耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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富田委員
 ぜひやってください。
 そういう中で、私は千葉県の選出なんですが、千葉県船橋市に、特定の業者の名前を出して申しわけないんですが、サン中央ホームという賃貸マンションを経営されている方がいらっしゃいます。ここの会社が賃貸の共同住宅の入居者に対して、それまで一人三十万円までとしていた転居費用、それ以上は今払えないということで、その超過額分は、国や県などを相手取って損害賠償請求訴訟を起こしてその賠償金で支払いますという文書をどうも配ったらしいんですね。

これは読売新聞の千葉版に載っておりまして、残念ながら、その文書は居住者の方に配られて、こちらの手元には入ってきてないんですが、読売新聞が報道されているので、そういう事実がどうもあったようだ。

 これは幾ら何でも、自分たちの方で耐震に問題のあるマンションを建てておいて、ここの会社は、最初は、転居費用を全部持ちますというふうに住民の方に説明していた。住民の説明会で、いや、二十五万円までしか出せませんとなって、住民の方から、ふざけるな、たまたま、来たその会社の専務さんが高級時計をしていまして、その時計を売ってでも払えと、テレビでやっていましたよね。それで、三十万までとなった。

 そうしたら今度は、引っ越して新しいところを借りればやはり三十万以上かかるのに、それは払えない、国や県に対して訴訟を起こして勝ったら払いますよと。これは幾ら何でも、今不安に、本当にこれからの生活どうなるんだろうと思っている、幾ら賃貸マンションであっても、そういう住民の方に対して非常に心を逆なでするような行為じゃないかと思うんですが、こういった業者に対して、国交省としてはどんな指導ができるんですか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 今の御質問の件につきましては、今月25日に、建築主三社から居住者対策等について報告を聴取したところでございます。

 サン中央ホームからは、居住者に対して、代替物件への引っ越し費用などの移転費用を一定額負担すること、それを超える分については、請求書を住民の方から出してもらって、求償のための裁判等で回収されれば後日支払うという方針の説明がございました。

 サン中央ホームは、この案件につきましては、賃貸マンションの貸し主でございまして、必ずしも他の売り主と同等の法的な地位に立つものではございませんけれども、居住者の皆様のお気持ちを考えますと、私どもといたしましても、その報告聴取の場におきまして、サン中央ホームに対しまして、居住者の居住の安定を図るために努力すべきだということを申し上げたところでございます。

富田委員 局長、今のような抽象的なことじゃなくて、もう少しはっきり指導してくださいよ。居住者の安定、それは最後の目的なんだけれども、こういうふざけた業者にはもう少しはっきりしたことを言わないと、住民の方をなめたままやっていくと思いますよ。ぜひ、もう少し厳しい指導をしていただきたいというふうに要望しておきます。
 またちょっと申し入れの方に戻らせていただきますが、申し入れの第二項で、このような申し入れをさせていただきました。「耐震強度の不足により倒壊の恐れがある建物のある地域について、倒壊防止補強や建物の取り壊しなどの応急工事を実施し、周辺住民の不安を解消すること。」というふうに申し入れをさせていただきました。

 昨日の当委員会の視察にも、現地参加を特別に許していただきまして、参加させていただきまして、あの船橋のマンションを見てきました。私の秘書から後で聞いたんですが、委員の皆さんが全部建物の中に入った後、裏に住まわれている方が来て、これが倒れてきたらどうしてくれるんだと騒いで帰られたらしいんですね。やはり近隣住民の方にしてみたらそういう思い。それと、先ほどの墨田のマンションでも、裏の方が同じようなことを言っていた。そういう不安を解消するためにも、やはり解体しなければならない建物についてはきちんと解体ができるような手順をつくっておくことが大事だと思うんですね。

 ただ、きのうの各参考人の話を聞いていますと、何か計画倒産でもしかねないような、そういうことを平然と言われるような会社ばかりなので、これは、もしそうなった場合には解体費用の出しどころがなくなってくると思うんですが、ここについて、解体費用助成を検討というような報道もされていますが、その点について何か具体的な検討を始められているんでしょうか。

山本政府参考人 倒壊するおそれのある建物について、周辺の住民の方々の安全を確保するために早期に建物を解体、除却するという必要があるわけでございまして、特に、御指摘いただいたような事態がもし発生した場合に、そのことが非常に大きな課題となるわけでございます。

 この点につきましては、もう一つの大事な課題でございます、マンションを購入してそこを生活の本拠として住んでおられる居住者の方々のこれからの居住の安定を確保するために行政としてどういうふうな支援ができるのかということと一緒に、関係省庁一丸となって、公共団体とも連携をとりながら、基本的な考え方を早急にまとめさせていただきたいと考えて取り組んでいるところでございます。

富田委員 この解体に関してちょっと追加で質問をさせていただきたいんですが、建築基準法上は、今ちょっと局長言われましたが、除却命令までいく可能性がありますよね。

 除却命令にいったときに、例えば、建築主だった今の会社がつぶれて、もう自分の方では解体できない、そういうふうになると、通常の手続の中では、建築基準法上、九条の中に代執行の手続が規定されていますよね。周りに危険を及ぼすんだということになれば、公の機関として、これは主語が特定行政庁ですから国交省がやるわけではないんでしょうけれども、除却命令を出して、相手が応じない場合には代執行でその危ない建物を解体して除却できるというふうな規定がありますけれども、今の段階でこの議論をするのが適切かどうかわかりませんが、いざそうなった場合に、こういうような手順もとれるんだということを確認しておきたいんですが、そこはどうですか。

山本政府参考人 御指摘のとおりでございますけれども、まず、建築基準法に基づく命令を受けました違反建築物の除却につきましては、一義的には建物の所有者の義務でございます。建築中の建物については建築主でございます。

 建物の所有者などが命令に従わない場合、あるいはできない場合は、最終的には特定行政庁がこれを代執行することができますこれは非常に強烈な制度ですので、流れとしましては、最初は法律に基づかない任意の是正指導とか勧告を行います。それから法律に基づいて予告の通知を行いまして、それから今御指摘がありました九条の除却命令を出しまして、命令とともに標識を設置したり公告をしたりします。その上で、戒告をした上で通知をして、特定行政庁が代執行することになります。

富田委員 局長は今一般論として答えられましたけれども、本件で当てはまるような事例が私は当然出てくると思うんですね。

 代執行は特定行政庁の方の費用でまずやってしまうわけですよね。やった上で費用を償還させるわけですけれども、当然、今回の事案でも、そこまでいったとなれば、相手はもう破綻しているわけですから取れないけれども、やはり危険な状態の除去という意味ではそこまでも考えた上で、連絡協議会とかそういう席で、ぜひ国土交通省の方からも指導しておいていただきたいということを要望しておきます。


 次に、今回のこの問題が発生したもともとの根本にさかのぼると、平成10年に建築基準法を改正しました。今回のように民間の方に確認検査任せようというような制度設計をしたわけですけれども、このときの建築基準法改正の背景、そして目的はどういったところにあったんでしょうか。

山本政府参考人 平成十年の建築基準法の改正の前におきましては、建築確認とか検査などの充実効率化をするという課題の前で、この仕事をいたします地方公共団体におきまして、建築物が技術の革新に伴って非常に大規模化してくる、あるいは複雑化するということで確認事務の負担が非常にふえてきまして確認事務以外の建築行政違反建築物を取り締まったり耐震化のための指導をしたり、そういったような本来の建築事務が非常に圧迫してくる、執行体制が窮屈になってくるという事態がございました。

 そういうことを踏まえまして、阪神大震災の経験も踏まえた上で、具体の建築計画が建築基準関係規定に合っているかどうかというのを確認する事務は、裁量の余地も非常に狭いし、一定の能力を持った民間の方であればこれは実施できるという判断のもとに、建築行政の執行体制を効率化しようということで、これまで特定行政庁の建築主事だけが行ってまいりました確認検査事務について、新たに必要な審査能力を備える公正中立な民間機関が実施できるようにしたものでございます。


富田委員 趣旨はもうそのとおりだと思うんですが、適正な能力を備える民間の機関というふうに今局長言われましたけれども、では、今回のイーホームズはそういう能力があったのか。

 きのうの参考人としての答弁ですと、自分のところは悪くない結果としてこんなふうになってしまって申しわけなかったみたいなことを言っているけれども、結局、審査能力がなかったんじゃないかやるべきことをきちんとやっていれば、あんな構造設計書を通すわけなかったんですから。

 そうなると、平成十年の建築基準法改正による今回のこの制度設計が、制度自体がもともとそういう今回のようなミスを生む構造を含んでいたのか、あるいは改正した後の運用が悪かったのか、その点については国土交通省としてはどちらだというふうに考えているんですか。

山本政府参考人 結論から申し上げますと、後者の方の認識で私どもはおります。

 今回の、今回といいますか平成十年の基準法改正でこういう制度を導入したことによりまして、例えば、完了検査を受ける建築物の率、完了検査率と呼んでおりますけれども、平成十年度は38%にとどまっておりましたけれども、平成十六年度には73%にまで向上してきております。それから、平成十年の改正で中間検査制度を導入いたしました。平成十六年には、七割を超える特定行政庁で中間検査が実施されております。

 指定確認検査機関による検査も含めまして、建築規制の実効性は着実に向上しているというのが、総体的なこの制度導入に対する私どもの評価でございます。

 実は、これによって地方公共団体の執行体制を効率的に運用できるようになりましたために、行政でなければできない違反建築物の対策とか、そういったことに重点を置いて運用しているというのが私どもの認識でございます。

 しかしながら、今回の事件の発生でございます。指定機関における建築確認の業務において必要な審査が行われなかったことについて、特に運用面の問題について我々問題意識を持っているわけでございまして、基本的な問題はそこに持っておるということでございますので、方向性としては、公正中立な民間機関が確認事務等を担うという方向は正しいので、そういうことから、これを、今回のようなことが起きないように的確にやるために、どういうところを見直し、どういうふうにやっていくべきかという観点から、社会資本整備審議会などで論議してもらいたいと思っているんですが、

その前の総点検として、指定機関について全数立入調査をやります。それから、公共団体の確認事務についても改めて点検をして、そこできちんと整理しました問題意識を審議会に投入した上で、そういう検討を早急に進めていきたいと思っております。

富田委員 私も、運用面でまずいところがあったんだな、大臣も記者会見でそのように言われていましたけれども、そうだと思うんですね。これだけ建築確認申請の数がふえてきたときに、特定行政庁の方で処理できるわけがないので、そこの部分を民間に開放するというのは、制度設計としてはよかったと思うんです。

 ただ、今回のような事件が発生するということは、やはり監督体制をきちんと強化しておかないと、またやるんじゃないか、同じような建築士がほかにもいるんじゃないかというふうに国民の皆さんは思っているわけですから、そういった意味で、社会資本整備審議会ですか、その建築分科会に特別の部会をつくってやっていただくというのは結構だと思うんですね。

 そういう場合に、国土交通省の方としても今こういうのを検討しているんだ、ここを早急に検討してもらいたいというふうにやるのか、審議会の先生方、どうぞお任せしますから考えてくださいみたいにやるのか、それでスピードが全然違うと思うんですね。

 今回の件は、やはり国民は、早く結論を出してくれ、本当に安心できるような制度設計をしてくれというところだと思いますので、そういった意味で、国交省からもいろいろな案があると思うんですが、報道もいろいろされていますけれども、民間の指定確認検査機関への立入調査の際に抽出調査という方法を取り入れるんだとか、構造計算書の点検マニュアルをきちんと国交省の方でつくるんだとか、今すぐできるようなことはちゃんと国交省の方としても審議会の方に提示して、中間報告でも何でもいいからとにかく前倒しで報告を求めて、制度を変えていくのなら変えていくし、立法活動が必要ならそういうのをやっていくという方向でやるべきだと思います。

 また、建築士さんの免許についても、今回の事件を契機に、免許の更新制を入れたらどうだとか、建築士会への強制加入制度をつくったらどうだとか、今実際に建築士会の中で任意で行われている専攻建築士ですか、それぞれの専門分野をきちんと決めて、この方はこの専門が得意ですよというような何か認定制度を、法的なバックアップも含めて考えたらどうだというような提案がされていますが、局長、そのあたりはどのように思われますか。

山本政府参考人 御指摘いただきました点、特に運用面の改善策については、できる事柄は早急に案を示して結論を得るべきだという御指摘はそのとおりだと思いますので、そのように問題意識を受けとめて取り組んでまいりたいと思います。

 個別いろいろ御指摘いただきましたものにつきましては、今回の教訓で、いろいろな課題意識を整理いたしますので、それに照らして、整理した上で御検討いただこうと考えております。

富田委員 もう時間もありませんので、ちょっとイーホームズの件について伺いたいんですが、どうもきのうの参考人質疑を聞いていますと、イーホームズは、自分だけは悪くない、ほかに並んでいる連中が悪いんだみたいな雰囲気で答弁されていて、確かに、今回のこういう問題があったんだということを発見した端緒はイーホームズから出てきたので、なかったらこういう事件はわからなかったわけですから、その点はしっかりしていたなと思いますが、もとをただせば、イーホームズがきちんとした審査をしていればこんな事件は全く起きなかった、その点を全く忘れているような答弁。

 そういう意味で、国交省の方で11月24、25立入検査を行ったということは的確だったと思いますが、立入検査の結果、わかったことはどういうことだったんですか。どうも、報道されているのは違うんだということをイーホームズの社長さんは一生懸命言っているし、ホームページにもそういうことを書かれている。実際に検査結果でわかったことはどういったことだったんですか。

山本政府参考人 11月24日イーホームズ本社において実施しました立入検査におきまして、大臣認定の構造計算プログラムによる構造計算書が添付された確認申請書のうち、階数十階以上の建築物について98件ほどランダムに抽出いたしまして、具体的に検査をいたしました。

そうしましたところ、大臣認定書の写し、指定書の写し、ヘッダーの出力等、途中の計算過程の図書を省略することのできる形式的な項目に合致したものは2件でございまして、残りの96件については計算過程まで含めて審査すべき物件でございました。審査すべき書類もありました。

 計算過程まで含めて審査すべき96件のうち、大臣認定書の写しなどの添付がないのに計算過程の図書が添付されていなかったものは2件ございます。構造審査担当者が不在でどういうふうに審査したんだというのが確認できなかったのが4件、それから、イーホームズが法令とは違って独自の基準で図書省略を認めていたものが一件ありまして、その七件を除いた89件について、具体的に構造審査の状況を検査官が構造担当者から聴取いたしました。

 その結果、この89件については、適正な構造審査を行っていたという答えがほとんどでございましたけれども、これは大臣プログラムを使っているとか、一級建築士がこれを利用して書類をつくっているんだから不正行為は想定しなかったということで、入力チェックとか、入り口、出口だけは見るんですが、過程は一切審査していなかったということで、実質的な審査は行われなかったというのが検査官の報告でございます


富田委員 質問時間がもう終わりましたので、最後に、そういう状況だとこれからきちんと国交省の方としても指導、処分していく必要があると思うんですが、どういうふうな過程で指導、処分していくのか、その一点。

 最後に大臣に、公明党として申し入れをさせていただいて、今、申し入れについて何点か御質問させていただきました。これをどう受けとめて、リーダーシップを持って対応されていくのか、最後に大臣の決意を聞いて終わりたいと思います。

山本政府参考人 建築基準法に基づく指定確認検査機関に対する処分は、業務改善等を命ずる監督命令業務停止命令及び指定の取り消しでございます。
 今回のイーホームズに対する処分につきましては、立入検査の結果等事実関係を踏まえまして、しかるべく対処してまいる考えでございます。

北側国務大臣 まず、入居者の安全と居住の安定確保、これを第一に、最優先に考えてまいりたいと思います。

 今、関係地方公共団体と、特定行政庁と連絡協議会を設けておりますが、あしたも開かせていただきます。また、公的な支援に関する基本的な考え方につきましても、各行政機関連携をとりまして、早急に取りまとめをさせていただきたいと思っているところでございます。

 また、刑事処分、行政処分等あるわけでございますが、これも厳正に対応をさせていただきたいと思っております。

富田委員 ありがとうございました。
 法務省と警察庁、呼んでおいて質問できませんでした。申しわけございませんでした。
 ありがとうございました。

林委員長 午後三時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

   休憩
    


林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 今回は、昨日と本日、国土交通委員会閉会中審査ということで、重大問題である耐震強度の偽造問題、これに取り組んでまいりました。当然きょうで2日間の日程は終わりますけれども、これは第一弾ということでございますので、ぜひ閉会中審査、引き続き来週、再来週、委員長におかれましては、開催いただきたいということをお願い申し上げます。

 そして、我々民主党といたしましても、耐震強度偽造問題検証チームというのをつくりまして、いろいろ視察をしたり検討を重ねてまいっております。

 その中で、いろいろお話を聞きました。例えば都内渋谷区のケースでは、本当の、がけというか、急斜面に建っている建物がこの問題の建物だったということで、ことしの7月末に東京で地震があったときに壁にひびが入った。

そのひびの跡も今もあるということで、中に住んでおられる方もそのとおりなんですけれども、そのちょうど真下に一戸建てのお宅がございまして、そこに住んでいる方は本当に生きた心地がしないという、急斜面に建っておりますので、そういうお話も聞きました。

 さらには、分譲マンションに住んでおられる方の9階の部屋に行ってお話を聞きましたけれども、やはり、退去してほしいということが区からあった。けれども、都の用意した住宅というのは家賃を払わなきゃいけない何にもないところで家賃を払うんじゃなくて、毎月毎月ローンの返済がある。その中でまた家賃を払うというのは、ちょっとこれは、ちょっとというか、これはもう厳しいということを切実に言われておる方もいらっしゃいます。

 12月中旬に、退去の勧告というか、そういうことが出るやに聞いておりますけれども、ぜひ、やはり公的住宅の家賃というのは無料にしていただくということぐらいは早急に大臣から口頭で宣言していただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

北側国務大臣 午前中もたびたびその御趣旨の御質問がございました。しっかり受けとめまして、地方公共団体とよく協議をさせていただきたいと思っております。

 それと、これも午前中に申し上げましたが、これは売り主の方が、建築主ですね、一義的に当然契約責任、無過失責任を持っているわけですね。そこの売り主の方々がやはりきちんと対応していただくことも極めて大事なことであります。そこは私どもも、しっかり対応してもらいたいということを申し上げているところでございます。

長妻委員 これは仮にの話ですけれども、こういう心配も皆さん持っておられるんですが、仮に経営的な状況で売り主の方がなくなってしまった場合、その場合は公的な支援というのはあるのかどうかというのは非常に大きな関心なんですが、大臣、いかがですか。

北側国務大臣 売り主がどうなるか、これは先の話、仮定の話でございます。それのいかんにかかわらず、私は、行政として、国並びに地方公共団体である特定行政庁、しっかり対応しなきゃならないと考えております。


長妻委員 それで、今回、私もいろいろ調べますと、これは非常に大きな問題がもう一つあるというふうに思っております。

 これは1981年から、新耐震基準ということで、今の地震の耐震の基準ができた。それ以前はもっと緩い基準だったということでございまして、その緩い基準のところを対象に改修しなさいということを政府が言われて、自治体も言われているんですが、未改修の建物がたくさんある。今の耐震基準に合っていない建物、これは大体何棟ぐらいありますか。

山本政府参考人 我が国に賦存します建築物、住宅、非住宅につきまして、耐震基準が導入される以前に建築された建築物について別途サンプリング調査したものがありますので、その係数を掛けて推計したものがございまして、耐震性が不十分だと推計される建築物は、住宅で1150万戸、非住宅の建築物で120万棟と推計しております

 それで、それの耐震性が現行建築基準法の1.0に対してどれだけなのか、0.5を下回るものがどのぐらいなのかということは、個別の耐震診断にまたなければわからないので、掌握しておりません


長妻委員 大臣、これは本当に大きい問題だと思うんです。これは以前から言われていることで、今回も法律が改正されましたけれども、未改修の物件1150万戸、それとオフィスビル、非居住ですね、120万棟ということでございます。

 政府が出した退避基準、今回、偽造のビルで退避しなきゃいけないという基準は、保有水平耐力ということがございます。Qu/Qunということですけれども、その最小値が0.5を下回った偽造物件は住民の方に12月中旬までに退避していただく、こういうことなんですね、危険だということで。これは偽造の話です。ところが、今言われた未改修の中で、保有水平耐力の最小値が0.5を下回る物件というのはどのくらいあるんですか、大体、推定で

山本政府参考人 実はそれは、先ほど言いましたように、新耐震基準が導入される以前に建築されました建築物について推計された数字でございますので、そのうち具体的な耐力がどれだけかというのは耐震診断をして掌握しなければ把握できない、できていないというのが現実でございます


長妻委員 大臣、これもかなり大きな問題だと思うんです。

 私が聞いておりますのは、特に都心部に今の物件が集中していると。保有水平耐力の最小値が0.5以下のものが、まあ、わからないということで、調べてもいないということなんですが、ぜひその部分もサンプル調査をしていただいて。同じレベルなんですね、危険の度合いというのは。私は、かなりの方々がそれに該当するんじゃないのかと。

そうであれば、その偽造の物件、これも人命は大切。同じ基準でいえば同じ危険度。これも人命が大切でありますので、ぜひ大臣、サンプル調査も含めてお願いしたいと思うんですが、いかがですか。

山本政府参考人 あらかじめ基本的な制度の考え方をちょっと御説明したいんですが。

 さきの特別会で改正していただきました耐震改修促進法でございます。これは、一定規模以上の、大勢の方が御利用になる特定建築物について耐震診断を求めたり、それによって、結果として耐力がないものについて耐震改修を勧告したり、場合によっては、著しく問題だという、その目安はまさに今御指摘いただいた0.5になるわけですけれども、その場合は、基準法に基づいて改修を勧告し、さらには命令するというところまで行きたいということで今整理をしておりますので……(長妻委員「今、物件数はわからないですか」と呼ぶ)ですから、特定建築物の物件数とかはわかりますけれども、それについて耐震診断をした上で先に進んでいく、そういう手順で進めようと思っております。

長妻委員 そうすると、今わかる範囲の特定のもので、保有水平耐力が0.5を最小が下回るものというのは何件ぐらいありますか。どんな物件ですか。

山本政府参考人 ちょっと私の御説明がうまくなかったと思うんですけれども、わかるというのは、特定建築物の数を推計したものはありますけれども、具体の特定建築物について耐力がどの程度かというのは、今現在はまだ掌握しておりません

長妻委員 大臣、サンプル調査など、どうですか。

北側国務大臣 さきの衆院選後の特別国会、異例だったんですが、耐震改修促進法の改正法案、これをお願いいたしまして、全会一致で通していただきました。

急いだのもそういう理由でございます。まずは耐震診断をしっかりやっていただくことが極めて重要であると私は思っております。

 この耐震診断につきましては、助成制度、補助制度も今あります。予算要求も、来年度はもっと大きく予算要求をしておりまして、耐震診断について、例えば地方公共団体でそういう制度をつくっていただくならば、全額地方と国の負担で、居住者の方々には全く負担なしで耐震診断ができるわけですね。

 ですから、この耐震診断の助成制度、補助制度を活用していただいて、耐震診断をまずやっていただくということが重要であるというふうに思っております。


長妻委員 ぜひ促進していただきたい。こちらも人命で大問題だと思います。

 そしてもう一つは、今回偽造が発覚して大騒ぎになりましたけれども、今の問題というのは、その設計図や構造計算、そこの図面上、図面が偽造されていたということでわあっと問題になっているわけです。ところが、では、図面と施工図は合っているのか、あるいは施工図と現実の建物は合っているのか

もし、図面も偽造だった、そして図面と現実の建物も違っていて手抜きがあった場合、さらに今言われているよりも危険だということがある可能性もあるわけでございまして、ぜひ0.5を上回る物件についても、偽造物件、今、レントゲン検査などで鉄筋探査ということができます、壊さないでも。ぜひその調査も、0.5以上の偽造物件、していただいて、現物と突合していただきたいと思うんですが、いかがですか。

山本政府参考人 現在、入り口の段階で、個別具体の建築物について構造耐力がどの程度かというのを再計算した上で、設計図書上の耐力を定めておりますけれども、特定行政庁において、個別具体の問題状況に応じて必要な措置をとることになると思います。(長妻委員「レントゲンは」と呼ぶ)

探査が必要であれば探査をやるということになると思いますので……(長妻委員「いや、全部。〇・五以上の偽造物件全部」と呼ぶ)0.5以上の物件ですか。〇・五以上の物件について、個別具体のケースに応じてどこまで必要か、特定行政庁とやりとりをしてみたいと思います、御指摘を受けて。


長妻委員 ぜひお願いします。それがまた違っていたら、また大きな問題になると思います。
 そして、きょうの報道によりますと、政府は昨日決定した、分譲マンションを対象に強度についての全棟検査をする、ただし年代を区切った形だという発表がマスコミに載っておりますが、これは事実ですか。

山本政府参考人 国土交通省として、こういう方針を既に定めたということはございません。私どもの推測ですけれども、28日の自由民主党の武部幹事長の御発言もございますので、そういった御発言を受けた記事かと推測しているところでございます。

長妻委員 これは新聞の記事ですから、政府は決定した、方針を固めたということが報道されておりまして、これは発言があったんだと思うんでございますが、では、これはこの方向で検討していくということは間違いないんですか。

山本政府参考人 年代を区切って分譲マンションの全棟調査をするという方針は定めておりません

 しかし、先ほど大臣が御説明申し上げましたとおり、特に耐震診断についての極めて手厚い制度を持っておりますので、問題意識を持った建築物から申請があれば、的確に耐震診断を支援できるような枠組みで進めてまいるという考えでございます。


長妻委員 何かリップサービスというか、そういうのが先行して実体が伴わないような、きのうの参考人のどこかの社長とは言いませんけれども、かなり発言が踏み込んだり後退したりということであってはならないというふうに考えております。

 そして、この15ページを見ていただきますと、お配りした資料に、これは一戸建ても偽造されていたということで、3階建ての木造マンション2物件が出ております。

 そういう意味では、分譲マンションだけではなくて、これはもう一戸建ても可能性もあるということで、どこの建物と区切らないで、私は、全国サンプル調査、サンプル調査をきちっとしていくということが、国民の皆さんに、今回の件は氷山の一角でほかにもあるんじゃないか、この不安を払拭する一つの調査だと思うんですが、サンプル調査、いかがですか。ぜひやっていただきたいと思うんですが。

山本政府参考人 今、千葉県が立入検査をしまして、姉歯がかかわりました、仕事をしました物件201件について、すべて賦存する特定行政庁で調査をしておりますので、それについては戸建て住宅も含めて調査を急ぐ考えでございます。

長妻委員 私が申し上げたのは、今回偽造が発覚した関連した業者の物件じゃない、すべての日本国じゅうの物件を、北海道から沖縄までサンプル調査をぜひしていただきたい、そういう御検討を進めていただきたいという提言なんですが、いかがですか。

 続く