佐藤敏宏      齋藤歩さんに聞く  2009年3月29日代々木 home  

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齋藤歩さんは2005年7月02日の 建築あそびー植田さんの時の参加者です。(絵はその時の集合写真 前列左から2人めが齋藤さん)
現在はメディアデザイン研究所において書籍 10+1やweb10+1などを手がけいる30才の青年です。


宅をたてるべく土地さがしの依頼が運良くあったので、俺は夜の時間をつかって、齋藤さんには休日の夜のリラックスタイム割いてていただいて 代々木のデザインヌーブにおいて 話を聞かせていただきました

建築あそび・ チームRAJ・ 建築系ラジオ ・現在の仕事 のことワイワイ が 主な内容です



 その01  pm7:00〜
     (一部では 齋藤さんの生い立ちから早稲田大学 石山研にいたるまでの話を聞いた)

佐藤:では第二部 に入ります、よろしくお願いします
齋藤:こっちが本番ですよ!実りある話がこっちのほうができそうです

佐藤そうですか〜?!
齋藤:だって、僕がどこで生まれたか?なんて別にどうでもいい話ですからね。嘘か本当かもしらない

佐藤
:嘘か本当か?はどうでもいいんだけど 僕にとっては。生な齋藤さんから生まれる音声それが 重要な情報なんですよ。 

じゃー二部ですが、僕は建築あそびをやっていると同時に、ネットで誤字脱字が多いね、そのまま 。その時の言葉をネットに公開してしまっている。専門家が見て不愉快に感じますかね? なんじゃこりゃーって。

齋藤:不愉快っていうよりも、この人はちょっと大丈夫なのかな〜って思います。まずは。
佐藤:何が大丈夫なのか〜?なの
齋藤:ちょっと頭の中がどうかしているのかな〜は思いますけどね。そうだけど僕の場合はね、佐藤さんに先に会っているから。会ってからwebを見ているからOKですけど。

佐藤:会ってない人が見るとどのように頭がおかしい! と思うんだろうね?
齋藤う〜ん 
佐藤:こいつは大丈夫んなのかが1、どの辺がおかしいと思うのか?
齋藤:あ あ どういうふうにおかしいかね 例えば全然面識のない人に「インタビューさして下さい」と電話かメールで連絡をして、で名前を言って。その人が「どういうwebに乗るんですか?」と ここを審査するじゃないですか。佐藤さんの事を知らずに見たときに。

 「この人はインタビューをしているけども、 インタビュイーとのコミュニケーションはちゃんと取れる人なんだろうか?」と。そういう基本的な事を疑うかもしれないですよね。 だけど僕はそもそも、何か人と話すことって、基本的に100%解り合えることってないし。

佐藤:
全部作り話 や 嘘を突き通しているかもしれないしね
齋藤:そうそう
佐藤:おれ最初から、君の言っている 裏は取らないよ!といって聞き始めている
齋藤:うん。そういう部分もあるし。あとは僕らが作っている例えば、ちょっと  話スゴイ飛びますけれど。対談とかインタビューは必ず誰か、インタビュアーとか編集者みたいな人が入って作っているわけじゃないですか? ストーリーを。
佐藤:そうだよね

齋藤:かなり、予定調和的になるんですよそれって。で、そのことってどうなのかな?みたいなことを思うこともありますし。そもそも成立しているってスゴイまれなんですよ。それをさも綺麗にまとまりましたみたいな  メディアにみんな慣れすぎちゃってるから。逆にこういうのに一寸おののいてしまう みたいなのがあるんじゃないですか。 でもこっちはこっちで、何かそれなりの。佐藤さんは絶対意識的にやっていると僕は思っているですけども
佐藤はははは
齋藤:確信犯だから。何かそれがもうしこしもう少し人が受け入れ易く、もうすこし受け入れ易いカタチのメディアになっていったら。何か方法論はそのことでしか伝えられないメッセージが出てくると思います。
佐藤:そうだね
齋藤:はい

佐藤:
解っていただいて教示していただいてありがとうございます。建築家って自分が目指す理想の建築にむかって 目的に向かって進むしかないので。建築を建てることを依頼されたのにパン作ったら、怒られちゃうじゃないですか。煮物つくる予定が味噌汁にしちゃても問題少ないけど。 インタビューってのは、建築の事を話していたら 納豆文化論にまとまっていったって いい。他者と交わり横道へ行く話っておもしろいじゃないですか。
齋藤:うん

佐藤:建築と納豆の概念が 話の中で混じる 互いの概念が拡張されるみたいなのがいいと思うので。なるべく なんだこいつ〜・みたいな まとまりかたが好き。ありもしない下手すると相手に殴られちゃう席を蹴られちゃうみたいな事もOK。怒らせればこっちの価値だと思うんだけど。そこまで確信してイカセられない! のが俺の能力 いかさ無いところが肝ですね。そんなこと思ってますね

齋藤:でもそれは最初からですか
佐藤:そうです
齋藤:ふーん。それはwebをやることで その方法論を何時思いついたですか。
佐藤:最初から 
齋藤:もともと紙 媒体ちょっと作ったりしてましたよね

佐藤:2冊ほど本作りをしてました、フリーペーパもやっていた
齋藤:その頃は誤字脱字ばっかりだったんですか?
佐藤:友達が編集と校正・訂正するから 原稿は誤字脱字でも直されちゃう
齋藤:は ああ〜、まさにリアルに俺様メディアになった時に誤字脱字っていう方法が よりパブリッシュ出来た

佐藤:寺山修司大好き人間だから俺様。寺山は東京で活躍したけど青森訛りを直さなかったけど文章は標準語になっている。綺麗な文章なんだけど、中身は嘘や作り話が多い でその方が面白い。 魔術的な文章だと思っているんですけども 
齋藤:そうか それも知っているから そういうふに佐藤さんのwebを僕はよく解釈してあげちゃっているのかな〜 
佐藤:おれは寺山修司のような文才は無いし語彙もほとんど持たないから、とりあえず誤字脱字で寺山修司に追いつこうみたいな。はははは 文脈の脱臼のしかたさせかたね。 対話の脱臼のさせかたが面白い。 誤字脱字は寺山さんが意図的に自分史を書き換えたように、文章をずらし真実のありかを解らなくしてしまうからね。 webは 生話同様 に読み手が修正してわかれ!だな。

齋藤:本を作っている僕から思うと
佐藤:話し言葉というのは生な感情じゃないですか。生な感情をそのまま文字にすると、ちょっと抽象化され、今 齋藤さんと僕がどんなふうにおもしろがっているかは伝わらないよね
齋藤:うん
佐藤:言葉が文字になった時のダメさが判るので、文字を見た時にもう一度 生に戻すかのような企みを仕込む必要がある。 今ここで話していることは二度と再現できないんだからね。 言葉や文字の窮屈さから脱出したい、言葉の抽象性を壊したいと思っちゃうじゃないですか 寺山さんをすり抜けちゃうと。  起承転結しっかりしてね 目的に向かって、読んで佳かったな〜 買ってよかったな〜とでは、やっぱりつまらない。ためになったけど おしろくないでは。

編集者の意図通りに心が作動しているだけではね いらだちでもだよ、作り手が意図できない 読み手の感情が沸き立った方が いいんじゃないかと思っちゃたわけです。HP作り始めたときに  俺様メディアの ネットはそれが出来るものね。 

齋藤:ただそれがちゃんと意図されているかどうか?っていうのはネットだと微妙で それこそブログで日記が溢れているじゃないですか? あれって別に何も考えてなくって、ただ書きたい欲望だけだと思うんですよ。
佐藤:それと一緒にされる可能性はあるでしょう それはしょうがないですね
齋藤:それ以上は読み手のリテラシーの問題でもあるし。ただ まあ自分の欲望に向かって書いてる日記が 読む人によっては非常に面白かったりすっていうことも起きてくるわけで。

佐藤:それは生きているということと同じだと。生きている人間の方が死んでるイカシタ人間より面白いし。 生味の言葉を 生身に晒したように記録できるようになったのが、パーソナルメディアっていうかネットメディアの一番 美味しいところだと思うんですけどね。 それと紙媒体、非常に価値がある媒体 古文書で証明されているし。テレビでもラジオでも映画でもいいけど 生を取り入れたら勿論面白いけど。マスメディアは全ての個を等価に取り上げ扱うことはできないしね。

建築を作るっていう生き方が長かったので、目的に向かう生き方が窮屈になっていて。建築型権力、建築をつくると壁ができちゃうじゃないですか。自由にやっているとか言ってても 壁を作って他者を入り込めなくする建築を作っている そんな人間としては、自分がネットでそのように振る舞うのが厭なんだよね。言葉だけだったらネットだったら  誰でも出入りでき 閲覧して去っていく。読み手に近くなる

齋藤:文字の方が
佐藤:出来たら誤字脱字は無くしたいけど なくしたいんだよ ははははは
齋藤:でも 基本的には話した事に忠実ですか?
佐藤:そうです
齋藤:ふ〜ん
佐藤:もちろんそうですよ

齋藤:たしかに でも 言葉の方がみんなに開かれているじゃないですか、日本だととりあえずはみんな小学校へは行く。言葉ってみんなちゃんと読めることになっているので日本だと。その分良い意味でも悪い意味でも反応は多いですよね

佐藤:建築あそび とか 各地ことば閲覧のインタビューもそうだけど、随分昔の記録なのに今そこで体験しているような臨場感をもって読み込んでしまう!との感想を語る人はいます。20代の人も そう語るしね。
齋藤うんうん
佐藤:おれはそれをしたいがために 誤字脱字を含めて言葉を文字にしてネットに乗せている。建築あそびの場のリアルさを、再度手に入れるために 一人語り芝居演劇に仕立ててね 例えば太田浩史さんなり植田実さんが僕の家に来て語ったかのようにステージで演じるためのシナリオに仕上げたいんだ、建築あそびの言葉をそう仕立てたいんです。が ト書きが少ないので演劇には出来ない。

齋藤:脚色してますかね 
佐藤:してません
齋藤:脚色っていうのはそういうことじゃなくって 例えば太田さんやつやっぱり話がうまいから、あんなに誤字脱字 が生まれるほど かんだりしない! じゃないですか。ざーっとしゃべれるわけじゃないですか? テープ起こしする佐藤さんの手によって誤字脱字が増えている
佐藤:もちろんですね。あのときは現場でも酔っぱらっていたよね。こいつは話がうまいからね 酔っぱらって揺さぶってね そしたらけっまくって帰るかもしれないと思った。 一番最初に酔っぱらっているんだから。 あんな風景は俺だって文字に起こしたくないですよ はあはははは 文字を起こしながら苦痛だったもの。そこでもぶれない! 太田さん!。試しているわけですよね PC打ち間違いも あとでみると 楽しいし 

齋藤:でも あれによって 佐藤さんのカラーは出ていると思います。かなり
佐藤:わかっちゃうよね
齋藤:あと色はなんなんですか?色はなにか意味があるんですか?色付けているじゃないですか?文字に
佐藤:紙媒体で文字に色付けたかったけど印刷代がかさむから出来なかったこともある。 拾い読みも楽になる。赤い文字だけ見れば 話の芯がちらっと見でわかるかな〜。

齋藤:色に意味はあるんですか?
佐藤:感情が高まる言葉を文字にしたら暖色 逆は寒色にしようと心がけてはいますが 気分でね 一貫してない
齋藤:気分ですか あれもいいですよね、それも自分のなかでは何となく決まっているんですね。

佐藤:2000年にHP作ったときから文字の色付けはずーっと一緒で変化してないですね
齋藤:ほー
佐藤:色だけ 赤い字だけみれば気分が高揚したり 幸せになれるかも、青い文字だけみれば 怒りや陰鬱な気分になるかもしれない そんな感じです 同じ話を2種類に読めたらいいな〜ということで 建築つくっていると 絵もかく かくので その時の色遣いに倣っている。絵としても見ても面白いといいな〜とは思っているけど 手間が掛かりすぎるので ほどほどで止めているね それは意図的にやっています。

齋藤:すごい好いと思います
佐藤:色付けて字を大きくしたり 太くしたりしているとめんどくせー からさ〜ははははあれ結構手間掛かるんですよ。
齋藤:掛かりますよね〜。掛かるしスゴイそこに主観性が出てくるじゃないですか
佐藤:出てきちゃうんだ
齋藤:だからスゴイ編集 ワイワイガヤガヤ

佐藤:内容は編集しないで言葉のママだけど 色付け字に色で編集しちゃっている・・はははは 
齋藤:だから編集してますよね 色でいったら
佐藤:文字太くしたり 色付けてね 文字起こしするのもそうですよ。文字起こしで聞かないことにしようとか 体調悪い時に起こすと 飛ばすことある 

齋藤:
それをもうちょっと経済性を持たせるようにするには、なにか?
佐藤:素晴らしい発言です! 建築あそびや各地ことば閲覧をエア・建築家であり元建築家の遊び事として収束させる気はないんですよ。市場に乗せていきたいんだけど 方法がわからないのでとりあえず俺が出来ることを進めて実行しているだけ。 若い人達は時間が無い。建築を作った経験も少ないだろうし 人間としての生活も必要だし 文字起こしに時間を割くことは出来ないじゃないですか。

俺はジジイだし運良く仕事が無いし、時間だらけだし 家は有るし 子供は大人になってしまったし 植田実さんによって都市住宅クロニクルUに収められちゃった おさめていただいたし 建築の存在によって人として豊かな経験を積み重ねてきたので 建築の神様に恩返しというのかな 巧く言えないけど 私利じゃないけど 建築界のサポーターのような事を続けたい。 

俺の活動が若い他者にとっては生活が成り立つようなモデルにしたいんだけど。そこで俺が飯食えたりするのは やり過ぎだ 。俺が神様になってもしょうがないので 続きか 仕上げは 誰かと協同して作り上げればいいと思っている 若い人達に声を掛けている。

藤村さんや齋藤さん 柳原照弘さんなど一杯 方々 若い人には声を掛けて 迷惑を掛けているわけです 例えば 現在の藤村さんの活動は目立つけども 建築界では過去に誰かが辿った同じ道に見えたりするんで なんとか そうならないでいただきたいので  いろいろ余計なことを言い放って迷惑を掛けているんですよ。

 一寸休憩していいですか、続きはチームRAJのメンバーが出版した「1995年以降」について語りましょう

齋藤:はい
             15:11 
  

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