わた打ち直し


もめん綿が日本に伝えられたのは、愛知県の三河地方に約1200年前の西暦799年の
夏であったと、日本後紀に書かれています。

伝えられたとされる西尾市には、伝えた人を奉った『天竹神社』があります。
江戸時代庶民はもめんの布を着るように定められたのが『慶安のお触れ書き』です。
その頃からもめんの良さが知られ、もめん綿のフトンも使われるようになりましたが、この時代
フトンはとても値が高くて一般庶民は使うことが出来ませんでした。
庶民がもめん綿のフトンが使えるようになったのは、明治になって外国から安い綿花が輸入されるようにな
ってからです。

もめんは何も云いませんが、多くの人々が使っている下着はを綿製品です、これはもめんが肌に一番やさし
いことを知っているからです。

静電気を発生させる化学繊維やウールと違って綿は静電気を発生しません。

羽毛フトンもウールのフトンもそして化学繊維で作られたフトンも全てが、綿100%の布で包まれています、
これも綿がすばらしい繊維素材であることの証拠であり、無言のアピールです。





もめん綿のフトンは日本だけの寝具ではありません、今では、世
界の30億人もの人々が使っています。

例えば中国・朝鮮半島・インドネシア・ラオス・タイ・ミャンマー・バ
ングラデシュ・
インド・ネパール・パキスタン・イラン・イラク・トルコです



天然の植物繊維である、綿のフトンは毎日使っているとペチャンコになってしまいます。
そのペチャンコになったフトンの綿をもう一度、フワフワにするのが『綿の打ち直しです。』

フワフワになった綿を使ってもう一度フトンに仕立てるのが『フトンの仕立替えです。』

フトンは毎日私たちの体を支えているために、中に入っている綿も元気がなくなり固くなってしまいます。
時折、太陽に干すと元気を出してフワフワになるのですが、長続きしません。
そんな時、固くなった綿を元のフワフワにできるのが『綿の打ち直しです。』

『綿の打ち直し』『フトンの仕立替え』をすると、下の写真を見て頂くように、古いフトンが同じ重さにもかか
わらず体積が三倍にもなり、気持ちの良いフトンに生まれ変わります。


打ち直し前のふとん.jpg


打ち直し後のふとん.jpg

[トップ ページ] [愛知県わた組合名簿] [技能士会名簿] [人,太陽,コットン] [わた打ち直し] [ふとんの早見表] [ふとん製作過程] [尾張名古屋の職人展] [技能講習会の様子]