三岐鉄道 デキ200形
デキ200形(202・203)
 1963(昭和38)年4月に日立製作所水戸工場で製造された秩父鉄道デキ200形202・203で、大井川鐵道ED501形同様、中部国際空港建設用埋立土砂輸送の補機として、急遽譲り受けることになり、2000(平成12)年6月にトラック輸送で保々車両区へ回送され、7月にデキ200形202・203として竣功した。秩父鉄道に残っているデキ200形201は、SL列車「パレオエクスプレス」の補機として塗装変更されて活躍している。
 デキ200形は、東藤原にある太平洋セメント藤原工場内でのホキ10000形の入換専用機で、作業は1輌のみ使用で、もう1輌は予備となり保々車両区で休んでいる。そのため、重連総括制御装置・ATS機器の取り付けは行われず、本線走行は出来ない。社紋を交換しただけで塗装の変更もなく、秩父鉄道時代のブルーのまま使用されている。
 主電動機は230kWで出力はED45形よりかなり大きい。台車はL型軸梁式という特殊な構造で異彩を放っている。デキ202はスノープロウを取り付けられるように改造されている。また、デキ203は2002(平成14)年10月14日の鉄道の日には、保々〜西藤原〜保々で601系607Fを牽引している。
 中空輸送終了後は予備機扱いとされながらも車輌検査は行われ、デキ202は東藤原、デキ203は保々車両区や富田駅構内に留置されてきた。しかし、ED5081形の改造工事が始まると、除雪作業からも外れ、2011(平成23)年3月末に廃車となり、伊勢治田駅構内で2009(平成21)年2月に廃車となった601系2次車とともに留置されていたが、2013(平成25)年3月に解体された。  
2016.8.13 更新
主要諸元
形式 車号 最大寸法(長巾高) 自重(t) 主電動機 出力(kW) 牽引力(s) 歯車比 台車
デキ200 202・203 12600×2727.8×4055.8 50.40 HS277Dr 230×4 9440 18:73 L型軸梁
車輌画像
デキ202の除雪試運転画像へ
デキ202

2000.9.7

保々車両区

デキ202

2000.11.4

保々車両区

デキ203

2000.9.26

保々車両区

デキ203+601系607F

2002.10.14

丹生川−伊勢治田

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