夢のうつり香

夢みる大正、浪漫な昭和。やるせなさも香って…

婦人グラフ 第二巻第七号
与謝野晶子ほか/国際情報社/大正14年7月
品切れ
Condition;綴じ穴アリ、編年傷み

大正13年から昭和3年まで刊行された婦人向けのグラビア雑誌。表紙絵は竹久夢二などが手がけたものが有名ですが、この号の表紙絵は、亀井實のあでやかな三色版。見返しに与謝野晶子の「七夕」の色紙(オフセット)が折り込まれています。三色版ページ、グラビア版ページ、写真と記事ページ、本文で構成されています。なお、目次と内容は多少違っているようです。32.7cm×24.2cm。


女性 第八巻第三号
村山知義・佐藤惣之助ほか/プラトン社/大正14年9月
品切れ
Condition;編年傷み

『女性』はモダンなデザインで一世を風靡した雑誌で、この号のカットも山名文夫と山六郎が担当しています。執筆陣も充実していたようで、この号でも村山知義の「ダンスのために」、佐藤惣之助の「蜂と蟻」、神原泰の「不良老年」など、興味深いものが多数掲載されています。22.1cm×15cm、254頁。


大正の新しい波 日本画1910−1920年代
群馬県立美術館/美術館連絡協議会ほか/1991年
品切れ
Condition;良

西洋絵画の流入、新興美術の台頭などに揉まれながら、日本画も新しい表現を求め始めるのもこのころのこと。 横山大観、小川芋銭などのおなじみの画家のほかに、とても印象的なのは、谷角日娑春、岡本神草、木村斯光などが描いたデカダンな女性たち。それから近藤浩一路の描く幻想的な水墨画にも心引かれます。29cm×22.5cm、173頁。


よみがえれ!抒情画 美少女の伝説
竹久夢二・中原淳一ほか/サンリオ/1986年
品切れ中
Condition;帯ナシ、カバー左下少折れ

副題に「抒情画のルーツから新感覚派の誕生まで」とありますが、この本では“新感覚派”を戦後の作家、林静一、東逸子らのことと言っているようです。竹久夢二、高畠華宵、蕗谷虹児などの大正浪漫の作家から、中原淳一、松本かつぢなどの、昭和初期の作家たちを経て、現代へ至っている抒情画の系譜を、豊富な図版で紹介しようという試みで、編まれています。また最後に抒情画家の系譜を、略年表で示しているのもありがたい。それにしても、竹久夢二や中原淳一の描く美少女は、たくさん目にしているはずなのに、やっぱりゾクゾクしてしまいます。28cm×21.4cm、135頁。


抒情の旅人 蕗谷虹児展
阿刀田高ほか/朝日新聞社/1991年
品切れ中
Condition;良

大正から昭和にかけて、竹久夢二と並んで人気を博した蕗谷虹児の展覧会のカタログ。80年の生涯でひたすら少女の世界を描き続けた画家の、初期作からパリ修行時代、円熟期の代表作、戦後のアニメ、絵本などが紹介されています。海野弘、辻村ジュサブローの寄せた文章もあり。28cm×22.4cm、189頁。


太陽 特集・竹久夢二
瀬戸内晴美ほか/平凡社/1976年
price;\600
Condition;並

大正のやるせないロマンティシズムを象徴している竹久夢二。「太陽」ならではの、充実した執筆陣(瀬戸内晴美、森本哲郎、蕗谷虹児、宇野亜喜良など)で贈る夢二の特集号。夢二の生涯を追ったページでは、写真家・緑川洋一が彼の足跡をたずねて撮影していて、それが抜群にいい味。29p×21p。


中原淳一の世界
中原蒼二ほか/日本テレビ・読売新聞社ほか/1989年
品切れ中
Condition;良

1989年に開催された展覧会のカタログ。中原淳一の子息・中原蒼二が監修にあたっています。画家としてのデビューを飾った「少女の友」、自らが創刊した「それいゆ」などの、哀愁と気品にあふれる表紙絵や、彼の創作の原点ともいえる人形、そのほかスタイル画などが掲載されています。25.7cm×21.1cm。


きらめくモダン 大正ロマンの画家たち展
岡部昌幸ほか/産経新聞/1992年
品切れ中
Condition;裏表紙にヤケ

夢見る時代を象徴するような画家たちに、スポットをあてた展覧会のカタログ。図版は、日本画、洋画、抒情画の三部にと、ちょっと安易な分類をしていますが、この“微熱時代”の画家たちを、おおまかに見渡すことができます。抒情画の部には、資生堂の初代社長で「写真芸術」を創刊した、福原信三の写真まで登場しています。29.7cm×22.6cm、152頁。


生誕一〇〇年 大正ロマンを描いた 高畠華宵展
河北倫明ほか/朝日新聞社/1988年
品切れ中
Condition;少ヤケ、最終ページに書き込みアリ

浪漫と夢にあふれた作風で知られる、高畠華宵の展覧会カタログ。津村順天堂の婦人薬「中将湯」の広告ポスターで画業をスタートし、大正から昭和初期にかけて、雑誌『少年倶楽部』や『少女画報』などを舞台にして、華やかに活躍した華宵。すずやかで凛々しい美少年たち、端正で気品ある美少女たち、が満載のカタログです。昭和5年にすでに発売されていた“バスクリン”の缶でも、彼の絵が使われていたのですね。25.7cm×21.2cm、117頁。


弥生美術館 大衆のこころに生きたさし絵画家たち
鹿野琢見/弥生美術館/1990年
品切れ
Condition;良

個人のコレクションをもとに開設された、弥生美術館が所蔵する、さし絵画家たちを紹介したカタログ。こういった個人が収集して成った美術館には、収集家の情熱が染みとおっていて、公立の美術館にはない、味わいがあります。このカタログには、高畠華宵を中心に、少年少女雑誌で活躍したさし絵画家たち、児童文学で活躍したさし絵画家たち、大衆文学で活躍したさし絵画家たち、の表紙絵、さし絵、ポスター、付録などが多数紹介されています。26cm×21.6cm、103頁。


川上澄生美術館 開館記念特別展 「若き日の川上澄生」
川上澄生美術館/1992年
品切れ
Condition;良

モダンで心を穏やかにしてくれる版画家・川上澄生の作品が、多数掲載されているカタログ。ただ、1ページごとに掲載されている図版を、もう少し大きくしたほうがいいように思います。また、「ごあいさつ」に、市長が登場していると、急に心が冷めてしまうのは、なぜなのでしょうか。スミマセン、図録作成のご苦労も考えず、個人的な意見を述べてしまいまして。でも、川上澄生の作品は、ほんとに心を和ませてくれますし、どこか遠い国へ旅をしているような気分になります。29.6cm×21cm。


日本のアール・ヌーヴォー
海野弘/青土社/1988年初版
品切れ
Condition;良

アール・ヌーヴォーはよく知られているように、日本美術の影響を受けています。でも、反対に、「アール・ヌーヴォーが、日本の近代美術に与えた痕跡はきわめてさがすのがむずかしい」(著者)。それらを新たな視点で拾い上げてまとめたのが本書。取り上げられている画家は、橋口五葉、杉浦非水、藤島武二、山本鼎、青木繁、田中恭吉、恩地孝四郎、タケ・サトーなど。同じ表題で、同社より1978年に刊行されたものがありますが、こちらは新装版。21.6cm×15.2cm、299頁。


ポール・ジャクレー
横浜美術館/淡交社/2003年
品切れ
Condition;良

横浜美術館で開催された展覧会のカタログ。パリに生まれたポール・ジャクレーは、1897年、3歳のときに家族とともに日本へ移り住み、池田輝方夫妻のもとで日本画を学び、やがて、浮世絵風の多色木版画を制作するようになります。それらの版画は、日本やアメリカでもファンが多かったのですが、この展覧会で、初めてまとまった形で彼の作品が紹介されたそうです。ほのぼのとしていながら、色気のある不思議な作風です。24cm×19cm、191頁。