めて、曲線とかなにも使わずに立ち上るような、そういった強い力を持った建築をこの時は志してやっていた時期ですね。 レディースクリニック 10年の内の半分がこういうことをやっていて、残りの下半期。やっぱり図式の強さ、関係性は一つずつ解決しなければ又「次にどういうことをやろうかな〜」と思ったのが「ちょっと 1回閉じてみよう」と思ってやったのが次の建物で。プランから入りますけれどもこれは新富谷に在るレディースクリニック。 こういった外郭とそれから斜線部分が内核の共用部・廊下。中核にこういったものが在って。中心部分にナースステーションとか手術室とか、そういった堅い部分を補って。(廻り)この当たりに蜷局(トグロ)状に居室部分ですか。つないでみた。これは元々考えたのはリニアにずーっと。 これをやったときは、レディースクリニックを4つめか5つ目やっていて。僕らも結構ノウハウが出来て。こういった受け付けから内診問診ずーっと含めて部屋の幅とかを大きさを随分把握し始めた頃で。1回リニアに並べてみようというふうに考え始めたんですね。それを蜷局で巻いて、敷地なりに巻いて行って。ここのカフェなんかも空間だと捉えて。蜷局でずーっっと巻いていったんです。プランはこう考えて。 どういったものが出来たかというと。駐車場から見た、こういった大きい3m弱の庇を帽子を被った庇になるんですけれど。庇を持った 閉じた空間に内部をして。内部空間を自立化して作ろうかと。 外部はこういう。ちょっと失敗したのは敷地なりに作ってしまったので。僕としては形があまりにも出過ぎて。あまり好きじゃない形をここに作ってしまったのが後悔で。あんまり巧くない線と、こういった尖った。う〜ん部分をちょっと作ってしまったのは若干失敗だったかな〜と。この先端部分ですね。 いままではこういう敷地があるとだいたい整形でものごとを始めてたんですけれども、一度敷地の成りに合わせて。丁度これが自然の山の部分。丘陵になっているのでそれに合わせて作ってみたらどうかというふうに考えて。ここをそのままの形にしてるわけですけれども。この右側が山になってます。これがエントランスから見た。なので 見る角度によって。こちらから見るとなんとなく僕が個人的に好まれる、弁当箱みたいな形でも、あっちから見るとちょっと表情が強すぎた。というのが・・あんまり巧くいってない ただクライアントには大変好評でこういう形は非常に分かり易くっていい。話はありますけれども。 内部をどういうふうに作ったかというと。この時は内部にコアのこういった部分が出てくるんですけれども。内部は角を出さないで、もうちょっと床と壁がヌメーッとした形で表現出来ないか。ということでこのクリニックは挑戦してた時期ですね〜。 何時も質問である照明とか、そういったものも巧く隠して これトップライトがあるんですけれども。トップライトの際の部分にライン照明を入れて。昼間はトップライト、夜はトップライトのアクリドームの反射板にして淡い照明というふうなカタチでこれは工夫してあります。 これは多目的室です。これが2003年ぐらい。たぶん佐藤さんと最後に(建築あそびを)やったあとに出来た1000uぐらいですけれども。こういう内部空間をもったクリニックを。 五十嵐:なにか軒がずーっと出ているのはなんでなんですか? 八重樫:本当はと言っては おかしいんですけれども。原設計の時、見積もりを取る前の原設計では。この前のプロジェクトの創造工房センターと同じで、軒の下に。この脇からメッシュが有ったんですよ。つまりこの形の中にここに通路が出来てしまったですけど。ここに、メッシュを掛けて。ここにバッファーゾーンを作って。出来れば閉鎖的だけれども、色んな患者さんが出られて。ここをバッファーゾーンにしようかな〜と思った時期があったんですけど。それがコスト上 出来なくって。少し解釈を変えて。 これは問診なんですけれども、こういう部屋なんかも当初は出入り口の付いた扉で。ドンドンバッファーゾーンに出られるような計画にして。例えば院長さん煙草吸うので外で煙草を吸うとか。いうのを含めて。 これが患者側の個室の前です。ここの引き出しの扉に ここに家具なんか置いたりし て、少し内部で窮屈な部分を外へ出てうまくバッファーゾーンを使ってほしいって気持ちが有ったんですけど。それが巧く調整できなくって。ちょっとこれ(庇)を残して心機一転。 空間としては一寸うまく括られてないけれども。庇を付けることによってちょっとバッファーを付けたいと。イメージとして付けたいと。ここで何かしてもらえるような空間が出来るんじゃないかと。掃き出しを全部やめて、 こういうポツ窓にして閉じた空間にした経緯があります。 だからプラン上はここの内核のこういった公共空間に部屋が一つ蜷局で在って もう一つ外にバッファーゾーンが在るという想定。設計当初。 小さな研修施設 次も実は近いプランなんですけども。この次のプロジェクトに行く前に幾つかあるんですけど、それを飛ばして。 これは最近出来た建物。これは規模が15坪ぐらいで。7年ぐらい前に設計したレディースクリニックの研修センターにまた小さな研修施設を作ったんですけれども。 これがMGですね。沢がずーっとあるような。プランはここに既存のレディースクリニックが在って。こっちに11mの研修棟があって。ここの三角形の部分に増築した。 それは色んな、このプロジェクトをまとめようと思ったんですけれどもまとめきれなくって、今日持って来なかったんですけど。この研修棟と研修施設の間にスペースを少しあけて。 コテージみたいな感じで。だいたい一辺が9mちょっと位の三角形でつくってみた建物です。 大きくプランはこの2つの構成になるので。ちょうと共有部分から入って、ちょっテラスが有るんですけれども。だいたいこの三角形の廻りにある程度蜷局を巻いた。 こうったスペースが有って三角形の内部にここのちょっとしたリビングがあって。二階がすこし有って、寝室がちょっとこの辺にあると。いうようなプランですね。これがここから見た感じです。高さがだいたい7mぐらいなんですね。でエントランスの脇をずーっと入って行って階段を上がる。現場途中の絵で恐縮ですけれども。 上がってここにテラスがある。ここにテラスがあってここはサッシで出来ている。そこ入るとこういう空間が中に。本当に小さい、う〜 延べで15坪ですからこの空間だけだとだいたい畳数で言うと8帖か10帖無いぐらいの三角形の居間があっ、て2階にちょっとした寝室がある。そういう空間です。これは上から見たこんな感じに寝室から見下ろすとこういうふうに。でトップライトだけで。この裏側に照明が入っている。 今までのプランとか形観ると非常に強い図式を意識しながらずーっとやって来て次がその図式シリーズの最後だと僕が考えてふふっふふてやって。今後こういうことはもう卒業だな〜と思ってこれを最後にしたいと思ったのが次の作品で。 17:30秒 その02へ |