大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

  金村仁さん ことば悦覧 2008年 5月14日 夕方   
 その01  その02  その03  その04 

  その04  45分 30秒〜

金村:幅そんなもんですね 
佐藤:1mぐらい
金村:1mちょい 1100ぐらだいと思った 
佐藤:本当に電車っぽいね 長さが2.5倍ぐらいあって 車輪がついている
金村:そうです 

佐藤:扉がついてないから こちらから観ると棚が見えるわけだ 
金村:棚も見えないです もう 蓋したような 
佐藤:ああ蓋があるわけだ 
金村:つるんと した
佐藤:とってが付いていて やたらデカイ冷蔵庫ですな 高さが2mの扉の冷蔵庫ありませんよね 
金村ふははあっはは
佐藤;人間がはいっちゃうじゃなうですか 

金村:高さ2mってのは下のレールも全部入れての話です 1m80〜50ぐらい 
佐藤:だいたい具体的にわかってきた 車がついてて
金村:でもギャラリーに入ると 一杯一杯ですね 

佐藤:次は 
金村:次はなんだろうな〜 一杯あるから 
佐藤:自分で印象にのこっているのは 走る冷蔵庫ばかり作っていたんですか シリーズで
金村:それは 一個だけで 冷蔵庫をモチーフにしたものは幾つか 
佐藤:おんな冷蔵庫とかないんですか
金村;そんなのは無いです 
佐藤:機械になってしまうわけね
金村:どっちかと言うと 生々しさとか人間らしさとか そういうものは剥奪して 
佐藤:冷蔵庫に何か加えるわけだ 

金村:次はね絵になる冷蔵庫 
佐藤:テレビと冷蔵庫合体したんじゃなのそれは 

金村:それはね本当に絵なんですね キャンバス貼って キャンバスのサイズを 当時 僕が一人で暮らしていた 部屋にあった冷蔵庫を計って 冷蔵庫の蓋と 同じ大きさにしたんです 
佐藤:ああなるほどね 
金村:それで木パネルにして キャンバスをはって そのキャンバスの表面をパテで全部つめて 磨いてそれで ワイガガヤガヤ

佐藤:
白くってピカピカ光るキャンパスだ 写真撮れないね 
金村:本当に冷蔵庫の雰囲気で 
佐藤:キャンパスなのに 観客は冷蔵庫の扉と勘違いする
金村:そうそうそう 
佐藤:擬態芸術か
金村:それで 
佐藤:意味を転換し 

金村:しかもだまし絵とかじゃなくって ただツルツルに塗っただけだ 
佐藤:芸術はものの 表面をツルルルに光らせる作業だと いいな〜 
金村:ワイワイガヤガヤ 無意味な作業それが芸術なんですよ

佐藤:なるほど おもろいね ジャンプのしかたが 
金村:絵になるだから 美しい冷蔵庫と言う意味と絵と言う範疇に入るって言う冷蔵庫 
佐藤:機械的機能と意味的機能 両方を越境し合ってい意味を奪うわけね 揺らぎつづさせるわけだ 絵も冷蔵庫も 越境してあいで刺激しあう 
金村:うまいこといわはるな〜 
佐藤:美味いと思うか 面白いと思うかのような身体へ直接問いかけようとしているよね 動物的に帰還しようとしてるんだよね  絵になる冷蔵庫でしょう 冷蔵庫からなかなか離れないよね 都市生活の 生命線だからね 

金村;冷蔵庫ね 後このシリーズ 
佐藤:気になっているね ふふふふふ
金村:気になっていると言うよりは 使いやすかったんでしょ 四角い箱形で うまいことミニマルな絵画とか のパロディー的にも 使える ように表面が 

佐藤:いまい処に目を付けたと 食いものにも繋がるしね
金村:うふふふふ 
佐藤:冷蔵庫って動物的なキーワードだと思うけどね 生命を保存するためには冷蔵庫は不可欠だし テレビの箱じゃ情報だけだから 情報だけでは生きてられないし 冷蔵庫は生き抜くための最初の機械だし テレビは次の機械だし 

金村:そのくせ冷蔵庫の機能は全然してないですよ
佐藤:そこが面白いんです ワイワイガヤガヤ 居酒屋が賑わっている 完成度高かったですか
金村:完成度わりと高かったです 
佐藤:冷蔵庫の扉と間違ったしまう ぴったり寸法で カビが生えてるとか
金村:生えてないけど 普通に
佐藤:いい絵だ 馬鹿馬鹿しくってね 何の役にも立たない 絵 
それでボイスとか ディシャンとかへも興味が行ってしまうじゃないですか

金村:ディシャンはね 興味を持つとか持たないとか じゃなくって 元祖なので
佐藤:元祖 現代アーティスト 
金村:米朝 一門の人が米朝さんを無視できないように 
佐藤:語ってもしょうがないと
金村:当たり前すぎて ええ でもそこをいかに乗り越えて行くかっていうか ぷらたるまわって行くかって 事だと思うです ポップアートのウォーホールとか またディシャンのバックグラウンドがあってそこにプラスアルファしていく 

佐藤:ディシャンは最後に美術館に回収されることで アーテストに成れたんだからね そういうジレンマがね付きまとうね 金村仁はどこも回収されるんだろうか 淀川とか 意味の無い場所へ  動物一門はどこに回収されたらいいんだろうね ディシャンは既存美術館制度の概念アートに回収されたけど  

金村:空とか雲とかに はあっははは 
佐藤:体内回帰でもしょうがないしね 
金村:なんでしょうかね  何に回収されたらいいんだろう 
佐藤:いいもんだいだね 言葉じゃちょっと 行為のなかか
金村:何にでしょうかね 
佐藤:稲妻とか 摩擦して光って瞬間しか見えない 

金村:意外にそんな格好いいことじゃなくって 普通の嫁さんが居て子供が居て ワイガがやがや 意外だとろうと言うぐらい当たり前の 人に 当たり前の人生に回収される と言うのも面白いな〜と 

佐藤:トイレットペーパーのように水に溶けて姿を消してしまうと 
金村:そんな典型的な人って居ないでしょう という位当たり前の人 当たり前すぎて当たり前じゃない 

佐藤:議題の設定のしかたがむずかしくって 永遠に答えがなさそうだね 
金村:ないですね 
佐藤:ずるいね〜 ははははは おれはパブリックとププライベートの越境し合い や 自己と非自己のことを考えてずーっと建築のテーマにして 暮らしているんだけど 答えがない 分けられない 浸食しあっているんだけど 環流仕合うだけなんだけど 暮らす社会の関係性の中から作品が生まれて 意味はないんだけど 欲が深いので 言葉はパワフルだから 俺が聞いて 金村さんのリアルな感情を旧淀川の上に浮かべて記録している 200年300年残ってしまう 経費掛からないし インタネットにびょーんと上げればいい 

金村:そうですね 
佐藤:これは みんなやるべきだよね 現代のアートだと思いますけども 言葉を文字にするひとがアートだと 言ってもね こういう簡単な事だよね 
金村:うんそんな気がします 
佐藤:生命とかに関わらないですよね 既存芸術の弱さだと思うだけど   なくては成らない行為ではない 芸術しなくても人は死なないと自覚出来ない点が弱点だよね なんとなく〜と言っても 当たり前のように 顔洗うように芸術が在ると 当たり前すぎて判らなくなる 考えない限り 考えた瞬間だけ芸術の価値が立ち上がり消えるって言うか  建築の理想は路上だって言っているけど  アートの理想というのは何かを言ってほしい 5年後の宿題

金村:宿題
 
佐藤:次の第三バージョンとして  電車は離れたですか
金村:でも似たような事を 幾つかやってましたね 
佐藤:何が似たんですか 箱ですか 

金村:絵画パターんと彫刻パターん  
佐藤:絵画パターンと 後何パターンですって
金村:彫刻のパターんです

佐藤:彫刻か 刻み込むわけね
金村:みためがね 見た目が立体なのと 平らなのと
佐藤:見た目ね どっちも見た目 擬態ね
金村:どっちもそんなに違うことは考えて 無いですよ 違うこと考えてないんだけど佐藤;彫刻でもない絵画でもない 微妙だね 

金村:物として絵画的になり 壁に掛けれるものであったり 床に置く物であったり 言う絵画的な作品 のものと 彫刻 的なカタチの やっぱり同じ 

佐藤:アニメとは繋がってしまうんですか
金村:アニメはたまた仕事 で個人の仕事では ワイワイガヤガヤガヤ でもその時に作った やつで シリーズで ワイワイガヤガヤ 絵になる絵と言うタイトルなんですよ  

佐藤:絵になる絵 か〜 クエスチョンマーク付いているんですか
金村:何も付いてないです それはね10p角の キャンバスに 通したやつをつくって 
佐藤:こんなもんだね 10p四方 
金村:キャンパス貼って ツルルルに して それを何百個も作って 繋ぐんです で目地を入れてタイルみたいに 
佐藤:そうか 同じような絵を タイルにように並べる 壁にだーっと掛けたり

金村:壁に掛けたり 
佐藤:だれも買わないねこれ 
金村:買った人も居るんですけど チッチャイのだと買う人は居ます 
佐藤:このキャンパスは工業製品でもあるかのようにツルツル絵なのね 小業製品より精巧に作ると 

金村:一個だけだと ミニマルな絵画になる それをタイルみたいにして 
佐藤:工業製品のように見せる 擬態 

金村:本当の目地は使えないんで 
佐藤:目地もあるわけだ
金村:ゴムの目地 あるじゃないですか シリコンじゃないけど それで目地みたいにずーっと 

佐藤:全体はどのぐらいの大きさなんですか
金村:それはな場合によりけり     
佐藤:そうか会場に合わせてね
金村:そうそう 
佐藤:自由自在だ ね
金村:繋ぎ方によっていろいろ 

佐藤:色は
金村:ええとね最初に 作ったのは水色 
佐藤:はでゃね〜
金村:水色とピンクって 
佐藤:補色

金村:あのあれ あの〜 公衆トイレ の男女分けの色 典型的な 
佐藤:ああ あれか 
金村:丁度その時に 展覧会をやったのがね なんかね 左右対称で入り口が2つあった コの字になっていた 

佐藤:うんはははは
金村:丁度 真ん中に仕切があって で奧に事務所があった 丁度同じカタチが反転している カタチの
佐藤:偶然 便所のよう形式で展示できる
金村:ちょうど2つ分かれて 
佐藤:水色とピンクの壁に

金村:でまったく同じカタチの作品を 同じような色のものを 
佐藤:面白いね〜 
金村:色は違うですけど まったく 同じかたちの 作品をタイル(状絵画)でつくった

佐藤:一時間たちました   じゃ今日はここで止めておきましょう
金村:止めておきましょう    

 

1時間1分24秒  一端終わり みて読んで いただきありがとうございました

   5年後 2013年にインタビューに続く