三岐鉄道 101系
クモハ101形(101〜105)
クモハ101形(102〜106)

 1990(平成2)年12月、廃車になるモハ125・クハ215の代わりに、西武鉄道401系を譲り受け101系101F(101+102)として竣功した。1991(平成3)年6月に103F(103+104)、1993年(平成5)6月、105F(105+106)が増備された。
 西武鉄道時代、101・103Fは1964(昭和39)年12月に411系411F(クモハ411+クハ1452(2代目))・413F(クモハ413+クハ1454(2代目))として竣功した。1978(昭和53)年5月には、電気機器や台車などを新造して高性能化、さらに冷房化も行って401系401F(クモハ402+クモハ401)・405F(クモハ406+クモハ405)となった。105Fは1965(昭和40)年8月に411系415F(クモハ415+クハ1456(3代目))として竣功したが 、1978(昭和53)年9月に401系409F(クモハ410+クモハ409)となった。401Fが1990(平成2)年9月、405Fが翌年3月、409Fが1993(平成5)年1月にそれぞれ廃車となった。なお、401系はまず三岐鉄道へ譲渡されたが、2輌編成冷房車のため、地方私鉄で使い勝手がよく、上信電鉄150系や近江鉄道700系・800系として未改造の1編成を除き活躍している。
 2輌固定編成で601系と同じ切妻非貫通運転台、両開き3扉車。腰部には801・851系同様、ステンレス補強板が取り付けられているため、前面のオレンジ色の塗分け方が601系とは変更された。そして、1990年代後半に前面塗り分けが若干変更され、801・851系と同じ「∨」型になった。前照灯は、モハ155などの廃車再利用の2灯シールドビームに交換されたため601系とは形状が異なる。妻面貫通路は広幅で、扉は設けられてない。入線に際し、保々車両区でATS機器・ワンマン設備が取り付けられた。性能的に801・851系と全く同じで、台車は空気バネのFS372であったが西武鉄道で再利用するため、コイルバネのFS342に交換された。クモハ101形は奇数車・偶数車があるが、西武鉄道時代の偶数車が奇数車となっていて、三岐鉄道回送前に西武線内で方向転換されている。これはパンタグラフ装備車を富田向きとしているためで、同一の機器を持つ801・851系とは方向が異なっている。全車801・851系同様の集中型冷房装置CU72B(42000kcal/h)とラインデリアを搭載している。入線時は西武型無線アンテナが全車に付いていたが、偶数車は取り外され601系電気機関車に流用された。しかし、近年は偶数車にも復活している。ただし、クモハ104には解体された東武鉄道ED5069のモノポール型が取り付けられている。また、2010(平成22)年5月に、751系とともに部品取得用に譲受の西武鉄道新101系モハ238・クハ1238の「金物ガラス押さえ」客扉を105Fへ転用している。
 2012(平成24)年8月末から、105Fが「ラッピング電車」として運行開始した。広告主は「名泗コンサルタント」で四日市市内の不動産会社である。
2013.1.3 更新
主要諸元
形式 車号 最大寸法(長巾高) 自重(t) 定員(席) 主電動機 出力(kW) 歯車比 台車
クモハ101 101・103・105 20000×2937×4140 38.00 156(66) HS-836-Frb 120×4 15:84 FS342
クモハ101 102・104・106 20000×2937×4035 38.00 156(66) HS-836-Frb 120×4 15:84 FS342
車輌画像
101系105F西武鉄道線内試運転の画像へ (山下満氏 撮影)
101系105F甲種列車輸送の画像へ

クモハ101

1994.2.6

保々車両区

クモハ102

2000.5.28

保々車両区

クモハ103

1994.11.23

保々車両区

クモハ103

1999.11.23

保々

クモハ104

2003.2.2

保々車両区

クモハ105

1999.5.30

保々

クモハ106

1993.8.13

保々車両区

クモハ105
「名泗コンサルタント」

2012.9.5

保々−
北勢中央公園口

クモハ106
「名泗コンサルタント」

2012.10.7

山城−保々

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