三岐鉄道 801系
クモハ801形(801〜805)
モハ801形(802〜806)
クハ1801形(1802・1804)

 1989(平成元)年12月、廃車になる501系505Fの代わりに、西武鉄道701系を譲り受け801系801F(801+802+1802)として竣功した。三岐鉄道初の冷房車。1992(平成4)年7月に803F(803+804+1804)、1997(平成9)年10月、805F(805+806+1852(851系))が増備された。
 西武鉄道時代、801Fは1967(昭和42)年1月に779F(1779+779+780+1780)として、803Fは1966(昭和41)年7月に771F(1771+771+772+1772)として、805Fは1967(昭和42)年1月に781F(1781+781+782+1782)としてそれぞれ竣功した。当初は非冷房でクハの台車はTR11Aであったが、後に新造台車FS072に交換された。771F は1977(昭和52)年2月、779Fは同年7月、781Fは翌年9月に冷房化を行いパンタグラフを2基とし、ブレーキのHSC化も行った。779Fが1989(平成元)年5月に、771Fが1992(平成4)年2月に廃車となった。781Fは最後まで残った701系であるが1997(平成9)年2月に廃車となった。
 3輌固定編成で501系から受け継がれている湘南タイプ非貫通運転台、両開き3扉車。前頭部の大型方向幕と腰部のステンレス補強板がアクセントである。その補強板のため、前面のオレンジ色の塗分け方が変更された。妻面貫通路は広幅で、クモハのみ両開き扉が付いている。西武701系は4連のため、所沢工場でクハ(奇数車)の運転室部分を切断し、モハ(奇数車)に接合するという、鉄道模型のような大改造を施してクモハが誕生し3連となった。ちなみに、同じ元西武701系である伊豆箱根鉄道1100系も3連化されているが改造方法が異なり、同社大場工場でモハ(奇数車)の機器と台車を外して、クハ(奇数車)に移設している。
 三岐鉄道入線に際して、保々車両区でATS機器・ワンマン設備が取り付けられている。台車は全車FS342でクハ1802・1804は、空気バネのFS072を西武鉄道で再利用するために交換された。しかし、最後に入った805Fのクハは交換されなかったため、851系クハ1851形1852となった。全車に集中型冷房装置CU72B(42000kcal/h)とラインデリアを搭載している。西武型無線アンテナがすべての先頭車に付いていたが、クハのものは取り外され601系電気機関車に流用されていたものの、再び復活している。
 2005(平成17)年8月20日から、801Fが三岐鉄道初の「ラッピング電車」として、運行開始した。広告主はクモハ801・モハ802が「名泗コンサルタント」、クハ1802が「ヘイセイクリエート」でともに四日市市内の不動産会社である。2008(平成20)年11月に「ヘイセイクリエート」、2009(平成21)年8月に「名泗コンサルタント」がそれぞれ契約期間が終了してラッピングは剥がされている。
2011.7.17 更新
主要諸元
形式 車号 最大寸法(長巾高) 自重(t) 定員(席) 主電動機 出力(kW) 歯車比 台車
クモハ801 801・803・805 20000×2865×4045 37.00 156(66) HS-836-Frb 120×4 15:84 FS342
モハ801 802・804・806 20000×2865×4140 37.00 167(72) HS-836-Frb 120×4 15:84 FS342
クハ1801 1802・1804 20000×2865×4045 31.00 156(66) FS342
車輌画像
クモハ801

2002.3.24

保々車両区

モハ802

2002.3.24

保々車両区

クハ1802

2002.3.24

保々車両区

クモハ803

1992.7.22

保々車両区

モハ804

2004.7.3

三里

クハ1804

2002.3.24

保々車両区

クモハ805 試運転

2004.2.20

三里

モハ806 試運転

2004.2.20

三里

クハ1852 試運転

2004.2.20

三里

クモハ801
「名泗コンサルタント」

2005.8.20

三里

モハ802
「名泗コンサルタント」

2005.8.20

三里

クハ1802
「ヘイセイクリエート」

2005.9.8

山城−保々

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