東京 ことば悦覧 2008年 春   home 

  倉本 剛 (ゴウ) ことば悦覧 2008 4月15日   
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 その04  45分04秒 から 

佐藤:これはまた得意な分野というか建築は長年やっているから
倉本:これは ○と△が審査員で
佐藤:この部屋のなか写していいですか、嫌な処があれば言ってください
倉本:ないです

佐藤:喋っていていいですよ
倉本:で住宅セレクションと言う東京建築士会が主催していて。会員限定のコンペなんですが
佐藤:それは実施コンペですか?

倉本:そうですね。具体的な敷地が与えられていて
佐藤:ちょっと待ってください。ほんと〜。それは実施設計になるんだ
倉本:選ばれれば。実際に入賞ですけども。とうたく賞と言う。そこが選んだ何軒かはモデルハウスを作る

佐藤:なるほどね。
倉本;これは作られないですけども
佐藤:条件は?
倉本:九十九里の千葉の銚子のほうなんですが。浜辺のですね120区画ぐらいある、大きな開発宅地ですか。の一つの宅地部分の建物
佐藤:週末ハウスみたいなものですか
倉本:まぁそうですね。建物の設計と提案とその全体が全体に成ったらどういう宅地開発された町が出来上がるかと言う全体像の提案の両方を求められていたコンペなんです。僕は全体に対しては、建物じゃなくってですね、その森が、通常森の中に建物を建てるんじゃなくって森を逆に作ろうと言うことで

佐藤:ふんふん

倉本:しかもそれが住宅の、その辺にある木と言うか大木に成りそうなオッキナ木をこう植えていてですね、それで森みたいなものをつくってそれをみんなで共有しようと言う提案をしたんですね。逆に建物に対しては通常敷地境界線に生け垣とかあって、駐車場が道路沿いに止まって。と言うような話のものを全部建物のなかに押し込んでしまおうと言う風に考えて

佐藤:所有権の問題で 越境しますねこれは笑い
倉本:だから所有権としてはもう、住宅内でプライベートは確保して、あとは公開しようと言う
佐藤:提案が近代システムを壊すような、案ばかりですね
倉本:まぁ近代的な発想は乗り越えたいと僕は思う

佐藤:どの辺を乗り越える
倉本:これ最近に成って、ちょっと自覚というか思い始めたんですけど。やっぱり何か言葉で明確に、言葉にした結果なのかも。原因の結果の関係が判らないですが、ハッキリと黒か白か、1、か2じゃないですけども。分けたがると言うか、そう言う明確に何か。境界を決めたがると言うか。あるいは二つ2者択一と言うか。二項対立、いたいな二元論なんですか、そういう

佐藤:境界を決定するためにあらゆるシステムが出来ているわけなのに。個人と言う境界。他者と言う境界

倉本:そうですね
佐藤:家が持つ敷地の境界。家の内と外の境界。境界が無いと近代社会が動かないって言うことよね
倉本:それでまぁ実際はもうちょっと、自由であったんだろうと昔はですね

佐藤:それはそうですよ
倉本:だからそれを、だからそう言うふうになろうと思えば出来ると思うので、その近代的な話、例えば。AとBだったらCがまだ本当は在るのに、二つ以上のもの、例えば3つ、4つか判らないですけども。そう言うものにして行きたいと言うか。
佐藤:近代のシステムによって境界が作られる事の中で暮らしていて、非常に閉塞的な、倉本さん自体が何か感じているわけですね

倉本:そうですね。何か息苦しいかな〜
佐藤:新しい提案と言うか、それを換えようとしているわけじゃなくって、その中で改善して行くと言うか。違う境界の作り方。解釈の仕方を発見したり、境界なんか無いほうが良いという考えかたなのですか?

倉本:境界はあるんでけども。境界をもっと積極的に楽しめると言うか。それがその例えば中と外と言う境界だとしたら。内でもない外でもない。これも(建物の形状)同じで生け垣が外壁にくっ付けちゃって、それで内に庭を作ったりとか。それは生け垣によって、閉ざされた内部空間なんですけども。すると今度、通常まぁ壁と窓と言うのが在ると思うのですけども。窓と言うのが、色んな機能を担いすぎちゃって居るので。窓と言うんじゃなくって、温室と言うかそのガラスの部屋と言うか。そう言うものとして、窓を捉えて。で開放的な部屋と言うか。密室の室内と

佐藤:随分大きいですね
倉本:室内だけで言ったら20坪ぐらいしか無いんですけども、結局そう言うスペースとかも含めて考えると50坪とか70坪ぐらいの大きさに成ってい。建物としては大きくなくって

佐藤:これも 写真の撮り方が難しいですね
倉本:そうですね。これ全部ガラスの表面で、うまいこと行かない
佐藤;その 問題だけじゃないですか

倉本:これ自身は最優秀と言うか、僕はもうすこし家の提案に大分集中しているんですけども。他の人達。これは審査員の考え方なんですが。全体の提案なんですね

佐藤:境界の問題につてじゃなくって、全体の在り方の提案なんだ。どう言う在り方ですか?
倉本最優秀は田んぼのあぜ道みたいなものを境界線をまたぐように1m位なものをそれぞれの境界線に作っていって、あぜ見たいにちょっと上がっている。でここを凹んだ敷地内を作って、そのあぜ道に囲まれた、エリアをさらに何本かのあぜ道を同じように造って行ってそこの一部を室内にしたり廊下にしたりして使っている。と言う

佐藤:全体から見るとをそれぞれの境界を偽装したかのように見る。境界はあるんだけど、遠目にみると全て境界が無いかのように見えて、群になって

倉本:中にも境界が入っちゃってべたーっと田んぼみたいに
佐藤:すごい選び方だな〜
倉本:そこに屋根が掛かっていると
佐藤:わかる。せこいね。テクニックがね

倉本:うん。それはそれで確かにありかな〜とは思っいますけども。
佐藤:ありだけど、それは近代の価値。 倉本さんは言っている。境界に対して疑問を投げかけて居るんだから。それに対しては解答にならない案だよね。

倉本:まぁ意識していると言うことなんでしょうね
佐藤:意識している、その不快感がその案で本当に解決されるどころか。倉本さんの近代に対する疑問というのは。自分の疑問も何処までなのかが明解になてないから。
倉本:あぁ僕ですか
佐藤:優秀その作品がね。倉本さんが負けても「しょうがね〜や」と思える、納得出来る作品かどうか。今では判断出来ますよね。これから倉本さんが近代に対する疑問と言うのを、もうちょっと焦点を絞って当てて、鮮明にして行く過程であぜ道のフラクタル状の群の作品は、本当に倉本の作品より優れていたのか?判断はもっと先でよね

倉本:そうですね
佐藤:だからとりあえず、あるところまでは行くけど、ある点から急にボンヤリして、倉本さん対して社会が、提案を受け入れ難かったり評価されにくかったりすると言う事が、喋っていて問題点がハッキリしましたね わらう 5年後楽しみですね。それが明解になっているかどうか。

倉本:そこはちょっと僕もちょっと、ぼやっとした状態で、まだ試行錯誤している状態なんで。

佐藤:一人で考えても多分だめだ
倉本:それで最近になって、先輩と話す、自分の考えを話してコンペなんかに臨むように成って。なるように訓練してるんですね意識的に。僕だけ自分一人で考えたって煮詰まる処があって。

佐藤:このように見せ合うとか。僕みたいなオジサンに見せてコメントもらうとか。そう言うことをやられれば良いんじゃないですか。
倉本:そうですね。そうかも知れないです。本当にちょっとそれはそう思う

佐藤:酒呑んだり。目的はこれで落ちた人達だけに呼びかけて、俺たちで討論しようと。そうすると審査員批評になって行くわけでしょう。自分たちの方が良いと思えばね。それを記録して残してWEBにアップしてしまうと。俺、扇動してるみたいですけども。建築界の個人の知が、共有の知の資産へと変わるじゃないですか。部屋で籠もっていると、資産の持ち腐れになるから。

倉本:たまたまこれで、これのレセプションパーティーで龍光寺さんと会ったで、それが勿論。
佐藤:落ちた人だけで相互批評しあう。議論する場所をセッテングして、記録すれば良いんですよ。

倉本:なるほど
佐藤:今度やって下さいよ。おれがここに来た意味出来たじゃないですか
倉本:判りました 共におおわらい
佐藤;こんなの成りましたと教えていただければ。俺が審査委員で呼ばれれば仕切るからさ

倉本:わかりました。
佐藤:みんなの資産にしてしまえばいい・。だから危険だけどね

倉本:でもそれは、僕らは
佐藤:審査員批判だったりするかもしれないし。そういう場所を設定してくれた東京建築士会に感謝しつつ、返礼をし自分たちを鍛えないと。積極的に境界を突破して掻き混ぜちゃう。提案された資源をキチンと回収して、建築家の筋肉に換えてしまうと。それ良いと思いますよ。とりあえず龍光寺さんと2人は居るから心強いですよ。

倉本:そうですね

佐藤:そうすると5年後インタビューするのも楽になるから 共におおわらい
倉本:そうですね、とまって居るから
佐藤:みんな集まって合同で喋ってもいいよね一人1時間づつ持ちで、夜は宴会ワイワイすると言うね。そういう野の機会は設けないとね。

倉本:それは一寸最近行動しないといけないと
佐藤:ぼくはそれをやろうとしても動いているんです
倉本;なるほど

佐藤:今回は会ったこと無い人にインタビューしてます。次回は知り合いだ。集まらないと呼びかけることができる。今回の言葉は全てアップするから。事前に読んで来れば、みんなの考え方の違いを判った上で集まってワイワイ出来るじゃないですか。質疑応答してまた問題を持ち帰ると。答えは出ないですけども問題の所在と数は判るはずですからね。

倉本:話す事によって、いろいろ考えがこう広がったり、さらに確信が得られたりとかですね
佐藤:他人の脳味噌を使って自分の考えていることを明確にしたり混乱させたりと

倉本:基本なんですかね
佐藤:基本て。俺はわからないけど、人間ってそれでいいんじゃないですか。関係のなかで自分らしいとは何かとか? 文化とは何か?・とか、押しつけがましけども一端それを行って修めて崩せば。言葉だって一人の人間が発明し維持してるわけじゃないんだから

倉本:それはそうですね。
佐藤:他人が居るわけだから、一人で考えてばかりじゃダメなんですよね。集合知と言うか、それは建築知の主な在り方だと思います。正しいかどうか判らないけども。みんなで海に自死に向かう鼠になるかもしれないけども。その辺の処は判りません。集まってワイワイするのが良いかどうか判らないけど。動物的な感覚で、これ以上集まらない方がいいなと思った時に解散すればいいんだから。

倉本:そうですね。

佐藤:その離合集散は、何時でもやった方がいいし。家族でも同じじゃないですか?一緒にいて気持ちが良いときと、居ない方が良いとき。間をおくとまた会いたくなって。こういう集まらなくちゃ行けない、運動態として動き廻る。お父さん1年間家出していた。今年は妻が1年間家出する。今度は息子が出ると
、互いに父を演じたり息子を演じたりする様から解放される。

倉本:
そうですね
佐藤;役割決められて演じろと言われても困るよね。相手もあることなので、集まってみないと判らないし。

倉本:そうですね
佐藤:答えは一つみたいなかたちで社会が作られ過ぎたから。窮屈になって色んな事件として毎日顕在化して社会面を賑わわせていますよね。それはもうたいへんだと思いますよね。答えと言うのは自分で見つけ出すしかしょがないので


★★
倉本:もう一ついいですか。

佐藤:これは、これは龍光寺さんも参加してた
倉本:いちおう8者に残ったんです、一応二次に進んだんです。親と子の新しい住まいと言う
佐藤:これは一戸しか出来ないのですか
倉本:これは具体的な区画が決まっていて。このモデルルームを作って、施主を募って。ここの階の、上も同じ階まで広がるかどうかわかりません。ここ一世帯だけなのかもしれないですけれどもちょっと判らないです

佐藤:メーカーが若い建築家の力を借りて新しいタイプを模索するわけですね

倉本:そう言う事だと思います。お互いが活きるのであればいいと思います。

佐藤:
いいんじゃないですか、それで8者に残って最終は誰はは決まってない。これからですね5月24日に公開ヒヤリングがある

倉本:
○○さんが審査員長なんです
佐藤:審査員の性質によるね〜
倉本:だからちょっと
佐藤:これは境界が一パイ重なるから難しいね。倉本さん、審査員、メーカー、買い手の境界が重なったエリアに解答が。必ずしも有能だから決まる訳ではないですよね

倉本:バランス、良くも悪くもバランスが取れたやつが取れるかもしれないですけども、去年の最優秀はあまり良くなかった

佐藤:選ばれたものが必ずしも最適解とは言いにくいコンペの在り方かもね。

         ここで一回休みと。

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