大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

 望月芳恵さん ことば悦覧 2008年 5月16日 望月芳恵さんの家にて
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その03  30分31秒〜

佐藤:あすの会と言う会があるの
望月:はい 阿倍野・住吉をいろいろ考えようと そう言うもの ちょっと参加しているんですけども
佐藤:社会活動もされてるってことだね 固くいえばね 
望月:建築の人達で集まっているですよ 工務店の方とか 建具屋さんとか 表具屋さんとか 畳み屋さんとか 塗装屋さんとか いろいろいらっして 
佐藤:職種がいりみだれて あすの会しているわけね 

望月:それで、街の事考えようとすることで 長家 見て回ったり 年に一回ぐらいはイベントとして講演会 的なものやったり しているんだけども その時に長家に住んでいる人に話してもらおう みたいな 

佐藤:素晴らしいな〜住んでいる人の話を聞き取るのね〜 
望月:で 幸家さんも長家を改装して 住まわれているんですけど 幸家さんと私は長家に住んでいる 若い人としてしゃべったんですけど 

佐藤:金沢にも長家改装して住んでいる人もいるから 交流できそうだね  CAAKって言うんだけど アートと建築と ワイワイしている 幸家さんと望月さんが講演したんだ
望月:はい その他の方もいろいろ 話されているんですけど その話を すると言うので 前回なんですけど 住み継ぐって言うこと それで話をしようと言う テーマを二人で決めて ここの家の住み継ぐっていうことで 
佐藤:なるほど こういうふうにやったほうがいいと言うことを みなやっているな〜
 先生がいたよ
望月:先生じゃないですよ
佐藤:無理なく素直にできているから 先生だね

望月:どういう人に聞いてもらって どういうふうに成って行くかって言うのは判らないんですけど その時に住み継ぐって言うことで もうちょっと掘って おじいさんの事とか 近所の人に聞いて回るだけなんですけど  聞いてみようかな〜と お婆さん亡くなられて話とか されてんですよ で お婆さんそん時やったら公民館でお葬式出すような 時代やのに ここから出たいと 意志があったのか お爺さんは 帰りたいとずーっと言っていたから 尊重されたんか 分かんないですけど ここでお葬式をあげて ほんで出て行った 家すごい好きヤッたんやな〜と 言う話があって 

佐藤:死んで 家から出て行くってのは自然は話だよね 
望月:そうですね ただ自分の家と言う感覚 って私もここ借りているんで ちょと貸屋的な 感じはあるんですけれども そういう感覚は無いんですね 自分の家 なんですね そんだけずーっと住み込んではったんやな〜と言うのを その話で知って 

佐藤:人間本来のありかただ 望月さんは逆に教え込まれていたって言うことだよね 
望月:そうですね、やっぱり いつか出ていかないかんと言う感じはあり、契約として何時か出て行かないかん 10年後出ろ 
佐藤:100年契約だったらどうなるかって話にすると やっぱり出て行かなければいけない どこかに 長期の視点で観れば似たような事が起きる 

望月:そういう話があって その後そういう話を主人にしてたんですよ 
佐藤:主人は何屋さんなの 
望月:鉄工所で働いています 

佐藤:鉄工所で原寸図書いたりしているの
望月:今は監理をやってますね 昔は組み立てをやっていた 作っているものがオッキーいコンプレッサーらしいんですよ  だから 建築とやちょっと離れている 
佐藤:プラントに設置する機械なんだ
望月:そうですね だいぶ大きい 

佐藤:それでチヌの骨を組み立てるのが判るような気がする
望月:うははは だから入り口の処とか 転がってた良く判らない 
佐藤:あそうか あれ作った人って愛おしいんだよね 鉄の塊だけど 目的があったのに 切り離されたカタチが愛おしいんだろうね 魅力的なんだな
望月: 
佐藤:生活の仕方と一貫しているね 
望月:ずれてないです それで主人に話しとったら 主人がたまにオッサン出るって 階段で オッサンが部屋ん中覗いてた 
佐藤:うへええははあはは それええな〜  それだけ思い入れが強いんだ 住んでいる人達がデェティールに オッサンを感じちゃうんだな 出てないのに出てると思えちゃう 座敷ジジイと言う新しい 童話伝説が出てきました〜   座敷おじいさん

望月:家に住みつくおじいさんなんです 家大好きっ子なんだ 
佐藤:座敷童は悪さするけど 座敷じいさんはわるさしない
望月:しない 私が手加えたら怒られるかもしれないけど プリントベニア使おう 棚板つくって 棚板プリントベニア貼り回ししてはるんですけど 小口とかも細〜いプリントベニア つくって 貼り回している 

佐藤:いまだったら テープ売っているのにな 当時は苦労してたんだ その拘りが面白いね プリントベニアミニマム で覆い尽くさないと気が済まない 
望月:コーナーも入っているんですよ  ふふふふふ 
佐藤:もうそこまでやると アートに近いね
望月:アートです     お盆の時も出てきはったらしい

水野はあはははは
望月: 私達が泊まりがけで行くときに、すれ違ったらしい 

かいじょうばくしょうはははは


望月:
ただいま〜って 
佐藤:お盆だから帰ってくる 毎年お盆に旅行にでないといけないじゃにかい オジサンのために お盆の時は家を空けて 能の世界のように 交流しているんだね 霊魂を呼び出して会話する形式だろうから お盆に この家では前に前に住んでいたオジサンの霊を呼び戻すために 家を空けて待つ という新しい伝統行事になると

望月:そうです たぶん私らが居ても居なくっても帰ってきはると思います 幸せですよね 
佐藤:そういう感覚って 希望っていうか 生きている面白さが湧くよね
望月:はい 
佐藤:300年後の人が ああ今望月お婆さんとすれ違ったぜ〜と 言う 冗談でも言ってくれればな〜 
望月:ここの お爺さんほんまによう話題に出るんで 幸せやな〜と思って 羨ましいですわ 
佐藤:そこらへんに一杯情報を残しているから 文字ではなくって物で自分の生きた証を 生き様を定着している
望月:そうです ね
佐藤:お爺さんは身の回りのものにアートをしていた、日々表現してたい 

望月:そうですね 表現者やとは思います 
佐藤:お盆の時に帰ってくる かなりしつこい表現者やね 
望月:ぜったい性格はしつこいですね 
水野:どこはがしても出て来るできそう
佐藤:意外に優しい面も
望月:優しい  憎めない人です 

佐藤:生きている事を真面目に考えて 弱ったお婆さんを介護し 壁をぶち抜いて隣に越境しながら っくちゃう 
望月:そう言う無茶ことはいろんな処も ここの階段も前は 古い階段やったんですけど もちろんプリントベニアが貼り回していた ここの部屋から出入りするために 切り換えてはったんですよ 側下桁の足下がピンみたいな 切り換えてピンになっていた 凄い危ない階段でしたけどね 流石に大屋さんに これは命の危険を感じますって かえてもらった 
佐藤:なにかいい話やな

望月:いい 話ですか 
佐藤:そう言う話をしようぜ と言う けど なかなかね
望月:次につなげるとか 繋がってくると感じって なかなか無いんですよ 
佐藤:交流しようとか交通しようと 望月さんの場合は死んだ人と
望月:いやいや 生きてはるかも 
佐藤:いない人と交流・交通して その人を深読みしたり その人の歴史だよね
望月:歴史 ですね

佐藤:この家の歴史を 家史だよね 越境しても成り立っているんだよね
望月:このへんは路地で成り立っているんで 路地が在るんで なんて言うか越境してるか してないかは 微妙 
佐藤:みんなのものであり 私のものでもある 境界が曖昧な場所で成り立つはなしだよね
望月:はい 

佐藤:境界が沢山出来すぎているから 境界を溶かそうと 境有から境溶へだね おじいさんたちはやっているんだけどね 

望月:
ああ 新しいことばで  結局同じ話になってくる 
佐藤:当たり前の話を当たり前にしたいから ね 昔と同じ話なんだって 至ればそれでも いいんだよ 当たり前の話を なんでしてなかっのかって事になっていく

望月:そうですよね 衣食住の一つですからね 生活に携わっている一番大きい 
佐藤:衣食住って分けることも 目的合理主義 の精神に合って 効率的に暮らそうという話だったけど おじいさん効率 悪くても ちっとも気にしてなさそうだものね 

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