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…あとがき…

 

 こんにちは、広瀬もりのです。

「淡雪燃えて」から始まって、「赫い渓を往け」「並木通りのシンデレラ」…と続いて。長丁場のシリーズ、ここでどうにか一区切りです。長い間お付き合いいただいた皆様、そしてつい一気に読破してくださった情熱的(?)な皆様…ご満足いただけましたでしょうか? ちゆ先生、どうにか幸せになりました。良かったですね〜。

 今回、すごかったのは何と言っても中盤からの感想掲示板における「惣哉さんバッシング」…女性週刊誌ですか、ここ? と言わんばかりの荒れように…作者、笑ってました。そして、友達が「…みんなちゆ先生が大好きなのね…」とぽつりと呟いたのが妙に印象的でした。ファンクラブ会長、泣いてるし(苦笑)。
 確か…惣哉さんって、ウチのサイトの1周年アンケートの時点では…1位だったんですよね? そうですよね? 僅差ではありましたが。言うなれば「一番人気カップリング」のお話だったんです。本当はね〜「さかな」を決着つける筈だったのです、それを「せっかく読者様に支持されているんだし…」と思って差し替えたら、こう(笑)。

 今、仲間うちでは「キャラクター人気投票」なるものが流行っています。でもウチのサイトは「マイナス票のつけられるCGI」じゃないと駄目なので、設置できないわ。まず、キャラが多すぎて無理という話もある。ちょっと見てみたいですね、ガンガンとマイナス票の入っていく惣哉さん。

 …ごめんなさい、作者、このシリーズのイチオシは…朔也なんです。

 今回は千雪視点。でも序盤は千雪の心境を余り出さないようにしました。もともと千雪は淡々としたタイプですので、感情の起伏も少ない。あるべきものを受け入れて、届かないものを追ったりはしない。まあ、悪く言えば「人生投げてる」タイプです。周りを幸せにする方法は知っていても、自分が幸せになる方法は知らない。
 でも彼女が「捨てられない」と初めて強く思ったのが「子供」であり、捨てたくても捨てきれなかったのが「惣哉の存在」だったわけです。

 最初から気付いていたはずです。惣哉と一緒になればどれくらい苦労するか。辛い思いをするか。それが分かっていても千雪にとってはそれを上回る感じで惣哉が必要だったわけで。「そこまで入れ込むだけの魅力が果たして彼にあるか?」と言われるとちょっと困りますが、やはり…「恋は盲目」、好きと言ったら好きなんです。多分、彼女自身がそんな自分をもてあましていたと思います。

 一方、惣哉さん。

 もう、幸せ馬鹿です。きっぱり。
 性格からすると、結構似てるんですよね、このふたり。お育ちの分、惣哉の方がのほほんとしてますが。この立場が災いした「他人任せ、寄っかかり」の姿勢が、今回は出てきてしまったのです。途中からお気づきの方もいらっしゃいましたが、惣哉さんがいかに「自分で」動くことが出来るか? と言うのが今回の最大のテーマでした。
 なかなか動かないもんだから、その分、千雪にしわ寄せが行って…彼女は大変だったんですね。千雪も千雪で惣哉には無理だと思ってましたから…ひとりで頑張っちゃった。あああ、最悪の堂々巡り、良くもまあ上手くまとまったものです。

 普段、他人任せが慣れている人間は自分で動くことが下手です。重い腰もなかなか上がらない。ま、明日からにしようかなって考えて。大切なものを失ってしまうことも多いと思うんです。やはり「幸せ」は簡単には手に入りません、努力が必要です。

 脇キャラさん。

 村越夫人…コテコテの悪い人には出来ませんでした。こういう権力にすがってしまう人はいると思うんです。彼女なりに努力はしてるけどなかなか上手く行かない。空回りばかりしている。そして間違ったベクトルの方向が千雪に向いてしまったわけで。こういう生き方の下手な人って結構好き、でも近くには来ないでください。

 さくやズ…あはは。今回は朔也を書くのが楽しかったです。可愛いわ、全く。千雪も弟と重ね合わせる部分がありますので、朔也のことは特別の想いで見てますね。咲夜は…やはり動かすのが難しいキャラ。お嬢様ってよく分からない…。彼らが日本の将来を担うことになるのですから、大丈夫でしょうか??

 タクミ君…いいな〜この人。書きやすかったです。彼がいなかったら、そもそも千雪たちはくっつかなかったのではないかな。もっと書きたかったです。脇なのが残念。

 そして、あまり出番のなかった惣哉パパ・政哉氏。私は好きなんですが…彼が動いたら、惣哉は変われませんから、涙を呑みました。最後に彼にとっての永遠の女性から託されたものを次代に伝えられたので良かったかな? 幸さんも…もうちょっと動かしたかったな。

 ラストシーン。

 気に入ってます。だって、これしかないでしょう? 学園が舞台だったんだもの…普通に雛壇に座って披露宴なんて絶対に嫌っ!! 体育館を埋め尽くす列席者たち、もちろん児童と生徒は全員ね。可愛い小等部の子供たちが必死で追った手作りのお花が降りしきる中…もう最高です。
 表現力が付いて行かなくて、私が思い描いたシーンには届かなかったのですが…。

 本当に、本当に、たくさんのご声援、ありがとうございました。こんなに楽しかった執筆は生まれて初めてかも知れません。

 そして「…11番目って…12禁?」と言う名言を吐いてくれた某友人へ…これで良かった? 惣哉さん。満足しましたか? 色々大変ですが、どうかお体に気をつけて(私信?)

 ではでは。また、懲りずにどこかの作品で…お逢いできること、楽しみにしてます。感想・ご意見はメールフォームからお気軽にどうぞv

 本当にお付き合い、ありがとうございました。

2002年7月25日 広瀬もりの

追記>>

番外編をUPしました。まあ、いつもながらのおちゃらけです。お楽しみ下さい。(021021)

番外編2をUPしました。のんびりと雪の日の話。(021210)

◆2002年のバレンタインにUPした小話です、ちょっと手を加えてあります。こちら

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