レヴォリューションズ

世界革命の日は近い。政治だけじゃなく、芸術も燃えた。

写真集 ロシア 1917
ジョナサン・サンダース編著/アイピーシー/1991年初版
品切れ
Condition;良、函付

ニューヨークのアベヴィル・プレス社から1989年に発行されたものの日本語版。世界が仰天したロシア革命の1917年。この1年間の出来事を300以上の貴重な写真をもとに構成し物語っています。一枚一枚の写真から語られるものは、過去のこととして簡単に葬られることは決してできない迫力に満ちたもの。このエネルギーは素直に「美しい」と言ってしまいたい。翻訳にあたった藤岡啓介の文章から−「彼らが四十年余り、いや七十年余にわたって演じてきた喜劇を、われわれは喜劇として捉えてよいのだろうか。それどころか、われわれが今、彼らがまだ経験していない喜劇を演じているのではないだろうか」。29cm×23.3cm、260p。


ポスター芸術の革命 ロシア・アヴァンギャルド展
海野弘ほか/東京都庭園美術館/2001年
品切れ中
Condition;良

東京都庭園美術館で開催された展覧会のカタログ。副題は“ステンベルク兄弟を中心に”。保守派陣営が一掃されてしまったロシア革命。美術界でも、いままで社会の片隅で活動していた若くて先鋭的なアーティストたちが、いっせいに桧舞台に上がるという前代未聞の状況となってしまいました。この展覧会では、それらロシア・アヴァンギャルド芸術の中から、「映画ポスター」と「プロパガンダ・ポスター」を取り上げ、前者では、ステンベルク兄弟を中心に構成。後者では、リシツキーやロドチェンコらの構成主義ポスターを紹介しています。さらに30年代に、社会主義リアリズムが取り入れられ、ロシア・アヴァンギャルドが終末をむかえる様も提示。29.6p×22.6p、189頁。


アール・ヴィヴァン 特集=ロシアン・アート1900-1930
西武美術館/1982年
品切れ
Condition;少ヤケ、中身は問題なし

ロシア革命前後に起こった芸術運動「ロシア・アヴァンギャルド」。独創性に富んだ壮大な芸術実験の全体像を、豊富な写真を使用した年表形式で紹介しています。こういった単純な形式が一番分かりやすく読んでいるほうも楽しい(難解な論文が苦手な私の個人的な意見ではありますが)。詩人・フレーブニコフの「ザンゲジ」の翻訳と「『ザンゲジ』上演をめぐる三つの資料」としてタトリンなどの文章も掲載されています。特集とは関係なく、1898年〜1968年までのインダストリアル・デザインの写真年表が載っているのも、うれしい。25.7cm×18.1cm、302頁。


ロシア・アヴァンギャルド作品集 革命と芸術の時代
ソヴィエツキー・フドージニク社(日本語版アイピーシー)/1989年初版
品切れ
Condition;日本語訳解説の背が少ヤケあり、函付、2冊組

1988年にモスクワで出版された『ソヴィエト美術1920年代−1930年代』に別冊として日本語訳解説を付して刊行されたもの。訳者の大石雅彦の文章から抜粋します。「半世紀以上にわたり、ロシア・アヴァンギャルドを『ロバの尻尾で描いたものだときめつけ無視し、時にはブルドーザーで抽象絵画の展覧会を排除するという蛮行さえ犯したソ連本国でも・・・長いあいだ評価基準を国内に設定してきたソ連文化が外へむかおうとしたとき、かつて国際性を誇っていたロシア・アヴァンギャルドにまず目をむけたのは、自然なことといえよう」。


ロシア・アヴァンギャルド 未完の芸術革命
水野忠夫/PARCO出版局/1988年3版
品切れ
Condition;良、カバー付

序より抜粋します。「政治の歴史に切り捨てられ、忘却の淵に置かれた文化の可能性を汲みつくすことなしには、ロシアの革命の歴史を語ることも許されないのではないだろうか。タトリンとマレーヴィチの文章のなかで見過ごせないのは、ロシアでは芸術革命が政治革命に先行していたという事実である。そして政治革命に先行し、政治革命の推移の過程で異議申し立てを行なう権利を保有しつつ芸術革命を展開したのが、ロシア・アヴァンギャルドの芸術運動にほかならなかった」。21cm×14.7cm、285p。


ロシア・アヴァンギャルドを読む ソ連芸術記号論
イヴァノフ、ロートマン/桑野隆編訳/勁草書房/1984年初版
品切れ
Condition;良

記号論で知られる著者によるロシア・アヴァンギャルドの論文を桑野隆が編集した書。本書を編むにあたって、この芸術運動がほぼ共有していた「言語」を明らかなものにするため、ソ連みずからの記号論に依ることにした、と「訳者あとがき」にあります。「演劇」、「映画」、「美術」、「詩」、「祝祭」に分けて編まれています。19.5cm×13.5cm、247頁。


ダダと構成主義展
神奈川県立近代美術館ほか/1988年
品切れ中
Condition;良

ダダと構成主義の関連を5つのセクション(T先駆、Uダダ作品、V基本要素と構造、W構成主義的素材、X総合的作品)に分けて分類・構成した画期的な展覧会のカタログ。未発表の貴重な写真も多数掲載されています。 また、日本のダダについての水沢勉や五十殿利治の論文もあります。28p×23p、198頁。


構成主義と幾何学的抽象
東京国立近代美術館/1984年
品切れ中
Condition;汚れ

構成的・幾何学的な抽象様式を紹介した展覧会のカタログ。ロシア革命後にさかんに創造された構成主義芸術。それと、ほぼ時期を同じくしてオランダに生まれたデ・ステイルで試みられた、純粋な構成要素による創作も、構成主義と共通した性格がありました。そして1920年代に入ると、さらに、進歩的なグループも加わった交流が行なわれ、構成主義的作風は、全ヨーロッパに広がりをみせていきます。このカタログでは、戦後の作品も含め、それらの系譜を包括的に紹介。図版では、欧州のキュービズム、構成主義、未来派、デ・ステイル、バウハウス、ウルム、構造主義、などの流れを追いながら、作品を掲載していますが、日本の大正期振興美術運動について触れたテキストもあります。28p×21.4p、189頁。


ダダ展 世界のダダ運動の記録
ハンス・リヒターほか/東京ドイツ文化研究所/1968年
price;\5,200
Condition;良

ハンス・リヒターの構成により、国立近代美術館で開催された日本で初めて「ダダ」の運動の全貌を紹介した示唆的な展覧会のカタログ。この展覧会ではカタログには掲載されていませんが日本のダダイストの作品が出品されていたようで、かの村山知義の作品「ニイッディー・イムペコーフェンによって踊られたる『御意のまま』」なども展示されていたらしい。おそらくこの展覧会あたりから大正期振興美術運動の再考がはじまったのではないでしょうか。21.9cm×20.8cm。


ダダの冒険
ジョルジュ・コニエ/美術出版社/1971年初版
price; ¥1,000
Condition;函欠け

この本の原書は1957年フランスで出版されたもので、1959年に美術出版社より日本語訳が出されていますが、この'71年のものはさらに訳の改訂、オリジナル写真資料による図版、書誌、展覧会の記録が加えられています。訳者あとがきにもあるように、この原著書は、異例の短期間に書かれていて、説明不十分な箇所や著者特有のひとりよがり的表現が目につきます。でも、ダダを小難しく論じれば論じるほど、それはダダ的精神からドンドン離れていってしまうように感じます。それゆえ、このような臨場感ある文体はかえってピッタリくるのではないでしょうか。


PICABIA
Didier Imbert Fine Art/1990年
品切れ
Condition;ヤケ

テキスト・仏文+英文。パリで開催されたピカビアの展覧会のカタログ。図版が豊富で、それぞれの図版に、所蔵、これまでの展示履歴、掲載文献が記されていて、研究者にとっては重宝なのではないでしょうか。28cm×22.2cm、231頁。


FRANCIS PICABIA Exposicio Antologica
Fundacio Caixa de Pensions(BARCELONA)/1985初版
品切れ
Condition;カバー痛み、ヤケ

テキスト・スペイン語。1985年にバルセロナで開催されたピカビアの大展覧会のカタログ。スペイン語がわからなくても、質・量ともに豊富な図版で、ピカビアの仕事の全貌をとことん紹介していて、充分に堪能できます。草稿なども掲載されていて、専門の方にもお薦め。29.8cm×24cm、 380頁。


ピカビア展(雑誌「391」縮刷版との2冊組)
横尾忠則ほか/アプトインターナショナル/1999年初版
品切れ中
Condition;良、函付き

伊勢丹美術館ほかで開催された回顧展のカタログ。多くの人々を魅了してやまない、イマジネーションの怪物・ピカビア。その派手で奔放な表現とライフスタイルを、このカタログ自体が表現しようとしているのか、大変スタイリッシュで凝った作りの本。横尾忠則の「ピカビアと私の因果関係」という文章も収められていて、彼自身、相当の影響をピカビアから受けているらしい。また、ダダ時代のピカビアが大きくクローズアップされる傾向がありますが、作風は、その奔放な性格同様、時代とともに次々変っていて、その変換の歴史を、わかりやすくたどれる「ピカビア作品変換一覧」というのが附属していて、うれしい。ピカビアが、1917年から1924年にかけて、パリやバルセロナで発行した雑誌「391」の縮刷版も、付いています。25cm×18.5cm、カタログ・225頁、「391」縮刷版・120頁。


シュヴィッタース展−都会でひろったDADA−
中原祐介ほか/西武美術館/1983年
品切れ中
Condition;良

西武美術館で開催された展覧会のカタログ。クルト・シュヴィッタースは、ドイツのハノーヴァーで独自の「ダダ」を展開した人。街で採集した多種素材を、貼り付けたり打ち付けたりして構成する「メルツ絵画」を編み出し、さらにエスカレートして「メルツバウ」と称し、彼の自宅内部にゴミや石膏による立体幾何形態を所狭しと設置して建築空間までも犯し(?)はじめてしまいます。日本発のダダイスト村山知義にも多大な影響を与えたと言われています。装丁デザインは田中一光。29cm×22cm、189頁。


Kurt Schwitters
ポンピドゥーセンター/Beaux Arts Magazine/1994年
品切れ中
Condition;良

テキスト・フランス語。薄手の書籍ながら豊富な図版を使用してシュヴィッタースを紹介しています。 28.5cm×21.9cm、63頁。


LES 3 DUCHAMPS (デュシャン三兄弟)
東野芳明ほか/ギャルリー・ところ/1984年
品切れ
Condition;少ヤケ

個人画廊ながら注目すべき作家を紹介してきたギャルリー・ところが発行したカタログ。長男のジャック・ヴィヨンは「セクション・ドール」の抽象画家に、レーモン・デュシャン・ヴィヨンはキュビスムの彫刻家に、マルセル・デュシャンはダダの法王に。「彼らの選びとる3本の道、彼らの作品は、それ自体でひとつの運動であった」(ベルトラン・ロルカン)。 29cm×23.3cm、105頁。


マルセル・デュシャン 反芸術としての芸術
ジャニス・ミンク/タッシェン/1996年
品切れ
Condition;良

タッシェンが発行した日本語版のデュシャンの本。図版を多用して、デュシャンの全貌をわかりやすく解説しています。30p×23p、95頁。→more


モホリ・ナジとドイツ新興写真
大辻清司ほか/東京都写真美術館/1990年初版
品切れ中
Condition;良

新興芸術の実験場と化していた20年代のドイツで活動したモホリ・ナジを代表する新興写真家を紹介する展覧会のカタログ。ナジは、1918年に前衛グループ「MA」に参加し、構成主義的作品を創作、1921年にはベルリンに移り、ロシアのシュプレマティズムと構成派の影響を受け、方向性を確立しました。バウハウスにも教授として招かれたこともあり、さまざまなジャンルの創作を行なっていたなかで、写真にも興味を示し、「リアル・フォト」、「フォトグラム」、「フォトモンタージュ」などそれぞれ独自の作品を制作します。それらとともに、同時代の作家、エンネ・ビールマン、ポール・シトロエン、カール・シュトラウプなどの作品が掲載されています。29.7p×21.4p、123頁。


チャペック兄弟とチェコ・アヴァンギャルド
水沢勉ほか/神奈川県立近代美術館/2002年
品切れ中
Condition;良

これまであまり知られることのなかったチェコのアヴァンギャルド芸術家たちの装丁本を中心とする興味深い展覧会のカタログ。第T部「チャペック兄弟」、第U部「チェコ・アヴァンギャルド」の2つに分けて構成しています。「ロボット」という言葉が最初に用いられた戯曲『R.U.R.』や、『ダーシェンカ』や『園芸家の1年』の著者として知られるチェコの国民的作家カレル・チャペックと、彼の著作の装丁や挿絵を手掛け、キュビズムの画家としても知られる兄ヨゼフ・チャペック。 そして同時代に活躍したチェコのアヴァンギャルド・グループ「デェヴィエトスィル」のカレル・タイゲ、オタカル・ムルクヴィチカなど。彼らの仕事は、前衛的でありながら優しさや温かみが感じられ、こんな装丁本をいつかきっと探し出して、ずっと側に置いておきたい。 21.5cm×17.4cm、285頁。


日本のダダ 1920-1970
白川昌生編/風の薔薇/1988年
品切れ中
Condition;少ヤケ

日本のダダの全貌を写真記録というかたちで編んだ本。第一部「探究の試み」では阿部良雄、中原祐介らの論考。第二部「資料と回想」では、村山知義ほかによる「マヴォ宣言」、吉原治良の「具体美術宣言」、中西夏之の「ハイレッド・センターについて」など。第三部の「写真記録」では「マヴォ」「具体」「60年代の前衛グループ」が収められています。30.3cm×21.8cm、159頁。


1920年代日本展 都市と造形のモンタージュ
東京都美術館ほか/1988年
品切れ中
Condition;良

絵画、彫刻、写真、建築、都市計画、舞台、映像、工業デザインなどの新しくて前衛的な表現を中心とした構成により、もうひとつの1920年代の日本を検証した画期的展覧会のカタログ。 「1920年代への序奏」 「機械・ダイナミズム・構成」 「都市・モダニズム・大衆」の三つテーマに分けて構成しています。この展覧会により村山知義や柳瀬正夢らを中心とする前衛美術団体「マヴォ」の存在に脚光が浴びせられるようになったのではないかと思います。いずれにしても珍しくて貴重な図版や資料が多数掲載されたカタログです。28cm×22.5cm、333頁。


激動期の詩と詩人
伊藤信吉編/「激動期の詩と詩人」刊行会/1993年初版
品切れ
Condition;良

民衆詩からアヴァンギャルド詩、そしてプロレタリア文学への移行展開を座談会や対談などの各個人の肉声を中心に編んだ書。目次より−「プロレタリア文学の現状を語る会」、「民衆詩派について語る会」、「革命の芸術と芸術の革命・『赤と黒』『マヴォ』の時代」、「民衆詩派をめぐって」、「芸術革命と革命芸術・詩とアナーキズム」、「詩的体験の史的意味」、「プロレタリア詩運動の軌跡」。巻末部分には「事項」として関連雑誌の一覧と説明、人物紹介などがあって便利です。


再録 写真論 1921−1965
大島洋・選/東京都写真美術館/1999年初版
price;¥1,000
Condition;良

「光画」「アサヒカメラ」等の雑誌に発表された、1921から65年の重要な写真論をまとめたもの。目次より−「写真の辛苦」(内田魯庵)、「写真の新使命承前」(福原信三)、「 写真の新しい機能」(村山知義)、 「写真芸術の内容と形式」(伊奈信男)、「壁」(中井正一)、「『見ること』の意味」(中井正一)、「写真芸術における現実性について」(長谷川如是閑)、「写真芸術のリアリズム」(岩崎昶)など。


ユリイカ臨時増刊 総特集ダダイズム
種村季弘・編集/青土社/1979年初版
品切れ
Condition;ヤケ激しい

「騒ぎが終わると帰っていった。ある者は小市民に、ある者は旅先で失踪、ある者は精神病院に、またある者は墓石の下」。種村季弘の前口上からですが、そういえば「長生きしたダダイスト」の生き様はどんなだったんだろう、と考えてみたくなる。収録された高橋新吉の「ダダと禅」と題する彼の文章には「禅」に出会って「ダダ」に絶縁したとあります。22cm×14.2cm、422頁。


複製技術時代の芸術
ヴァルター・ベンヤミン/晶文社/1976年
price;\800
Condition;少ヤケ

1936年に複製芸術の本質に着目した著者の代表作と見なされている「複製技術時代の芸術作品」のほか、「ロシア映画芸術の現状」「写真小史」「エードゥアルト・フックス」を収録した書。「複製技術のすすんだ時代のなかでほろびてゆくものは作品のもつアウラである」。現代でもさかんに引用されるこのベンヤミンの言葉。でも、古書店を廻ると確実にアウラ(オーラ)を発している本=複製品があります。得てしてそれらの本には法外な値段が付いていて私たちには買えない。ただ仰ぎ見るだけなのです。19.1cm×13.4cm、164頁。


赤露の皇帝 スターリン
ボリス・バヂャノフ/先進社/昭和6年初
price;¥1,500
Condition;汚れ・シミアリ

ハデな表紙に惹かれて購入してしまったものですが、この当時これほど詳細にスターリン批判をした著書は珍しいのではないでしょうか(詳しくないので安易なことはいえませんが)。著者のボリスは、両親や妹を過激派に虐殺され、憤然スパイ生活をはじめ、1923年ついにスターリンの秘書にまでなった 人物。「彼の辛辣なる筆は、怪物の正体を確然と捉え全ロシア専制君主スターリン及び革命の老将、何ものをも焼き尽くす如き熱血児トロツキーと彼等をめぐる主要人物の内面生活に至るまで、生生と暴露している」とはしがきにあります。18.7cm×12.7cm、270p。


太陽のない街(復刻版)
徳永直/ほるぷ出版/1979年
price;¥1,000
Condition;良、函付

昭和4年、戦旗社より出版された書の復刻版。小石川の共同印刷争議を材に取り、その印刷会社の労働者だった徳永直がプロレタリア雑誌「戦旗」に連載したものを本としてまとめたもの。プロレタリア文学の嚆矢と謳われ、出版の翌年には村山知義らの左翼劇場などでたびたび舞台化され、戦後には映画化もされました。装丁は柳瀬正夢、挿絵は目黒生。プロレタリア美術といってもこの二人の絵には躍動感があり、構成主義的表現も見られ魅力があります。18.9cm×12.2cm、311頁。


社会主義と民衆 初期社会主義の歴史的経験
星乃治彦/大月書店/1998年初版
price;¥1,000
Condition;ヤケ

「何十万の理論書よりも、当時の民衆のリアルな『声』の方がはるかに説得力がある」(著者)。20世紀の壮大な実験だった“社会主義”は、民衆たちの目に、どう映り、どう評価され、魅惑され、そして失望していったのかという視点で展開した本。第一章「初期社会主義イメージの展開」では、当時のポスターの図版をたくさん使用して、幻想を含めた社会主義的イメージの変換を分析。そのほか、第二章「抗議と警鐘」では、東ドイツ1953年6月17日事件とハンガリー動乱、第三章「『プラハの春』のなかの民衆意識」、などを論じています。19.6p×14.5p、265頁。


全体芸術様式スターリン
ボリス・グロイス、亀山郁夫ほか訳/現代思潮社/2000年初版
price;¥1,800
Condition;良、裏表紙に少シミ

ロシア・アヴァンギャルドは、社会主義リアリズム導入によって葬られたとする通説を打ち破り、議論を投げかけた書。著者は、社会主義リアリズムがむしろロシア・アヴァンギャルドの精神を継承したものであるという衝撃的なテーゼを提唱しています。19.5p×13.3p、262頁。