大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

  金村仁さん ことば悦覧 2008年 5月14日 夕方   
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 その03 30分09秒〜45分 30秒 

佐藤:たまにはそういう人いるよね 作品と人格が同じ人も
金村:今だからどの先生も イイ先生だと 僕が生意気言っても話を聴いてくれるんだし 
佐藤:それが出来なかったら先生じゃなじゃないですか 好き嫌いで教えられちゃ〜たまらん、そんな先生は辞めてくれ 
金村:大変やったと思うんですよね〜 

佐藤:毛色の変わった学生が一人紛れ込んじゃったわけだね 
金村まあそのようでしたね〜
佐藤:へーえ〜 それは面白いね〜どうなるか 

金村:だからできるだけ 外に行こうと思って
佐藤:外ね 学校に居てもしょうがね〜と
金村:割と、そんなこと言いながら 授業は真面目に出てた 割と早くに単位とれてたから  3年生4年生になって そんなに とんとんん単位をとらなくっても 良かったんで  行こうと思って 毎週ギャラリー を回って 

佐藤:結構 まじめな行動だね
金村:う〜ん 真面目と言うかね 欲求不満だったんですね 
佐藤:不満をもてあまして 学校捨てて街へでようと  
金村:ご存じでしょう 山ん中で 学校だけ行っていたら 本当に山奥と家の 往復しかないですよね  
佐藤:環境よすぎて 人間相手の美術どころじゃない タヌキや野ウサギ飼って隠居生活みたいになってしまう 
金村:そんでまあ そんなこんなで ギャラリーあったんで  
佐藤:人が居ないと話にならない
金村:ギャラリー回って 本屋へ行って本を 週一回は何冊か 一応月 1万円は本を買うって決めて 

佐藤:飯は喰わないけど 本は買うと 
金村:そうそう あと週に一回は 酒は呑んでもいい と言う 
佐藤:本を買うのと酒を呑むのが等価に在る 面白いね〜 
金村:なにかちょっとナルシステックな餓鬼だったな〜と 酒の味も本当は判ってないんだろうけど 

佐藤:自分で決めて そこを徹底して守り行動するって言うは面白いね 
金村:そういう事しか無かったんですよね 自分が面白いと思うものが  あんまり人柄が良いほうでも無かったので 

佐藤:自己評価としての悪いでしょう
金村:なんて言うのかな 人がこう集まって来て あれか あれか〜と言ってくれる 人では全然なかったので 
佐藤:それほど 人が知っているわけでもないのに 人柄悪いって言うのは被害妄想かかっているかもしれない
金村:へへへへ  
佐藤:面白いね ワイワイガヤガヤガヤ 

金村:まあまあそんな感じでしたね  勝手になにか自分で いろいろ自分で決めて
佐藤:
金村さんにとって人柄がいいというのは例えばどういうことですか 当時は
金村:その当時は なんだったろうな〜なにか 友達でその〜 作品作っている処に 人が集まって来て 色んなことを話す人達が居て でそう言う子は先生も 可愛がっていて 
佐藤:ようするに 人が良いというのは 人気者って言うことか 困るね〜
金村:ねたんでいるですね

佐藤:なるほど 自分の 我欲を捨てきれないでもがいている 
金村:その妬みを 
佐藤:エネルギーにして

金村:エネルギーにしてた とこはありますね 
佐藤:なるほど
金村:で まあまあ 20位の 子だな〜って今でも 
佐藤:それは 結構 重要だよね 
金村:でも それがあったから 何か良かった部分が 

佐藤:自分のなかで 違和感が持続していたんだからね 大学へ行っても だれも救ってくれないし 街へいって行動してるんだけど だれも救ってくれないし その時先生と仲良くしている 学生にムカツク  俺の居場所が無いの〜と  
金村:っていう感じでしたね だから何か 意外と たまたまその展覧会 グループ展に 3回生ぐらいの時に参加して ちょと似たような作品で 友達が出来たり う〜ん 
佐藤:作品を通して理解し合う人達が 結構出て来るっていう話だね
金村そうそう でまあまあ そんな大きなギャラリーではないけど その当時だと情報誌だとかにチョコチョコ 
佐藤:フリーペーパーのようなものですか
金村:そうですね あと記事を書いてくれたりとか 
佐藤:金村仁が なにゃらな作品作っていると

金村:書いてくれるとやっぱり 嬉しいじゃないですか ようやくなにか こう 必要としてくれる ところが在ったんだ〜 みたいなね 
 ワイワイガヤガヤガヤ
佐藤:ははははは 人間にとっては居場所が要る 自分を 社会化なかなか出来ないのに 欲求不満ばかりが貯まる

金村:
なにかそういう 社会に居場所が在る 
佐藤:社会に居場所がないと 不安点なこころになるよね 
金村:う〜ん  そう言う居場所 みたいな 所が 仕事上 わゆるお金儲けの仕事 では 僕は なかったものですから お金にならなくってもそれを やり続けていた 

佐藤:
もう一回逆戻ししちゃうけどお金に拘らない気質ってのは  隣のおじさんが芸術してたとか 何かあったのですか 特殊ですよね そのように思うのは NHKで特集観てショックを受けて ではなくって 本当はなにか 違う体質的 動機が あるように思うんですけど

金村:なんでしょうね 
佐藤:へんな石っころ観て感動してた少年だったとか 小さいときの源体験とかあるんじゃないですかね 
金村;ああ〜 
佐藤:NHKの特集観て感動しただけでは NHKに都合良く回収されすぎだ 芸術の根源はNHKだでは 腹立つ 

金村:考えると 両親も美術が好きだったりとか 別に立派な芸術家っていうわけでもないですし 
佐藤:それだど 情報を出したやつが 価値(勝ち)ってことになるからね 情報出したやつが それが残るし 世界を変える と思っているんだけど 言葉は聞いて無くなってしまうものを 文字にして 記録するって言うことが重要な行為になってしまう NHKは舐めたもんじゃないと それではちょっと拙いと 自前で情報を作り出さないと 
金村:うん 
佐藤:自前の情報を沢山つくらないと 
金村:そうですね 〜
佐藤:それで止まってはいけない
金村:でもなんて言うのかな さっきの僻みの話じゃないですけど その頃の作品だと 冷蔵庫と電車のイメージ のオブジェ作っていて 

佐藤:どっちも箱だと 
金村; でどつちも箱で 観ようによってはミニマムアートにも 見えなくもない 
佐藤:異なる物が合体して 新しい意味が発生してしまう 

    
以下 作品写真は金村さんより

金村:
意味すら発生しなくってもいいと 思っていて いろんなイメージを そのままくっつけて そのままボーンと 出してしまうと 
佐藤:それは シュール手法ですね

金村:でもやっぱりね なにか僻み根性が昇華したと言うか 何か特殊な芸術とか 立派な芸術とかと言うのは 絶対僕には才能が無いだと まず 最初に諦めるって言う 諦めた処から作るって言うところ 始めて う〜ん なにか 
 
佐藤:自分の能力だけで社会と関わるしかないのに いままでネタンでた 
金村:何か意味のある事に対抗しようと 思うと 徹底的に意味の無いことをする 
佐藤:既存の有意味に回収されてしまうからね 
金村:それしかないと で うん 

佐藤:意味の廻りを回るって言う方法もあるよね 無意味って言うことをやると意味と対になるからね 回収されてしまうね

金村:そうなんですよ 無意味って言うことを 叫びながらやっていた 世代と言うのが僕らより上に 居たと思うんですよ 意味に 対抗するために無意味 とかナンセンス(芸術)とか  ナンセンスと言ってしまうと その回収されてしまう 事になる だから 徹底して なんでも無いと言う 
佐藤:むずかしいね 何でも無いと言うことは 記録にも残さない事だし 展覧会もしないことだし ふふうふふ むずかしいね 近代のシステムのなかではね でも記録作って展覧会 やっちゃったら なんでもないじゃない 

金村:うえへへへえへへ 
佐藤:なんでもないじゃないじゃない 永遠の自己矛盾を抱えて生きるわけね その矛盾をどこやって乗り越えたんですか 移行期のジレンマ 宿命だよね どうぞこの寿司 喰ってください 僕は先に来て呑んでたので喰いすぎてしまうので

金村:ありがとうございます  
佐藤:面白いね 〜始めてあって40分しか経ってないのに 面白い話だね 
金村:ふふふふ 
佐藤:だいたい 判ってきたーわ〜  俺からみると 時代を拓く人はそういう苛立ちはあると思っている 舞鶴の奧で 近代と格闘してて大都会の大学へ行ったらやっぱり近代だったし 展示場も近代だった 近代ラッキョ〜の皮を剥いていくと 

金村:ふふふふふふ
佐藤;近代ラッキョ 辣韮 なんだこれは〜みたいな 
金村:田舎育ちっていいな〜と思うのは 
佐藤:周縁だからね
金村:周縁なんです 
佐藤:周縁というキーワードは重要なだよね  認められないと 

金村:田舎で中心に成ってしまうと だめなんですね
佐藤:へえへへへへへ 
金村:田舎で残って中央を眺めて暮らす人達とは やっぱり違うんです 

佐藤:へんな感性をもって生まれたのは可愛そうけど 
金村:うふふふ でも多分ぼくだけじゃなくって 割と僕の世代の クリエーターで地方から来た人達って 追い込まれていて

佐藤:今は田舎では ロスジェネが示すように 生きられないけど ちょい前は感性がするド過ぎると 都会に行くしかなかった 昔は都市は農家の次男の掃きだめだった

金村:都会に行った者も 都会人ほど洗練されてない ですよね へへへへへ
佐藤:居場所が無いと言う のが 重要なんだよね 自分の居場所を必死で捜しと自分捜しと 基本的な 人間の存在の根源に立ち戻す 

金村:でもね 自分捜しってのは好きじゃないですよね 言葉として 
佐藤:またねじくれちゃって 
金村:自分と言うことを言い出すと やっぱり
佐藤:主体というのは近代がつくり出した製品・幻想だからね 
金村:そうですね
佐藤:主体じゃなくって 動物だ から これが義務教育を受けて社会に放り出される男に 動物には なかなな 成れないだな 

金村;そうですね 
佐藤:田舎から出てきてインタビューするって言う行為だとか 仕事しないで生きるとか 社会から無意味の烙印を押されてからじゃないと 主体を捨て切れるのはむずかし行為になるよね 

セルフプロモーションして 自分売り込み時代だからな〜 これを喰ってしまってください   

続きはまた 会って金村 おれがどんなふうに想像しているか 身の回りの物でつくって持参して見せるから いいね こんな印象でしたって どのぐらいずれているかって判るから 最初の作品は素材は何だったんですか 

金村:一番最初ですか  タイトルはね
佐藤:無意味とか言っていたのにタイトル付けちゃうの 
金村::最初付けてなかたんですけど 途中から付けた 
佐藤:タイトルなんですか

金村:走る冷蔵庫 
佐藤:走る冷蔵庫 物の 現実そのものじゃないですか
金村:もう そのまんま 

佐藤:今話した 作品だ 電車は何
金村:電車は 冷蔵庫を蛇腹で繋いだような 
佐藤:電車って言ってもいろいろ種類があるじゃない 
金村:具体的なイメージがあったわけじゃない でっか 冷蔵庫が 車両に成っていて タイヤが付いていて 

佐藤:ことばそのままだ〜
金村:ちゃんとレールもあるんですよ 
佐藤:レール付ですか 
金村:レールも鉄でつくりました 
佐藤:結構ダサイねそれは

金村;へへへへ
佐藤:チョコレートとか食べ物だったりすると良いのにね〜  鉄で真面目につくて 冷蔵庫に車輪付けちゃった 

佐藤:大きさは 
金村:高さ2mぐらい 長さが5m 5500ぐらい 

佐藤:おおきいね 高さは
金村:高さは2000ぐらい 
佐藤:幅を電車の幅に合わせたの 
金村;いや冷蔵庫の幅 冷蔵庫って業務用のあのでっかい 

佐藤:冷蔵庫ってのは業務用なのね どんな幅両開きでがーんどデカイやつ 業務用いろいろあるじゃない

金村:そのまま本物を使っているわけじゃないので 自分で 作っているので
佐藤:そうかそうか 

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